産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】 第181号 2017.6.30 発行

メールマガジン■産懇宅配便■

平成29年6月度(第181号) 目次
【29年5月度 産業懇談会(木曜G)模様】 5月11日(木) 12時00分〜14時00分
【29年5月度 産業懇談会(水曜第1G)模様】 5月24日(水) 12時00分〜14時00分
【29年6月度 産業懇談会(木曜G)模様】 6月1日(木) 12時00分〜14時00分
【29年6月度 産業懇談会(水曜第2G)模様】 6月14日(水) 12時00分〜14時00分
【名古屋いちばん物語】 No.98
【新会員自己紹介】
服部 浩明氏

服部殖産株式会社 代表取締役社長

森田 英靖氏

株式会社日本ピーアール 代表取締役

飯田 耕介氏

イイダ産業株式会社 代表取締役社長

木村 修二氏

株式会社りそな銀行 名古屋営業本部長兼名古屋支店長

市瀬 英昭氏

学校法人南山学園 理事長

澤田 実也子氏

東海東京証券株式会社 執行役員ウェルスマネジメント本部副本部長

林 美博氏

株式会社三橋設計 代表取締役名古屋事務所長

【7月度産業懇談会のご案内】
【4グループ合同懇親ゴルフ会開催のご案内】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1 【遊歩道】 No.6
コラム2 【保健師からの健康だより】 No.159
コラム3 【「ほん」のひとこと】 No.104
コラム4 【苗字随想】 No.181
【29年5月度 産業懇談会(木曜G)模様】

テーマ: 『 世界から見た日本 』

日  時:平成29年5月11日(木) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 3階 桂の間
参加者:27名

スピーカー:
生田 サリー(いくた さりー)
フリーアナウンサー/パーソナルプロデューサー

生田 サリー氏

1. 私のプロフィール
 レコード会社勤務を経て、タレント、フリーアナウンサーに転身。朝日放送で、3時間生放送のテレビ番組、音楽番組、スポーツ番組など、週に6本の番組に司会で出演するなどした後、渡米。ニューヨークに10年滞在し、アメリカ各地のリポートやドキュメンタリー番組のナレーション、またハリウッド俳優をはじめ、3000人以上のインタビューを日本語・英語で行ってきた。
 この経験を活かし、現在は、英語・日本語での司会や講演、執筆のほか、経営者、ビジネスパーソンに対し、自分も周りも幸せになる「心を開くコミュニケーション」の大切さを伝えている。本日は、主にアメリカでの滞在経験を中心に、「世界から見た日本」と題して、私たち日本人が、グローバル社会でコミュニケーションをするうえでの「心構え」や「考え方」などを中心にお話ししたい。

2. 世界から見た日本人
 フランス新大統領に就任したマクロン氏とその妻ブリジットさんの紹介。自分の信じた道を貫く姿は、世界に勇気を与えている。新しい家族像や生き方、結婚観などを見ると、日本人も周りと比較するのではなく、もっとオープンマインドになっていいのではないかと思う。ハワイで開催された「Pearl Harbor」のワールドプレミア取材の際に、真珠湾攻撃を描いたこの映画についてどう思うかと海外メディアから取材されたが、私たちは日本のことや歴史について、自分なりの意見を言えるようにしておく必要がある。また、歴史は、国によってどのように教育されているかが違うということも知っておかなければならない。海外との交流も増え、これからは日本国内においても外国人と一緒に働く機会も増えることから、ぜひ英語をはじめとする外国語を学んで、世界の人達と交流を持ってほしいと思う。

3. 平和に向けた日本の役割
 NY同時多発テロを経験して感じたのは、世界で実際に何が起こっているか、複数の情報源を持っておくことの重要性である。当時のアメリカ国内では、テロに対する憎しみが引き金となって、戦争へと突き進んでいった。こういった事態には、国内の報道だけで一面的に物事を捉えるのではなく、海外のニュースなど中立的で客観的な報道にも関心をもつと良いだろう。また、唯一の被爆国である日本が平和のリーダーとなり、世界に平和のメッセージを伝えていく任務がある。

4. コミュニティー力と文化力の重要性
 また、日本は大変恵まれている国であるにも関わらず、自殺率が高く、愛情を受け取れずに孤独を感じながら暮らしている人も多い。その理由として、核家族化や少子化が進み、親が仕事に忙しくストレスフルであり、悩みを相談する場所がないということもあげられる。まず、親、リーダーがHappyになること、こどもと長い時間を過ごす母親がHappyであることが大切。そして、社会で、コミュニティで、愛情の連鎖を創ることが大切である。
 日本の男性が世界でモテるために大切なことは、以下の3つ。
1) コミュニケーション力up!(笑顔(スマイル)と語学力を磨くこと、自分からアクションを起こす力が大切。)
2) 文化力up!(音楽、歌、danceは言葉を超えて通じ合える)
3) Be gentleman!
 人生の可能性を広げるには、基本笑顔で、自分から話しかけ、心を開いて話すことを心がけると良い。加えて、経営者の皆さんに心がけていただきたいのは、人をほめること。上司がほめればほめるほど、部下の自信につながり、コミュニケーションにも好影響を与える。聴くことは愛そのもの。コミュニケーションで一番大切なことは相手のことを理解しようとすること。すべては目で伝わる。目で愛を伝えることが大切。自分から心を開いて、オープンな心で人と接することができれば、コミュニケーションは劇的に変化する。リーダーである皆さんが、まず人生を楽しみ、出会う人全員を幸せにする愛されるリーダーになってください。


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【29年5月度 産業懇談会(水曜第1G)模様】

テーマ: 『 災害を抱える国土の深層 〜真相は地下にあり〜 』

日  時:平成29年5月24日(水) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 3階 桂の間
参加者:28名

スピーカー:
井出 修(いで おさむ)
応用地質株式会社
執行役員 中部支社長

井出 修氏

1. 会社紹介・サービス概要
 わが国では、地震、火山、土砂崩れ、洪水などの自然災害が多く発生しており、災害に対する防災・減災対策など解決すべき課題が山積みとなっている。当社グループは、地球科学の幅広い知識と豊富な経験を持つ専門技術者集団で、60年にわたる技術と経験を活かし、(1)情報サービス、(2)国土マネジメント、(3)計測システム、(4)地球環境、(5)エネルギー、(6)地震防災の6事業を柱として、地盤に対する様々な問題に、最適なソリューションのご提案を行っている。

2. 災害を抱える国土の深層 〜真相は地下にあり〜
1)近年の自然災害の特徴
 世界の自然災害は、(1)地震、津波、火山活動、(2)台風、豪雨などの気象イベント、(3)洪水、土砂災害、(4)干ばつ、山火事に大別されるが、近年では(2)台風、豪雨、(3)洪水、土砂災害が世界規模で急増しており、自然災害による経済損失も増加傾向にある。
 わが国においては、昭和20-30年代において、伊勢湾台風など風水害が多発したが、高度経済成長以降は自然災害が大幅に減少。しかしながら平成以降、阪神淡路大震災・東日本大震災という未曾有の大災害が発生した。中部・名古屋においても、スーパー台風・爆弾低気圧、地震などへの備えをもう一度見直すべきである。

2)地震はどうして起こるのか?
 近年、世界で起きた巨大地震の発生場所を見ると、太平洋沿岸地域に集中していることがわかる。とりわけ日本列島とその周辺海域は、太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレート、北米プレートの境界部に位置することから、数多くの海溝型地震が発生する。過去の海溝型大地震の震源域をみると、東海地震の空白域が163年であることから、東海地震単独か、東海・東南海・南海の連動型地震、南海トラフ巨大地震が今後30年以内に70%の確率で発生すると予想されている。

3)これまでの被害地震から分かったこと
 稀に広域的・巨大地震では予想を超えたことが起きるため、ハード対策のみで人命・財産を守ることは困難。危機管理・事業継続管理の必要性を再確認すべきである。また、地震は日本のどこでも発生する可能性があり、しかも繰り返して発生するので予知は困難。
 地域特性・立地条件によって被害の様相は異なり、東日本大震災では約93%が津波による溺死、阪神淡路大震災では約87%が火災による被害であった。立地条件でみると、沿岸部では津波被害・揺れや液状化による建物等の被害が発生する一方、内陸部では場所によって揺れや液状化・地盤沈下による建物等の被害が発生しており、被害の様相は地下(地盤)の条件に支配されることがわかっている。
 名古屋市周辺地域においては、南西部は干拓地・埋立地が多く、三角州・海岸低地や後背湿地など、標高も低く地盤が良いとは言えないため、浸水や津波浸水が想定されている。
 加えて、土砂災害危険区域や活断層も多く散在している。こうした現状を踏まえると、都市の弱点である交通機能障害対策や、揺れの長い地震・長周期地震による影響や高層・超高層建物の大きな揺れを想定しておく必要がある。このように近い将来、南海トラフ巨大地震の発生が危惧され、地域・企業・個人が被害を最小化するための準備が必要となる。

4)BCPを再考しよう
 BCP(事業継続計画)は、企業が災害などで被災しても重要事業を中断させず、中断しても可能な限り短期間で再開させ、中断に伴う顧客の流出、マーケットシェアの低下、企業評価(企業イメージ)の低下などから企業を守るための経営戦略のことで、防災計画とBCPの考え方は区別する必要がある。耐震基準の改正に伴って耐震強度は向上しているが、最優先である人命確保に加えて、BCP(事業継続)についても見直す必要があるだろう。
 震度6強に見舞われても、(1)安全確保、(2)中核となる事業の復旧や継続、(3)経営の存続、(4)社会貢献の4つが大丈夫だろうか。地震による影響から休業損失を避けるには、直接被害のみならず間接被害も含めてBCPで対応策をバランス良く整理し、中長期で実施することが大切。如何に早期に復旧するか考える必要があり、これにはリスクの見える化がカギになる。
 これからの地震リスクへの対応としては、(1)地震の被害程度を想像し、経営上の問題点を洗い出す、(2)リスクを定量的に把握する、(3)リスクに対する基本戦略を明確にすべき。
 地震に負けないためには、何よりも人命の安全確保が最優先課題で、何が起こるかを想像する力と地震リスクの定量化によって、自分たちを取り巻くリスクの見える化に取り組んでいただきたい。


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【29年6月度 産業懇談会(木曜G)模様】

テーマ: 『 煙のない社会をめざして 』

日  時:平成29年6月1日(木) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 3階 桂の間
参加者:37名

スピーカー:
筒井 和彦(つつい かずひこ)
フィリップ モリス ジャパン合同会社
事業開発特別顧問

スピーカー:
渡邊 光一(わたなべ こういち)
フィリップ モリス ジャパン合同会社
リデュースド リスク プロダクツ セグメント
ディベロップメント事業開発本部長

筒井 和彦氏 渡邊 光一氏

1. リスクを低減する可能性のある製品の研究開発
 「リスクを低減する可能性のある製品」(RRP)は、紙巻たばこの喫煙を継続した場合と比較して、同製品に切替えた成人喫煙者にとって害のリスクが少なくなるか、少なくなることが見込まれるか、又は少なくなる可能性のある製品を指すものとしてフィリップ モリス インターナショナル(PMI)が使用している言葉である。同社では、同製品の研究開発に力を注いでいる。

2. 紙巻たばこからの撤退
 フィリップ モリス ジャパンは2017年3月、将来的にすべての紙巻たばこの販売から撤退する方針を示し、新たな企業ビジョン「煙のない社会を、ここ日本で」の中で、紙巻たばこに替わる製品として、今後は加熱式たばこ「IQOS」に注力していくことを発表した。

3. フィリップ モリス ジャパンの取り組み
(1)会社紹介
 フィリップ モリス ジャパンの親会社であるPMIは、世界180カ国以上で展開し、全世界で8万人以上が働くグローバル企業である。日本でも18カ国以上の外国人社員が働いており、ダイバーシティーを受け入れるカルチャーが醸成されている。
 PMIは年間約8000億本を販売し、世界NO.1ブランドであるマールボロを始めとして全世界で約15%、日本市場では27%のシェア(日本第2位)のたばこ会社である。
(2)たばこの歴史
 たばこはナス科の植物で、種から育てて葉を乾燥させてたばこにする。たばこの歴史は古く、マヤ文明から使われていたようだ。1600年代のコロンブス以降から世界中に広まり、日本では戦国時代にお茶とともにキセルでたばこを吸う文化が始まり、明治時代以降に紙巻たばこの登場とともに一気に普及が進んだ。喫煙率は昭和40年代では男性82.3%と高かったが、健康への意識の高まりとともに現在では男性約30%へ大幅に低下している。
(3)煙のない社会をめざして
 世界では紙巻たばこに対して厳しい規制が制定されている国も多い。例えば、UK、オーストラリア、アイルランドなどでは、ロゴを含むブランド表示の形態がすべて取り除かれ、ブランド名のみが同一書体で表記されたプレーンパッケージといった紙巻たばこのパッケージに対する規制も強化されている。
 PMIでは、喫煙を続ける人々に新たな選択肢を提供し、紙巻たばこに替わる、煙の出ない製品に切替えていくというビジョンを打ち出した。これを受けフィリップ モリス ジャパンでも、今後、加熱式たばこ「IQOS」というビジネスモデルの転換に集中する。

 当日は、加熱式たばこ「IQOS」の実演も行い、実際に煙が出ない様子を確認。
 「紙巻たばこから加熱式たばこへ完全に切替える」ことで「煙のない社会」の実現を目指す為に、社会的な取り組みの理解促進や、企業の事業所内での喫煙対策に注力する同社の取り組みを勉強する機会となった。


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【29年6月度 産業懇談会(水曜第2G)模様】

テーマ: 『 住友商事のアジアにおける工業団地事業 』

日  時:平成29年6月14日(水) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 3階 桂の間
参加者:35名

スピーカー:
廣 克也(おきひろ かつや)
住友商事株式会社
理事・中部支社長

スピーカー:
福田 繁夫(ふくだ しげお)
住友商事株式会社
海外工業団地部

沖廣 克也氏 福田 繁夫氏

1. 住友商事 工業団地事業の紹介
 総合商社は「ミネラルウォーターから通信衛星まで」と言われるように多岐に亘る商品を扱っており、そのビジネスはトレードと事業投資・事業運営に大別される。商社のビジネス形態も社会、顧客のニーズに応じて変化しており、今日では従来のトレードから事業投資・事業運営により軸足を置いたものになって来ている。
 住友商事では5つの事業部門を中心にビジネスを行っているが、海外工業団地部は環境・インフラ事業部門に所属している。30年間に亘って蓄積された経験とノウハウを活かし、アジア各国で工業団地ビジネスを展開中。工業団地の開発・販売・運営に加え、入居企業の会社設立から従業員の採用、原材料の調達サポートや物流サービスなど、ハードとソフトの両面から進出企業の海外進出をフルサポートしている。また、本事業を通し進出国の経済発展とその国に暮らす人々の豊かさと夢の実現に貢献することを志向している。

2. 東南アジア進出の主な動機
 東南アジア進出の主な動機は、(1)生産コスト削減、(2)取引先の海外進出、(3)成長市場への参入、の3つと言える。生産コスト削減の観点から、国別に法人税・人件費・インフラ整備状況などの投資環境を比較すると、全ての項目で優れている国はないのが実情。
 取引先の海外進出の観点では、全世界に約28千社の日系企業が進出しており、その内、アジア(中国含む)に約17千社(63%)、ASEANで約7千社(25%)が進出している。成長市場への参入の観点からは、ASEANの人口6.2億人、GDP2.5兆ドル、製造業約7千社をターゲットに、近年では、単に低価格のモノづくりの工場立地先ではなく、市場としての魅力で進出する企業が増加している。

3. その他(フィリピンの投資環境)
 人口が多く、外資に対してフレンドリーな親日国。植民統治時代が長かったことから、国民性は指示待ちの傾向があるものの、真面目で、手先が器用。米食文化のため日本人の嗜好にも合っている。英語が公用語のため、意思疎通の苦労が少ない。アメリカ的な契約社会が根付いていることから、法律には従い、ストライキ等も比較的少ない。労働者の採用が容易で定着率も高いことから、投資環境は概して良好といえるのではないか。


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【名古屋いちばん物語】 No.98


テーマ: 『 「住吉の語り部となりたい」 シリーズ第75回 』

料亭つたも主人
深田正雄(栄ミナミ地域活性化協議会)

金銀みつる長者町・・・下長者町の巻

 明治期には、本町通が一流の問屋が店を構えるメインストリートならば、裏通りの長者町は二流の問屋街だった。杉の町通りの古着商から商売換えをした商人や伊藤次郎左衛門など呉服問屋の旧家でたたきあげられた番頭が独立した十数軒の問屋街ができ上がっていた。昭和十一年頃になって上長者町で九軒、下長者町で四十八軒の店が軒を並べた。戦後の繊維不足の流れに乗り、長者町にまたたく間に、問屋でうずまり、他の商売が入りこむ余地はなくなってしまった。戦前の倍以上の百数十軒の店が並ぶ全国有数の問屋街ができあがった。何人もの長者が住む町となった。名古屋開府以来、始めて文字通りの長者町となった。(沢井鈴一氏「名古屋の町探索紀行」より)

 清須には富豪が集まり住んでいたところがあり、長者町と呼ばれていた。清須越し江戸時代の長者町は、大名が通る本町の裏通りとして、下級武士・荷役・商人・旅人が通るところであったとか??
 同様に、第二次大戦後、本町通は、広小路角の徴兵館ビルが進駐軍第5空軍司令部になったことで、ジープが轟音を立てて通る道となり、跋扈する米兵に恐れをなして、通行する人もまれな道路となってしまいました。一本西の長者町通は、雨後のタケノコのように、薄利多売・現金売りの日本有数の繊維問屋街となりました。

写真1
長者町繊維街の名物アーチ、
各ブロックに設置

 しかし、糸ヘン景気が去り、長引く繊維不況と流通システムの変化から長者町繊維問屋街は危機に瀕しています。老朽化したビルと駐車場が半分以上を占めるゴーストタウンからの再生を懸けて、現在は新しい活気ある街づくりへ試行錯誤しながらチャレンジしております。

 まずは錦2丁目の活性化のために、秋のえびす祭、あいちトリエンナーレ誘致など、いろいろなトライアルがされています。私が世話人の「名古屋の旧町名を復活させる会」とコラボして郷土の歴史を復活し、名古屋人が郷土に誇りを取り戻すことを目的に、町名復活を目的とした組織『長者町』を復活させる有志の会″が2013年末に立ち上がりました。  
 会長には八木兵(株)・山口兼市氏、副会長には吉田商事(株)吉田俊雄氏、綿常ホールディングス(株)・浅野隆司氏が就任、長者町復活へむけて活動開始!

 (株)北見式賃金研究所・北見代表が「町名は郷土の誇り、長者町を復活させよう」B1版大型ポスターを作成して啓蒙活動を実施されました。

 現在は、町名復活の活動が小休止していますが、また、再度「長者町」の名が復帰することを願い、今回は、ポスターから伝馬町筋から南の下長者町界隈の昭和34年地図を参考に思い出をお伝えしてまいります。

写真2
町名は郷土の誇り『長者町』を復活させよう!大型ポスター、北見昌朗制作
地図1
昭和34年の下長者町・住宅地図
住宅地図協会が昭和35年に発行

 当時、下長者町1-4丁目すべてが繊維関連のお店が軒をならべていましたが、現在、同じ場所にある長者町協同組合員企業はわずか6社となりました。1丁目北角の吉田商事(株)は吉田俊逸氏が愛知県葉栗郡木曽川町で呉服商を創業され、戦後いち早く昭和22年に現在地に移転、代々地域のリーダーとして活躍されています。私が昭和58年に(株)森島羅紗店を承継した際には、俊雄会長の兄上にナオリ健保組合の仕事など親切にご指導いただき感謝しております。神谷商店さんは創業の神谷茂雄さんの名で「神谷茂(株)」で婦人洋品卸、現在は駐車場となりましたが丹羽幸商店、初代丹羽幸一郎、明治41年に洋傘卸売商を開業、故丹羽吉輔氏、戦後は下長者町2丁目で再スタート、元会長幸彦さんと代々幅広く事業を展開されています。

 個人的には、街づくりで「えびす祭」などに尽力し、河村たかし衆議院議員秘書から中区選出民主党から市会議員当選、その後、減税日本ナゴヤ市議団団長・則竹勅仁氏の活躍が思い出されます。吉田商事南の「則竹商店」の御曹司でえびす祭では、布と綿で作った「長者町山車」のお宿となっていました。則竹氏は2003年、「費用弁償受け取り拒否」を公約して初当選。2011年3月の市議選でも拒否の実績を選挙公報に明記して3選を果たしたが、2010年末に市が法務局に供託していた7年分536万円をまとめて受領していたことが発覚し辞職したのが残念です。家業の窮状から供託金を活用されたと思いますが、現在はコートオブアームスという洒落たアメリカンカジュアルレストランとなっています。

 店舗ばかりの2丁目商店街に唯一の業態の違う、玄関に緑の植栽の見事な加藤歯科さんがありました。親父先生と祖父が親しく、幼稚園の頃からお世話になり、とっても痛い治療を施してもらった思い出が…。以来、正雄君は、どうも長者町を避けるようになり、住吉町の関谷歯科さんに主治医変更、お陰で歯痛から解放されたようです。
 同じ場所で同じ業種で唯一現存するのは足立商店さん、そして、丸善さんは、手芸をされる方なら知らない人はいないというぐらい有名店として、現在も営業中。そして、ランドマークは創業明治10年の遠山産業(株)さんの焼け残ったレトロなビルでした。現在はコンビニとなり、周辺はコインパーキング街となりました。

写真3
遠山産業ビル 昭和10年建設
戦後道路拡幅で引きづり工法で移動が話題
写真4
遠山産業ビル跡地:
コンビニ「セブンイレブン」となりました。

 明治4年八百屋町から名称が長者町3-4丁目となり、広小路北を中心に町名変更されたようです。4丁目東角は綿常さんが南の大同別珍さんの土地を取得され、繊維業からホテルドーミーインのオーナー、そして、近隣に多くの貸しビルを経営されています。西側の後藤銅器さんは創業100年の老舗、最近移転されたようで寂しく思っています。懐かしいのは「川瀬書店」さん、戦後、書籍の流通会社・東販や日販などが新しく誕生し、終戦直後は川瀬書店が名古屋一の取次だったと思います。本屋さんは川瀬、星野、丸善と広小路の3店が大手といえました。

 錦2丁目まちづくり協議会会長をつとめる堀田勝彦さんの堀田商事ビルの北側駐車壁全面に描かれた現代アートの作品は、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2010」で作られたものです。ナウィン・ラワンチャイクン(タイ)の制作・幅11m「新生の地」です。この作品には長者町に縁のある色んな時代の町の人が描かれています。勝彦さんに登場人物について、いろいろ伺いました。

写真5

 中心にいる2人は60年の歴史を持つ喫茶クラウンのママと、手芸・毛糸屋の丸善の女将さん。右上は、堀田商事先代の若き頃の堀田次郎・一枝夫妻、黒電話の名畑恵さん、吉田商事会長、神谷茂雄さん。左下は、株式会社糸和・佐藤順一さん、「三坪の小さな店から始まった」ファッションコイケ・小池隆さんの青年時と現在の本重町町内会長の小出さんとご家族、バイクにまたがる八木兵(株)の山口兼市社長、丹羽幸・丹羽幸彦相談役。左側上の笑顔のご夫妻は昭和15年創業・八木兵山口先代ご夫妻と妹さん。戦争に行った兵隊さんは滝一会長。福生院・お聖天さんの松平住職。下には、綿常(株)浅野隆司さん、1840年(天保11年)創業のお茶の升半・横井さん。最下段でクラシックカーに乗るのは、街のコンセプト創り延藤安弘先生とドラマ「氷山のごとく」出演者の長者町の従業員たち。

 商店街として事業規模や町の序列とは違い、中心にいるのが小さな店を営む女性というのが面白いですね。「上長者町に漏れくる三味の音も 今は聴かれず昔懐かし」など、絵に書き込まれている短歌は、町の人が長者町への思いを込めて詠んだものです。作者には、町の歴史を共有していくことが大事だという思いがあり、町の昔が今につながることで「新生」しています。トリエンナーレ芸術祭の主旨にこたえた同作品のお陰で長者町はアートの町として世界に認知されようとしています。

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【新会員自己紹介】

服部浩明氏
火曜グループ

服部 浩明(はっとり ひろあき)
服部殖産株式会社
代表取締役社長

【服部殖産株式会社】
〒460-0008 名古屋市中区栄二丁目3番31号 CK22キリン広小路ビル4F
TEL:052-204-1700(代表)
URL:http://www.ha-shoku.co.jp

 当社は、事業用不動産の売買、仲介、コンサルティング業務を主体として、不動産投資顧問、信託受益権、ファンド組成及び運用等を行っております。
 私は、地元名古屋に生まれ育ち、名古屋大学大学院を修了後、NTT竃{社へ入社して東京を中心に7年間日々進化する電気通信事業に携わってまいりました。その後、縁あって親族が経営する不動産会社に転身し、23年間不動産に関する全ての分野にてエキスパートとして活躍した後、2年前に当社を設立し独立開業致しました。
 現在当社は、15名(パート含む)の社員のもと、皆様とのご縁を大切にして、街づくりをはじめとする不動産に関わる全ての領域に関して、皆様の繁栄のお役に立っていく所存であります。
 このたび、本中部経済同友会へ入会させていただき、皆様のご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。何卒、宜しくお願い申し上げます。

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森田英靖氏
火曜グループ

森田 英靖(もりた ひでやす)
株式会社日本ピーアール
代表取締役

【株式会社日本ピーアール】
〒460-0002 名古屋市中区丸の内3丁目16-19
TEL:052-684-4830
URL:http://www.nihon-pr.com/

 映像・CG・ホームページ・携帯アプリの制作や展示会の企画等、デジタルメディアに関わる様々な事業を行う会社を経営しております。
 今までは主に製品紹介や会社案内・医療・工事記録等に関わる仕事を手掛けて参りましたが、近年では日本のモノづくり・IoT・人材育成・インバウンド向けのコンテンツに携わらせて頂く機会も増え、各クライアント様を取り巻く環境の急速に変化を感じております。

 この度は、日々変わっていくニーズの中で、自らが今一度、大きな目線で知見を広める必要性を感じ、産業懇親会に申し込みをさせて頂きました。せっかく貴重な機会を頂いたので、積極的に会に参加し、社会に貢献できる人間になれればと思っております。
 まだまだ若輩者ゆえ至らぬ点も多々あるかと存じますが、ご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い致します。

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飯田耕介氏
水曜第1グループ

飯田 耕介(いいだ こうすけ)
イイダ産業株式会社
代表取締役社長

【イイダ産業株式会社】
〒492-8446 稲沢市目比町一町割770-1
TEL:0587-36-5781
URL:http://www.orotex.co.jp/

 弊社は制振材、防音材、補強材の製造販売(主は自動車向け)を行っています。
 海外工場はタイ、アメリカ、中国、インド、メキシコにあります。
 私はトヨタ自動車に6年半お世話になった後、'94にイイダ産業に入社しました。そして'95から5年間タイに駐在しておりました。
 大学で始めた少林寺拳法を今も続けており、合気道も始めました。
 本会では明るく謙虚にいろいろ勉強させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

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木村修二氏
水曜第1グループ

木村 修二(きむら しゅうじ)
株式会社りそな銀行
名古屋営業本部長兼名古屋支店長

【株式会社りそな銀行 名古屋支店】
〒460-0003 名古屋市中区錦二丁目15番22号
TEL:052-201-8511
URL:http://www.resona-gr.co.jp/

 株式会社りそな銀行の木村と申します。
 この度、前任者の福島の後を受け、産業懇談会水曜第1グループに参加させて頂くことになりました。
 どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 又、日頃より、りそな銀行をお引き立て頂きまして誠に有難うございます。お客さまや地域社会の抱える課題を解決するため、りそなグループでは人と人との触れ合いや地域との結びつきを大切にしております。
 そして金融機関に求められる社会的責任を果たすべく、改めて基本に立ち返りお客さまの目線に立った経営を進め、お一人でも多くの方に「りそなファン」になって頂けるように挑戦し続けて参ります。
 中部地域のお客さますべてに弊社がフルラインの信託機能をワンストップでご提供できる国内唯一の商業銀行にして信託銀行であることをもっとPRして行きたいと思います。

 さて、私は、兵庫県の出身で銀行に入行以来、東京、大阪を中心に勤務しており、初めての名古屋勤務となりました。公私ともども名古屋を満喫させていただこうと考えております。
 この産業懇談会を通じて、ご経験豊富な諸先輩の皆様と交流出来る機会を頂けましたこと、感謝申し上げます。

 何卒、皆様方のご指導、ご鞭撻を賜ります様、宜しくお願い申し上げます。

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市瀬英昭氏
木曜グループ

市瀬英昭(いちせ ひであき)
学校法人南山学園
理事長

【学校法人南山学園】
〒466-0835 名古屋市昭和区南山町1番地
TEL:052-832-8311
URL:http://www.nanzan.ac.jp/

 今回、前理事長を引き継ぐ形で「産業懇談会 木曜グループ」に登録いたしました市瀬英昭と申します。どうぞよろしくお願いいたします。出身地は長崎県大村市ですが、大学入学年の1970年以降-数年の海外留学期間を除いて-名古屋市に在住していますので、名古屋が私の第二の故郷になっています。南山学園は昨年(2016年)神奈川県藤沢市にあります「聖園学院」と法人合併をし、現在、幼稚園から大学院まで含むミッション・スクールとなっています。「モノつくり」の基礎をなすいわば「人つくり」の教育の現場でその任務をふさわしく果たすことができますよう、会員の皆さんにいろいろなことを学んでいきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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澤田実也子氏
木曜グループ

澤田 実也子(さわだ みやこ)
東海東京証券株式会社
執行役員ウェルスマネジメント本部副本部長

【東海東京証券株式会社】
〒450-6433 名古屋市中村区名駅3-28-12 大名古屋ビルヂング33階
TEL:052-588-6222
URL:http://www.tokaitokyo.co.jp/

 初めて名古屋駅に降り立った時、地元の方に“名古屋は地下だから”と聞いておりました。あれから約30年、新しくなった大名古屋ビルヂングを職場とし、あと10年もすればここにリニアが通るなんて・・と悠長なことは言っていられないくらい、世界に変化の力とスピードが加わっております。私共の業界はもとより、世界の中心の変化、技術の変化、人口の変化etc.
 この度、中部経済同友会に入会させていただき、この流れに飲み込まれてしまわぬよう皆様にご指導を賜りたく存じます。宜しくお願いいたします。

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林美博氏
木曜グループ

林 美博(はやし よしひろ)
株式会社三橋設計
代表取締役名古屋事務所長

【株式会社三橋設計】
〒461-0001 名古屋市東区泉2-27-14 東海関電ビルディング
TEL:052-937-5573
URL:http://www.mitsuhashi-arc.com

 本年度、本会に入会させていただきました株式会社三橋設計の林美博です。
 当社の名古屋事務所は、昭和36年、東海製鐡(現新日鐡住金名古屋製鐡所)建設敷地の一角に事務所を間借りしてスタートしました。以来55年、公共施設、医療・福祉施設、教育施設、生産施設など幅広い分野で、当地域の人々と信頼関係を築きながら建築設計を通じて街づくりに貢献してきました。
 私自身は名古屋生まれ(港区)名古屋育ちで、入社以来40年当地を中心に多くのプロジェクトに参画してきました。個人的にも、市民活動やNPO法人の設立・運営にも参加し、参加型の街づくりの実践をしてきましたが、本会の入会を機に、様々な活動や諸先輩との交流を通じて、研鑽を積んでゆく所存です。
 今後ともよろしくお願い申し上げます。

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7月度産業懇談会のご案内
火曜グループ以外は、名古屋観光ホテルでの開催です。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ

富田 茂
広井幹康
深田正雄

7月11日(火)
12:00〜14:00
三井住友建設株式会社中部支店
執行役員支店長 片桐 恵三氏
同社 技術本部 建設情報技術部長
戸倉 健太郎氏
『先端技術で建設が変わる』
ゲスト:若宮八幡社 宮司 副野 均氏
『名古屋総鎮守若宮八幡社と、あいちの神社』
若宮の杜
迎賓館
3階 桜の間
水曜第1グループ

淺井博司
飯田芳宏
落合 肇

7月19日(水)
12:00〜14:00
一般社団法人日本ゴルフツアー機構
名誉会長 小泉 直 氏
『世の中の急激な変化に対する行動指針』
2階
曙の間
水曜第2グループ

片桐清志
大倉偉作
見祐次

7月12日(水)
12:00〜14:00
NTTコミュニケーションズ株式会社
理事 東海支店長 工藤 晶子氏
『NTTグループとスポーツ』
同社 経営企画部 広報室 担当課長 平木 理化氏
『世界のテニスツアーを通じて』
18階
伊吹の間
木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助
田憲三

7月6日(木)
12:00〜14:00
ボディメンテナンス 美ウォークコンシェルジュ
中村 由美子氏(ファッションモデル あかね)
『生き生きとした健やかな身体をめざして』
〜モデル あかね が提案する“美BODYウォーク”が
       皆様の豊かなライフスタイルを彩ります〜
18階
伊吹の間

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【4グループ合同懇親ゴルフ会開催のご案内】

 恒例となっております4グループ合同の懇親ゴルフ会を下記のとおり開催いたします。例年8月の開催でしたが、今年度は7月に開催いたします。本件は、代表幹事はじめ、産業懇談会会員の皆様にご案内しております。是非多数ご参加下さいますようお願いいたします。

日時

平成29年7月29日(土) 7時スタート

場所 木曽駒高原カントリークラブ
〒399-6101 長野県木曽郡木曽町日義4898-8
電話:0264-23-7001
ご案内先
  • 代表幹事、直前代表幹事、常任幹事、監事
  • 産業懇談会登録会員
出欠のご連絡
  • お申し込みいただいた方には、宿泊手配などをお伺いする詳細案内を送付しております。
  • 7月21日(金)以降のプレーのキャンセルには、キャンセル費が発生いたしますので、ご了承ください。

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【お知らせ】

産業懇談会メールマガジン配信について

○メールマガジンの配信は無料です。配信をご希望でない方はお手数でも下記ボタンを押して、メールをご返信いただければ幸いです。ご意見などございましたら、そのメールにお書き下さい。

メールマガジンの配信を ○希望しない

○2016年6月24日より、本メールマガジンの運用ルールを明確にさせていただき、本会をご退会された方は自動的に配信を停止させていただくことといたしました。誠に勝手ながら、ご了承くださいますようお願いいたします。
なお本メールマガジンは、中部経済同友会ホームページ「産懇宅配便ポータルサイト」からすべてのバックナンバーをご覧いただけます。ご退会後はウェブ上で引き続き閲覧いただければ幸甚に存じます。

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【コラム】

コラム1 【遊歩道】 No.6
遊歩道

株式会社川瀬電気工業所
取締役会長 川瀬 千賀子

大好きな写真のこと

 私の趣味のひとつに写真がある。
写真は私にとってプルーストの『失われた時を求めて』のマドレーヌの香りと同様のようだ。

 自分でファインダーを通して切り取った世界 写真を見ているとシャッターを押した時の体感、感覚とともに撮影した場所や状況が記憶が鮮明に蘇ってくる。
今まで撮影した何万枚の写真全てに。
カメラを通さずに見た風景はその時は感動しても時とともに記憶が薄れていってしまうことが多いのに。

 風景、花、街並み、ジャンルは問わず、カメラを手にしている時「あッ!これはすてき、きれい」と思ったら、即 シャッター。
一眼レフのカメラ、レンズ込みで3キロはあるが撮影している時は全く重さを忘れている。
(ゴルフ用の腕力?も鍛えられているようだ)

 機材は、訪ねてきた友人が「流石にワイン好きはワインセラーあるのね」と間違えたカメラの保存ケースに鎮座!させている。ボディは3台、レンズは6台、最近は好きなカメラとレンズが固定化している。

 カメラで切り取られた写真は 「被写体のここが好き、この部分がきれい」という主張で撮っているから、その思いが脳にインパクトのある記憶のスタンプを押す。
好きなことは忘れることはない。
大好きなシャンパンの銘柄、香りのブランド名を決して忘れることのないように。

 撮影した写真は3枚とか5枚の組写真にして年2回のグループ展に出品する。
年1回の年もあったから、カメラ趣味歴7年で10回の写真展に出品した。
写真展を振り返ると、その時、その時のカメラマインド、インスパイアされる被写体の変遷が私の内面の変遷を反映していると思う。

●Dreaming …・
    Hearing ……
      Flowering …… Melody ●

●Chat of flower angel ●

 これは組写真のタイトル。写真の出来とは別に結構自分では気にいっている。
「(写真がなくても)タイトルだけで!どんどん イメージがひろがりそうだ」なんて思って作ったタイトル。

 このテーマを考えてタイトルをつけていく時も大変だけど楽しい時間。
数百枚の写真から組写真にする写真を選びだし構成を決めていく。
この時はカメラマンから雑誌の編集者に変身。撮影より時間がかかることも多い。
写真とタイトルがベストマッチングできて、会場に展示された時の達成感は最高。
これだから写真はやめられないといつも思う、

 今年も写真展の開催が迫ってきた。
今回はどんな作品を出品しようか
楽しい時間が待っている

 これからも彩り、潤いのある豊かな人生のために趣味を楽しんでいきたい。

遊歩道 写真1
【拡大する】
遊歩道 写真2
2017年6月23日-29日 冨士フィルムフォトサロン名古屋
セピアフォトワークショップ展 出品作品 【拡大する】

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コラム2 【保健師からの健康だより】 No.159
保健師からの健康だより

株式会社 スズケン
保健師 稲垣 静香

『 寝酒は日本人だけ?! 』

 寝る前にお酒を飲むと寝つきが良くなるという経験は誰しもがあるのではないでしょうか。ところが寝酒は、海外ではあまり浸透していないようです。

 古いデータにはなりますが、2002年の「眠れないときにどうするか」の国際比較によると、寝酒がダントツ1位なのは日本人だけでした。ヨーロッパや南半球では眠れない人の40〜50%が医師を受診し、睡眠薬の使用は25〜40%、カフェインを控えるのは30〜45%、飲酒で対処するのは10〜20%程度と少数派です。海外では寝酒が健康に悪いということが常識になっており、眠れないときは受診したり睡眠薬が使用されたりしています。日本では受診が10%以下で、カフェインを控えるのも10%程度。睡眠薬を使用するのは15%程度。飲酒が30%で、海外と比べて圧倒的に寝酒が人気です。ちなみにアメリカやフランスでは、寝酒はベスト3にも入ってきません。

 寝酒をするとすぐに寝付けますが、たくさん飲み過ぎると眠りが浅く、途中で起きてしまうことがあります。これは、急激にアルコール濃度が低下するために起こるリバウンドの覚醒であり、アルコールが分解されていくとできるアセトアルデヒドの覚醒作用も手伝って、目が覚めてしまうのです。更に、アルコールには利尿作用があるため、夜中にトイレに行きたくなって何度も起きてしまうことがあります。また、いびきがひどくなったり、無呼吸になったりします。寝つきが良くなるからといってお酒に頼っていると、だんだん同じ量では眠れなくなり、量が増えて習慣化すると、アルコール依存になることもあります。そうすると、ますます不眠に拍車をかけてしまいます。

 それでは夜にお酒を飲まないほうがいいのでしょうか。
 いえ、そうではありません。睡眠に悪さをしない、身体に優しいお酒の飲み方があります。それは、夜にお酒を飲むときは寝る直前ではなく、寝る3時間前までにすること。そして、適正な量を守ることが大切です。適正量は純アルコール量が約20gで、ビールであればだいたい500mlが1回量です。どうして3時間なのか、体重70kgの人の肝臓が1時間に分解できるアルコール量が約7gなので、適正量であれば3時間で分解し終わるからです。体重が軽い人や、適正量を超えて飲んだときには、もっと時間がかかります。毎日飲む方は週に2日お酒を飲まない日をつくれるといいですね。
 また、寝酒の習慣がある方は、お酒の飲み方を見直すとともに、自分がお酒を飲まなくても眠れる状態かどうかを意識してみてください。

 正しく飲めばお酒は身体にとっていいものです。お酒には緊張をほぐし気持ちをリラックスさせるメリットがあります。お酒を飲み過ぎたり、まったく飲まないよりも、適度に飲むことで死亡率が低くなるとの研究もあります。
 ほろ酔い程度で、楽しく幸せなお酒を飲みましょう。

眠るためのお酒はだめ。節度ある、幸せなお酒を飲みましょう。

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コラム3 【「ほん」のひとこと】 No.104
コラム【「ほん」のひとこと】

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

考証要集
大森洋平著・文春文庫

 副題に「秘伝! NHK時代考証資料」とあるように、著者はNHKの時代考証の責任者(をしていた人)で、著者自身が作った1万ページを超える「考証メモ」の中から職員向けに五十音順に整理したものを底本としたオリジナル文庫です。
 以下、いくつかの例を抜き出してみます。

  • 〈牛耳る(ぎゅうじる)〉は、「牛耳を執る」を縮めた旧制高校生の造語なので時代劇で使ってはならない。縮めずに使うか、「意のままにする」「恣にする」などと言い換える。
  • 〈敵味方の色分け・駒〉では、「西洋兵学では地図上の味方を青、敵を赤と色分ける。…赤と青が一本になった色鉛筆は、本来はこのための軍用品らしい。…」
  • 〈姑の毒殺法〉では、「包丁の刃の左側にのみ致死性の毒を塗り(左利きの人は右側)、羊羹、カステラ、蒲鉾等を切る。すると、最初の一切れには毒がついていない。その一切れを自分が食べて『お義母さま、おいしいですわよ』と安心させ、毒がついた二切れ目をすすめる。余毒があれば三切れ目を小姑に食べさせる。このトリックはすでにローマ古典『ヒストリア・アウグスタ』の中のマルクス・アウレリウス皇帝伝に載っている」

 「不遜ながら表題は、かの恵心僧都源信の『往生要集』に倣った」とのこと。読んでいて飽きない本です。

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コラム4 【苗字随想】 No.181
コラム【苗字随想】

片桐清志

「ペンネーム」あれこれ(2)

 前回の「ペンネーム」の続きで、戦後編だ。直木賞・芥川賞は戦時中も続いていたが、さすがに戦後しばらくは選考が中断していた。再開したのは昭和24年で21回目が戦後初になる。選考対象は昭和20年から24年の上期までの4年間だ。戦後初の直木賞は富田常雄で本名だ。芥川賞は由紀(ユキ)しげ子と、名古屋市で開業医をしていた小谷剛(コタニツヨシ)の二人だ。小谷は本名だが、由紀しげ子はペンネームで、本名は新飼しげ(シンガイ・シゲ)で、本名の「新飼」はランキングが15000番台の珍しい苗字だ。
 戦後の直木賞作家のペンネームをいくつか列挙する。第25回(S26)の源氏鶏太の本名は田中富雄で富山県出身だ。第26回(S26)は二人いて、久生十蘭(ヒサオ・ジュウラン)の本名は阿部正雄、柴田錬三郎の本名は斎藤錬三郎だ。第34回(S30)の新田次郎の本名は藤原寛人で、昭和54年に紫綬褒章を受章している。第40回(S33)の城山三郎は愛知県生まれで、処女作「中京財界史」や尾張徳川家の青松葉事件を扱った「冬の派閥」を読まれた方も多いだろう。本名が杉浦英一であることも有名だ。第42回の司馬遼太郎の本名は福田定一で、中国の史記の編纂者「司馬遷」にあやかったもので、平成5年には文化勲章を受章している。
 第45回(S35)の寺内大吉の本名は成田有恒(ナリタ・ユウコウ)で、増上寺の第87世法主でもある。第72回(S49)の半村 良の本名は清野平太郎で、半村 良はイイデス・ハンソンをもじったものだ。
 第74回(S50)の佐木隆三(サキ・リュウゾウ)の本名は小先良三(コサキ・リョウゾウ)で、ランキングも35000番台で大変珍しい苗字だ。第79回(S53)の色川武大(イロカワ・タケヒロ)は本名だが、ペンネームの阿佐田哲也(アサダ・テツヤ)も持っていて「朝まで徹夜」をもじったものだ。麻雀が好きで映画にもなった大作「麻雀放浪記」を残している。第89回(S58)の胡桃沢耕史(クルミザワ・コウシ)の本名は清水正二郎、第91回(S59)の連城三紀彦(レンジョウ・ミキヒコ)の本名は加藤甚吾で愛知県出身だ。第100回(S63)の藤堂志津子の本名は熊谷政江、第101回(H1)のねじめ正一の本名は禰寝正一(ネジメ・ショウイチ)で、本名のランキングも39000番台と珍しすぎて読むのも書くのも大変なのでひらがな化したものだ。第107回(H4)の伊集院静の本名は西山忠来(ニシヤマ・タダキ)、第109回(H5)の高村薫の本名は林みどり、第115回(H8)の乃南アサの本名は矢沢朝子、第117回(H9)の浅田次郎の本名は岩戸康次郎、第127回(H14)の乙川優三郎の本名は島田豊だ。
 最近の受賞者のペンネームは本名のままだったり、ペンネームを使っていても名前だけを変えている場合が多そうだ。

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【平成29年6月号編集後記】

 先日、ある会で地域ぐるみで中学校の教育環境を改革している話を聞いた。この取り組みの舞台は「江東区立第三砂町中学校」で、活動の中心となっている「三砂中支援の会」は昨年12月に「地域学校協働活動」が認められ文部科学大臣賞を受賞している。
 文部科学省等の資料によれば「地域学校協働活動」とは、子供たちと未来のために地域全体で学びあい支えあう活動のことだ。地域の高齢者、成人、学生、保護者、PTA、NPO、民間企業、団体・機関等の幅広い地域住民等の参画を得て、地域全体で子供たちの学びや成長を支えるとともに、「学校を核とした地域づくり」を目指している。地域と学校が相互にパートナーとして連携・協働して行う様々な活動があり、愛知県では「トワイライトスクール」が活発だ。今回の文部科学大臣賞も愛知県下で6件の活動が表彰されている。
 「三砂中支援の会」は文部科学省の各種支援制度が整備される前から活動していて今年で8年目になるが、活動理念は文部科学省の呼びかけと共通している。その一例が「三砂中支援の会」のメンバー構成だ。会長は現在91歳でもともと学区内で東京ガスの特約店を営んでおり、町会会長経験者で学校をもっと地域に密着させたいと活動を開始した。活動開始後、学校内部の事情に明るい三砂中の元教頭やマネジメントや人脈に明るい大手企業のOB、現役の町会役員もグループに加わり各種の問題解決力がパワーアップした。
 活動の手始めが管理人不在のため放課後未利用になっていた図書室の開放で、部活のない生徒たちの居場所づくりを手掛けている。生徒と地域住民との交流が生まれた。考査前にはみんなで学習会をするようにもなった。学習に興味を持ち始めると考査前だけでなく継続的な学習の場づくりへと発展した。教室では困難な個人レッスンで苦手科目の克服の手助けを追加した。こうした活動を継続していた時に東大教育学部長の視察の機会があり、意見交換会からさらに活動が多様化していく。例えば将来の教師を目指す学生ボランティアの参加だ。学生にとっては教育実習の場になるし「三砂中支援の会」のメンバーとの交流会では生きた社会勉強の場にもなる。
 地域との交流の極め付きは部活の学外活動だ。廃部目前の茶道部に歩行者天国でお点前披露の機会を提供している。区長や校長や卒業生も訪れ、交流の楽しさを体験している。こうした活動が地域の見守りにもつながっている。
 地域コミュニティの在り方は千差万別だ。しかし学校を上手く活用することが有力だ。大規模災害時には学校は避難個所としても機能する。中学生は非常時には大きな戦力だ。日ごろから地域で交流があれば、双方にとってきめ細かい対応が可能になる。避難訓練だけでは得られない地域の絆は地域住民の日ごろの活動から生まれる。学校運営を教育関係者だけに任せるのではなく、地域住民の積極的参加が今必要に思われた。

 今月は7名の新会員紹介ができた。大歓迎だ。すでに産業懇談会でお目にかかった方もある。今後の交流が楽しみだ。

(片桐)