産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】 第156号 2015.5.29 発行

メールマガジン■産懇宅配便■

平成27年5月度(第156号) 目次
【27年4月度 産業懇談会(水曜第1G)模様】 4月14日(火) 12時00分〜16時45分
【27年5月度 産業懇談会(木曜G)模様】 5月7日(木) 12時00分〜14時00分
【27年5月度 産業懇談会(火曜G)模様】 5月12日(火) 12時00分〜14時00分
【27年5月度 産業懇談会(水曜第2G)模様】 5月13日(水) 12時00分〜14時00分
【名古屋いちばん物語】 No.72
【新会員自己紹介】
加藤 雅也氏

株式会社テクノ菱和名古屋支店 名古屋支店長

福島 祐治氏

株式会社りそな銀行 名古屋営業本部長

【6月度産業懇談会開催日程】
【7月度産業懇談会開催日程】
【懇親ゴルフ会開催のご案内】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1 【保健師からの健康だより】 No.134
コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.79
コラム3 【苗字随想】 No.156
【27年4月度 産業懇談会(水曜第1G)模様】

テーマ: 『 (株)ジェイテクト刈谷工場視察会 』

日  時:平成27年4月14日(火) 12時00分〜16時45分
場  所:(株)ジェイテクト刈谷工場
参加者:25名

ご紹介者:
新美 篤志(にいみ あつし)
(株)ジェイテクト 取締役会長


 視察会当日はあいにくの雨模様となったが、我々一行を温かく迎え入れてくれたジェイテクト刈谷工場では、最初に工作機械・メカトロ事業本部 事業統括部部長 森野 嘉一氏から、歓迎の挨拶と会社概要をご説明頂いた。

(株)ジェイテクト
 当社は、光洋精工(株)と豊田工機(株)が2006年に合併して誕生した。そのため、社名自体はまだ約10年と新しく、Vプレミアリーグ所属男子バレーボールチームの活躍などを通して、認知度アップを推進している。
 連結売上高は1兆2600億円、連結子会社数140社、連結従業員数は43,400名を誇る、グローバルで活躍する巨大企業だ。
 自動車部品、軸受(ベアリング)、工作機械・メカトロニクスの3つの事業を柱としているが、刈谷工場は豊田工機(株)の流れを汲む、工作機械・メカトロニクス事業の工場である。
 そのため製品には赤と白の2色の“TOYODA”ののロゴが付いている。
 工作機械製品の種類は、大きく分けて(1)研削盤、(2)切削機、(3)マシニングセンタの3つであり、ここ刈谷工場では3種類合計で、年間約1,100台の生産能力を備えている。
 ちなみに、全世界で5万台以上の当社の工作機械が稼働中である。

刈谷工場見学(第1、第2、第5工場、高等学園)
 刈谷工場ではまず、機械加工、研削盤組み立て、切削機組み立てを行う第1工場、大型研削盤組み立てを行う第2工場、マシニングセンタ組み立てを行う第5工場を見学した。
 日本の強い製造業の代表格と言われる工作機械であるが、高い精度を誇る工作機械がここで製造されていると聞くと、派手さはないものの、多くの技能やノウハウで支えられている、日本のものづくりの現場を垣間見た。
 印象的なのは、2009年から取り組んでいる「フィッシュボーン生産」と呼ばれる組み立てラインの改善運動である。複雑な組み立て工程を、16の基本工程に「見える化」することで、納期の大幅な短縮に成功している。2011年からは「標準機生産ライン」を導入するなど、改善への取り組みは終わりがない。
 工場見学の後は、ジェイテクト高等学園を視察した。ここは、企業内職業訓練校と位置付けられている。本年度の場合、技能職として入社した高校卒業生170人中、将来職場のリーダーを目指す65名がジェイテクト高等学園に入学し、1年間の技能教育・研修をしっかりと受けることになっている。
 機械、電気、鋳造、仕上げなどそれぞれの専門分野の腕を磨くのであるが、技能教育・研修後の成績最優秀者はその後、技能五輪へ向けて更なるトレーニングを積む。
 人材教育・技能伝承を、ここまで徹底的に実践している職場はそうはないだろう。
 最後はカスタマーセンターを視察した。1999年に建てられた、いわゆるジェイテクト商品の展示場である。
 ここでは、パワーステアリング、駆動部品、トランスミッション等の主力の自動車部品に始まり、建設機器、医療、エネルギー、飛行機、電車、工作機械など、数えきれないほど幅広い産業分野にジェイテクト製品が関わっていることが伺える。
 閉会にあたっては、執行役員 岡安 高雄氏からご挨拶を頂き、当会からは飯田世話人が謝辞を述べ、視察会は無事終了した。


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【27年5月度 産業懇談会(木曜G)模様】

テーマ: 『 浜岡原子力発電所の安全性向上の取り組みについて 』

日  時:平成27年5月7日(木) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 2階 曙の間(西)
参加者:39名

スピーカー:
豊田 哲也(とよだ てつや)
中部電力(株)
原子力本部 原子力部 業務グループ長 部長

豊田哲也氏

1. 「新規制基準」と安全性向上への取組み
 当社の浜岡原子力発電所には1〜5号機の原子炉がある。1、2号機は既に廃止措置中であり、全ての作業は平成48年度の完了を予定としている。
 3〜5号機は、福島第一原子力発電所事故後、当時の内閣総理大臣による停止要請(平成23年5月)を受けて以来、停止中である。
 福島第一原子力発電所事故では、津波により電源等の安全機能が一斉喪失したため、炉心冷却停止、炉心損傷、水素発生、水素漏えい(格納容器破損)、というステップで放射性物質拡散に至った。
 この重大事故等を受けて、国は平成25年7月に「新規制基準」を施行した。新規制基準の強化・改善点は大きく分けて2つある。一つは「設計基準の強化」である。従来の基準に加えて、共通要因による安全機能の一斉喪失を防止する観点から、自然現象や火災等に対処するための要求事項が強化された。もう一つは「重大事故基準」が設定されたことである。従来は電力会社の自主的な取り組みとして任されていたが、万一、設計基準を超える事象により重大事故が発生した場合でも、その進展を防止するための基準が追加されたのである。
 具体的には、万一の重大事故等に備えた対策として、(1)炉心損傷防止対策、(2)格納容器破損防止対策、(3)放射性物質の拡散抑制対策が要求されている。また、意図的な航空機衝突への対応についても要求されている。
 当社は、福島第一原子力発電所事故以前から、アクシデントマネジメント策や、耐震裕度向上工事など、自主的に安全性を高める多くの取り組みをしてきたが、現在はこの「新規制基準」を満たすために、様々な追加対策を実施中である。
 なお、浜岡原子力発電所の4号機に関しては、既に原子力規制委員会による新規制基準適合性確認審査が進行中である。

2. 対策の具体例
 主な対策は次の通りである。
(1) 津波対策:海抜22mの防波壁工事(総延長1.6km)と防波壁両端の改良盛土の設置。
          取水槽から海水が流入しないように、取水槽周囲に溢水防止壁の設置。
          原子炉建屋外壁などの耐圧・防水性の強化。
(2) 火災対策:自動もしくは遠隔操作可能な消火装置の導入。
(3) 内部溢水対策:建屋・機器室貫通部に止水材を追加。
(4) 電源の信頼性向上:緊急時を想定した複数の電源確保。
(5) 炉心損傷防止対策:高台にガスタービン発電機、燃料タンク、地下水槽の設置。
                防水構造の建屋内に緊急海水取水ポンプの設置。
                可搬設備として取水・注水・電源車両等の導入。
(6) 格納容器破損防止対策:フィルタベント設備の設置による粒子性放射能物質放出の低減。
(7) 防災対策:地元自治体との防災訓練の実施。

3. 自主的・継続的安全性向上への取り組み
 当社の原子力への取り組み姿勢と理念は「中部電力グループ原子力安全憲章」として制定しており、その中身は「安全を最優先に」、「たゆまぬ安全性の追求を」、「皆さまとともに」が基本となっている。
 福島第一原子力発電所事故を教訓に、世界一安全な原子力発電所の実現を目指している。
 また、当社は経営が適切に原子力のリスクを分析・評価し、必要な安全対策の実施を判断できるように、原子力部門におけるリスクマネジメントの強化、社会の皆さまとのリスクコミュニケーションの強化、当社社長を議長とする「原子力安全向上会議」の設置、社外有識者の意見を取り入れる「アドバイザリーボード」の設置など、社内外の体制とそのしくみの構築に力を入れている。

4. おわりに
 原子力は優れた安定供給性と効率性を有しており、温室効果ガスの排出もない。
安全性の確保を大前提とするが、原子力はエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源であると考えている。
 当社は、浜岡原子力発電の安全性をより一層高める対策を、新規制基準のクリアにとどまることなく、これからも自主的かつ継続的に進めて行くとともに、地元をはじめとする社会の皆さまにご理解を頂けるように、全力で取り組んでいく所存である。


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【27年5月度 産業懇談会(火曜G)模様】

テーマ: 『 提言「SAMURAI CITY NAGOYA!」 』

日  時:平成27年5月12日(火) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:21名

スピーカー:
クリス・グレン
(有)パスト・プレゼント・フューチャー
代表取締役

クリス・グレン氏

1. 日本との出会い
 私はオーストラリアのアデレード市出身で、名古屋在住は22年になる。日本に興味を持つようになったのは、祖父による影響が大きい。第二次世界大戦で日本軍と戦った経験のある祖父だが、オーストラリアとは言語、歴史、文化が全く異なる日本が大好きだったのだ。私が子供の頃、祖父はいつも日本の魅力を語ってくれたし、祖父の家には車や電化製品など、様々な日本製品が溢れていた。
 そんなこともあってか、小学校の授業で日本についてのレポートを書いた時は、とても興奮したこと、そして先生から良い点をもらい嬉しかった事を覚えている。
 高校の歴史の授業でも、「日本」をテーマにしたレポートを提出すると、またとても良い評価を得て、どんどん日本への関心を高めていくことになった。
 高校生の時にチャンスがやってきた。ロータリー交換留学生として、1年間の日本留学の機会を得たのだ。当時から、城・武将・合戦など戦国時代に強い興味を持っていた私の希望留学先は、その中心地として憧れていた東海地方であった。ところが蓋を開けてみると、仲間が皆、東海地方へ留学したのに対し、何故か私だけは札幌に振り分けられた。来日すると、ホームステイ先、学校では英語が通じない環境だったため、「自分が勉強しないとダメだ」と悟った。1年間必死に日本語を勉強したが、毎日がチャレンジングでとても楽しかった。ある時、名古屋まつりの英傑行列の写真集を入手した。ホームステイ先の父親の友人が、英傑行列で家康の役に付いた記念として送られてきたのだが、この本は生涯の私の宝物となった。
 オーストラリアに帰国後、放送の専門学校を卒業し、子供の頃から夢であったラジオのDJになることが出来た。仕事は順調でとても充実していたが、心のどこかにいつも「日本に帰りたい」との思いを引きづっていた。そんな日々が5年間続いたが、日本への思いは強まる一方だったので、思い切って日本行きを決意した。
 来日して暫くした頃、名古屋で新しいFMラジオ局が開設すると聞き、迷わず履歴書を送ると見事にDJとして採用となった。こうして念願の名古屋での生活がスタートしたのである。
 名古屋に来ると、偶然にも甲冑師との出会いがあり、甲冑の魅力に惹かれて弟子入りをした。夜はラジオのDJをしながら、昼間は甲冑作りに専念するような日々が続いた。このようにして、本物の日本の歴史、文化に触れる経験を積むことができたのである。
 今では、甲冑・城めぐり・戦国の歴史研究などの趣味が高じて、本を出版するまでになった。また愛知県、岐阜県を初めとする様々な市町村や団体と共同で、その地域の歴史的魅力を再発見し、人々に広く伝える活動を手伝っている。

2. 外国人からみた日本の可能性
 日本の魅力は、自分のような外国人の方が理解できるのではないかと思っている。
最近の消費者は、何でも値段の安さを重視する傾向がある。ところが「ホンモノ」の品質を求めると、職人技が活きている「made in Japan」が世界中でNo.1なのである。
「ホンモノ」の魅力を正確に海外に伝えられれば、もっと沢山のビジネスチャンスを開拓できると思っている。
 もう一つ、人口減少社会を迎える日本では、今後外国人の受け入れが必要となるだろう。
観光、ビジネス、投資、定住など、様々な関わり方があるが、その受け入れ準備には何が必要かと考えると、それは歴史、文化、社会、マナーなど、正しい「日本」を外国人に伝えることである。その為には、まず日本人自身が日本の文化と歴史についての正しい知識・理解を深めることが必要だ。
 私は、世界中に未来の日本ファンを作ることを目的として、web マガジン“Japan World”を立ち上げている。日本語と英語の2ヵ国語で記事を書き、日本人を含めた世界中の人々に、日本の魅力を発信する活動に取り組んでいる。カナダの高校では、これを日本語の授業のテキストとして使ってもらっている。

3. 提言「SAMURAI CITY NAGOYA!」
 外国人から見た名古屋の問題点は、「ネームバリューがないこと」と「市民が名古屋の魅力を語れないこと」だ。まず、名古屋には外国人に人気・認知されている観光スポットがほとんどなく、知名度が低いのが問題である。江戸が「町人の街」、京都が「公家の街」であるとするならば、名古屋は信長、秀吉、家康を輩出した、現代の日本の基盤となる歴史・文化を作った「SAMURAI CITY」とアピールすべきである。「SAMURAI」という言葉は、世界ではとてもインパクトのある良い言葉で、これをアピールできるのは名古屋・愛知だけの特権である事実に気づいて欲しい。
 次に、この歴史・文化の魅力を名古屋市民に再認識してもらい、その魅力を語れる人を増やすことが必要だ。そのため、私は名古屋を学ぶ勉強会にも力を入れてる。名古屋は日本のふるさとであり、その街に住んでいるというプライドを、多くの市民に持ってもらいたい。ちなみに、名古屋城こそがこの街のシンボルであり、その価値の大きさにも気づいてもらいたいと願っている。名古屋城はオリジナル図面が現存する、日本に4つしかない「完全復元」が可能な城の1つなのである。名古屋城という日本随一の城を「完全復元」することにより、日本の「ホンモノ」を求める海外の人々に、「SAMURAI CITY NAGOYA!」を本当の意味でアピールできるのではないかと期待している。


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【27年5月度 産業懇談会(水曜第2G)模様】

テーマ: 『 企業が考える今後の地域戦略のあり方
          〜サッポロの北海道とポッカの名古屋を見て〜 』

日  時:平成27年5月13日(水) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 3階 伊吹の間
参加者:33名

スピーカー:
征矢 真一(そや しんいち)
ポッカサッポロフード&ビバレッジ(株)
取締役常務執行役員 経営戦略本部本部長 兼 
研究開発本部本部長

征矢真一氏

 当社は、ポッカコーポレーションとサッポロ飲料が2013年1月に経営統合して誕生した。 私は、サッポロビールに入社し、最初の九州支店を皮切りに、本社経理部、都市開発本部ホテル開業準備室(ウェスティンホテル東京)、経営戦略部、北海道本社戦略企画部などを歴任し現在に至っている。

1. 企業は何故地域戦略をとるのか
 最初に企業の地域戦略の必要性について考察したい。
 大きな社会の流れとして、「モノからコトへ」の変化が指摘できる。例えば「旅」や「食」を考えると、従来の「モノ」単位への興味から、現在は「そこで何を体験できるか」という「コト」へ消費者の考え方が変化している。また、都市部への人口集中の結果、ふるさとを持たない人が増加し、「ふるさとへの憧れ」や「地元愛」への思いが強まってきている。
 企業の視点から考えると、例えばサッポロビールの場合、北海道でのマーケットシェアは半分近くあるが、地理的に九州に向かって南に下るほどシェアが次第に低下していく。このような大きな地域差は当社に限ったことではない。
 また、従来の「商品中心」の企業のファンづくりから、現在では、「企業の地域社会貢献の度合」や「社員」などを含めた総合力で、企業のファンがつくられるという傾向が強まっている。
 このように、マーケティングを取り巻く環境は、地域により大きな差が生じている。このため、全国一律でのマーケティングでは対応できず、結果としてきめ細かい地域戦略が、必要になっているのである。名古屋の場合に於いても、サッポロビールの工場撤退により、マーケットシェアが落ちたという、地域密着性の影響を強く受けた経験がある。

2. サッポロビールグループの北海道戦略について
 北海道の地域特性として、第一に「距離の壁」が挙げられる。道内の移動距離が長く、流通もあまり発達していないので、物流コストが高くなってしまうのである。また、道内の人口の半分は札幌市に集中し、他の都市は規模が小さくパワー不足である。道民気質は、新規性を好むが飽きっぽい。
 このような北海道で、サッポロビールの地域戦略の中心商品は「サッポロ クラシック」だ。1985年以来、製法に拘った商品であるが、一番の特徴は「北海道限定販売」ということである。
 北海道では、業務用市場では高水準のシェアを維持しているが、一方の家庭用市場では優位性が薄れつつある。理由は、サッポロビール支持層の高齢化と、若者層のロイヤルティーの低下が主要因である。若年層のロイヤルティー低下は、ビール以外の飲料のポジションが相対的に低く、ライバル社に比べ、10代からの「サッポロブランド」への囲い込みが弱いところにある。この挽回策として「飲料事業の強化」と、工場見学などの「体験型の接点の強化」にサッポロビールは取り組んでいる。
 北海道市場の現状には危機感を抱いており、北海道で生まれ育った企業グループとして、道民に「北海道を代表する元気で親しみのある企業」と言われることを目指している。スローガンは「北海道はサッポロビール」だ。北海道、札幌市をはじめとする市町村・民間企業・大学との連携・協働を通して、地域に根差したイベント開催や商品開発など、数多くの取り組みをサッポロビールは推進している。

3. ポッカの名古屋戦略について
 2011年の調査で、ポッカの地元企業(名古屋)としての認知度は、10%未満という驚きの結果がでた。これは地元の他社と比較すると、ミツカンの1/4、カゴメの1/2という数字の低さである。この結果を受け入れ、当社は「名古屋戦略部」を立ち上げた。「創業の地への感謝=地域貢献」を活動の基盤とすることで、地域との「協働活動」を推進するのである。その活動の結果として、ファン作りの拡大、企業ブランド価値の向上など、中長期的な営業活動の下支えになればと考えたのだ。現在は、当社工場の所在地である、北名古屋市、磐田市、豊田市とは連携協定を結び、まちづくり、文化や食の振興などの幅広いテーマで協働している。

4. まとめ
 私見であるが、<北海道への提案>をしたい。
北海道の姿勢として、「閉鎖的にならず外へ出ること、外からどんどん受け入れること」である。経済、観光面では、北海道のマイナス要素となっている交通・物流網を整備して、 「物流の低コスト化」を推進すべきである。同時に、北海道ならではの自然環境を生かしたビジネスの推進も大切であろう。その為には、企業レベルで、地域戦略とブランドを最大限に活用することだ。
 次に<名古屋への提案>だ。名古屋は交通網の良さ、加工技術の集積地、歴史など多くの利点を持つ。街の魅力を高めるために、尾張、伊勢、三河、飛騨のような旧の国割へ変更することはどうだろう。中心部の「都市化(現実)」と対比する、郊外の「田舎(ふるさと)」の格差を意図的に作り出すことも面白い。都市部の24時間化、域内簡易移動型車両の導入、ものづくり企業による高校・大学・企業の一本化の推進なども考えてはどうだろうか。


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【名古屋いちばん物語】 No.72


テーマ: 『 「住吉の語り部となりたい」 シリーズ第50回 』

料亭つたも主人
深田正雄

矢場公園パークサイドストーリー

 松坂屋さんが中心となり、株式会社名古屋地下駐車場が設立され今年で半世紀、この度「エンゼルパーク五十年史・この街とともに」が発刊されました。昭和41年4月矢場公園に141台の地下駐車場が建設され一般供用されました。当時は駐車するのに金を払う習慣がなく、営業にも苦労されたようですが、近隣の大手百貨店などの提携で繁昌し、平成14年には社名も(株)エンゼルパークと変更、収容力も久屋大通南を含め1,000台と市内最大の規模で展開されております。当時の公園周辺を思い出しながら、半世紀の変遷を北見地図から中央高校より反時計回りに、路地裏文化を紹介してまいりましょう。(写真1)
 うなぎ料理「万喜料理店」のやんちゃ坊主・1年後輩の青木君は分団リーダー、東鮨・暖簾分けすし店「千力」の自社ビルはブランド衣料店となり、お店は丸の内2丁目に移転され、かき揚げ丼が名物の天ぷら屋さんに変身して頑張っています。パーマ屋の森さん、マキさん、どちらも母娘で賑やかでしたが、この地域の大型ヘアサロンの礎といえるかもしれません。パーク西のEMA,WORKS,南と西にはBLANCOとカリスマ美容師がリードするファッションタウンと変化しています。雑誌ケリーが名付けた「名古屋巻き」「なごや嬢」スタイル発祥の地区といえます。学生服卸寺井商店さんは、1階にジョンブルという英国調喫茶店を奥様が経営、小生モリシマ勤務時代の朝にはモーニングサービスをごちそうになっていました。現在はお洒落なファッションビル、最上階にお住いのご令息寺井規智さんは、栄ミナミ・エリアマネジメントのメンバーとして街づくりにご貢献いただき感謝しております。伊東商店さんは明治24年に先々代・伊東米次郎氏が名古屋市中区鍛治屋町で小間物、べっ甲製品の製造事業をスタート。先代小柄でバイタリティある善一郎社長は「男のダイヤモンド・ロイヤルバロン」ブランドを展開、宝石業界への貢献で藍綬褒章・勲五等瑞宝章受賞されております。南隣には、岩田玩具さんがユニークな玩具の小売店とテナントビルを建設されましたが、現在はエフジーパークサイドにリニューアル、素敵なカフェやワインバーなどが入居され私たちの憩いの場となっております。(写真2)
 南は皮膚科「十全病院」と椙山先生宅、東角・内科・小児科「仙田医院」とも評判の名医で、早朝より患者さんが長蛇の列をなし開院を待っていました。路地内では、カメラのヒダカヤの山口さん、籐製品・乳母車東谷さんのご自宅や長屋がありましたが、白林寺の借地が多く、現在は移転に伴い月極め駐車場群となりました。そして、若園、御宇良(みうら)2軒の旅館跡、トタン塀の内側にはキャベツ、茄子、えんどう豆、トマトなどが植えられた同寺の菜園など、都心栄イメージとは程遠いレトロな景観が印象的です。(写真3)
 そして、東側角の江口化粧品卸店は、自然食レストラン和洋ナチュラルレシピと自然派ワインで「安心・安全で体にいいもの」がコンセプトのお洒落なカフェ「ハタケタナカ」菜園食堂。森永製菓のストックヤード南は、昭和53年大型分譲マンションロータリーマンション栄がオープン、1Fには大津通りの花長から独立された「花ギャラリーめぐみこ」が素敵な緑と憩いの空間を提供しています。北角は駐車場ビルを経て、平成21年秋に東海地区最大約800坪の売場面積を持つ「ユニクロ名古屋栄店」が誕生、多くの若いお客様で賑わっています。
 公園南地区は商人旅館が多くありましたが、12-13年前の「さくらや旅館の再生ストーリー」をご紹介しましょう。オーナー三浦英二氏とカリスマ設計士神谷利徳氏の発想から話題の町おこし事業となりました。その後、料亭蓬莱さん敷地などとともに(株)タキヒヨーさんのリードで開発され、平成26年末パルコ・ゼロゲートが開業されています。 さくらアパートメント開業頃の(株)都市研究所スペーシアのニュースレターを転記します。

さくらアパートメント(旧さくらや旅館)  〜インディーズな場所2〜

 平成13年2月に閉館した旅館「さくらや旅館」が、この年4月末に『さくらアパートメント』としてリニューアルオープンした。
<名古屋市中区栄3-28-111  ○本館/木造2階建て ○新館/鉄筋コンクリート4階建て>

 
 近頃「栄南」と愛称される矢場町界隈。ナディアパーク、パルコが並び、大須へと向かうこの地域は今名古屋の若者たちに最も注目されている。
 栄という立地でありながら比較的規模の小さなビル、また路地やぬけ道などがあり、若者たちのインディーズ気分は十分にそそられる。そのため矢場町界隈には老朽化したビルや空店舗などをうまく改装した個性的な店舗が集積してきた。さくらや旅館にもそういったオファーが以前からもあったようだ。

 旅館時代の部屋をそのまま貸し、服やアクセサリー小物、アロマテラピーなど30軒ほどのテナントが、各々部屋を自由に改装して店舗にしている。店のオーナーたちは若く、ほとんどが自分でデザインした手作りの商品を置いている。各部屋の個性的な内装もみな手作りだ。
さくらアパートメント入口
さくらアパートメント入口

写真1
写真1:昭和35年頃矢場公園周辺

写真2
写真2:パーク西:東すし、寺井、伊東ビル

写真3
写真3:パーク南:十全病院跡、旅館・御宇良跡、奥に白林寺トタン塀

写真4
写真4:パーク東:左よりユニクロ、ロータリーマンション、ハタケタナカ食堂

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【新会員自己紹介】

加藤雅也氏
水曜第1グループ

加藤 雅也(かとう まさや)
株式会社テクノ菱和名古屋支店 名古屋支店長

【株式会社テクノ菱和名古屋支店】
〒456-0053 名古屋市熱田区一番2-1-43
TEL:052-655-0700
URL:http://www.techno-ryowa.co.jp

 株式会社テクノ菱和名古屋支店の加藤でございます。
 このたび前任の知見の後任として産業懇談会水曜第1グループに参加させていただくことになりました。よろしくお願いいたします。
 弊社はビルや工場の空調・衛生設備をエンジニアリング技術で空気と水をコントロールすることによって、お客様から求められる生産環境や生活環境を実現してきました。冷房設備の開発から始まった弊社の技術は、産業界の進展とともに高度化を続け、今日では、超クリーン空間の実現や省エネルギー・省資源化システムの開発など、多様な分野へと展開しています。
 技術の原点はお客様のニーズ。ですから、お客様との関係を何より大切にしています。施工は最終ゴールではありません。自社にメンテナンス部門を置き、緊急時の対応はもちろん、よりよい運用の支援や設備診断など、お引き渡し後も質の高いサービスを提供し技術で社会や環境に貢献する企業を目指しております。
 私自身は生まれも育ちも名古屋です。この度、本会に参加させていただき多種多様な業種でご活躍されている皆様との交流を楽しみにしておりますので、何卒ご指導ご鞭撻をよろしくお願いいたします。

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福島 祐治氏
水曜第1グループ

福島 祐治(ふくしま ゆうじ)
株式会社りそな銀行 名古屋営業本部長

【株式会社りそな銀行 名古屋支店】
〒460-0003 名古屋市中区錦二丁目15番22号
TEL:052-201-8511
URL:http://www.resona-gr.co.jp/

 株式会社りそな銀行の福島と申します。
 この度、前任者の村上の後を受け、産業懇談会水曜第1グループに参加させて頂くことになりました。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 又、日頃より、りそな銀行をお引き立て頂きまして誠に有難うございます。お客さまや地域社会の抱える課題を解決するため、りそなグループでは人と人との触れ合いや地域との結びつきを大切にしております。
 そして金融機関に求められる社会的責任を果たすべく、改めて基本に立ち返りお客さまの目線に立った経営を進め、お一人でも多くの方に「りそなファン」になって頂けるように挑戦し続けて参ります。
 中部地域のお客さますべてに弊社がフルラインの信託機能をワンストップでご提供できる国内唯一の商業銀行にして信託銀行であることをもっとPRして行きたいと思います。

 さて、私は、千葉県の出身で銀行に入行以来、東京を中心に勤務しており、初めての名古屋勤務となりました。公私ともども名古屋を満喫させていただこうと考えております。

 この産業懇談会を通じて、ご経験豊富な諸先輩の皆様と交流出来る機会を頂けましたこと、感謝申し上げます。

 何卒、皆様方のご指導、ご鞭撻を賜ります様、宜しくお願い申し上げます。

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【6月度産業懇談会開催日程】
木曜グループ以外は、名古屋観光ホテルでの開催です。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ 場所
火曜グループ

深田正雄
富田 茂

6月9日(火)
12:00〜14:00

(株)キャロット
代表取締役 津野早苗 氏
「出会い」
18階
伊吹の間
水曜第1グループ

落合 肇
飯田芳宏

6月17日(水)
12:00〜14:00

酒井法律事務所
所長 弁護士 酒井俊皓 氏
「中小企業の法的支援について」
2階
曙の間
水曜第2グループ

片桐清志
見祐次

6月10日(水)
12:00〜14:00
サンデン・リテールシステム(株)
東海・北陸支社長 小島康浩 氏
「サンデンの環境への取り組み」
18階
伊吹の間
木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助

6月4日(木)
12:00〜15:30
「日本ガイシ(株) 小牧事業所視察会」
【定員】定員に達しましたので、申込みを締切らせていただきました。
【詳細】ご参加の皆様には、別途ご案内申し上げます。
【集合場所】
18階
伊吹の間

<ご参考>
平成27年6月4日(木)木曜グループ:日本ガイシ(株) 小牧事業所視察会
日本ガイシ(株) 小牧事業所 住所:小牧市大字二重堀宇田神1155 TEL:0568-72-3121

12:00
12:00〜12:30
12:40〜13:30
13:30〜13:35
13:35〜13:50
13:50〜14:20
14:20〜14:25
14:25〜14:55
14:55〜15:25
15:30〜
    〜16:15
名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間 
昼食
バスにて移動
訪問のご挨拶
会社概要説明
ガイシ製品説明&電力技術研究所説明
移動
電力技術研究所視察
ガイシ博物館視察
バスにて移動
名古屋観光ホテル 帰着・解散

【備 考】

  • 6月4日(木)の見学会は、後日実費を精算させていただく予定でございます。
  • スケジュールは変更となる場合がございますので、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

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【7月度産業懇談会開催日程】
水曜第2グループ・木曜グループ以外は、名古屋観光ホテルでの開催です。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ 場所
火曜グループ

深田正雄
富田 茂

7月7日(火)
12:00〜14:00

なごや歴まちびとの会
前事務局長 野口和樹氏
「もっと知ろう!!名古屋の良いところ。
 〜歴史的建造物を通じて名古屋の魅力を探る〜」
18階
伊吹の間
水曜第1グループ

落合 肇
飯田芳宏

7月22日(水)
12:00〜14:00

(株)アイチテクノ
代表取締役 遠山堯郎氏
「演劇を諦めて 建設業へ転身 創業39年目」
18階
伊吹の間
水曜第2グループ

片桐清志
見祐次

7月8日(水)
12:00〜14:30
(予定)
(学)日本福祉大学
専務理事 黒川道男氏
「日本福祉大学 東海キャンパス視察会」
【詳細】ご参加の皆様には、別途ご案内申し上げます。
【現地集合】
日本福祉大学
東海キャンパス
東海市大田町
川南新田229番地
木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助

7月2日(木)
10:00〜15:00
(予定)
「第2回 八事窯 作陶体験会」
5代目 中村道年氏にご指導をいただきながら、作陶体験を行います(昼食付)
【費用】1名につき、15,000円(材料代)
【定員】先着15名(会場の都合上)
【詳細】ご参加の皆様には、別途ご案内申し上げます。
【集合場所】
八事窯
名古屋市昭和区南山町12-1

<ご参考>
平成27年7月8日(水)水曜第2グループ:日本福祉大学 東海キャンパス視察会
日本福祉大学 東海キャンパス 住所:東海市大田町川南新田229番地 TEL:0562-39-3811

12:00
12:00〜12:30
12:30〜13:00
13:00〜
    〜14:30
日本福祉大学 東海キャンパス 現地集合
昼食
東海キャンパスを見学
看護学部の教員による講話(予定)
現地解散

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【懇親ゴルフ会開催のご案内】

 産業懇談会では、恒例となっております4グループ合同の懇親ゴルフ会を下記のとおり開催いたしますので、ご案内申し上げます。代表幹事、直前代表幹事、常任幹事、監事の皆様も、是非ご参加くださいますようお願い申し上げます。

日時

8月8日(土) 7時12分スタート
(アウトスタート7組、インスタート3組を予定しております)

場所 木曽駒高原カントリークラブ
長野県木曽郡木曽町日義4898-8
電話:0264-23-7001
 会費 後日精算後、ご請求申し上げます。
集合場所等
  • 現地集合といたします。(ご希望の方には、前日宿泊の手配をさせていただきます。詳細は別途ご送付いたします)
    6時50分までにアウトスタートのティグラウンド前にお集まりください。(開会式・競技方法などを説明します)
  • プレー終了後クラブハウスにて表彰式を兼ねた懇親会の開催を予定しております。(懇親会終了予定時刻:15時頃)
  • 競技方法は、ダブルペリア方式とします。
出欠のご連絡
  • ご参加を希望される方のみ、別紙のFAX返信用紙にご記入の上、
    6月19日(金)までに事務局へお知らせください(参加者は会員限りとし、代理出席はお断りさせていただきます)
    ※定員に達し次第、申込みを締切らせていただきます。
  • 7月31日(金)以降のプレーのキャンセルには、キャンセル料が発生いたしますので、ご了承ください。
  • お申込みをいただいた方には、後日ご宿泊先・夕食会(ご希望者)、組み合わせ等の詳細をご案内いたします。
お問合わせ先

中部経済同友会事務局 担当:後藤・山田
電話:052-221-8901

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【お知らせ】

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【コラム】

コラム1 【保健師からの健康だより】 No.134
保健師からの健康だより

株式会社 スズケン
保健師 鳥巣 妃佳里

『 認知症を予防する食事とは 』

 皆さまは今年のゴールデンウィークをどのように過ごされたでしょうか?中には16連休という長期の休暇がとれた人もいたようです。平日は仕事で動き回っている分、休暇はのんびり過ごしたり、あるいは旅行に出かけて積極的に活動したり、思い思いの方法でいい休養がとれたのではないかと思います。

 先日、アメリカのラッシュ大学医療センターが「MIND(マインド:Mediterranean-DASH Intervention for Neurodegenerative Delayの略)ダイエット」という食事スタイルが、アルツハイマー病の予防に効果がある可能性がある、という研究を発表しました。「MINDダイエットを実行した人では、アルツハイマー病の発症リスクが、きちんと実行した人で53%、程々に実行した人でも35%低下した」といいます。
 MINDダイエットの方法は、10種類の健康に良い食品を積極的に摂り、5種類の健康に悪い食品をなるべく避ける、というものです。

 具体的には、以下のような食事になります

積極的に摂りたい10種の食品

なるべく控えた方がいい5種の食品

  • 全粒穀物(小麦の全粒粉や玄米など)
    ⇒ 一日に3回以上摂る
  • 葉物野菜(キャベツ、ほうれん草、レタス、小松菜など)
    ⇒ 週に6日以上摂る
  • その他の野菜(人参、トマト、ブロッコリー、かぶ、ゴボウなど)
    ⇒ 1種類以上、一日1回以上摂る
  • ベリー類(ブルーベリー、ビルベリー、カシスなど)
    ⇒ 週に2回以上摂る
  • 鶏肉(脂肪の多い皮の部分を取り除いたもの)
    ⇒ 週に2回以上摂る
  • 豆類(大豆、いんげん、など)
    ⇒ 週に3回以上摂る
  • ナッツ類(クルミ、アーモンド、ピスタチオなど)
    ⇒ 週5回以上摂る
  • 魚(まぐろ、かつお、サーモン、サバなど)
    ⇒ 週に1回以上摂る
  • 赤ワイン  ⇒ 一日にグラス1杯(300ml以下)摂る
  •  油     ⇒ オリーブオイルを使う
  • 赤身肉
    ⇒ 週4回以下にする
  • 揚げ物、ファーストフード
    ⇒ 週1回以下にする
  • チーズ
    ⇒ 週1回以下にする
  • バター、マーガリン
    ⇒ 一日1回大さじ1杯未満にする
  • 甘い菓子類(ペイストリーやケーキなど)
    ⇒ 週5回以下にする

(Rush University Medical Center HP内「NEW MIND DIET MAY SIGNIFICANTLY PROTECT AGAINST ALZHEIMER’S DISEASE」より作成)

 日本人の平均余命は世界一ですから、年を重ねても元気で自立した生活を送れる状態を保つこと(健康寿命を延ばすこと)は重要ですね。いい休暇を楽しみ、豊かな人生を味わえるのも、健康であればこそです。MINDダイエットは、肥満やメタボ予防の効果が知られている「地中海式ダイエット」と高血圧の予防・改善のために開発された「DASHダイエット」の長所を組み合わせて開発されたものですから、糖尿病、高血圧、肥満などの改善にも役立つと考えられています。
 健康づくりも一朝一夕でできるものではありません。「まだ大丈夫」と先送りにせず、今日から、程々からでもいいので、いい食習慣づくりをはじめてみませんか。

良い食習慣は、身体も心も脳も守ってくれる。頑張りすぎず、程々に、長く続けられる健康づくりをはじめましょう。

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コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.79
コラム【「ほん」のひとこと】

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

(1)『名画で読み解くハプスブルク家12の物語』
(2)『名画で読み解くブルボン王朝12の物語』
(3)『名画で読み解くロマノフ家12の物語』
中野京子著・光文社新書

 ロングセラー『怖い絵』の著者・中野京子さん(専門はドイツ文学・西洋文化史。とてもチャーミングな女性です)による3部作。第1作の「あとがき」にこうあります。「ハプスブルク帝国についての書物は日本でもたくさん出ていますが、名画のみに焦点をあてた点描画風の読み物はこれが初めてではないかと、少々自負しております」。
 オールカラーの美しい名画(多くは王族の肖像画)に見入るうちに、ハプスブルク家650年・ブルボン王朝250年・ロマノフ家300年を中心とするヨーロッパの中世以降の歴史の大筋が、すっきりと頭に入ります。特に(1)と(2)はより密接な関係にあり、「片方から見ていた風景が、逆の側からはどんなふうに見えるかを知ることで、歴史の複雑でダイナミックな動きを感じる」ことができます。中野さんの文章は、読みやすくて面白い。

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コラム3 【苗字随想】 No.156
コラム【苗字随想】

片桐清志

「祝日」と苗字(5)

 5月の祝日はゴールデンウィークを構成する3日の「憲法記念日」、4日の「みどりの日」5日の「こどもの日」、それと今年の場合は6日が「振替休日」となる。「みどりの日」の経緯は前回触れた。「憲法記念日」と「こどもの日」は「祝日法」(昭和23年に公布・施行)の制定当初から定められている。
 「憲法記念日」は「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」日であり、「こどもの日」は「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに母に感謝する」日と謳われている。因みに「振替休日」は、上記の「祝日法」が昭和48年に改正され、「『国民の祝日』が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い『国民の祝日』でない日を休日とする。」と改正したことにより誕生した。
 さて、苗字との関係では「ひらがな」表記の「みどりの日」と「こどもの日」を除外すれば、「憲法記念日」だが、さすがに「憲法」さんはいない。それどころか「憲」で始まる苗字は一字姓の「憲」のみで、読み方も「ノリ」のみだ。
 「法」も一字姓があり、こちらも読み方は「ノリ」だ。「法」で始まる「法姓」は93種見つかった。種類の多さはまずまずだが、ランキング(佐久間 英)では4000番内には見当たらない。ユニークな苗字を拾ってみると、法会(ホウエ)、法光(ノリミツ・ホウコウ)、法光院(ホウコウイン)、法家(ホッケ)、法師(ホウシ)、法師人(ホウシド・ホシト・ホスト)、法力(ホウリキ)、法印(ホウイン)、法鏡(ホウキョウ)、法螺(ホラ)、法堂(ホウドウ)、法輪(ホウリン・ノリワ)、法道(ホウドウ)、法心(ホウシン・ホッシン)、法貴(ホウキ他)、法恵(ホウエ)、法栄(ホウエ)、法楽(ノリタ)、法雲(ホウウン)、法泉(ホウセン)、法泉寺(ホウセンジ)、法隆寺(ホウリュウジ)、法花(ホウケ・ホッケ)、法花寺(ホッケジ)、法華(ホッケ・ホッカ・ホウハナ)、法華経(ホケキョウ・ホッケキョウ)、法蓮(ホウレン)、法旨(ノリムネ)、法本(ノリモト・ホウモト)、法定(ノリサダ)、法用(ホウヨウ)などが見つかった。いずれもご利益がありそうな苗字だ。もしかしたらルーツはお坊さんやお寺の関係者かもしれない。

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【平成27年5月号編集後記】

 GWを利用して孫たちが住んでいる東京に出かけた。その折に江戸東京博物館で開催中の「大 関ヶ原展」を覗いてみた。徳川家康の没後400年を記念して、関ヶ原合戦にまつわる古文書や絵画の美術品をはじめ、武将たちが愛用した鎧・兜・刀剣等の武具など各地に点在する貴重な歴史的資料300点以上を一堂に展示したものだ。
 本誌3月号の「『ほん』のひとこと」で紹介された「決戦!関ヶ原」を下敷きにしながら、また現在の関ヶ原の地形を思い浮かべながら2時間近くじっくりと楽しんだ。江戸東京博物館での開催は5月17日で終了したが、ほぼ同内容の展示が6月2日から京都文化博物館で、8月7日からは福岡市博物館でも開催される。関ヶ原をテーマにしながら、なぜか「名古屋とばし」なのは残念だが一見の価値がある。
 江戸東京博物館に足を運んだのは久しぶりだが、今回気付いた点の一つがシルバー層の活躍だ。混雑が予想されるGW中を避け、GW明けを狙って出かけたがシルバー層で会場は賑わっており、予想は見事にはずれて人混みの中での観覧となった。一方で、うれしかったのはシルバー料金の設定だ。65歳以上なら一般の半額という思い切った設定だ。この効果もあってか、平日の午前中にも拘わらずチケット売り場から行列ができていた。館内での喫茶や食事、アートギャラリーもシルバー層で賑わっていた。半額設定でも十分モトは取っていると思われる。美術館や博物館の平日対策としては一考に値する。
 もう一点は館内案内サービスの充実だ。ここでもシルバー層によるボランティアが活躍していた。特別展は会場整理が中心だが、常設展会場には随所にボランティアの解説員が居て、見学者の質問にてきぱきと答えていた。見学者はその場で疑問点が解消するので助かるのはもちろんだが、解説者も見学者からの問いかけに「待ってました!」と言わんばかりの応対ぶりで、アルバイトまがいの解説者にはないコミュニケーションも楽しめる。
 三点目は外国人見学者の多さだ。観光地でも外国人旅行者が増えているが、こうした文化施設にも外国人来館者が目立つようになった。浮世絵展などでは以前から外国人愛好家を見かけたが、江戸時代の暮らしを紹介する展示コーナーでも随所で見かけた。外国人の受け入れ体制も充実していて、展示の解説文の英語表記はもちろん、携帯型の音声ガイドも主要言語の物が用意されている。IT技術を駆使して、展示場所と連動した解説が自動的に流れる仕組みになっている。さらに、ここでもボランティアが活躍していた。海外勤務経験者と思われるシルバー層が、流暢な英語等で外国人の案内をしていた。来館した外国人も大助かりだろうが、解説ボランティアも実に生き生きとしていたのが印象的だ。
 高齢化は避けて通れないが、シルバーを元気にするシカケの実例を感じるGWとなった。豊かな日本を創ってきた世代は、次世代に語り継ぐ材料をたくさん身に付けている。公的資金を大量につぎ込まなくても、ボランティアを買って出る人は大勢いる。シルバー層が元気になれば、経済が活性化するだけでなく、問題となっている医療費の軽減にもつながる。シルバー層の豊富な「人生経験」を生かす知恵をもっと絞れば、元気な日本を再生する余地は十分ある。

 今月の「産懇宅配便」では4月の例会模様1件と5月の例会模様3件を紹介できた。新会員も2名ご紹介できた。水曜第1グループは「(株)ジェイテクトの工場視察会」模様を紹介している。新美筆頭代表幹事のご配慮に感謝したい。6月には木曜グループが、7月には水曜第2グループと木曜グループが見学会や体験会を計画している。「百聞は一見に如かず」だ。行動する産業懇談会も有効に活用していただきたい。

(片桐)