1.会社紹介&自己紹介(上坂氏)
きんでんは、昭和19年「近畿電気工事株式会社」として設立、80社余りの中小の電気工事会社を統合し、近畿電気工事(株)という社名で関西電力(株)の工事部門として事業を開始した。現在の中部支社も名古屋支店として、同時点で発足している。また、首都圏においては、昭和28年に東京支社を設置。その後、全国の各都道府県、海外で事業展開する中、「近畿電気工事株式会社」という社名が事業内容や事業エリアといった実態にそぐわないことも含め、平成2年に「株式会社きんでん」と社名を変更。
主な事業内容としては、
- 関西地区における電力会社(関西電力)の電力供給設備の工事
- 全国、海外において、各企業の皆さんのビル、工場等における電気、計装、情報通信、空調・衛生、内装などの設備工事の仕事を展開している。
また、私自身、名古屋に赴任して約1年半が過ぎ、2年目を迎えている。
名古屋の前は大阪で約30年近く本社の人事部で仕事をしていた。そこでの直近の約10年間は人事部長として、
- 電力自由化の流れで厳しい環境におかれた際の賃金の引き下げ、1150名の希望退職の実施
- 人事制度の刷新、役職、役割、賃金制度について、業績連動の賞与制度の導入、人事考課制度の刷新
- 新しい年金制度の導入
等々の仕事をしてきた。現在は支社長として、工事や営業の仕事がメインであり、お客様への責任を果たすことの喜びを感じて仕事させて頂いている。
2.時の流れとエネルギーマネジメント(高松氏)
私は課長という職にあり、「女性らしさを出して頑張れ」と声を掛けられることがある。女性らしさという言葉に戸惑うことが多いが、男女の違いという観点で、例えば、震災後「節電に努める」ということを強く意識するようになったと答えた人の割合(内閣府世論調査)は、男性51%に対して女性66%というデータがある。こんなところに男性と女性に意識の違いがみられるようだ。
(1)節電について
節電は東日本大震災後を契機に広く意識されるようになった。エコ商品ランキング(日経ビジネス)1位はLED電球、2位太陽光パネル、3位プリウスと続く。LED照明は発光効率が急速に向上しており、人の肌を美しく見せるなど付加価値の高い商品も出てきている。現状、国内で使用されている電球・ランプの総数は16億個ある。これを全てLEDに交換すると、原発13機分にあたる国内の約10%の電力の削減を実施することができるという試算がある。
(2)省エネルギーについて
省エネルギー法は第2次オイルショックを契機として制定されたが、トップランナー基準が導入された頃から、省エネルギーという言葉がより広く意識されるようになったのではないだろうか。その後数回にわたる改正があり、エネルギー管理義務など企業の負担が増えてきている。一般的な事務所ビルにおいて省エネするには、エネルギー消費比率の高い「熱源機器」と「照明」に着目すべきである。照明だけで50%省エネすると建物全体の約10%の省エネが可能となる。また、照明による省エネルギーのメリットとして、他の省エネ手法に比べて安価に効果が出せる、従業員への省エネ意識を啓蒙しやすいなどがある。
(3)省CO2について
CO2削減という言葉は、COP3京都議定書の頃から広く使われるようになり震災後は国内ではあまり聞かれなくなった感じがする。基準年比6%削減の約束や、25%削減を宣言したなどの経緯がある。現状の世界のCO2排出量では、1位中国、2位アメリカ、3位インドであるが、1人当たりでは豊かな暮らしを送っているアメリカが断トツで多い。電力の排出係数などにCO2排出量は左右されるが、経済産業省では、太陽光発電やLED照明、高効率熱源などあらゆる技術を駆使し、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の実現に向けて研究を行っている。また、国土交通省でも都市の低炭素化に向けて取り組んでいる。
(4)BCPについて
2004年の新潟県中越地震での工場生産停止という出来事が、BCPという概念が国内に広まるきっかけとなり、東日本大震災でさらに見直しを求められている。停電時の自衛策を講じることは、BCPの1つの重要なテーマである。バックアップ電源設備は大別すると発電機と蓄電池に分けられ、バックアップしたい負荷の容量と停電継続時間によって選定することとなる。発電機にはディーゼル、ガス、ガスタービンといった種類があり、使う燃料や特徴の違いを考慮の上、整備する必要がある。また建物内インフラにあたる電源ルート、施工方法などの見直しも重要である。
(5)エネルギーマネジメントについて
エネルギーマネジメントとは、エネルギーを「省く」だけでなく、「創る」、「蓄える」も組み合わせて、「見える化」して上手にエネルギーを使うことである。例えば、ビルのエネルギーマネジメントでは、省く=LED照明・空調設備、創る=太陽電池・燃料電池、蓄える=蓄熱槽・蓄電池などを備えることである。
当社は、「きんでん学園」という教育・訓練施設を持っており、豊かな人間性、優れた技術・技能、厳しい環境にも耐えうる体力といった「心・技・体」の三位一体を目指した社員の育成を行っている。また、若者が技術を競い合う場である「技能オリンピック」にも早くから出場し、世界大会、国内大会で多くの金メダルを獲得している。
全社員の知恵と技術、そして技能を融合し、最大限の相乗効果をもって、計画、設計、調達、施工、保守、リニューアルといった総合エンジニアリングを展開していく。 |