今回の産業懇談会視察会では、JRセントラルタワーズを見学した。
はじめに、名古屋マリオットアソシアホテルにおいて、ジェイアールセントラルビル(株)社長の天谷昭裕様からJRセントラルタワーズの概要や設備、さらには名古屋駅新ビル(仮称)について説明があった。その後、2グループに分かれて、電気設備、空調設備、中央防災センター、制振装置を視察し、普段見ることのできないJRセントラルタワーズの裏側を見ることができた。
◆タワーズの概要
ジェイアールセントラルタワーズは、平成6年8月に建設工事に着手しており、平成11年12月に竣工、12年3月「ジェイアール名古屋タカシマヤ」、5月「名古屋マリオットアソシアホテル」がオープンした。延床面積は約41万m2あり、世界最大の駅ビルとしてギネスブックに認定されている。高さはオフィスタワーが51階245m、ホテルタワーが53階226mあり、オフィス、ホテル、デパート、レストラン街などを備えている。駐車場はタワーズ全体で約1500台収容可能である。地下には、本日見学する地域冷暖房設備がある。
◆タワーズの主な設備
(1)電気設備
電気は、中部電力から7万ボルトの高電圧による供給を受け、地下の特高配電室において6千ボルトに電圧を落とし、館内の各所の配電室へ供給している。電気は本線と予備線の2重系統となっている。
また、自家用の発電機を4台備えており、うち3台は都市ガスによるコ・ジェネレーションシステムとして常時稼働している。これらは非常用電源の役割も担っている。
(2)給水設備
水道は、直径30cmの配管により、市の水道を引き込んでいる。この水は、一度受水槽で受け、ポンプで一気に最上階へ圧送し、あとは重力を利用して、自然流下で各所に配水する仕組みとなっている。トイレの水については、一部雨水や井戸水を活用している。
(3)空調設備
空調の熱源は、地域冷暖房会社である名古屋熱供給株式会社から、供給を受けている。温熱は、コ・ジェネレーションシステムからの排熱と都市ガスを使って、ボイラーで蒸気を発生させ、暖房等に利用している。
冷房は、冷凍機で冷水を作って、これを活用している。
(4)防災設備
防災設備では、高層の2つのタワーの安全性を確保するため、両タワーの屋上に消防活動用のヘリコプターの緊急離着陸場を設けている。また、オフィスタワー、ホテルタワーそれぞれの低層階には防災センターがあり、さらに、タワー全体を監視・制御する中央防災センターを設け、24時間、各所の役割に応じた防災管理を行っている。
(5)その他設備
その他の特徴的な設備として、強風時等の揺れを抑制し、居住性を向上するために、2つのタワーの頂部には、制振装置を設置している。
◆名古屋駅新ビル(仮称)
名古屋駅新ビル(仮称)は、タワーズの北側、旧名古屋ターミナルビル跡地に平成27年末に竣工する。延床面積約26万m2、高さ約220m、地上46階、地下6階建で、オフィス、商業施設、ホテル、駐車場、バスターミナルを備える。また、働く女性を支援する保育施設も導入する予定である。 |