産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】  第118号 2012.3.30発行

 メールマガジン■産懇宅配便■

平成24年3月度(第118号) 目次
【24年2月度産業懇談会(火曜G)模様】 2月14日(火) 12時00分〜14時00分
【24年2月度産業懇談会(水曜第1G)模様】 2月15日(水) 12時00分〜14時00分
【24年3月度産業懇談会(木曜G)模様】 3月1日(木) 10時30分〜14時00分
【24年3月度産業懇談会(水曜第2G)模様】 3月14日(水) 12時00分〜14時00分
【名古屋いちばん物語】 No.27
【4月度産業懇談会開催日程】
【5月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1 【保健師からの健康だより】 No.96
コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.41
コラム3 【苗字随想】 No.118

【24年2月度産業懇談会(火曜G)模様】

テーマ『 色で生活の質を高める(ライフケアカラーについて) 』

日  時:24年2月14日(火) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:20名

スピーカー:
金井 敏彦(かない としひこ)氏
DIC株式会社 支店長
岡 紗智子(おか さちこ)
DIC株式会社 エリア開発営業部 カラーアナリスト

金井 敏彦氏岡 紗智子氏

 冒頭、金井支店長から同社の概要を説明いただいた。
 DIC(ディック)は、前身の大日本インキ化学工業の略称であり、2008年創業100年を機に商号をDIC(株)(ディーアイシー)とした。しかしDICとしての知名度は低く、今回この場をお借りして皆さんに認知いただきたい。当社は1908年に川村インキ製造所として創業し、1925年有機顔料の自給生産を開始、1952年日本ライヒホールド化学工業を設立し合成樹脂事業に本格的に参入した。これらの有機顔料と合成樹脂を柱として、幅広く事業展開を行なってきた。事業の柱は、(1)印刷インキ事業部門:印刷インキ、印刷関連機器・材料、(2)ニューグラフィックアーツ事業部門:有機顔料、記録材料、液晶材料、(3)合成樹脂事業部門:合成樹脂、ポリマ添加剤、(4)ケミカルソリューション事業部門:コンパウンド、着色料、粘着製品、建材、ヘルスケア食品などの4つである。また、DIC川村記念美術館は、2代目、3代目社長が収集したものを広く公開することになり、1990年千葉県佐倉市に設立し多くの方にご来館いただいている。
 次に、エリア開発営業部 岡様から説明いただいた。

1.カラーユニバーサルデザイン
 カラー印刷やカラーディスプレイ等の技術進化に伴い、私たちの周辺には様々な色でデザインされたものが多く見られるようになった。しかし色の感じ方には個人差があり、見やすいと思ったデザインも、人によっては見えづらい場合がある。遺伝子タイプの違いや目の疾患により色の見え方が一般の人と異なる人が、日本に約500万人以上存在している。こうした背景から多様な色覚を持つ方々に配慮し、できるだけ多くの人に情報がきちんと伝わるように色使いをする「カラーユニバーサルデザイン(以下CUD)」が重要視されている。最近では行政の印刷物や建築物に対しCUDへの配慮が条例化されるケースも見られるようになった。外界から得られる情報は視覚が90%近く占め、それは文字や形に比べて色による影響が大きい。公共性の高い場所でのサイン関係、安全性が求められる機器の操作ボタンの色使いには特に配慮が必要だ。例えば電光掲示板では「黒を背景にした赤文字」は見えづらく、黒を背景にした白文字が一番わかりやすい。色は隣合う色や環境により見え方が大きく異なり扱いが難しいが、ポイントを考慮すれば低コストでCUDに配慮した色使いが可能となる。当社はプロセス印刷におけるユニバーサルデザイン推奨配色セットを策定し、現在CSRの一環として官公庁や鉄道・建築関連の方々を対象にCUDの啓蒙活動をしている。ご不明な点等ございましたらご連絡下さい。

2.ライフケアカラー
 現在、保育士向けのカラーセミナーや子供向けのカラーガイドイベントを通じて色の重要性をお伝えする「色育」活動を行なっている。産総研の研究によると「乳幼児期の視覚体験が、その後の色彩感覚に決定的な影響を与える」ことが明らかになっている。ライフケアカラーとは「人の心を豊かにする、生活の質を高める色使い」のことであり、特に視覚の発達段階にある乳幼児期や視覚機能が衰え始めるシニア世代の方々にはより多くの色に触れ生活に取り入れていただきたい。高齢になると服装も無難な色が多くなりがちだが、明るい色やデザインの物を身につけることで見た目も気分も若返ることが出来る。色は低コストで高パフォーマンスの図れるものである。携帯電話や雑貨に見られるようなカラフルな色を介護用品に応用できれば、介護する側、される側もまた違った気持ちで過ごせるのではないかと考える。
 人は色を見るとその色に対し様々なことを感じる。その感じ方は色により異なるが、それは「色からのメッセージ」とも捉えることができる。「色のメッセージ」には大きく分けて4種類に分けることが出来る。
(1)習慣的メッセージ:地域特有の意味を持ち習慣的に根付いているもの (2)記号的メッセージ:色の象徴的な意味を用いて、色を記号的な役割として使うもの (3)記憶的メッセージ:かつて体験した色から記憶がもたらすもの。嗜好色などに見られ、日本国内でも地域によって嗜好色が異なり、名古屋はゴールド系が好まれる。
 また4つ目に生理的メッセージがある。目から入った光は脳に送られるが、その脳内で色の波長により異なるホルモンを分泌させ、それは人の感情やモチベーションに影響を与えていることが明らかになってきた。それには7つの神経伝達物質が影響している。例えば、赤はアドレナリンを分泌、黄色はエンドルフィンを分泌させる。これからは「色でモチベーションを高め、仕事や生活の活性化を図る」今後も色の新しい活用法を提案させて頂きたい。

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【24年2月度産業懇談会(水曜第1G)模様】

テーマ『 三機工業の省エネルギーへの取組みと統合ネットワーク事業のご紹介 』

日  時:平成24年2月15日(水)12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:27名

スピーカー:
三機工業(株) 中部支社 執行役員副支社長
三石 栄司(みついし えいじ)氏
三機工業(株) 統合ネットワーク事業部 企画部長
浜坂 順一(はまさか じゅんいち)氏

三石 栄司氏浜坂 順一氏

 冒頭、三石様から三機工業(株)の概要を説明いただいた。
当社は1925年、関東大震災後の復興需要が高まる中、暖房、冷房などの建設設備工事会社として創立され、昭和8年に名古屋支店を開設した。現在、建物の空調設備、給排水、電気、情報関連、並びに工場や空港の搬送設備、ごみ処理施設、下水・排水処理場などいろいろな事業があり、近年は総合エンジニアリング企業として、地球環境・温暖化・省資源問題に取組んでいる。また、1991年より南極観測隊に越冬隊員を派遣し、極地における廃棄物の調査・管理、排水処理設備計画・維持管理を行なっている。本日は当社の省エネ事業の取組とスマートビルディング構築を目指す統合ネットワーク事業のご紹介をさせて頂きます。
その後、浜坂様から本日のテーマについてお話しいただいた。

1. 最近のエネルギー動向 
 まず日本の温室効果ガスの排出量の推移である。2009年度は12億900万トンであるが、森林吸収分、海外クレジットを差し引くと確定値は10億9000万トンとなる。これは京都議定書に定められた目標1990年比マイナス▲6%に対し、リーマンショックの影響もあり▲13.5%となり目標を達成している。しかし、今後は火力発電所が中心となるのは明らかであり、2020年度▲25%はかなり厳しい状況である。また、2009年度12億900万トンの内訳は、産業部門32%、運輸部門19%、業務部門18%、家庭部門13%で80%を占める。また、各部門の推移は、産業部門は各企業の省エネ努力もあり1990年比▲19.5%と大幅に減少している一方、オフィス、店舗、病院などの業務部門は+31.2%、家庭部門は+26.9%となり一層の省エネが必要である。業務部門の内、「病院、公共施設、教育」と「商業、金融」はウエイトも大きく排出量が伸びている。
 また、昨年経済産業省が「省エネルギー技術戦略2011」を発表した。2030年度に向けて取組む「産業用、家庭・業務用、運輸用の重要技術」として位置づけている。当社が取組む省エネ技術は、3つある。(1)ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス):住宅・建築物の躯体・設備の省エネルギー性能の向上、及び負荷制御や統合制御等を設計し、エネルギー消費量を正味でゼロに近づける技術である。太陽光発電や都市の未利用エネルギーを活用し、各種の制御によりエネルギーを最小限に抑える。(2)省エネ型情報機器・システム:IT機器の利用等により増大する消費電力量を削減するため、個別のデバイスや機器の省エネ化を進展させる技術(例:省エネ型情報機器、高効率ディスプレー)(3)快適・省エネヒューマンファクター:個人により異なる快適性や嗜好性を尊重しつつ、これらを巧みに活用・応用することによって、省エネを進展させる新たな概念・手法(例:制御技術、センサー技術を駆使し、1人1人に最適な居住執務環境を省エネで実現する技術)

2. 統合ネットワーク事業のご紹介(スマートビルディングの基本インフラ)
 生活やビジネスを支える、エネルギー、水、通信、交通、建物、行政サービスなどをネットワークで結ぶ「スマートシティ構想」がある。その中で、建物のスマートビルディングがある。これまでのビルは、いろいろな情報システムと各種設備システムがバラバラに敷設されたネットワークで構成されていた。「統合ネットワーク」は、それらシステムの導入コスト削減、追加工事の工期短縮、IT機器と設備間の連携等を目的として、全設備共用の高速、高信頼性のネットワークである。すなわち、1つの建物の中に展開するビル設備とIT機器を統合ネットワークで運用することである。それにより、さらなる省エネと快適性の両立を実現するものである。

3. 統合ネットワークの展開事例
(1)節電:オフィスの消費エネルギーの各設備の割合は、IT機器21%、空調43%、照明21%、その他15%であるが、IT器の省エネはほとんど進んでいない。統合ネットワークでIT機器の電力を管理することや、設備と連携運用することにより、さらなる省エネが可能である。

(2)危機管理:統合ネットワークによる「危機管理センターの構築」が可能である。具体的には、本部から各拠点(支社支店、工場、学校、病院等)を一元管理、集中コントロールを行なう。また、緊急時に現場に持ち込めるモバイル端末との連携もネットワークを介して実行し、より的確な対応を可能にする。

(3)遠隔監視:統合ネットワークにより施設情報一元管理サービスを、より効率的に提供することができる。管理施設が多数ある場合は、それらをネットワークで接続し、運営保守の効率化、エネルギーの施設単位の見える化、非常時の情報収集の効果が見込める。まずは、使用電力量の「見える化」により、節電を推進できる。

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【24年3月度産業懇談会(木曜G)模様】

テーマ『 第2回 IHで作る・男の料理 』

日  時:平成24年3月1日(木)10時30分〜14時00分
場  所:e−生活情報センター デザインの間
参加者:14名

講師:フードコーディネーター 蓮沼 あい様
    (株)ナショナルヤガタ 取締役社長 矢形 修己様
協力: 中部電力(株)、(株)ナショナルヤガタ


 今回の産業懇談会木曜グループでは、e−生活情報センター デザインの間(名古屋市千種区星ヶ丘元町15-74)にて、昨夏に続き第2回目となる料理教室を開催した。
 出席者の皆様には、受付を済ませ、施設内をご案内した後、エプロン・三角巾を着用しご準備いただいた。

◆ご挨拶
 冒頭、中部電力様より挨拶いただいた。電力問題でご迷惑をかけているが、原子力発電所の対策を徹底し皆様方にご理解いただくまではやりきろうという決意である。本日のデザインの間には、各電機メーカーの最新のIH機器がある。ぜひとも体験いただきたい。
 次に、ナショナルヤガタ様より挨拶いただいた。エコ&スマートをテーマに奥様方の時間を短縮し、エコでスマートな生活を強調したい。今日は楽しんでいただきたい。

◆第2回IHで作る・男の料理
フードコーディネーターの蓮沼あい先生講師であるフードコーディネーターの蓮沼あい先生より、調理メニューの紹介と調理手順のデモンストレーションが行われた。
 今回は、「簡単・おしゃれだけれど満足感あるがっつりメニュー」とし、(1)ビーフストロガノフ、(2)えびのフリット、(3)マルゲリータピザの調理を行った。



<レシピ紹介>
(1)ビーフストロガノフ
材料(4人分)
・バター20g、玉ねぎ1個、トマト1個、しめじ1p、牛薄切り肉300g、にんにく1片、生クリーム100cc
・調味料A(ウスターソース 大さじ3、ケチャップ 大さじ1、塩こしょう、砂糖 各少々、牛乳200cc)
・バターライス(当日はバゲットで代用)、パセリ適量

  1. 玉ねぎは薄切りに、トマトはざく切りに、しめじは石突きを取ってほぐす
  2. フライパンにバターを溶かし、みじん切りにしたにんにくを炒める
  3. 香りが立ったら玉ねぎを炒め、茶色くなってきたら、牛肉を加えて炒める
  4. しめじ、トマトを加えてさっと炒めたら、調味料Aを加えてしめじに火が通るまで煮る
  5. 生クリームを加えて味を調えたら、器に盛りパセリをちらす(バターライスの場合、ライスにかける)

(2)えびのフリット
材料(4人分)
・えび12尾、塩 少々、白ワイン 大さじ2、天ぷら粉60g(1/2カップ)、ビール100cc
・揚げ油 適量、レモン、塩 適量

  1. えびは殻を剥いて背わたを取ったら、塩と白ワインをまぶして5分置く
  2. 天ぷら粉は冷たいビールで溶く
  3. 1.のえびの水気を拭いたら塩少々をまぶし、2.の天ぷら粉をつけて180℃の油で揚げる
  4. レモンを添える

(3)マルゲリータピザ
材料 ピザ生地(2枚分)
・強力粉 185g、薄力粉80g、イースト 小さじ1/2、塩 小さじ1・1/2、水160cc
・トマトソース、モッツァレラチーズ、バジル 適量

  1. ボウルに強力粉と薄力粉を計量する
  2. 水を少し温めて(40℃)塩とイーストを入れて混ぜる
  3. 2.を粉と混ぜてまとまったら台の上に出してこねる
  4. ボウルに戻し入れてボウルごとラップをしたら、40℃で40分醗酵する
  5. 生地が2倍の大きさになったら、ガス抜きをして生地を取り出し、2分割して丸めて10分休ませる
  6. 5.の生地を強力粉をつけながら伸ばし、アルミホイルの上に置いたら、トマトソース、モッツァレラチーズをのせて、魚焼グリル240℃で10分焼く
  7. 焼き上がったら、バジルを散らす
料理会 調理模様 料理会 調理模様
料理会 調理模様 料理会 調理模様

 蓮沼先生によるデモンストレーションの後、参加者は4つのグループに分かれ、調理を行った。IH(Induction Heating:誘導加熱による電磁調理器)のメリットは、温度と時間が設定でき、安全で経済的に料理ができることである。参加者全員エプロン・三角巾姿で、真剣かつ大いに楽しみながら調理に取り組んだ。調理後は全員で試食を行った。

 続いて、株式会社ナショナルヤガタ様のご厚意で、同社矢形社長より「第2回 電子レンジで簡単にできる料理」を6種類ご紹介いただいた。

<レシピ紹介>
(1)スクランブルエッグ

  1. 卵をコップに割り、よく溶きほぐす
  2. 塩・こしょう・砂糖で味付けする
  3. レンジ600Wで1分加熱する
  4. 割り箸で細かくする

(2)ほうれん草のおひたし

  1. ほうれん草を洗う
  2. 向きを交互にし、ラップに包む
  3. レンジ600Wで1分加熱する(100g:1分)
  4. 水でよく洗い、アクを取る
  5. 3cmずつに切り分け、盛り付ける
  6. 醤油・ゴマ・鰹節をかけて完成

(3)鶏のささみのマヨネーズあえ

  1. ささみにお酒をかけ、ラップをし、レンジ600Wで2分加熱した後、細かく割く
  2. マヨネーズ・黒こしょうで味付けする
    ※水菜やきゅうりと合わせてサラダにしても美味しい

(4)イングリッシュマフィンのオープンサンド

  1. マフィンを半分にスライスし、トーストする
  2. パンにマスタードを塗る
  3. 先に紹介した(1)スクランブルエッグや(3)鶏のささみのマヨネーズあえを挟んで完成

(5)レンジで簡単茶碗蒸し

  1. 卵3個に400ccのだし汁、醤油 小さじ1を混ぜ、卵液を作る
  2. 容器に(2)ほうれん草のおひたし、(3)鶏のささみ、しいたけ、かまぼこ、卵液を入れる
  3. (レンジの)グリル皿にのせ、レンジの自動メニュー『茶碗蒸し』で蒸す

(6)肉巻き野菜

  1. アスパラガスを半分の長さに切り、にんじんもアスパラガスを同じ長さに切り揃える
  2. 豚肉にこしょうを振り、野菜を巻く
  3. (レンジの)グリル皿にのせ、自動メニュー『肉巻き野菜』で焼く
  4. お好みでわさび醤油などをつけていただく
料理会 調理模様 料理会 調理模様
集合写真

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【24年3月度産業懇談会(水曜第2G)模様】

テーマ『 高精度三次元移動体計測車両による街づくり 』

日  時:平成24年3月14日(水)12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:29名

スピーカー:
三宅 直也(みやけ なおや)
(株)三恵エンジニアリング 代表取締役

三宅 直也氏

1. 三恵エンジニアリングの紹介
 当社は1995年設立以来、情報通信サービスの基盤整備を行なってきた。経営理念は「良い製品こそ最大の営業なり。お客様の笑顔を最大の喜びとし未来につなげよう」である。事業の柱は3つある。(1)TECHNICAL SOLUTION:電柱の維持管理から電線共同溝の埋設設計までの対応、及び次世代の高速通信ネットワーク網、光ケーブルの敷設設計、(2)MOBILE SOLUTION:携帯電話用基地局の設置をトータルサポート、(3)GIS(Geographic Information System) SOLUTION:正確な地理空間情報の一元管理と共有化である。

2. 情報通信インフラ管理の現状
NTT、電力、CATVなどのインフラ業者が同一設備(例:電柱)にもかかわらず、個別に管理し情報共有がなされていない。また、縦割り行政のため、行政との共有もなされていない。

3. 情報通信インフラの発展(地デジから家デジへ)
このように管理に問題を抱えながらも通信インフラ技術は発展を続け、近年では通信端末1つで家中の情報を制御するスマートハウスが普及しつつある。

4. 経営環境の大きな変化
 (1)防災対策:東日本大震災、タイの洪水等により、従来以上の防災対策が必要になってきている。(2)国債残高の増大:国債残高が対GDP比210%を超え、公共工事の予算は今後も減少する。(3)世代交代:団塊世代の大量退職により技術の継承が急務である。(4)少子化の進行:人口減少に伴い内需の縮小し、在宅での仕事の創出が急務である。(5)環境対策:京都議定書によるCO2削減目標があり企業もより効果的な環境対策が求められる。

5.地理情報システム(GIS)技術の発展
 地理情報システム(GIS)は、様々な情報が位置情報をもとに整理され、空間的な関係を視覚的にわかりやすい形で表現できる、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術である。具体的には、地域の安全を守るための環境基盤の管理、事故・災害に対する環境基盤、地域のマーケティング検索、カーナビなどの位置情報システムなどに活用されている。また、政府は平成7年の阪神・淡路大震災の反省などをきっかけに、GISの取組みを本格化した。その中心は国土空間データ基盤の整備及び活用である。平成19年「地理空間情報活用推進基本法(NSDI法)が施行された。このようにGIS事業の浸透により、「様々な情報の可視化・共有化」が急速に進んでいる。

6.高精度三次元移動体計測車両について
 GPS/IMU(オートジャイロを用いて走行距離と自己位置を算出する装置)複合による車両の位置/姿勢計算と、搭載したセンサで計測したレーザデータ・カメラ画像により、車体動揺や路面傾斜によらず、正確な道路地物の三次元位置計測が可能となる装置が開発されている。この車両は、GPSアンテナ、IMU/慣性走行装置、カメラ、オドメトリ、レーザースキャナ、を搭載している。これにより道路周辺地物の位置などを三次元画像で見られる。

7.GISを利用したインフラ管理とその利点
 例えば、電柱などの設備について、正確なGPS座標をKey項目として一括管理ができる。それによりNTT、電力、CATVなどについて、行政、インフラ会社同士の情報の共有化が可能になる。
 また、道路周辺の設備について、音声、映像、注釈により図面にない情報を三次元図面としシステム化が可能になり、技術の継承ができ世代交代も容易になる。さらに、都市空間情報が三次元化されることにより、インフラ設備の効率化、適正化が図られ、GIS技術による電柱情報のデータベース化の仕事が在宅で可能となり雇用創出にも貢献できる。実例として、群馬県太田市において母子家庭の方々に在宅での仕事を創出することに成功している。

8.GIS技術による社会変革(地デジから家デジそして街デジへ)
 GIS技術により高度なスマートグリッドの構築、観光、都市の問題点の可視化など幅広く利用できる。さらに、地デジ、家デジの技術に、GIS技術、3Dデータベースを加えて都市情報を高度に可視化、すなわち「街デジ」が実現できる。街中の情報を共有できるスマートシティとも言える。
 こうした街デジを進めることによって、再生可能エネルギーの効率的利用、送電エネルギーの効率化が可能となり、1つの社会変革と言える。

9.まとめ
 (1)GIS技術は従来のインフラ管理方法を抜本的に変える可能性がある。(2)GIS技術の導入によって新たな業種と雇用が創出される。(3)GIS技術と従来の通信技術を組み合わせることにより、社会が大きく変革される。

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【名古屋いちばん物語】 No.27

テーマ『 「住吉の語り部となりたい」 シリーズ第12回 』

料亭つたも主人
深田正雄

山田静江の細腕繁盛記と蔦茂再建

 最後の旦那衆・祖父深田良矩の妻・静江の蔦茂再建エピソードをお伝えしなくてはなりません。料亭蔦茂の現在あるのはひとえに山田静江の努力と奮闘の賜物、そして、戦後は名物女将として創業100年の礎を築き上げました。
 静江は明治25年4月26日蟹江町須成深田家近隣にて父・山田芳景、母・富田ハルの次女として出生、父が朝鮮開拓史として活躍するも行方不明となり母の再婚に伴い、十四山村の尼寺観音寺に姉、山田梅芳とともに預けられたと聞いております。住職尼僧・梅芳の徳行は近隣に知れ渡り、妹・静江も賢女として話題の姉妹であったようです。
 名古屋で金融業を営む大正4年に家督相続した道楽息子・深田良矩にはうってつけの連れ合いとして、大正5年に結婚入籍八百屋町一丁目の蔦茂旅館にて新婚生活となりました。
 すぐ長男真一を授かりますが、出生とともに届け前に死去。小生の父、正矩は長男として大正7年2月11日に、次男・次郎は大正11年1月に誕生、八百屋町の自宅にて子育てに忙しい毎日を送って、良矩の事業発展を見守っていたようです。八百屋町店は自宅と雇い人宿舎であり、住吉二丁目の蔦茂が本店機能を果たし割烹の仕事は使用人任せであったようです。
 しかしながら、昭和2年の金融恐慌により神田銀行破産に伴い良矩は連鎖倒産、そして、須成深田家から勘当・個人破産全てを精算、事業整理に伴い、戸籍上離婚した妻・山田静江がマイナスから商人宿として蔦茂旅館のみを残して再建、細腕繁盛記さながら頑張って新しいスタートを切ったとの事です。八百屋町店の一部売却し、やっと落ち着き隠遁・逃亡?生活から戻った良矩と住吉二丁目26番にて旅館再興、三男三郎は昭和6年にて誕生、女将采配に全てを支えられて祖父はニワカ番頭を務めていたようです。
 何度も三郎叔父が語っていました、「お袋は朝の送り出しから深夜のお客様の就寝まで働きっぱなし、横になって寝ている姿を見たことがなかった!」、小遣いを貰うときには、静江母は「必要ならいくらでもあげるよ!でも、お母さんがいかに苦労して稼いだ金かわかるよね。大切に使いなさいよ。」涙がこぼれて無駄遣いはできなかったといっています。
 でも、ご主人良矩はノーテンキ、平気で宿屋の売上で狩猟や乗馬を楽しんでいたようですが、お得意の「女遊び」はお預けのようでした。
 昭和初期の国鉄旅館案内には蔦茂旅館のオーナーは山田静江と表記され、建物も山田名義となっており、二人が戸籍上再婚するのは昭和14年1月まで待たなくてはなりません。
 その後、太平洋大戦中は、一般の商人旅館としてではなく軍需工場の幹部宿舎として大曽根・三菱電機、春日井・王子製紙など戦後のトップ方々の社宅として大いに静江は下宿のお母さんのように面倒をみて、戦後の人脈作りとなったようです。しかしながら、昭和20年3月12日の大空襲で地域は全焼壊滅、焼け跡には名物・池の錦鯉が茹って浮かんでいたとの事です。
 蟹江の疎開から戻った良矩夫婦は、兵役を免れた父・正矩とともに戦後一早く復興の宿舎提供という丸公の物資供給を得て昭和21年夏には都市区画整理計画に基づき名古屋で最初の二階建て旅館を建設いたします。ここで良矩が一生で初めて仕事らしいことで貢献したと親戚では語り継がれています。
 仕事1、旅館完成したが塀をつくる金がない・・米軍接収から逃れた私宝のレミントン猟銃を進駐軍将校に売却、その代金でヒノキとシバの黒塀を建設。現在でも粋な黒塀は住吉のシンボルとして名所となっています。
 仕事2、酒がない・・須成の弟胤次(明治27年生)が教員で近隣の教え子に「義侠」で有名な山忠本家酒造に依頼。燃料に困っていた酒蔵に多治見親戚冨田弟(静江母の嫁ぎ先)ルートで御嵩から亜炭を馬車で輸送して、ヤミ酒を入手。一部は蔦茂で、残りは中村呉服店(現在のオリエンタルビル)平松さわさんに頼んで、栄のヤミ市場(現在のバスターミナル)密売で資金調達。亜炭輸送の馬車の調達は乗馬仲間の厩舎から。
 仕事3、什器茶碗がない・・多治見の義弟・冨田が教育者として女学校の先生として活躍、その生徒の陶器卸からヤミ調達、良矩がリュックに詰めて連日満員の中央線で運んだ。これが唯一の肉体労働??と冷やかされていました。
 ということで、良矩の道楽、鉄砲も、乗馬も、健康な体も、再建には大変役に立ったとのことです。何よりも幼少の頃から尼寺で仏の加護で育った静江の慈悲心が良矩の遊び豊かな人生を許していたようです。

次号に続く

深田良矩と静江
昭和27年頃、戦後最初の鉄筋ビルに和室を建設、屋上の蔦茂神社にて深田良矩と静江

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【4月度産業懇談会開催日程】

全グループ、名古屋観光ホテルでの開催です。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ
各務芳樹
深田正雄
4月10日 (火)
12:00〜14:00
(株)料亭蔦茂 取締役社長 深田正雄氏のご紹介
(株)北見賃金研究所 所長
北見昌朗氏
「古地図を手に、明治の名古屋商人の活躍を語る
−復活しよう 名古屋の旧町名−」
18階
伊吹の間
水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
4月18日(水)12:00〜14:00

岩部建設(株) 取締役社長
岩部一好氏
「読書と人生」

18階
伊吹の間
水曜第2グループ 片桐清志
見祐次
4月11日(水)
12:00〜14:00

エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)
西日本営業本部東海支店 支店長
中村芳博氏
「エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ
グローバル事業の歩み」

18階
伊吹の間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助
4月12日(木)12:00〜14:00

弁護士法人名古屋総合法律事務所 代表弁護士
浅野了一氏
「日本の弁護士業の明日と明後日」

18階
伊吹の間

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【5月度産業懇談会開催日程】

木曜グループ、火曜グループ以外は、名古屋観光ホテルでの開催です。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ
各務芳樹
深田正雄
5月8日 (火)
12:00〜15:40

知の拠点あいち(あいち産業科学技術総合センター)視察会
※出席者の方には詳細案内をお送りします。
※後日、実費を精算させていただきます。

3階
桂の間

水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
5月23日(水)
12:00〜14:00

(株)中部プラントサービス
取締役社長 浅野晴彦氏
「電力のインフラを支える中部プラント」


3階
桂の間

水曜第2グループ 片桐清志
見祐次
5月9日(水)
12:00〜14:00

三井不動産(株)
支店長 田邉義幸氏
「不動産業 ここ10年間のトレンドについて
  〜アウトレット、Jリート、スマートシティなど〜」

18階
伊吹の間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助
5月10日(木)
9:00〜18:00

中部電力(株) 浜岡原子力発電所視察会
※出席者の方には詳細案内をお送りします。
※恐れ入りますが、バス座席の都合上、定員を先着30名様とさせていただきます。
※出席のご希望を多数いただいた場合、木曜グループ会員の方が優先となりますのでご了承下さい。
※後日、実費を精算させていただきます。

(集合場所)
地下鉄東山線「上社」駅
名古屋市名東区上社1丁目803

( 注1 ) 水曜第1グループの開催日が、当初の16日(水)から23日(水)へ変更となっております。
( 注2 ) 8日(火)、10日(木)の視察会スケジュールについては、下記をご覧下さい。

<ご参考>

1. 5月8日(火)火曜グループ:知の拠点(あいち産業科学技術総合センター)視察会
住所:愛知県豊田市八草秋合1267-1 電話:0561-76-8301

「知の拠点」の主な役割

  1. 大学の研究シーズを企業の事業化につなげる産・学・行政の協働研究プロジェクトを実施。
  2. 中堅・中小企業に対して、製品化・事業化に向けた研究開発から試作まで支援。
  3. 高度かつ汎用的な計測機器による分析・評価、ソリューション機能により企業の研究開発、製品開発を支援。

企業は、あらゆる物質の分析・評価など研究開発において「知の拠点」を利用することが可能ですので、ぜひこの機会に現地を視察いただきたいと存じます。

12:00

名古屋観光ホテル3階 桂の間 集合

12:00〜12:30 昼食
12:30〜13:15 バスにて移動(スケジュール説明)
13:15〜13:20 センター長ご挨拶
13:20〜13:50 概要説明
13:50〜14:30 施設見学
(1)科学技術展示コーナー
(2)高度計測分析機器計測分析室
(3)シンクロトロン施設(工事中)
14:30〜14:45 質疑応答
14:45〜14:50 集合写真撮影
14:50〜15:40 移動・商工会議所ビル着、解散

2. 5月10日(木)木曜グループ:浜岡原子力発電所視察会
住所:静岡県御前崎市佐倉5561 電話:0537-86-3481

9:00

地下鉄東山線 上社駅 集合

9:10〜11:45 バスにて移動 ※浜名湖SAにて休憩を予定
11:45〜12:30 「なぶら市場」にて昼食
御前崎市港6099-7
12:30〜13:00 移動
13:00〜15:00 浜岡原子PR館・浜岡原子力発電所
(1) 概要説明
(2) 館内案内
(3) 津波対策工事見学
(4) 集合写真撮影
15:00〜18:00 移動・地下鉄東山線 上社駅着、解散 ※浜名湖SAにて休憩を予定
※浜岡原子力発電所の視察にあたり、 事前の参加者名簿の提出、また当日は本人確認のため身分証明書が必要となります。
※ご参加をご希望の方は、名簿の事前提出期限の都合上、4月23日(月)までにご連絡を下さいますようお願い申し上げます。

3. 出欠のご連絡
ご出席いただける場合は、本通に同封のFAX返信用紙にご記入の上、各会申込締日までにご連絡願います。(代理出席はご遠慮いただいております)
  また、ご出席回答後、ご欠席に変更の場合、事務局へご連絡下さいますようお願い致します。

4. 事務局担当
鈴木・山田 電話:052-221-8901
<緊急連絡先>鈴木(携帯):080-6974-6493

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【コラム】

コラム1 【保健師からの健康だより】 No.96
花ちゃんからの健康だより

株式会社 スズケン
保健師 鳥巣 妃佳里

『 健康づくりはコツコツと 』

 名古屋では3月半ばに雪が降りました。こんな時期に?とビックリしていたところ、1週間もたたないうちに九州北部と四国では春一番が吹いたようです。花粉症の人には辛い季節ですが、暖かくなって少しずつ桜前線が北上してくると、休日には外に出かけたくなりますね。
 最近は健康への意識が高い方が多いので、運動を心がけている方も増えています。ただわかっていてもなかなかできないという方も多いのではないかと思います。毎日遅くまで残業し、土日は家のこと、家族のことに追われてなかなか時間がつくれない等々、この健康だよりを読みながらうんうんとうなづいている方もいらっしゃるかもしれません。そこで、生活の中で身体を動かすときにちょっと意識して、通常よりも身体の活動量を増やすという方法を取り入れてみるのはいかがでしょうか。小さな努力の積み重ねで効果がアップします。

例えば)
歩く時に いつもより少し大股で早歩きする
階段の昇降時に 昇るときはつま先側半分だけ階段に乗せて蹴るように昇る降りるときはゆっくりとした動きで降りる
椅子に座る時に 浅めに座って背筋を伸ばす(いい姿勢を保つ)
立ち上がる時は出来るだけ前かがみにならずにスッと立つ
背もたれに手をかけ、身体を左右にひねってストレッチ
待ち時間に 背筋を伸ばしていい姿勢を保つ
立ってかかとの上げ下げ運動をする
その他 ものを落としたときは一度しゃがんで拾う
拭き掃除するときは肘を曲げずに腕全体を動かす

 先日、日本政策投資銀行が従業員の健康づくりに積極的に取り組む企業を格付け評価し、その評価に応じて融資する「健康経営(ヘルスマネジメント)格付」融資制度を作ったことがニュースになりました。その第一弾として花王株式会社に融資を実施したそうです。この評価ではトップが明確なメッセージとして「花王グループ健康宣言」を出し、そのもとに組織内で「健康経営」のPDCAサイクルが定着・運用されていることが高く評価されたそうです。

 社員が元気でいきいきと働ける環境を整えることは、単に健全な労働力を確保するだけでなく、会社経営の格付評価にも影響を与えるようになってきました。組織全体で取り組むことが、社員と会社、双方にとって大切ということですね。できることからコツコツと、個々人だけでなく仲間を増やして会社全体で取り組んでいきましょう。

小さな努力の積み重ねが、社員も会社も健康で幸せにします。できることからはじめていきましょう。

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コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.41
コラム【理念経営物語】

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

『 釈尊の断食法 』
前田行貴著・地湧社刊

  人類の歴史は、飢餓の歴史です。そこには、「飽食」などという言葉は存在しませんでした。ところが、現在の日本には食べ物が溢れ返り、肥満に苦しむ人が大勢います。
 「食物を必要以上に摂取すると、どんなことが起こるのでしょうか。まず、呼吸が必然的に速く浅くなり、空気が充分に肺胞に達しないことになります。すると、食物をエネルギー化するために必要な酸素が不足して、不燃焼物は腸内に溜まり便秘となります。糞便中の有毒成分は血液中に吸収され、血(おけつ:汚れたドロドロした血液)となって、心身に異常を起こし始めます。私たちが生きていくうえで『適切な食物と適切な呼吸』がいかに大切か、このことを私たちはよく考えてみなければなりません」(「はじめに」より)。
 「釈尊の」と銘打つ本書は、思想的なことにも言及しています。断食行法の真の目的は「心身ともに『空』になることでありましょう」、「すべての食物は、植物や動物の犠牲の循環の上に成立しているので、『アヒムサ(不殺傷・非暴力)』という共存共栄の心が大切である」。

 本書の第1部第3章に従って、「一日断食」を実践してみました。断食後に行う「梅流し」の威力は大変なものです。 宿便が出て、胃腸を綺麗に洗滌してくれているのが実感できます。皆さんも、是非お試しください。
 次は、第2部「釈尊の呼吸法」にある「丹田呼吸」の習得に挑戦します。
 そのほかにも、「一日二食」や「玄米食」のすすめなど、現代の食習慣を見直し健康増進に役立つ話がたくさん紹介されています。ご一読を!

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コラム3 【苗字随想】 No.118コラム【理念経営物語】

片桐清志

「公」と「武」

  今月も大河ドラマ「平 清盛」にあやかった苗字遊びをしてみたい。清盛の歴史的意義は公家社会に対する武家の台頭だろう。そこで「公」と「武」と苗字の関係に注目してみた。
 先ず、種類では「公」で始まる苗字は41種、「武」で始まる苗字は214種なので予想通り「武」の圧勝だ。
 ランキングでは「公」姓では「公文(クモン)」が最上位だが、それでも順位は3402位だ。対する「武」姓では武田の63位を筆頭に武藤(ムトウ・タケフジ)の161位、武井の338位、武内の538位が1000番内に連なる。
 一字姓は「公(キミ・コウ)」も「武(タケ・タケシ)」もある。
 面白いことに「公家(クゲ・コウケ・コウゲ)」も「武家(タケヤ)」もある。「公卿(クギョウ・クゴウ)」や「武士(ブシ・モノノフ・タケシ)」もある。
 このほかに「公」姓でユニークな苗字には公事(クスミ)、公使(クムラ)、公地(コウチ)、公平(コウヘイ・キミヒラ他)、公方(クボウ)、公正(クショウ)、公田(コウダ)などが見つかった。
 「武」姓でユニークな苗字では武名(タケナ)、武夫(タケオ)、武守(タケモリ)、武庫(ムコ・タケクラ)、武捨(ムシャ・タケステ)、武政(タケマサ)、武神(タケガミ・フカツ)、武者所(ムシャドコロ)、武臣(タケオミ)、武芸(ムゲ)、武蔵(ムサシ・タケクラ)、武運(ブウン)、武道(ブドウ・ムドウ)などが見つかった。
 残念ながら公武さんは見当たらなかった。

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【平成24年3月号編集後記】

 3月は年度替わりの節目のため様変わりする出来事が多い。JRのダイヤの改正では20年前に登場した初代「のぞみ」の300系(愛称:鉄仮面)が姿を消した。また大阪―青森間を結んだ寝台特急「日本海」も定時運転から姿を消した。こちらは1947年の急行デビュー以来65年になる。鉄道マニアならずとも忘れがたい思い出を持つ人も多いだろう。
「のぞみ」の1年後に登場した携帯電話の「mova(ムーバ)」も3月末で姿を消す。それまでのアナログ式がデジタル式に変わり、「iモード」のメール機能をはじめ便利な機能が次々に登場し、「ケータイ1人1台」のけん引役を果たした。今後は「スマートフォン」に後継を託すことになる。
 卒業式もこの時期の風物詩だ。卒業式と聞くだけで誰しも青春時代の懐かしさがよみがえる。今年の卒業式で話題になったのが「1年後の卒業式」だ。昨年のこの時期は「東日本大震災」の影響で、卒業はできても「卒業式」が中止になった学校も多い。卒業式ができなかった学生たちの発案で実現したのが「1年後の卒業式」だ。集まれたのは無事だった人だけだが、再会の喜びは単なる同窓会とは異なる。被災地では犠牲者にも卒業証書が渡された学校もあった。
 震災から1年経ったが復興の道のりは依然として厳しい。しかし「卒業式」が開催できる状態にはなった。どん底からは抜け出した。卒業生インタビューでも「ふるさとの復興のために役立つ人になりたい」と力強い言葉が多く聞かれた。21日から始まった甲子園の選抜高校野球の選手宣誓も多くの人の心を打つ素晴らしい内容だった。悲劇を乗り越える若者たちの決意は「前に進もう」と世代を超えたメッセージに聞こえる。失われたものは大きいが、本当に大切なものは「身近にある平穏な日常」であることを気づかせてくれた。

 産業懇談会の仲間も年度替わりを機に転勤で東京・大阪等へ去っていく方も多い。本会に残してくれたご功績に改めて感謝する。別れは終わりではなく、新しい門出だ。新任地でも新たな困難が待ち受けているだろうが、常に前を見て進んで行くことをお祈りしたい。
 今月の「産懇宅配便」では2月号に掲載できなかった2月の例会模様2件と、3月の例会模様2件をご紹介できた。どのグループも産業懇談会ならではのユニークな内容ばかりだ。ご多忙な中、会員のためにお骨折りいただいた各位に深く感謝する。

(片桐)