産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】 第158号 2015.7.31 発行

メールマガジン■産懇宅配便■

平成27年7月度(第158号) 目次
【27年6月度 産業懇談会(水曜第1G)模様】 6月17日(水) 12時00分〜14時00分
【27年7月度 産業懇談会(木曜G)模様】 7月2日(木) 10時00分〜14時30分
【27年7月度 産業懇談会(火曜G)模様】 7月7日(火) 12時00分〜14時00分
【27年7月度 産業懇談会(水曜第2G)模様】 7月8日(水) 12時00分〜14時30分
【名古屋いちばん物語】 No.74
【新会員自己紹介】
吉田 靖之氏

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 執行役員

糟谷 哲生氏

三菱UFJリース株式会社 常務取締役

【懇親ゴルフ会開催のご案内】
【9月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1 【保健師からの健康だより】 No.136
コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.81
コラム3 【苗字随想】 No.158
【27年6月度 産業懇談会(水曜第1G)模様】

テーマ: 『 中小企業の法的支援について 』

日  時:平成27年6月17日(水) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 2階 曙の間
参加者:19名

スピーカー:
酒井 俊皓(さかい としつぐ)
酒井法律事務所 所長 弁護士

酒井俊皓氏

■ 中小企業と弁護士
 日本の企業数は420万社であるが、その内99.7%が中小企業だ。日々従業員とその家族の生活を背負い必死に頑張り、日本経済を縁の下で支えているのが中小企業である。こういった意味で中小企業を、法的な面から支援することは大きな意義があると考えている。
 ところが、日本弁護士連合会(以下 日弁連)が2008年に行ったアンケート調査によると、中小企業の約50%が弁護士の利用経験がなく、60%が顧問弁護士・相談できる弁護士がいない。また、弁護士を利用しない理由のトップは、「弁護士に相談すべき案件がない」であったがこれは本当だろうか。
 約80%の中小企業は「債権回収」「労使問題」「クレーム対策」「事業承継」等々、何らかの法的課題を抱えているという結果が一方には存在する。
 浮かび上がってきたのは、中小企業はこれらを法的問題と捉えていない、もしくは訴訟・裁判関係以外は弁護士に相談する案件ではないと思っていることだ。加えて、漠然とした弁護士報酬への不安と、精神的な敷居の高さに影響があることが分かった。
 このような調査結果を受け、日弁連は2009年11月に「日弁連中小企業法律支援センター」を設立した。中小企業者の弁護士に対するアクセス障害を解消し、そのニーズに応える弁護士養成を大きな目標としている。以来、中小企業庁等との協力・連携強化を通じて様々な支援策やプログラムを打ち出し、私も現在まで副本部長を務めさせて頂いている。

■ 日弁連の取組み
 日弁連の中小企業支援の代表的な取り組みを紹介する。
A)対外的な取り組み
1.ひまわりほっとダイヤル
  中小企業支援の中心となっている電話相談窓口で、相談者の地区の弁護士会に繋がる。初回面談30分無料ということもあり、弁護士へのアクセスの第一歩の役割を果たしている。受任率も20%と高く大きな成果を上げている。
2.中小企業全国キャラバン
  全国をまわり、各地の中小企業関連団体と意見交換会をすることで、中小企業と弁護士が、顔を合わせて関係を築く役割を果たしている。
3.海外展開支援
  ジェトロや東京商工会議所と連携し、企業の海外事業展開にあたって必要な業務(契約書・知的財産保護・労務問題等)にあたる弁護士を紹介している。
4.創業・起業支援、女性起業家支援
  創業や起業に当たっての講座やアドバイスを行っている。
B)対内的取組み
1.特別研修の開催
  事業承継、事業再生、海外支援、財務諸表、金融円滑化法終了問題への対応、特定調停スキームによる事業再生、経営者保証ガイドラインへの対応など特別研修の開催
2.実務書の発刊
  専門分野に関しての手引書の作成

■ 自前の弁護士育成の勧め
 現在、中小企業の30%弱が後継者不足のため廃業に迫られている。この事実を受け、日弁連は「事業承継」に力を入れている。
「事業継承」では(1)親族内承継、(2)従業員等への承継 / 外部から雇い入れ、(3)M&Aといった選択肢が考えられるが、いずれも株式、議決権等が絡んでくるので、会社法をはじめとする幅広い知識が不可欠であり、弁護士主導で行うのが望ましい。
 また、中小企業を取り巻く環境全般において、次のような最新の動きにも弁護士は常に勉強し対応している。
・「中小企業の事業承継に伴う納税猶予制度」
・「事業承継を円滑に行うための遺留分に関する民法の特例」
・「特定調停スキーム活用による中小企業再生支援」
・「経営者保証に関するガイドライン」

 人間と同じように企業も健康診断が必要だ。会社法の遵守、諸規定の完備、雇用、ガバナンス、コンプライアンス、業務関連法規、契約書、債権管理、知的財産権、資金繰り、経営環境等々、弁護士に一度チェックを依頼すると良いだろう。
 もう一つ、是非、事業主にとって使い勝手の良い「自前の弁護士」を持つことをお勧めしたい。弁護士は企業と仕事をすることで、その企業の業界について勉強して詳しくなる。
 更に、現在は弁護士に対しての各種研修や手引きが充実しているので、間違いなく会社の多方面でお役に立てるようになっている。役に立つ弁護士を持ち、大いにその力を活用して頂くことになればと願う。


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【27年7月度 産業懇談会(木曜G)模様】

テーマ: 『 第二回 八事窯 作陶体験 』

日  時:平成27年7月2日(木) 10時00分〜14時30分
場  所:八事窯 名古屋市昭和区南山町12-1
参加者:7名


 

 本年3月に開催された「八事窯 作陶体験」が参加者一同から「楽しかった」と好評を得た為、第2回が開催される運びとなった。
 はじめに、参加者一同が茶室に招かれてお茶を頂き談笑。一息ついたところで作業スタートとなった。

■ 楽焼とは
 楽焼(らくやき)は、手とへらだけで成形する「手捏ね」(てづくね)と呼ばれる方法で成形した後、750℃ 〜 1,100℃で焼成する陶器である。
手捏ねによるわずかな歪みと厚みのある形状が特徴であり、茶碗、花入、水指、香炉など茶道具として使用されるものが多い。

■ 作業スタート!
 参加者は、まずどのような「形状」の作品をつくるかを決めるところから始まる。
選ばれたのは湯飲み、ご飯茶碗、深鉢、カレー皿など様々だ。「世界に一つだけの作品」を制作すべく、気合十分で作業開始である。だが、中村道年 先生から手渡されたのは「丸い土の塊」(写真1)。さて、本当に出来上がるのだろうか。
 和やかな雰囲気での作陶体験となったが、自らの作品に対しては並々ならぬ意気込みが伝わってくる。言葉には出さないものの、理想の形状を頭に浮かべ、また自らの芸術の才能を信じながらの作業が続く(写真2)。
 中村道年 先生の助言と手直しが入り、こうして午前中の作品の原型が完成した。
 昼食休憩となったが、その間も八事窯の皆さんによって「乾燥」と「高台の取り付け」作業が行われた。

■ 削り
 元気を取り戻した参加者は、午後から「削り」の作業となった(写真3)。実は、「楽焼」の本番はここから。午前中に成形した時は1キロの重さであったものを、ヘラを使った手作業で約半分の重量に落とすのだ。
 まず、作品の外側を削り、見た目の形状と大きさを整える。その後に内側を削り重量を軽くするという要領だ。
 やってみると中々削れない。気温が上昇するなか、職人魂に火がついてしまった参加者一同は、午前中とはうって変わって無口になり、ひたすら削り、削り、削りまくる。(写真4&5)

■ 作業終了
 そこへ中村道年先生が登場。和気あいあいとした会話が復活し、先生によるプロの修正が作品に入ると「さすが!」と唸ってしまう出来栄えに変わってゆくのであった。
最後に好みの釉薬を選び、後日予定される窯焼きが無事行われることを祈り、本日の体験会は終了。皆さんお疲れ様でした(写真6)。
 完成予定は2ヶ月ほど先。是非、作品鑑賞会を開こうと誓い合っての閉会となった。

1)
写真1 丸い土の塊が…

2)
写真2少しずつ形になっていく

3)
写真3 ここからが本番!

4)
写真4高まる集中力。どんどん削る。

5)
写真5 まだまだ削る。

6)
写真6先生の修正も入り、満足の出来栄え。
焼き上がりが楽しみですね!


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【27年7月度 産業懇談会(火曜G)模様】

テーマ: 『 もっと知ろう! 名古屋の良いところ
          〜歴史的建造物を通じて名古屋の魅力を探る〜 』

日  時:平成27年7月7日(火) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 3階 桂の間
参加者:29名

スピーカー:
野口 和樹(のぐち かずき)
(有)野口良一設計事務所 代表取締役
なごや歴まちびとの会 前事務局長

野口和樹氏

■ 名古屋市の「歴史まちづくり」への取組み
 名古屋市は、平成23年に「名古屋市歴史まちづくり戦略」を策定し、活気あるまちづくりに歴史を活かした「語りたくなるまち名古屋」の実現に向けて力を入れている。
 更にこの戦略を具体化するため「名古屋市歴史的風致維持向上計画」を作成し平成26年国からの認定を受け、京都、金沢、高山、犬山等の歴史都市と並び実施に取り組んでいる。
 また、これらの方針に先立ち平成21年、(公財)名古屋まちづくり公社(以下、公社と省略)は、名古屋市から景観法に基づく景観整備機構の指定を受け、身近な歴史的建造物の保存活動を推進している。
 その活動内容は、(1)「歴史的建造物の保存活用ネットワークづくり」、(2)「歴史的建造物の活用管理」、(3)「セミナーやワークショップ等での啓発活動」(4)「歴史的建造物の保存活用に関する助言(なごや歴まちびとによる)」だ。

■ 「なごや歴まちびと」とは
 「なごや歴まちびと」とは、正式には「名古屋歴史的建造物保存活用推進員」である。 公社が実施する養成講座を修了すると資格を得られ、「歴史的建造物の保存活用の助言」の役割を担う。私自身がこの一期生であり、現在は77名が「なごや歴まちびと」として登録されている。建物の所有者(又は使用者)が名古屋市もしくは公社に相談し、専門家派遣の要請があると、「なごや歴まちびと」が現場に向かい、建物調査、保存活用、修復、図面作成等の相談と助言を無料で行うなごや歴まちびと「派遣制度」の仕組みがある。

■ 登録地域建造物資産制度
 名古屋市では文化財として登録や指定までは至らないが、身近な歴史的建造物の保存活用を目的とし、次の条件を満たす物件に対して、2つのレベルに区分けして登録・認定する制度を持っている。(名古屋市都市景観条例)
 (条件)
・名古屋市内にある、築50年以上経過した景観的・文化的価値を有する建造物
・老朽化が著しくないこと
・所有者に存続の意思があること

 これまで、142の建造物が保存・活用のための技術的援助(「派遣制度」)を受けられる「登録地域建造物資産」として登録され、61の建造物が上記の技術的援助に加え経済的援助(上限付助成金制度)が受けられる「認定地域建造物資産」として認定されている。

・「登録地域建造物資産」 計142件 (平成27年6月15日現在)
旧山英商店、きよめ餅本社、筒井小学校、蓬左文庫旧書庫、旧伊藤耳鼻咽喉科医院、会席料理 櫓心こ、新元湯、織と染 加島屋、うなぎ西本 奥座敷、料亭蔦茂、本草閣薬局 等

・「認定地域建造物資産」  計61件 (平成26年12月25日現在)
(有)柏彌紙店、(有)美濃佐商店、めん処 天満屋、旧豊田佐助邸、主税町長屋門、徳川園黒門、日本陶磁器センタービル、爲三郎記念館、伊勢久(株)本社社屋、鶴舞公園鶴々亭、同百華庵 等

■ その他の歴史的建造物
 十州樓(北区大曽根)、草津温泉(緑区鳴海町)、鳥久(中村区)などは、残念ながら歴史的建造物として残らず解体されてしまった。鳥久(中村区)については、報道で大きく取り上げられたので、その経緯をはじめみなさんよくご存知であると思う。
 旧松花堂店舗(中区栄三丁目)や熱田区界隈の建物など、これから歴史的建造物として保存したい建物は、まだ名古屋市内に沢山残っている。多くのみなさんのご理解を頂き、歴史的建造物の保存・活用を進めることができればと願う。

■ おすすめツールの紹介
 名古屋の歴史的建造物を見ながら散策できるツールとして、名古屋市が作成した2つをお薦めしたい。
1.「ぶらり本町通」は、名古屋市が今年の2月に作成した名古屋城下町歴史散策マップである。名古屋城の正門から南の熱田へと延びる本町通を中心に、様々な建物、場所、地名等の解説が古絵図とともに満載されており、とても興味深い。今後この本町通界隈で行われる「歴史まち歩き」のための参考ツールとして利用をお願いしたい。
(問合せ先:名古屋市歴史まちづくり推進室。TEL 052-972-2779)

2.「名古屋歴史スマートナビ」は、名古屋市内の歴史・文化資産などを紹介するスマホ用アプリだ。設定されたコースから選んだ場所に行き、見どころとなる歴史的建造物等の前でスタンプ(写真)を集め、更にそこにまつわる歴史的な資料をその場で垣間見る事が出来、居ながらにして地域の歴史を学ぶことができる。こちらも設定コースでの「歴史まち歩き」において、チェックポイントが必要となるケースで利用する価値が高いとお薦めする。
(問合せ先:名古屋市歴史まちづくり推進室、サポート:info@758rekishi.com )


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【27年7月度 産業懇談会(水曜第2G)模様】

テーマ: 『 日本福祉大学 東海キャンパス視察会 』

日  時:平成27年7月8日(水) 12時00分〜14時30分
場  所:日本福祉大学 東海キャンパス
参加者:12名

紹介者:
黒川 道男(くろかわ みちお)
学校法人日本福祉大学 専務理事

黒川道男氏

■ 東海キャンパス
 日本福祉大学 東海キャンパスは、平成27年4月にオープンしたばかりの最新キャンパスである。オープンに合わせ新設された看護学部に加え、経済学部と国際福祉開発学部の2学部が美浜キャンパスから移転し、約900名の学生が通っている。名古屋駅から特急17分で名鉄 太田川駅に到着し、そこから徒歩ですぐの立地である。
 視察会は昼食会で始まり、日本福祉大学 専務理事 黒川 道男氏による歓迎挨拶、施設見学、看護学部 学部長 山口 桂子氏による講演と進行した。

■ 施設見学
 東海キャンパス事務部長 塩見 渉氏に施設のご案内をして頂いた。建物は地上6階、地下1階で、幅が140mと細長く、非常に特徴的な外観だ。最新の技術の免震構造が採用され、各種災害を想定した地域の避難場所としての役割も担っている。5階に配置された体育館、双方向型授業を想定したアクティブ・ラーニング・ラボ教室、地域社会に開かれた図書館、オープンラウンジ、パーソナルロッカー、基礎看護/成人・老年看護学実習室等を見学した。どの施設も一昔前の大学のイメージとは全く異なり、大学キャンパスの進化に大いに感心するばかりであった。

体育館
<体育館>

アクティブ・ラーニング・ラボ
<アクティブ・ラーニング・ラボ>

図書館
<図書館>

視察中の一コマ

アクティブ・ラーニング・ラボ

図書館

<視察中の一コマ>

<基礎看護/成人・老年看護学実習室>

集合写真
<東海キャンパス正面入口にて>

■ ご講演
 キャンパス内を視察後、講義室にて本年4月に新設された看護学部 看護学部長 山口 桂子氏より「いつでも家族らしくあるために-家族看護学からの提案-」と題して講演が行われた。要旨は次のとおり。

集合写真
山口 桂子 教授

 日本の医療体制にはいくつかの動きがあるが、特に大きな変化として、従来型の「病院完結型医療」から、在院日数を短縮することで医療の効率化を図り、代わりに在宅医療を重視・拡充する「地域完結型医療」への動きがある。これは、昨今、厚生労働省が「地域包括ケアシステム」として、2025年を目標にその実現を目指していることにも示されている。また、単に「治すこと」に専念していた医療から、より患者の尊厳、生命の質に配慮する「支える医療」へと変わりつつある。医療はどうあるべきか、「考え方」そのものにパラダイムシフトが起きているのである。
 このような動きの中で、患者と共に暮らす家族への期待と負担は一段と増加し、特に在宅での専門的で難易性の高い医療的ケアを施しながら生活する家族にとっては、超えなければならない課題は大きくなる一方である。そこに、家族を支える役割が求められている。
 家族看護学では、「家族」を法律に基づく「血縁や婚姻関係」に限らず、「お互いに情緒的、物理的、経済的サポートを依存し合っている人々で、その人たち自身が家族であると認識している人々」と定義し、家族の多様性を認めるところから始める。
 家族メンバーの健康問題は、家族全体に種々の影響を及ぼす。健康問題の質や程度によっては、家族個々の日々の暮らしを揺るがし、さらには家族全体の働きを停止させることもある。そこで、家族支援のための家族を捉える視点である「家族の発達(家族周期)」「家族の役割と機能」「家族システム」などをもとに、家族がどのような発達課題をもち、そのために家族メンバーがどのような役割や機能を果たしているのか、また、家族メンバー間の関係性や家族と社会とのつながりはどうなっているのかを知ることが、対象である家族を理解し、援助する手がかりとなる。その上で、看護者は、家族が抱えている問題を家族自身が正しく認識し、家族内外での調整を図れるように援助を行っていく。
 家族が家族内外の調整を進める上での基本となる家族の力は、円滑な家族間コミュニケーションに他ならない。健康問題が累積し、家族の危機が顕在化する可能性はすべての家族にあることを念頭に置きながら、日々のコミュニケーションの促進に努めることが大切である。
 家族看護学とは、このような「支える看護」を実践し、家族のセルフケア機能を高めることを目指しているのである。


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【名古屋いちばん物語】 No.74


テーマ: 『 「住吉の語り部となりたい」 シリーズ第52回 』

料亭つたも主人
深田正雄

名古屋最古の竪三蔵通遺跡と竪三ツ蔵町・横三ツ蔵町

 数万年前の石器時代より谷沿い北側の台地に人類がいたようで、名古屋最古の遺跡は栄小学校の東西にあった「竪三蔵通遺跡」です。旧石器時代(3万年前)のナイフ型石器の出土をはじめ、近世にわたる複合遺跡といわれています。
 農耕生活以前、清流の水を求めて獲物が到来、谷を見渡せるこの周辺は、見晴らしの良い台地で絶好の狩猟ポイントとなったと思われます。そして、紫川の流域沿い、南の若宮通り沿いに縄文土器が発掘された「旧紫川遺跡」、科学館周辺白川通り南には古墳時代の「白川公園遺跡」が確認されています。(写真1)

 清州越しの「三蔵」の名称について、名古屋堀川ライオンズクラブさんの「CD堀川ミュージアム」から転載・資料集を抜粋引用させて頂きます。

 ここに尾張藩の蔵がつくられたのは、名古屋城がつくられたのと同じころです。この場所につくったのは、堀川を使って船でたくさんの米を一度に運べるからです。
 清洲には福島正則の築城時に建てた、長さ55mもの大きな蔵が3つあり、「三蔵(みつくら)」とよばれていました。この蔵を納屋橋のところまで運んできて、その他にもたくさんの新しい蔵を建てました。たくさんの蔵があったのですが、清洲のころの名前のまま名古屋でも「三蔵」とよばれました。
 今でも、天王崎橋を東西に通る道が「三蔵通」朝日新聞社西側の南北の道が「竪三蔵通」という名前なのは、昔、尾張藩の蔵があったころのなごりです。
 約250年もの長いあいだ、藩の蔵がおかれていましたが、明治になると税金はお金ではらうようになり米を保管する蔵はいらなくなりました。このため、明治6年(1873)に、それまで広小路本町の東南角(現東急イン栄)にあった牢屋がこの場所に移されて、懲役場と名前も変えられました。
 その後、明治39年(1906)に設立された東海倉庫株式会社が、堀川を利用して船で物を運ぶのに便利なこの土地を買い取り、倉庫として使うようになりました。
 尾張藩は69万石で、全国でも数少ない非常に大きな藩でした。このため、年貢としておさめられる米もたくさんになります。
 蔵のたっている土地は、南北が約260m、東西が北側(広小路側)は約70m、南側は約110mという広い土地で、まわりは高い塀でかこまれていました。中には26の蔵があり、その出入り口はあわせて83か所もありました。蔵には7万3000石の米を保管できたそうですが、これは米を入れる俵の数では約18万個、重さでは1万トンにもなります。
 元和5年(1619)からは、蔵の管理をする御蔵奉行(おくらぶぎょう)がおかれていました。(写真2)以上転載・一部加筆

 数多くの蔵に小舟で米俵を輸送するために、三蔵通りと広小路の間に水路が掘られ、「入江町」通りの名称となりました。また、当時の石垣跡が劇団四季の周辺で見つけることもできます。懲役場は明治30年愛知郡千種村(現・名古屋市昭和区吹上2丁目、吹上公園付近)に移転、名古屋刑務所に改称、昭和40年若宮大通(100m道路)の建設に伴い、現在地みよし市ひばりヶ丘に移転しています。

 戦災で焼失した跡地は、昭和30年代に名古屋温泉パレスとなり千人規模の大型ダンスホール、プール、アイススケートリンクに進駐軍のかっこいいアメリカ人が地元民と親しく一緒に過ごしていました。南には名古屋自動車学校という教習所が開業、その後、ホテルニュージャパン火災で話題となった横井英樹氏のトーヨーボールがオープンし、ボーリングブームの先駆けとなったようです。しかし、堀川沿いの東陽倉庫南には、薄暗くなると多くのいかがわしい女性がドンドン出現して物議を醸しだしていました。ヤクザ風のお兄ちゃんが大きな笊籠を差し出しながら、ご商売で客待ちの方々から所場代を投げ銭の如く徴収している姿が思い出されます。

 そして、東海倉庫(株)は名古屋倉庫(株)と合併、東陽倉庫(株)となり現在、この地、納屋橋東地区市街地再開発組合のリーダーとして新しい街づくり企画をスタートしています。正雄君の東海中学の同級生・山岸博之さんが理事長として、平成3年の再開発準備組合の設立から23年、長い苦難の末、平成29年6月の工事完成を目指して、UR機構のコーディネイトのもと”納屋橋HUBグループ”と一体となり事業を推進していくとのこと、堀川の水辺空間を生かし名駅や栄と差別化された都市づくりが楽しみです。

 栄小学校の帰途は、横三蔵通りの同級生・中島次郎君の酒屋中島屋本店でラムネをいただき、野垣肛門病院・秀才の敬君のお母さんにお世話になりました。お隣は名古屋一のキャバレー白菊で、夕刻には派手な「夜の蝶」のお姉さんがいっぱいでした。救急外来の多い山崎病院さん周辺では、救急車のサイレンが毎日鳴っていたようです。角のゼネラルガソリンスタンドは三油商会さんから一光グループに経営が変わり、現在は再開発のためか空き地となっています。

 北見地図から横三つ蔵で同じ場所に現存するのは、一丁目界隈ではオート三輪のサカイオートサービス、簾・提灯など雑貨屋の伊藤繁治郎商店、愛知県味噌醤油会館、最近まで銭湯「杉の湯」の看板があり、並びには手作りオーダーと舶来超高級靴の明治屋靴商店が頑張っています。(写真3)そして、梅本(株)は尾張藩御用達商人で中庭には素晴らしい日本庭園や水琴窟があり、当主磯村義典さんは一昨年まで栄学区区政協力委員長として地元町内活動にご尽力されていました。伏見通り沿い「旅館秋月」は13階建て秋月ビル&ハイツとなっています。

写真1
写真1:中区の主な遺跡分布図 
新修名古屋市史第1巻 別冊

写真2
写真2:三蔵(広井貢納蔵屋)配置図・「天明年間名古屋中支配分図」より

写真3
写真3:杉の湯(現在は休業中)、奥は愛知県味噌醤油会館・横三蔵1丁目

参考地図
写真4:北見地図 昭和35年頃住宅地図より

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【新会員自己紹介】

吉田 靖之氏
火曜グループ

吉田 靖之(よしだ やすゆき)
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 執行役員

【あいおいニッセイ同和損害保険株式会社】
〒460-0012 名古屋市中区千代田5-7-5 名古屋鶴舞ビル
TEL:052-252-2514   FAX:052-252-9153
URL:http://www.aioinissaydowa.co.jp/

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の吉田靖之と申します。
このたび産業懇談会火曜グループに参加させて頂くことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

弊社は、MS&ADインシュアランスグループの中核会社として、経営ビジョンに掲げる「すべてのお客さまに高品質の商品・サービスをお届けし、一人ひとりのお客さまからの確かな信頼を基に発展する企業」の実現に向け、全社を挙げて取り組んでいます。
多様化するニーズに応じた商品・サービスを提供し、お客さまにとって身近な親しみのある保険会社となるよう、当社の行動指針のひとつである「地域密着」を実践地域社会に貢献していきます。

さて私は本年で名古屋在3年目になりました。趣味はゴルフとウォーキングです。休日には10キロ達成を目標にウォーキングを楽しみながら行っています。また、時代小説を読むことが大好きなので、多くの戦国武将が輩出した土地柄ゆえのゆかりの名所・旧跡を訪ねています。

この産業懇親会を通じて様々な業種の皆様との交流の機会を頂けましたことに感謝申し上げます。
何卒よろしくご指導ご鞭撻のほどをお願い申し上げます。

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須藤誠一氏
木曜グループ

糟谷 哲生(かすや てつお)
三菱UFJリース株式会社 常務取締役

【三菱UFJリース株式会社】
〒460-8407 名古屋市中区丸の内3-22-24 名古屋桜通ビル
TEL:052-857-9203 FAX:052-857-9227
URL:http://www.lf.mufg.jp/

三菱UFJリースの糟谷でございます。
この度、前任の多田を引き継ぎ、産業懇談会木曜グループに参加させて頂くことになりました。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
弊社は、従来のリースに止まらず「総合ファイナンスカンパニー」として、中部地区をはじめ国内海外を問わず、様々なファイナンスの提供、事業への参画を行っていま す。ノンバンクならではの柔軟性と機動力が強みであり、環境エネルギー分野、不動産関連ビジネス、中古機器の売買など、お客様の幅広いニーズに対し、最適なソリューションを提供させていただいています。

さて、私は岡崎生まれで自宅は日進市、社会人のスタートも東海銀行という生粋の愛知県民です。
残念ながら、海外勤務が長く単身赴任の連続でしたが、今回漸く地元に戻ることができました。久しぶりの地元であり、ぜひ中部地区の発展に貢献したいと考えています。
また、産業懇談会では皆様方と交流させていただくことを大変楽しみにしています。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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【懇親ゴルフ会開催のご案内】

 産業懇談会では、恒例となっております4グループ合同の懇親ゴルフ会を下記のとおり開催いたします。

日時

8月8日(土) 7時12分スタート (アウトスタート6組)

場所 木曽駒高原カントリークラブ
長野県木曽郡木曽町日義4898-8
電話:0264-23-7001
 会費 後日精算後、ご請求申し上げます。
集合場所等
  • 現地集合といたします。
    6時50分までにアウトスタートのティグラウンド前にお集まりください。(開会式・競技方法などを説明します)
  • プレー終了後クラブハウスにて表彰式を兼ねた懇親会の開催を予定しております。(懇親会終了予定時刻:15時頃)
  • 競技方法は、ダブルペリア方式とします。
出欠のご連絡
  • 6月19日(金)を以て、お申込みを締切らせていただきました。
  • ご参加の皆様には、最終案内を発送致しましたので、ご確認をお願い申し上げます。
  • 7月31日(金)以降のプレーのキャンセルには、キャンセル料が発生いたしますので、ご了承ください。
お問合わせ先

中部経済同友会事務局 担当:後藤・山田
電話:052-221-8901

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【9月度産業懇談会開催日程】
名古屋観光ホテルでの開催です。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ

深田正雄
富田 茂

9月8日(火)
12:00〜14:00

キャリオ技研(株)
代表取締役 富田 茂氏
「無人飛行ロボット(通称ドローン)の開発最前線
    −技術は無事故を願い、法は無事件を願う−」
18階
伊吹の間
水曜第1グループ

落合 肇
飯田芳宏

9月16日(水)
12:00〜14:00
税理士法人 名南経営
常務理事 安藤教嗣氏
「会社経営者のための資産承継
    〜大増税時代の対策とは?〜」
2階
曙の間
水曜第2グループ

片桐清志
見祐次

9月9日(水)
12:00〜14:00
雪印メグミルク樺部統括支店
中部統括支店長 佐藤雅俊氏
「日本を取巻く世界の酪農環境と
    乳製品市場の今後について」
18階
伊吹の間
木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助

9月3日(木)
12:00〜14:00

特定非営利活動法人名古屋能楽振興協会
代表理事 理事長 柴田 雄次氏のご紹介
シテ方観世流 能楽師 久田勘
【詳細】ご参加の皆様には、別途ご案内申し上げます。
3階
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【コラム】

コラム1 【保健師からの健康だより】 No.136
保健師からの健康だより

株式会社 スズケン
保健師 鳥巣 妃佳里

『 健康を決める力とは 』

 「健康であること」は、つつがなく日常生活を過ごせている時には意識されにくいものです。ですが、ひとたび健康が損なわれそうな状況に直面すると強く意識され、多くの人が願うことでもあります。一昔前であれば、「病気になったらお医者様の言うことを良くきいて、すべてお任せする」という選択をされる人が多かったでしょう。
けれども最近では、テレビや雑誌、インターネットなどに健康情報があふれています。
情報の発信者も医療専門職(医者、薬剤師、保健師、栄養士、その他の療法士など)から、大学や公的機関、健康関連企業、病気を経験した人、興味を持って調べている一個人まで、幅広い人たちから情報が発信されています。私たちが皆さまにお届けしているこのコラムも、そういったものの一つです。

 このような社会の中では、どこから発信されているどの話をきけば良いのか、判断が難しくなります。信頼できる情報を見極めて、より良い意思決定をする力を持つことが必要になってきます。この、健康や医療に関する情報を探し、理解し、評価して、活用できる力を「ヘルスリテラシー」と言います。ヘルスリテラシーが高ければ、自分の健康のためにいちばん適した行動を選ぶことができますし、その高低で健康が左右されますから、ヘルスリテラシーは「健康を決める力」とも言えます。

 そして健康に関する意思決定をするための情報は大きく3つに分けられます。

  1. エビデンス(evidence): 日本語にすると「証拠」「根拠」という意味で、健康や医療における科学的な根拠(実験や調査の結果から導かれた裏付け)がある信頼できる情報を指す
  2. ナラティブ(narrative):日本語にすると「物語」「叙述」と訳され、体験談や闘病記など、一人ひとりの個別的で主観的な価値が表現されたもの
  3. 健康資源:公的機関や制度、医療機関、設備、など、実際の治療選択の際に資源や費用負担などを具体的レベルで考える時に役立つ情報

 これらの情報に優劣はなく、それぞれに意味があります。エビデンスは科学的な裏付けのある情報ですから、確率的に多くの人にあてはまり、どの選択肢を選ぶとどうなる可能性が高いのかを客観的に想定することができます。ただ人には個別性がありますから、それが必ずしも一個人の状況に一致するとは限りません。反対に、ナラティブは一個人の体験談でしかありませんから客観的に今後を想定するには不向きですが、人が意思決定をするときには、自分が今まで生きてきた中での経験や大切にしたい価値観などがベースになります。ですから似たような経験や価値観を持つ人の体験は、自分自身の体験の意味づけや意思決定に大きく影響します。そして健康資源は、実際の行動を起こす時に役立ちます。

 そう考えていくと、ヘルスリテラシーを高めるためには、健康情報はメリットデメリットを理解したうえでバランスよく集めること(情報を過大評価・過小評価したり、自分の見たいもの聞きたいものだけを取り入れることはしない)、自分が大切にしたい価値は何であるのかを日頃から考えておくこと、信頼して相談できる相手(専門職者とそれ以外の人の両方)と日頃からコミュニケーションをよくとっておくこと、最終的な意思決定は人に任せず自分ですること、が大切なのではないかと思います。健康であることは、生活や人生の質にも関わってきます。皆さんがより良い意思決定をして、健康で質の高い人生を過ごされますよう、願っております。

ヘルスリテラシーを高めて、健康で質の高い人生を過ごしましょう

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コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.81
コラム【「ほん」のひとこと】

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

『小説日本婦道記』
山本周五郎著・新潮社刊

 平成25年6月から刊行が始まり今年の2月に完結した「山本周五郎長編小説全集」全26巻の第4巻(単品で入手可)。昔からある文庫版には11篇の短篇が載っていますが、こちらは全31篇の初めての完全収録版で、直木賞を辞退したことでも話題となりました。この全集を特色づける一巻です。
 江戸時代を中心に、日本の婦人の生き方を描き、その凛とした姿からは深い感銘を受けずにはおられません。早く読み終わってしまうのがもったいなく、一篇ずつゆっくりと読みました。またどうしても目頭が熱くなってしまうので、人前では読まないようにしていました。
 概して、文豪たちの文章はこなれていて、読み易いものが多いように思います(今年から新しい全集の刊行が始まった谷崎潤一郎などもそうです)。その分、深い意味を読み落としているかもしれないという不安もあるのですが…。

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コラム3 【苗字随想】 No.158
コラム【苗字随想】

片桐清志

「祝日」と苗字(7)

 今年のカレンダーの8月には「祝日」も「国民の休日」もない。しかし、来年の8月には新しい「祝日」の「山の日」が登場する。時期は山開きの6月案など複数案が検討されたが、2014年5月23日に成立した「改正祝日法」では最終的に8月11日に決まった。したがって2016年からは祝日は年間16日になる。
 「山の日」の制定趣旨は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」としている。特に由来はなく、お盆休みを長めにとりやすくする意図が窺える。これで海と山のバランスは取れたが、こうなると祝日のない6月に「川の日」か「水の日」か、何らかの祝日が登場するのも時間の問題だろう。
 さて、苗字との関係では一字姓の「山」さんもいて、「ヤマ・ヤマサワ」の読み方がある。「山」で始まる「山姓」は「海姓」の165種の3倍に近い443種見つかった。山は何処からも見えるが、海が見える地域は限定的なことが要因だろう。また、山は古来、気高さの象徴であり、信仰の対象にもなってきたため、苗字に好まれたのだろう。因みに「川」で始まる「川姓」は300種、「河」で始まる「河姓」も215種ある。
 ランキング(佐久間 英)でも4位の山本を筆頭に、山田(12位)、山口(20位)、山崎(24位)、山下(85位)の5姓が100番内に、山中(123位)、山内(127位)、山岸(295位)、山川(350位)、山村(362位)、山根(376位)、山岡(416位)、山野(464位)、山上(595位)、山城(959位)、山県(982位)の計16姓が1000番内にランクインしている。このほか「山」が下のつく姓でも上位の者が多く100番内だけでも、小山(43位)、横山(49位)、片山(57位)、丸山(83位)の4姓が登場する。
 ユニークな苗字では、山一(ヤマイチ)、山神(ヤマガミ)、山人(ヤマヒト・ヤマト)、山伏(ヤマブシ)、山彦(ヤマヒコ)、山住(ヤマズミ・ヤマスミ)、山入(ヤマイリ)、山出(ヤマデ他)、山発(ヤマハツ)、山登(ヤマノボリ他)、山越(ヤマゴエ他)、山開(ヤマビラキ)、山名(ヤマナ)、山水(ヤマミズ)、山滝(ヤマタキ)、山犬(ヤマイヌ)、山椒(サンショ)、山吹(ヤマブキ)、山茶花(サザンカ)、山花(ヤマハナ・サンゲ・ヤマゲ)、山咲(ヤマサキ他)、山河(ヤマカワ)、山海(サンカイ)、山国(ヤマクニ)、山地(サンチ・ヤマチ他)、山坂(ヤマサカ)、山路(ヤマジ)、山道(ヤマミチ・ヤマジ)、山場(ヤマバ)、山手(ヤマテ)、山宿(ヤマジュク)、山寺(ヤマデラ)、山門(サンモン他)、山谷(ヤマタニ他)、山渓(サンケイ)、山峡(ヤマカゲ・ヤマガイ)、山峯(ヤマミネ)、山影(ヤマカゲ)、山陰(サンイン・ヤマカゲ)、山裏(ヤマウラ)、山裾(ヤマスソ)、山際(ヤマギワ他)、山里(ヤマザト)、山盛(ヤマモリ)などが見つかった。

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【平成27年7月号編集後記】

 例年のことだが、この時期に健康診断を受診している。当会の会員でもある健康診断専門の「愛知健康増進財団」を利用している。病院と違って明るく健康的な雰囲気で、機能もよく整備されておりスムーズな受診が受けられる。
 行くたびに少しずつリニューアルされていて、最新の医療機器への更新も進んでいる。デジタル化が進んでいて、ほとんどの検査結果がその場でモニターに表示され、正常値からのずれや、経年変化が分かる。超音波での内臓診断では映像が天井に表示され、簡単な解説もしてくれる。「見える化」の威力は絶大で、許容範囲内であればホッとするし、制限値ギリギリだと食生活に気をつけようと思う。
 若い頃は正常値が当たり前と思っていたが、高齢化に伴いコレステロールなどいろんな数値が制限値に近づく。昨年の数値が維持できていればホッとするが、視力や聴力は年と共に徐々に低下する。そのスピードを少しでも遅くするためには日ごろの生活習慣が大事だ。そのことに気付くだけでも定期健診の意味がある。
 ちょっとショッキングだったのは運動機能のバランステストだ。目をつむって「片足立ち」をどのくらいの時間できるかを測定するだけだが、わずか数秒でふらついてしまう。目を開けても、同じ場所に片足で踏みとどまるのが難しい。自分でも驚くほどバランス機能が低下している。
 子どものころは成長力が大事だが、成人になるとバランスが大事だと思っていた。バランス感覚を磨くために、自分自身を客観化してみることを心掛けてきた。何事もバランスを大切にしてきたが、高齢化はバランス感覚も劣化させることを自覚させられた。
 企業も同じだろう。創業期は成長重視の経営だが、やがて安定期に移行する。社歴と共に生まれる「伝統」はメリットばかりではない。時として目を曇らせることにもなりかねない。30年、50年といった節目は企業風土を「棚卸」し、原点回帰するチャンスかもしれない。

 中部経済同友会も今年は60周年の節目になる。この機会に産業懇談会も原点に返り、新たな気持ちで運営に当たりたい。会員諸兄のご意見を今後もお願いしたい。

(片桐)