活動方針

テーマ: 大転換期を越えて、日本が目指す道
~モノづくり・コトづくり・人づくりで築く持続可能な未来~

代表幹事

代表幹事
(株)ジェイテクト
取締役会長
須藤 誠一

はじめに

「 イノベーションとは、生産手段や資源、労働力などを
それまでとは異なる仕方で新結合することである 」
経済学者 ヨーゼフ・シュンペーター

 IoT、AI、ビッグデータに代表される情報技術の革新により、私たちの生活スタイル、働き方が大きく、 急速に変わろうとしている。このような時代の大転換期においては、“高い感度を持つこと”が、今まで以上に重要となるはずである。

 一部の領域において、人間の能力に勝るAIが登場しはじめた現在においても、イノベーションを起こせるのは人間だけであり、 一見関連性のなさそうな事柄にも興味を持てる好奇心と、そこから価値を見いだせる能力は人間の強みではないだろうか。

 本年度の活動を通じて、何か一つでも皆さんにとって良い刺激となり、新たな挑戦に向けた原動力の一助としていただければ幸いである。

1. 活動方針

 世界は二度の大戦後、欧米先進国の主導で、国連・IMF・WTOなどの国際枠組みを構築し、紛争解決や経済発展を図ってきた。しかしながら、こうした欧米主導で進めてきたグローバリズムや資本主義、民主主義といった枠組みが、今曲がり角を迎えている。
 世界人口の急増と新興国の台頭、資源・環境エネルギー問題の深刻化、国際紛争やテロの多発、東アジアや中東諸国での緊張など、国際社会を取り巻く環境は今後も予断を許さない。

 一方、我が国においては、人口減少と少子高齢化・社会保障費の膨張・格差社会、低成長(低生産性)などの課題先送りや、財政破綻の危機など厳しい現実が突きつけられている。問題が益々深刻化し、国際社会における日本の存在感も低下しつつあることから、将来に対する懸念や不安が負の連鎖を引き起こしているとも言えるだろう。
 こうした国家の重大な危機に対し、政府のリーダーシップのみに依存するのではなく、我々経済人として、どういう役割や責任を負うべきか、どういう取り組みをすべきか、様々な観点から問題の理解と将来に向けた解決策の検討を進める必要がある。

 中部経済同友会においても、SDGs、低炭素社会、ESG経営、公益資本主義、Society5.0への取り組みを進め、日本の独自性、価値観・文化を大切にしつつ、常識の殻を破って今までの延長線上にない挑戦を行い、「モノづくり・コトづくり・人づくり」の3つの視点から、持続可能な未来に向けて取り組んでいく必要がある。そのカギとなるのは、日本人の“調和力”(未来との調和、政治・経済との調和、社会・資源・環境との調和)ではないだろうか。

 これまで中部経済同友会では、2015年度には創立60周年を契機に、「訪れたい街、世界を魅了するグローバル中部の未来へ」のテーマで、全国の同友会との議論・行動・発信・連携に取り組んできた。2016年度は「日本と中部の未来を考える」のテーマで、少子高齢化、国際関係、日本の伝統と文化、産業・経済、資源・環境・災害という5つの切り口で活動を進め、2017年度は「時代の大転換期 持続可能な社会を目指し、自ら起こすムーブメント」のテーマで、Culture & Innovationの2つの視座から持続可能な社会への道筋を見出すことを試みてきた。

 こうした活動成果を踏まえ、2018年度においては 「大転換期を越えて、日本が目指す道~モノづくり・コトづくり・人づくりで築く持続可能な未来~」 をテーマとして、「モノづくり・コトづくり・人づくり」の3つの視点で引き起こすイノベーションによって、(1)リスクテークを恐れない中長期視点経営への意識改革(2)イノベーションによる革新的技術と新たな基幹産業の創出(3)異文化・伝統を持つ国・地域への調和と理解をすすめ、持続可能な未来の実現に向けたアクションプランを描き、創り、発信していきたいと考えている。

2. 主な検討項目

 日本の将来の可能性と方向性を探るため、中部の強みであり特長とも言える「モノづくり・コトづくり・人づくり」の3つの視点から、現状の把握と目指すべき方向性及び取組むべき課題について検討する。

3. 活動の進め方

(1)企画委員会の設置

 上記テーマに関する検討を深めると共に、活動成果の取りまとめを行うため企画委員会を新設。既存のものひとづくり委員会の活動課題を継承すると共に、この企画委員会が中心となり、現場視察会などの代表幹事ミッションを企画。加えて、適宜調査も行ない、平成30年(2018年)の年度末を目処に、報告書を取りまとめることとする。

(2)講演会

 月次会員懇談会時の講演会、並びに、幹事会主催の講演会等においては、上記テーマに関連する各方面の講師を招く。

4. 定例活動について

(1)委員会活動

 それぞれの委員会テーマに沿った活動を行うことで、独自性を発揮して頂くことを基本とするが「モノづくり・コトづくり・人づくり」の3つの視点にリンクすることが望ましい。加えて、現地現物での現場視察会や、委員会毎にディスカッションの場を設けることで、考える力・発信する力の強化に努めていただきたい。
 なお、既存の雇用問題委員会は雇用の未来検討委員会へ、会員交流委員会と国内交流委員会を統合し交流委員会へ、それぞれ改称、改組し、活動の更なる充実を図る。

(2)産業懇談会

 産業懇談会は、異業種交流の場として本会の活性化を根底から支えて頂いている。会員同士の研鑽・交流の場として、更なる活性化と新しい試みを期待したい。

(3)地域懇談会

 地域会員同士の研鑽・交流の場とともに、「地方創生」を担う活動拠点としての活性化を大いに期待したい。

 以上、会員同士の研鑽・交流の場をより一層充実したものにするために、会員各位のご協力と積極的な参加をお願いしたい。

以上