産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】 第140号 2014.1.31 発行

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平成26年1月度(第140号) 目次

【26年1月度 産業懇談会 「代表幹事のご講話」ならびに「新年合同懇親会」概要】 1月21日(火) 17時30分〜20時00分

【名古屋いちばん物語】 No.55
【新会員自己紹介】
林 正弘氏

明治電機工業株式会社 取締役社長

【2月度産業懇談会開催日程】
【3月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1 【保健師からの健康だより】 No.118
コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.63
コラム3 【苗字随想】 No.140

【26年1月度 産業懇談会 「代表幹事のご講話」ならびに「新年合同懇親会」概要】

テーマ: 『 JR東海が取り組む高速鉄道の革新 〜人材育成術などを交えて〜 』

日 時:平成26年1月21日(火)  講話:17時30分〜18時30分、懇親会:18時45分〜20時00分
場 所:名古屋マリオットアソシアホテル 講話:16階 アイリス、懇親会:17階 ルピナス
参加者:66名

スピーカー:
柘植 康英(つげ こうえい)
中部経済同友会
筆頭代表幹事

柘植 康英氏

 平成26年1月21日(火)、柘植代表幹事をお招きし、「JR東海が取り組む高速鉄道の革新〜人材育成術などを交えて〜」と題してご講演いただいた。
 JR東海の使命や輸送量などの特徴と、同社に求められる人物像や人材育成術について、パワーポイントを用いてご紹介いただいた。
 さらに、超電導リニアによる中央新幹線についても、その概要と意義、ビデオを使用してのリニア技術の紹介、建設計画などわかりやすく解説いただき、出席者は熱心に見聞きしていた。
 そして、中部地域として、リニアをどう活かすかについては、「中部圏は日本をリードする強力な製造業のメッカであり、強いものは首都圏に吸い取られない。この地域は陸海空のインフラ、住環境、水、労働力などに恵まれており、災害にも強い。名古屋駅前には、2〜3年後に巨大なオフィス群が誕生し、ビジネスポテンシャルも向上する。工業や農業等の産業振興によって強みを磨くことが肝要であり、この地域の可能性はますます広がる」とのメッセージをいただいた。
 ご講話の後は、会場を移し、新年合同懇親会を行った。和やかな雰囲気のなか、出席者は食事と歓談を楽しんだ。


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【名古屋いちばん物語】 No.55


テーマ: 『 「住吉の語り部となりたい」 シリーズ第34回 』

料亭蔦茂 主人
深田正雄

昭和30年代地図から「南呉服町1-2丁目の思い出」

 前回に続き、名古屋の旧町名を復活させる有志の会代表の北見昌朗さんからいただいた昭和35年頃の中区地図から、プリンセス大通り界隈のエピソードをご紹介しましょう。
 昭和58年鉄鋼業を営む天野氏が東京第一ホテルの開業指導をえて、プリンセスガーデンホテルをオープン、その時、町内に南呉服町通りの名称を変更して欲しいと要請。南呉服町発展会長の故佐藤嘉晃からアーチや街路灯などの協力を基本条件に通称変更したと聞いています。その後、ホテルオーナーの変更にもかかわらず、ホテル名が変わらないのは通りの名称の効果も大きいようです。
 広小路通りでは、(株)ダイテックホールデイングが山一証券ビルに続き、丸善ビル、明治屋ビルを取得し再開発、興和グループが丸栄百貨店、栄町ビル周辺のデベロップメント計画がいろいろ噂されております。今月に入り丸善ビルが完全に取り壊され、コインパーキングオープンの案内が大きく掲示、栄銀座の路地裏イメージから写真のようにオープン飲食街と変化していますが、旧地図にある餃子の夜来香、割烹八幡屋の2軒が頑張っています。
 南角は松竹映画劇場ステート座から、ダイエー栄店を経て、キング観光の超大型パチンコ店と変わっています。(下記写真、参照)
 おむかいの丸栄デパート南は松竹小路の飲食街が立ち退き丸栄新南館・昭和59年に新装増築オープンとなりましたが、小路の奥にあった伍味酉、金鯱山が懐かしく感じます。
 路地南には幼稚園から東海高校まで同期友人の西脇義訓君の大きな自宅があり、入り口には番傘が陳列、そして、居間にはデッカイピアノが鎮座する音楽一家、そして裏庭にはイチジクの大木があり、弟の稔君と一緒に木登りしてイチジクを食べた思い出があります。実は、ここは120年の歴史のある末広町・西脇(株)の羅紗販売の闇支店として、統制で服地が表向き商い出来ないので傘屋を装っていた名残と聞いて納得しました。ちなみに小生が後に経営した同じ通り南300mの森島羅紗店は終戦後・表向き竹籠屋であったようです。
 そして、パチンコ&スロット「フジ」に買収された数店の飲食店が軒を並べ、お洒落な喫茶店「茶ばしら」は現在スカイパーキング、南角には河新カマボコ店と蝶屋はきもの店は一年先輩の石田しんちゃんの住まい、できたてのチクワをほおばりながら栄小学校に通学したことが思い出されます。現在、同氏は弁護士として活躍中と聞いています。
 南のブロックで同じ場所に現存するのは、3軒のみとなりました。現南呉服町発展会会長・加藤貞夫さん「ふじみや」名古屋コーチン料理で有名ですが、当時は木炭屋も併設されていました。
 他には、むつみ小路「うなぎ・以ば昇」「キッチンゲラン」、西ブロックに移転された「すし・幸楽」も懐かしいお店です。南側には料亭万代のビル、地下「クラブよしみ」のママは名妓連の売れっ子OBとして有名。現在は札幌かに本家栄中央店となっています。
 アカシヤ洋裁店は超高級婦人服オーダーサロンで一世を風靡、母もお世話になったようです。玉川旅館の親父さんは犬好きで大型犬のダルメシアンやコリーなどを連れて散歩された姿が思い出されます。
 南呉服町二丁目西北角は(株)テーラー三星、高級紳士服地スリースターテックスを晒谷さんが仕立て、南隣のパン屋「大ます」には貸自転車・手荷物一時預かりの看板、西隣にはお洒落な喫茶ケルン、路地を入ると小竹さんの「パーマ丸美」、左枝さんのキャバレー「ルナパーク」進駐軍撤退後も繁盛していましたが、現在はガーラントホテルとなりました。
 なんといっても懐かしの銭湯「栄温泉」をご紹介しなくては、「からくり紋々?」のお客もちらほら、背中流しのおじさんがいる栄唯一の公衆浴場として憩いのスポット。でも、正雄君にはお風呂の湯が熱くていつも「烏の行水」、ゆっくり富士山壁画鑑賞もできませんでしたが、番台横コーヒー牛乳の味が忘れられません。現在はプリンセスパーキング、南隣は富士フイルム販売総代理店の樫村洋行(株)でしたが、今は宝石卸の柏圭さんの本社となっています。南角は当時ナンバーワン高級クラブ「バーウィンゼル」稲葉大ママはゴルフ大好き、名古屋ゴルフクラブの戦後チャーターメンバーで女性ローカー番号NO.1、お嬢様の真寿美ちゃんは女子プロゴルファー1979年デビュー、80年代には大活躍したことをご存知ですか。僕より2つ下の真寿美ちゃんは朝寝坊で、集団登校に遅れそうになると正雄君はクラブ上の自宅ベルを鳴らして「遅れるよー!!」と叫んでいた思い出もあります。30年のちには和合コースでは大分、絞られましたが、ゴルフはちっとも上達しませんでした。
 西隣にはバークインメリー、なぜかメイフラワーの山田久太郎さんが居住され赤いサンダーバードが一階に駐車されていました。提灯卸・平松商店は現在、競輪場外車券販売場サテライト名古屋となりました。そして、昭和38年頃完成したグランドビルは名古屋で初めての内装付賃貸レジャービルとして今でも住吉地区のランドマークとなっています。

写真:広小路南呉服町角、旧丸善ビル
2013年末に取り壊され、14年2月よりコインパーキング開業予定
奥の栄銀座には夜来香さん、八幡屋さんの看板が懐かしい。南ビルはパチンコ/キング観光・サウザンド栄町店。

下図は昭和35年中区住宅地図12・13ページ・南呉服町1-2丁目周辺

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【新会員自己紹介】

林 正氏
火曜グループ

林 正弘(はやし まさひろ)
明治電機工業株式会社 取締役社長

【明治電機工業株式会社】
〒453-8580 名古屋市中村区亀島2-13-8
TEL:052-451-7661 FAX:052-451-7659
URL:http://www.meijidenki.co.jp

 明治電機工業株式会社の林でございます。
 この度、前任の安井会長の後を受け、産業懇談会火曜グループに参加させて頂くことに なりました。よろしくお願い致します。

 弊社は社名の始まりが明治ですが、創業は大正9年(1920年)です。
 創業当時より、お客様の生産にまつわる機器の販売や修理を生業とし事業を行ってまいりました。昨今は、お客様の高度化された生産システムにおいて、コンポーネントの販売からエンジニアリングまで幅広い領域で、生産活動のご支援をさせて頂いております。
 これからはお客様の海外生産が更に進展してゆくなかで、グローバルにもっとお役立ちできる企業を目指して取組んでまいりたいと考えております。

 私の出身は埼玉県飯能市で、父親の転勤で東京、名古屋へと移り住むことになりましたが私も会社へ入社してから、知立、豊橋、シカゴと転勤族の血を引いたというのか、同じような道を歩んでいます。趣味のゴルフもこのところ年数回程度ですので、機会を見つけてもうちょっとやりたいなと思う今日この頃です。

 最後に本会の活動を通し、自己研鑽に努めてゆきたいと存じますので、ご指導・ご鞭撻の程、よろしくお願い致します。

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【2月度産業懇談会開催日程】
木曜グループ以外は、名古屋観光ホテルでの開催です。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ 場所
火曜グループ

岡部 聰
深田正雄

2月4日(火)
12:00〜14:00

(株)サガミチェーン
 取締役社長 鎌田敏行氏
「不思議の国 イスラエル
        −神話からハイテクまで−」
18階
伊吹の間
水曜第1グループ

落合 肇
飯田芳宏

2月19日(水)
12:00〜14:00
(株)テクノ菱和名古屋支店
 取締役名古屋支店長 知見扶公氏
「日本の『ものづくり』を支える
        空調技術の歩みとこれから」
18階
伊吹の間
水曜第2グループ

片桐清志
見祐次

2月12日(水)
12:00〜14:00
東洋建設(株)
名古屋支店長 塚本雅志氏
「ここまでできる、建設現場シミュレーション」
        (東洋建設の港湾技術)
18階
伊吹の間
木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助

2月20日(木)
11:15〜16:40

丸菱工業(株) 取締役会長 河村嘉男氏のご紹介
「航空自衛隊 小牧基地視察会」
※誠に恐れ入りますが、12月24日(火)をもちまして、定員超過のため募集を締め切らせていただきました。
・後日、実費を精算させていただきます。
・出席者の方には、後日詳細をお知らせ致します。
航空自衛隊
小牧基地
愛知県小牧市春日寺1-1

<ご参考>
平成26年2月20日(木)木曜グループ:航空自衛隊 小牧基地視察会

11:15
11:20〜12:10
12:15〜12:25
12:30〜13:00
13:00〜13:10
13:15〜13:45
13:45〜13:55
14:00〜14:20
14:25〜14:50
14:55〜15:15
15:20〜15:40
15:45〜16:00
16:00〜16:40
16:40

名古屋商工会議所 1階ロビー集合
バス移動
航空自衛隊 小牧基地 庁舎到着 幹部食堂へ移動
昼 食
庁舎(基地講堂)へ移動
基地司令ご講話
自衛隊員の再就職状況について
空中給油・輸送機(KC-767)研修
救難教育隊研修
輸送機(C-130H)研修
航空機動衛生隊研修
休憩、買い物 等
バス移動
名古屋商工会議所ビル 帰着・解散

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【3月度産業懇談会のご案内】
名古屋観光ホテルでの開催です。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ 場所
火曜グループ

岡部 聰
深田正雄

3月18日(火)
12:00〜14:00

(株)料亭蔦茂 取締役社長 深田正雄氏のご紹介
日本介助犬協会
 事務局長 高柳友子氏
「介助犬と障がい者の自立
        〜医師の立場から普及をめざして〜」
18階
伊吹の間
水曜第1グループ

落合 肇
飯田芳宏

3月19日(水)
12:00〜14:00
(株)りそな銀行名古屋支店
 名古屋営業本部長 村上真輔氏
りそな総合研究所(株)
 主席研究員 荒木秀之氏
「2014年度の経済展望」
18階
伊吹の間
水曜第2グループ

片桐清志
見祐次

3月5日(水)
12:00〜14:00
テンプスタッフ・ピープル(株)
専務取締役 山本光子氏
「女性の活躍推進
  〜多様な人材が能力を発揮できる会社を目指して〜」
18階
伊吹の間
木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助

3月6日(木)
12:00〜16:50

丸菱工業(株) 取締役会長 河村嘉男氏のご紹介
「三菱電機(株) 稲沢製作所視察会」
  • 恐れ入りますが、視察行程の都合上、定員を30名様(お申込み順)とさせていただきます。
  • 後日、実費を精算させていただきます。
  • 出席者の方には、後日詳細をお知らせ致します。
18階
伊吹の間

<ご参考>
平成26年3月6日(木)木曜グループ:三菱電機(株) 稲沢製作所視察会
住所:稲沢市菱町1番地

12:00
12:00〜12:30
12:40〜13:30
13:30〜14:00
14:00〜15:30
15:30〜15:45
15:45〜16:00
16:00〜16:50
16:50

名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間に集合
昼食
バスにて移動
会議室にて概況説明(紹介DVD/パワーポイント)
2班に分かれて施設見学
会議室にて質疑応答
移動および集合写真撮影
バスにて移動
名古屋商工会議所ビル帰着・解散

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【お知らせ】

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【コラム】

コラム1 【保健師からの健康だより】 No.118
花ちゃんからの健康だより

株式会社 スズケン
保健師 鳥巣 妃佳里

『 運動をはじめるのはいつがいい? 』

 毎年2月は全国生活習慣病予防月間です。これは生活習慣病の一次予防を中心に、その普及・啓発を行う日本生活習慣病予防協会が、2011年からはじめたもので、生活習慣病に対する国民の意識向上とこれによる健康寿命の伸長を目指して行っている活動の一つです。
 月間の基本テーマは、以前こちらのサイトでもご紹介した「一無二少三多(いちむにしょうさんた)」です。一無は無煙(喫煙は万病のもと)、二少は少酒(お酒は程々に)と少食(食事は腹七〜八分目)、三多は多動(身体を活発に動かす)と多休(休養をしっかりとる)と多接(活動的な生活)で、初年度から6年間は基本テーマの一無から順に強化テーマが設定されることになっています。4年目になる今年、2014年の強化テーマは「多動」で、毎年公募によって選ばれているスローガンは「運動で 減らす体重 増す寿命」に決まりました。

 運動というと日々の積み重ねが大切なものですし、生活の中で年齢を感じる最初のきっかけは運動機能の衰えを感じたときという方も多いことでしょう。ただ、運動を行うのに遅すぎるということはなく、たとえ高齢になってから運動を始めた人でも、健康的に加齢(エイジング)していくことができるという研究が、医学誌「英国スポーツ医学ジャーナル」に発表されています。
 英ロンドン大学公衆衛生学のMark Hamer氏らは、平均年齢64歳の高齢者約3,454人を対象に、8年間という期間にわたる追跡調査を行いました。それによれば研究の開始時に、適度な運動や活発な運動を週に1回以上行っていて、それを続けられた人では、運動をしてこなかった人に比べ「慢性的な病気を管理してメンタルの良い状態を維持し、認識能力や社会的なつながり、活動を維持できる可能性」が3〜4倍に上昇することが明らかになりました。また、8年間活発な運動(週1回以上)を続けた人は、健康的な高齢者になる可能性が7倍に上昇しています。はじめは運動習慣をもっていなかったけれど、途中で週に1回以上の運動を始めたという人でも、運動がもたらす恩恵は大きく、前述のような状態を維持できる可能性が3倍に上昇しました。「運動不足は、大量の飲酒や肥満に並んで、平均寿命を縮める主な要因です。健康のために運動を習慣として行うことが必要です。研究では、年齢が高くなってから運動を始めた人でも、運動がもたらす恩恵は大きいことが確かめられました」とHamer氏は話しています。

 2013年度に改訂されたアクティブガイド2013でも、一日10分歩くことからの活動が勧められています。急に無理な活動をすることは怪我や事故にも繋がりますのでお勧めしませんが、この機会に、自分の今の体力にあった活動を自分にあったペースで少しずつ始めていきませんか?

運動をはじめるのは思い立った今がBest!できることから始めよう

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コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.63
コラム【理念経営物語】

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

『 血の日本史 』
安倍龍太郎著・新潮文庫

 平成24年度下期に『等伯』で第148回直木賞を受賞した安倍龍太郎のデビュー作。
 目次がユニーク。年表になっている。

  五七   倭奴国、光武帝より金印を賜わる
  二三九 卑弥呼、魏王より倭王の称を賜わる
  五二七 筑紫国造・磐井、征新羅軍を阻み叛乱
           †大和に異議あり・・・・・・・・・11
  五六二 任那の日本府滅ぶ

上記の「大和に異議あり」がこの本の第1話で、11ページから始まる。最後の「俺たちの維新」まで、46の短編小説で日本史の節目で生きた人物を描く。第1話から、作者は歴史の通説とは異なった視点で物語を展開して行く。「大和に異議あり」は歴史上「磐井の乱」と呼ばれる事件を扱っているが、「乱」は大和朝廷側から見た言い方である。
 「血」とあるように、主人公は皆、悲劇で終わるが、それぞれの生き方に共感がもててどの短編も面白い。「栴檀は二葉より芳し」か。

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コラム3 【苗字随想】 No.140コラム【苗字随想】

片桐清志

一字姓について(6)〜一字姓と動物〜

 今月からまた一字姓シリーズに復帰したい。先月は干支の馬(午)に着目したので復帰第一弾は動物と一字姓の関係を扱ってみる。
 干支に登場する動物は今までの干支シリーズで扱っているが、先月の「馬」で一周したのでもう一度全体をおさらいしておく。残念ながら十二支の動物全部は勢揃いしない。鼠・兎・鶏の3つの一字姓が見つからなかった。登場する干支の動物と読み方を列挙すると、牛(ウシ)、虎(トラ・コ・ココ)、竜・龍(タツ・リュウ・リョウ)、蛇(オロチ・バミ)、馬(ウマ・マ・バ・ハ・メ・ハマ・クラ)、羊(ヒツジ)、猿(サル・サ)、犬(イヌ)、猪(イノシシ・イ・イノ・チョ・イイノ)だ。ついでだが、各字で始まる「○姓」は十二支すべてある。多い順に並べると、馬、猪、牛、竜(龍を含めると3位)、犬、虎、猿、蛇、兎、鶏、鼠、羊の順だ。やはり威勢の良さや生活との関係の濃さが人気の順だろう。
 干支を離れて「○姓」の人気の多い順に一字姓を列挙すると、鹿(シカ・アラコ)、亀(カメ・ヒサシ)、熊(クマ・シュウ)、駒(コマ)、狛(コマ)、狗(コマ)、狐(キツネ)、鰐(ワニ)、象(ゾウ・サキ・キサ)、蝮(タジイ・タジヒ・タチイ・タチヒ)、蟇(ガマ)、狼(オオカミ)、豹(ヒョウ)だ。「○姓」には出てくるが一字姓にないのが「獅」と「猫」と「駄」と「蛙」だ。「狐」は一字姓にもいるのに、「狸」は一字姓はおろか「狸姓」もどこへ雲隠れしたのか一つも見つからなかった。
 十二支以外の動物でユニークな苗字も紹介しておく。「鹿姓」では鹿ノ子(カノコ)、鹿取(シカトリ)、鹿討(シカウチ・シシウチ)、鹿園(シカゾノ・カゾノ・カソノ)、鹿苑(シカゾノ)、鹿苑寺(ロクオンジ)、鹿手袋(シカテブクロ)、鹿毛(シカモ・カモ・カゲ)、鹿角(カズノ・カスミ・カズミ)、鹿骨(シシボネ)、鹿頭(カトウ)、鹿足(カノアシ・カタリ)、鹿目(シカメ・カノメ・カメ)、鹿肝(シカン)、鹿鳴(ロクメイ)、鹿道(シシド)、鹿熊(カグマ・カクマ)、鹿馬(カバ・カンマ)などが見つかった。「熊姓」では熊党(クマント)、熊凝(クマコリ他)、熊取(クマトリ)、熊捕(クマトリ)、熊切(クマキリ・クマギリ)、熊毛(クマケ)、熊口(クマグチ)、熊耳(クマミミ・クマジ・キュウジ他)、熊頭(クマトウ)、熊手(クマデ)、熊尾(クマオ)、熊鷹(クマタカ)、熊懐(クマイダキ・クマズキ他)、熊抱(クマダキ)、熊膳(クマゼン・ユウゼン)、熊笹(クマザサ)、熊若(クマワカ)、熊王(クマオウ・クモウ)、熊襲(クマソ)、熊走(クマバシリ)、熊無(クマナシ)などだ。「亀姓」はNo.104(平成23年1月号)で扱っているのでそちらを参照されたい。

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【平成26年1月号編集後記】

 新しい年を迎え、恒例の賀詞交歓会が続いた。昨年と異なり、明るさと活気が戻ってきた印象が強かった。この勢いを今後も持続させたいものだ。そのカギを握るのが「成長戦略」だろう。かつての「三種の神器」のような画期的なものはまだ見えない。それでもこのところTVや新聞・雑誌で目につくようになったのが「シニア市場特集」だ。
 超高齢化先進国の日本の持続的成長は世界の注目を集めている。日本のシニア市場で成功すれば高齢化が進む先進国に打って出ることもできる。団塊世代はまだまだ元気だ。「PPK(ピンピンコロリ)」はシニア共通の願いだろう。「平均寿命」と「健康寿命」の差は現在10歳余ある。この差を縮めることができれば、本人はもとより家族や医療制度の面でも喜ばしい。
 若いうちは病気になっても回復力があるが、シニアはその回復力が低下している。小児医療が特化されているようにシニアに特化した予防医学・研究の充実を望みたい。医療以外の視点で、「健康寿命」を延ばすには生活サービスの充実も欠かせない。介護サービスのお世話にならなくても、自立した元気なシニアが安心して外出でき、買い物ができたり、旅行ができる社会インフラの充実とサービスの充実を期待したい。
 平日もフリーに動けるシニアは交通機関やホテル等の設備産業の稼働率向上の切り札だろう。今後増加する年金をシニアが喜んで「PPK市場」に還流させる新たなサービスを産業界として創り出すことが成長戦略として考えられてよい。

 初夢のような編集後記になったが、今月号は柘植筆頭代表幹事に高速鉄道の夢と実績をご披露いただいた。最後にまとめられた3か条のトップに掲げた「勇気を持ち困難に挑むこと無くして進歩はない」は鉄道関係者以外にも当てはまる。「未来」は困難にも満ちているが「夢」にも満ちている。その夢を実現できるのは困難に向かう「勇気」だ。本誌も会員諸兄に「勇気」をお届けできるよう今年も頑張る所存だ。

(片桐)