産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】 第187号 2017.12.27 発行

メールマガジン■産懇宅配便■

平成29年12月度(第187号) 目次
【29年11月度 産業懇談会(火曜G)模様】 11月14日(火) 12時00分〜14時00分
【29年11月度 産業懇談会(水曜第1G)模様】 11月15日(水) 10時00分〜18時00分
【名古屋いちばん物語】 No.104
【新会員自己紹介】
屬 ゆみ子氏

長瀬電気工業株式会社 代表取締役

【産業懇談会「代表幹事講話」ならびに「新年合同懇親会」開催日程】
【2月度産業懇談会のご案内】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1 【保健師からの健康だより】 No.165
コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.110
コラム3 【苗字随想】 No.187
【29年11月度 産業懇談会(火曜G)模様】

テーマ: 『 竹田印刷の93年と自分の64年;そしてNOW 』


日  時:平成29年11月14日(火) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル
参加者:32名

スピーカー:
井川 誠(いかわ まこと)
竹田印刷(株) 専務取締役経営統括本部長

井川 誠氏

1.竹田印刷の93年

(1)創業期(大正13年〜昭和39年) 紙問屋から活版印刷工場へ
(2)成長期(昭和40年〜昭和46年) 中部No.1印刷会社
(3)発展期(昭和47年〜昭和63年) 東西への拡大、綜合印刷会社へ
(4)伸展期(平成元年〜平成14年) 名商2部上場、各務社長時代
(5)飛躍期(平成15年〜現在) 斉藤社長から山本社長へ、連結決算 売上480億円(H17年度)

2.会社紹介
 竹田印刷グループは、1924年(大正13年)の創業以来、「Hard+Soft+Heart」でお客様満足度No.1企業をめざすという経営理念に従い、事業を展開してきた。
 Hardとは、ハードウェアすなわち大量生産用のオフセット印刷機や小ロット用のオンデマンド印刷機など、事業活動に使用するすべての設備を合理化し、時代とともに変化する社会やお客様のニーズに対応した、高品質で高付加価値な製品やサービスを創り出すことを意味している。
 2つ目のSoftはソフトウェアであり、高い技術力と情報力を活かした創意あふれる提案でお客様が抱える課題を解決することを意味し、設備投資と社員への教育を絶えず継続して、常に技術力を磨いている。また、印刷事業を営む竹田印刷グループには、多くの情報が集約されるという強みがある。蓄積されるさまざまな情報と社員が持つ知恵や豊富なノウハウを活用し、印刷物のみならず、データベース、ネット通販、物流サービスなどの幅広い製品やサービスを提供することで、お客様の課題解決を支援させていただいている。
 3つ目のHeartには、心をこめた製品やサービスでお客様に感動やよろこびをお届けしたいという想いがこめられている。ハードとソフトが重要なのは当然だが、お客様との心の通い合いがなければ、本当に満足してもらえない。社員全員が心をこめて業務に取り組むことで、お客様、そしてお客様に関わるすべての人々にご満足をいただけるものと考えている。
 ハードも大切、ソフトも大切、それにもう一つハートを加えて、竹田印刷グループは「Hard+Soft+Heart」でお客様満足度No.1企業をめざし、事業活動を通して、高度情報化社会の一翼を担い、広く社会の発展に貢献していきたい。

3.自分の64年
 昭和28年に岐阜県で生まれる。旧東海、UFJ銀行勤務の後、竹田印刷(株)へ入社。
 趣味は1993年から現在まで25年書き続けている日記と、2004年から始めた合唱である。会社、合唱等での多くの人との出会いが、私の人生の財産となっている。


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【29年11月度 産業懇談会(水曜第1G)模様】

テーマ: 『 ジェイテクト伊賀試験場 視察会 』


日  時:平成29年11月15日(水) 10時00分〜18時00分
場  所:株式会社ジェイテクト伊賀試験場(テストコース)視察会
参加者:18名

 今回は須藤代表幹事(ジェイテクト取締役会長)のご案内により、ジェイテクト伊賀試験場(テストコース)視察会を開催した。

水曜第1グループ1
須藤会長 ご挨拶
水曜第1グループ2
陰山室長ご説明

1.(株)ジェイテクト 会社概要
 同社は2006年に光洋精工と豊田工機が合併して誕生。世界トップクラスの軸受メーカ光洋精工と、世界有数の優れた技術をもつ工作機械メーカ豊田工機の両社が培ったトップクラスの技術とモノづくりへの情熱を1つにし、自動車部品、軸受、工作機械のシステムサプライヤとして、世界に誇るナンバーワン商品、オンリーワン技術をお客様提供し、社会に貢献し続けている。

2.世界の道を走るジェイテクト
 世界中のあらゆる道を駆けるクルマの「走る」・「曲がる」を熟知する同社は、地球にやさしく、安心・安全な未来の自動車社会のために伊賀試験場を開設。ステアリング、ベアリング、駆動部品の専門メーカとしての知見を活かし、実際にコースでの評価・解析を可能にするとともに、新商品を提供し続け、お客様の開発業務の効率化、開発期間の短縮に貢献している。

<ジェイテクト伊賀試験場(2012年開設)>

  • 敷地面積:50万m2
  • コース面積:17万m2
  • 総合周回路全長:2,200m(直線路1,000m、ワインディング路1,200m)
  • ダイナミクスパッド面積:5.4万m2

3.試乗会
 テストコース内を車窓から見学した後、周回路、ダイナミクスパッド内を参加者のみなさまご自身で運転いただいた。
 新型電動パワーステアリングを搭載した車両や自動運転車両、2系統MCU車両を順番に試乗し、欧州・アメリカでのハンドリングの味付けの違いや先進的な自動運転技術などを現地現物で体感。地球にやさしく、安心・安全な自動車社会の実現を支えている同社の高い技術力に感嘆するとともに、車の未来を想像し、明るい気持ちを抱くことができた。

水曜第1グループ3 水曜第1グループ4
水曜第1グループ5 水曜第1グループ6

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【名古屋いちばん物語】 No.104


テーマ: 『 「住吉の語り部となりたい」 シリーズ第81回 』

料亭つたも主人
深田正雄(栄ミナミ地域活性化協議会)

蔦茂旅館の営業と飲食税・公給領収書

 現在の蔦茂本店玄関は戦災復興直後の昭和21年のままの面影です。植木は樹齢80〜100年で、72年前の植樹以来そのまま元気に育っています。クロガネモチ、棕櫚(しゅろ)2本が緑を保っています。ヤマモモは桜の終わる4月に数珠つなぎに小さな桃色の花弁4枚の目立たない花をつけ、6月ごろに黒赤色の丸い果実を結び、小鳥が群がるのが楽しみです。卯月・住吉の街路樹キクモモの真紅の花との競演は趣豊かな情緒を感じさせます。そして、住吉名物の紅葉が東南角に2本、秋が深まると板場が長い鋏をもって会席料理の飾りに活躍しております。

住吉写真1 住吉写真2

 戦後、朝鮮動乱で産業も復興し景気回復、旅館業から料理業経営に主力を移し、昭和26年には料亭として看板をあげ岩城誠一郎氏設計の別館4階建て鉄筋ビルを建設、玄関と宴会のできる和室を4室つくりビルの中に畳と数寄屋造りの部屋が完成し全国の話題となりました。お庭・建物HP紹介:http://tsutamo.com/first/#garden

住吉写真3
ビル2階「竹の間」
住吉写真4
玄関ビル:H25年に売却、
建物は現存、現在は地鶏坊主

 ここで、飲食税についてお話をしていきましょう。税務大学校の租税資料によれば:

 遊興税は、大正8年(1919年)5月に石川県金沢市が初めて市税として創設しました。条例は、「本市内に於ける料理店、貸席、貸座敷にて芸娼妓を招聘して飲食又は遊興をなし金員を消費せしものに課税する」となっており、芸妓の招聘を伴うことが条件でした。金沢市の遊興税導入は他の市へと波及していき1年後には5県38市まで広がりました。大正15年(1926年)には、地方税法の改正により府県税として課税することもできるようになり、昭和14年(1939年)の段階では、全道府県が府県税として導入していました。遊興税は、昭和14年(1939年)に遊興飲食税として国税へ移りました。遊興飲食税(国税)では、芸妓の招聘を伴わない料理店等での飲食代や旅館(ホテル等を含む)の宿泊料なども課税対象にされました。

 遊興飲食税(国税)の税率は、遊興飲食の内容や税法改正により変わります。芸妓への支払代金(花代)で見ると、導入当初は20%でしたが、昭和19年(1944年)には300%にまで跳ね上がりました。この異常な増税の背景には戦争があり、「消費の抑圧」及び「国民精神の緊張に資する」という理由が挙げられていました。遊興飲食税(国税)は昭和22年(1947年)3月で廃止となりますが、同年4月から再び地方税としての遊興税となりました。その後、遊興税は、遊興飲食税、料理飲食等消費税、特別地方消費税と名称を変えて存続しましたが、地方消費税の創設等の理由により平成12年(2000年)3月に廃止となりました。廃止時点の税率3%、免税点は宿泊15000円、飲食7500円以下非課税。

 そして、昭和30年11月1日から遊興飲料税が改正となり、同時に公給領収証制が導入されることとなりました。この公給領収証制は、勘定を払った客に対し、業者が必ず渡さなければならないもので「各都道府県が発行し一枚一枚写しをとってゴマかせない仕組となっているので、業者は領収証の写しの集計で総売上げをはっきり押さえられ、ひいては所得税にまで影響してくる」というものであったようです。課税対象は、課税最低限を超える全額で、芸妓花代は勿論、すべての飲食と宿泊代の10%でした。

 実情は、料亭などは「領収書いらないから飲食税10%割引せよ!」というお客の対応に苦慮し、「断れば店には行かないゾ!」・・・公給領収書を出さないまま営業すると売上が簿外となり、今度は裏金を増やす結果となりました。使い道に困り、料亭の親父たちは自分の道楽や書画骨董、什器・備品に贅を尽くすこととなりました。当店も輪島の大向高州堂の超高級漆器などがイッパイで、とても今ではお金で買えない器が残っています。そして、蔦茂名物の云百万円と噂される錦鯉達が優雅に泳ぐ池となった次第です。当店にある清須越しからの3本の井戸は、常に33尺ほど地中の水温17℃の豊富な地下水に恵まれていました。しかし、本年1月井戸が枯れる事態に見舞われ、復旧に10日間ほどかかり、これまでの私共の歴史にない地殻の変動からか水脈が変わったようで上水道の水温になじまない古参の錦鯉の殆どが天国に召される事態となりました。

住吉写真5
玄関庭の井戸
住吉写真6
中庭の錦鯉

 また、名古屋中旅館組合が公給領収書の配布、飲食税徴税の代行を実施しており、多額な報奨金が組合に支払われておりました。飲食税報奨還付金と組合資金で昭和31年9月20日に、中区新栄1-26-20の土地139.67m2と平屋52.06m2を取得しております。
 組合には法人登記がないため、山泉・伊藤鉄之助、蔦茂・深田良矩、らく楽・白瀧京次郎、蓬莱・佐治捷一の役員4人の個人名義で取得しており、この共有地は、バブルの末期、平成2年7月にm2229万円・総額3億2000万円で売却、名古屋旅館組合関連の基金として有効に活用されていると聞いております。

住吉写真7
個人の名義貸しの念書 【拡大図
住吉写真8
登記簿謄本:地番・新栄1-2617、
4名の役員共同所有として登記 【拡大図

 平成元年には政府のバブル鎮静化政策の一つで「地価税導入」が決定しました。私どもを含め繁華街に土地を所有する料亭では、坪1000万近い評価に対して何%課税、つまり 売上の何割かの地価税が徴収されるというとんでもないこととなりました。そこで、 従来の旅館としての宿泊業務を止めることにより住み込み社員の福利厚生施設の一部が風呂・トイレ・調理場・お庭・・・があることにして、営業スペースの低減措置申請を企てた経緯があります。戦後、旅館として認可され料亭を営む名古屋都心の大手「割烹旅館」がすべて宿泊を廃業することとなり、おもてなし文化の衰退に拍車がかかったようにも思います。しかし、地価税に対しては批判も多く結局1年のみで実質廃止となりましたが、今更、宿泊業も再開できず残ったのは社名「(株)蔦茂旅館」と看板のみとなりました。

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【新会員自己紹介】

屬 ゆみ子氏
火曜グループ

屬 ゆみ子(さっか ゆみこ)
長瀬電気工業株式会社
代表取締役

【長瀬電気工業株式会社】
〒462-0023 名古屋市北区安井1丁目26番7号
TEL:052-911-9526
URL:http://www.el-nagase.biz

 こんにちは、「さっか」と申します。
 読めない・書けない・聞いたこともないという名刺交換泣かせの苗字です。
 ご縁あって、このたび火曜グループに参加させていただくことになりました。
 弊社は、私の母方の祖父が開業し、なんだかんだ85年続いている電気工事会社です。私で4代目ですが、この事業承継には紆余曲折ございまして、今NHKで放送中の「まち工場のオンナ」をはるかに凌ぐ駆け引きを3年以上続けてのち、5年前になんとか代表となりました。そのいきさつにご興味のある方は、合宿覚悟でお声がけくださいませ(笑)。
 さてこの顔、どこかで見たことが・・・と仰る方は、おそらく楽しく「夜回り」されている方なのでは?と思います。と言うのも、18時を過ぎますと、私の肩書は変わります。「通りすがりの酔っ払い」あるいは「流しのオペラ歌手」となって、夜な夜なワインを求めて一人徘徊するという毎日でございます。このワイン好きがご縁で、出会った方も数知れず、フランス帰りという経歴も相まって、ブルゴーニュ、ボルドーからワインの騎士という称号も頂戴しました。火曜日世話人の富田氏とも、1昨年ボルドーのワイナリーツアーでご一緒してからのご縁です。
 一方、今年は「女性騎士の会・シュヴァリエール」なるサロンのようなものを立ち上げました。昨今の女性活躍推進というオジサマ旗振りの「やっとけ」政策に、若干違和感を持ち、また名古屋でポテンシャルの高い女性が正しく評価され、且つ女性を取り巻くライフイベントに腰折れせず、踏ん張ってゆくにはどうしたらよいか?ということを、女性目線で真面目に考えてみようと、20代〜50代の女性有志が集まりました。ここで話し合われたことを正しく発信することもまた目的です(11/9日経新聞夕刊・中部社会面に)。
 このように、あちこち神出鬼没でございます。どちらかで発見なさった折にはお気軽にお声がけくださいませ。
 今後ともよろしくお願い申し上げます。

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【産業懇談会「代表幹事講話」ならびに「新年合同懇親会」開催日程】

産業懇談会「代表幹事講話」ならびに「新年合同懇親会」のご案内

 毎年恒例の産業懇談会4グループ新年合同懇親会を、下記の通り開催いたしますのでご案内申し上げます。
 本年は、富田英之筆頭代表幹事からご講話をいただきます。また、年の初めに、産業懇談会メンバーの皆様に親睦を深めていただきたく、あわせて新年合同懇親会を開催いたします。是非とも多数ご出席くださいますようお願い申し上げます。

日時 平成30年1月29日(月)17:30〜20:00
              17:30〜18:30 富田英之 筆頭代表幹事の講話
              18:45〜20:00 新年合同懇親会
場所 ウェスティンナゴヤキャッスル 2階 青雲の間
ご講話演題 「創意と躍動に生きる 〜大転換期に考える『伝統と革新』〜」
懇親会費 10,000円
※当日、講演会場受付で頂戴いたします。
※講演会のみご出席の場合は会費不要です。
本状ご案内先 代表幹事および産業懇談会メンバーの皆様
産業懇談会メルマガ受信会員の皆様
平成29年度中部経済同友会にご入会された皆様
事務局連絡先 担当:光家・多田
電話:052-221-8901
その他 ・食事の手配など準備の都合上、ご出席の場合は同封のFAX用紙で1月19日(金)までに必ずお知らせ願います。(代理出席はできませんのでご留意ください)
・お申込後のお取り消しにつきましては、1月24日(水)までにお知らせください。それ以降にご連絡いただいた場合は、会費を申し受けることになりますので、ご了承願います。

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2月度産業懇談会のご案内
名古屋観光ホテルでの開催です。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ

富田 茂
広井幹康
深田正雄

2月13日(火)
12:00〜14:00
株式会社きんでん中部支社
執行役員中部支社長 佐藤 守良氏
『あなたのまわりの意外なところにも
 〜省エネ・環境、いろんなところで結構頑張ってます〜』
18階
伊吹の間
水曜第1グループ

淺井博司
足立 誠
落合 肇

2月21日(水)
12:00〜14:00
名古屋大学 副理事(国際貢献担当)
大学院国際開発研究科 教授 岡田 亜弥氏
『グローバル化と産業人材育成の課題』

3階
桂の間

水曜第2グループ

片桐清志
大倉偉作
見祐次

2月14日(水)
12:00〜14:00
阪和興業株式会社 
理事 山本 孝氏
『鉄鋼業から見た中国』
18階
伊吹の間
木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助
田憲三

2月1日(木)
12:00〜14:00
フリーライター 大竹 敏之氏
『「なごやじまん」のススメ
         ―街を元気にする“発掘力”と“発信力”』
18階
伊吹の間

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【お知らせ】

産業懇談会メールマガジン配信について

○メールマガジンの配信は無料です。配信をご希望でない方はお手数でも下記ボタンを押して、メールをご返信いただければ幸いです。ご意見などございましたら、そのメールにお書き下さい。

メールマガジンの配信を ○希望しない

○2016年6月24日より、本メールマガジンの運用ルールを明確にさせていただき、本会をご退会された方は自動的に配信を停止させていただくことといたしました。誠に勝手ながら、ご了承くださいますようお願いいたします。
なお本メールマガジンは、中部経済同友会ホームページ「産懇宅配便ポータルサイト」からすべてのバックナンバーをご覧いただけます。ご退会後はウェブ上で引き続き閲覧いただければ幸甚に存じます。

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【コラム】

コラム1 【保健師からの健康だより】 No.165
保健師からの健康だより

株式会社 スズケン
保健師 稲垣 静香

『 時間の感じかた 』

 いよいよ1年を締めくくる12月。毎年この時期になると「1年早いね」「あっというまだね」というやり取りが飛び交います。でも、今思えば小学生や中学生の時には、そんなやり取りをした記憶がありません。大人になるとどうして時が流れるのが早く感じるのでしょう。

 5歳にとっての1年は人生の5分の1ですが、50歳にとっての1年は人生の50分の1です。人生が長くなればなるほど、心理的に1年が早く感じるようです。そう考えると大人になった私たちには、この先ますます時間が早く感じるということです。
 他にも時間が早く感じる理由は諸説ありますが、一部をご紹介します。
 ●身体の代謝が子どもと比べて低いこと
  心拍数が早ければ時間が経つのを遅く感じ、心拍数が遅いと時間が早く感じる。
  朝起きてすぐは代謝が悪いため、時間が早い。午後よりも午前中のほうが早く感じる。
 ●経験したことが子どもと比べて多いこと
  子どものときは初めての経験が多く、刺激が多いほど長く感じる。

 ということは、日々を大切に過ごすべく、少しでも時間を長く感じられるようになるには、この逆のことを心がければよいということになりそうです。
 ●身体の代謝を高めるために、日々の生活に適度な運動を取り入れる
 ●日々の生活で、適度なワクワク感を大切にする

 時間はみんな同じように与えられています。毎日仕事に追われて時間があっという間に過ぎてしまっていても、まずは自分の行動や周りの環境を変えてみると、もしかしたらその時間を長く感じることができるかもしれません。

 今年はみなさんにとってどんな1年でしたか。来年はどのように過ごしていきたいですか。バリバリ仕事をする、家族と楽しく旅行に出かける、美味しいご飯をたくさん食べる、楽しいスポーツをする、幸せなお酒を飲む・・・。何をするにも健康が土台です。
 生活習慣が乱れやすい年末年始ですが、お身体には気を付けて元気に新年をお迎えください。

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コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.110
コラム【「ほん」のひとこと】

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

『 ことばのしっぽ 』
読売新聞生活部監修・中央公論新社刊

 読売新聞家庭面の「こどもの詩」コーナー50周年を記念して刊行された精選集です。50年間の選者は、日本を代表する詩人たちが務めてきました。初代山本和夫、二代目川崎洋、三代目長田弘、そして現在の平田俊子。
 こんな詩があります。
    れ(豊田敏久・3歳)
     ママ
     ここに
     カンガルーがいるよ
 何気なく口にしたこどもの言葉を家族が書き留めたものを詩として取り上げてきたのもこのコーナーの特徴です。
 もうひとつ。
    とけい(吉沢一貴・4歳)
     もうちょっと
     ゆっくりの
     とけい
     かいたい
 こどもの感性に脱帽です。

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コラム3 【苗字随想】 No.187
コラム【苗字随想】

片桐清志

「芸名」あれこれ(5)

 今月から男優の芸名を、映画雑誌「キネマ旬報」が2000年に発表した「20世紀の映画スター」からピックアップしてみる。
 トップは三船敏郎で、本名だ。日本だけでなく海外の作品にも多数出演し、ヴェネツィア国際映画祭で男優賞をはじめ、数多くの受賞歴のある本格的国際スターだ。因みに「三船」の苗字ランキングは3400番台だ。
 2位は石原裕次郎で、こちらも本名だ。兄慎太郎と水の江瀧子が関係する「太陽の季節」で鮮烈デビューしたエピソードは有名だ。
 3位は森 雅之で、本名は有島行光(アリシマ・ユキミツ)だ。有島でわかるように父は作家の有島武郎だが、森が12歳の時に他界している。高校時代から舞台俳優を志し、エキストラとして出演している。芸名の森 雅之は大学時代に学生劇団「テアトル・コメディ」に出演した時に使用している。有島の苗字ランキングは5000番台だ。
 4位は高倉 健で、本名は小田剛一(オダ・タケイチ)だ。映画界入りはマキノ光雄のスカウトで、東映ニューフェース2期生だ。高倉 健の芸名はデビュー時にマキノの友人からつけてもらった。本人はデビュー作の役名「忍 勇作」が気に入っていたが却下された。因みに高倉の苗字ランキングは700番台で、小田は100番台、忍は1万4000番台だ。
 5位は笠 智衆(リュウ・チシュウ)で、こちらも本名だ。父親は熊本県玉名市の浄土真宗の寺の住職だ。住職を継ぐと言って東洋大印度哲学科に進学しているが、大学を中退し松竹蒲田撮影所の俳優研究所第一期生となっている。一旦は父の死で住職を継ぐが、翌年兄に住職を譲り、撮影所に復帰している。小津作品では父親役として好演している。笠の苗字ランキングは3000番台なのでそれほど珍しくもない。
 6位は市川雷蔵(8代目)だ。出生時の本名は亀崎章雄(カメザキ・アキオ)、後に本名を竹内嘉男(タケウチ・ヨシオ)、その後さらに太田吉哉(オオタ・ヨシヤ)に改名している。竹内は生後6か月で伯父(父の義兄)の市川九団次(3代目)の養子となった時の本名だ。太田は市川壽海(3代目)の養子になった時の本名だ。
 7位は勝 新太郎で、本名は奥村利夫(オクムラ・トシオ)だ。父親が長唄三味線方の杵屋勝東治(キネヤ・カツトウジ)であり、本人も十代から長唄と三味線の師匠をしている。長唄の名取は二代目杵屋勝丸(キネヤ・カツマル)だ。アメリカ巡業中に撮影所で紹介されたジェームズ・ディーンに感化されて映画界入りしている。因みに俳優の若山富三郎(本名:奥村 勝)は兄だ。
 同じ7位の阪東妻三郎の本名は田村傳吉(タムラ・デンキチ)だ。芝居好きだったため、片岡仁左衛門(11代目)の内弟子となる。その後、歌舞伎界から演劇に転向し、「沢村紀千助」の芸名でデビュー。さらに1919年に活動写真界に転向し、芸名を阪東藤助と名乗った。翌年には松竹キネマに移り、芸名も阪東要二郎に変えている。阪東妻三郎の芸名は1921年に歌舞伎界に戻って一座の看板をあげた時からだ。
 9位の渥美 清の本名は田所康雄(タドコロ・ヤスオ)だ。芸能界との縁は劇場の幕引きで、初舞台は「阿部定一代記」、その後旅回りの一座に移り「渥美悦郎」で喜劇俳優として活動している。「渥美」は渥美半島の渥美から採っている。清は座長が配役紹介時に間違えたためで、その後は清となっている。渥美の苗字ランキングは1000番台、フーテンの寅さん役の苗字「車」の苗字ランキングは6000番台だ。死後に国民栄誉賞が贈られており、文字通り国民的スターだ。


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【平成29年12月号編集後記】

 先日、家内からの提案でマルタへ旅行した。地中海の島という程度の認識しかなかったが、淡路島の2/3程度の大きさで、人口もわずか43万人程度ながら「マルタ共和国」という国家であり、2004年からEUに加盟している。紀元前4000年頃の巨石神殿群などもあるが、聖ヨハネ騎士団にまつわる史跡が有名だが、日本からの観光客はまだ少ない。
 パックツアーだったが、我々が参加したのは「65歳以上限定ツアー」だ。その方が日程もゆったりだし、同年代だと価値観や話題も共通性が高いと見込んだからだ。おそらくリタイアしたシニア夫婦の参加が多いだろうとの予想は見事に外れた。13名の参加だったが男性はわずか3名、つまりシニアカップルは3組で、一人参加の女性一人以外は母と娘という組み合わせだ。65歳以上限定が参加条件だが、二人の内一人が65歳以上であれば構わない。改めて母と娘の絆の強さを認識した。
 少子高齢化は今後も続く。団塊の世代は今までも新たな市場を創出し、市場をけん引してきた。団塊世代も65歳を超えた。子育てや親の介護から解放され、ようやく自分たちの楽しみを考え、行動できる状況になりつつある。TV等で世界遺産を見れば、元気なうちに行ってみたくなるのが人情だ。あれこれ欲張る弾丸ツアーでなく、時間的に余裕を持ったツアーに目が留まる。
 シニアは経験が多い分、価値観も多様だ。まだまだツアーメニューが少ないように思える。現役世代が年末・年始やゴールデンウィーク、夏休みに集中するのに対し、シニアは閑散期にゆったり行く方を好む。観光産業の平準化には大いに貢献してくれる。海外旅行だけでなく国内旅行も同じ事情だろう。
 幸い、少子高齢化の先頭に団塊世代というまとまった市場形成グループがいる。団塊世代はこれまでの経験からトラブルに対する適応能力も鍛えられている。いわゆる「おためし」には最適なグループだろう。少子高齢化をプラス材料に変える工夫があれば、まだまだ日本は元気になれる。シニア世代のニーズは結構強い。既存のノウハウを少し見直せば、シニアの喜ぶメニューができるはずだ。供給サイドの活発なメニュー開発を期待したい。

 「産懇宅配便」も今年最後の号になった。来年はもっともっと皆さんに親しんでもらえるよう工夫したい。読者諸兄のご提案をお願いしたい。

(片桐)