産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】  第113号 2011.10.31発行

 メールマガジン■産懇宅配便■

平成23年10月度(第113号) 目次
【23年9月度産業懇談会(水曜第2G)模様】 9月14日(水) 12時00分~14時00分
【23年10月度4グループ合同懇親会模様】 10月26日(水) 17時30分~20時00分
【名古屋いちばん物語】 No.21
【新会員自己紹介】
朱宮 新治氏

株式会社扶桑石油 代表取締役

三宅 直也氏

株式会社三恵エンジニアリング 代表取締役

【11月度産業懇談会開催日程】
【12月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1 【保健師からの健康だより】 No.91
コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.36
コラム3 【苗字随想】 No.113

【23年9月度産業懇談会(水曜第2G)模様】

テーマ『 ヘルスケア産業の開発支援と海外展開の現状 』

日  時:平成23年9月14日(水) 12時00分~14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 伊吹の間
参加者:26名

スピーカー:
黒川道男(くろかわ みちお)
学校法人 日本福祉大学 専務理事

野村 忠生(のむら ただお)
学校法人 日本福祉大学 学園事業顧問

黒川道男氏 野村 忠生氏

 冒頭、日本福祉大学 黒川専務理事から説明いただいた。
日本福祉大学は、1953年に中部社会事業短期大学として名古屋市昭和区に開学し、入学生83人の熱い想いは現在も1万2千人の在学生に脈々と引き継がれている。建学の精神は、「この悩める時代の苦難に身をもって当たり、大慈悲心 大友愛心を身に負うて社会の革新と進歩のために挺身する志の人を、この大学を中心として輩出させたいのであります。それは単なる学究ではなく、また、自己保身栄達のみに汲々たる気風ではなく、人類愛の精神に燃えて立ち上がる学風が、本大学に満ち溢れたいものであります」。1957年には日本福祉大学に改組し、日本初の四年制社会福祉学部を発足させた。1983年、知多郡美浜町に総合移転し、社会福祉学部をはじめ経済学部、健康科学部、子ども発達学部、国際福祉開発学部及び福祉経営学部(通信制)の六つの学部を置いている。
 引き続き、日本福祉大学 学園事業顧問 野村 忠生氏から本題について説明があった。

1.ヘルスケア産業の開発支援
 福祉用具及び福祉ビジネスは、産学官等の連携により開発・事業化されている。ユーザのニーズに基づき、企業が開発・事業化を行い、行政が制度・事業を行う中で、当大学は行政や企業に対し、研究や開発支援などを行っている。身体的な障害や身体機能の低下している人専用に開発される「狭義の福祉用具」には、車いす、杖・歩行器、眼鏡、補聴器、段差解消機、ポータブルトイレ等がある。一方、多様な人々の身体・知覚特性に対応しやすい「共用品」としては、点字・凸文字・音声・光などの機能を有したエレベーター、自販機、ATM機、玩具、シャンプーなどがある。「両者に共通するもの」として温水洗浄便座、座席シフト乗用車、低床型バス、ホームエレベーターがある。それら全てを「広義」の福祉用具と定義している。福祉用具(広義)の市場は1993年7千7百億円から2007年4兆3千億円に大幅に伸びている。一方、狭義の福祉用具は、1兆2千億円程度でほぼ横ばいで推移している。また、在宅サービスのための介護保険給付費は、2000年1兆2千億円から2007年3兆1千億円まで急拡大している。
 産学官等の連携による開発支援・市場化の事例として、「臥位からの起上り補助装置」があるが、これは和布団用の臥位からの起上り動作を補助する装置で、自分でリモコン操作することで高齢者の自立を促すことができる。本装置は介護保険制度の体位変換器として認定されている。このほか「旅行用軽量携帯型車いす」等もある。また、中国や韓国などの福祉用具の海外販路開拓支援も行っている。こうした福祉用具の開発は、ニーズ把握不足、評価不足、資金不足などの原因により、失敗した事例もある。したがって、今後の福祉用具・生活支援用具への新規参入事業者の留意点は、(1)要支援の高齢者のニーズ把握と自社の得意分野とのマッチングに留意すること、(2)高齢者の長期のライフスタイルを想定したデザイン・使いやすさに留意すること、(3)高齢社会に突入している東南アジア市場を視野に入れて展開を図ること、(4)ユーザ、流通、デザイン関係者を入れて事業化のための開発を行うことである。

2.成功・継続事例の現状―新たな開発支援―
 新しいヘルスケアビジネスは、ハード・ソフトの星雲型産業と言えるもので、介護サービス、リハビリサービス、バリアフリー住宅、医療機器、福祉機器、マッサージ、鍼・灸、温泉など多種多様である。政府の産業構造ビジョン2010の方針では、健康関連産業の創出、医薬品・医療機器の研究開発環境改善、医療ツーリズムの受け入れ拡大、子育てサービスの産業化などが挙げられている。産学連携の成功事例には、障害者自立支援機器、人工透析用木製チェアベッド、起立補助椅子、などがある。一方、東海地域の車いす製造業の多くは、介護保険制度施行による市場停滞を考慮し、中国・上海郊外にて生産拠点を設けるなど、海外展開を進めている。

3.中部経済産業局ミッション派遣事業 調査
 中部地域の福祉機器産業は集積が厚く、車いす生産では全国シェア8割、福祉車両販売では全国シェア7割を占めている。しかし、日本市場の拡大は望めないこと、東南アジアへの事業展開が本格的に進んでいないこと、中国では高齢者人口1億6千万人を超えていることから、中国政府との懇談会に参加し、中国福祉博覧会の視察も実施した。日中両国の最新動向の説明や日本企業のプレゼンを行い、中国市場への展開方法について中国側からアドバイスを受けた。中国市場での日本企業への期待は、福祉機器企業の現地生産、施設の建設、バリアフリー設計、人材育成、共同研究などであった。
 「中国福祉博覧会2010」では、41社の日本企業がジャパンブースもしくは単独出展で参加した。2011年11月の同展には30数社の企業が出展予定で、中国市場への期待と展開方策が検討されている。

4.NEDO事業「我が国の福祉機器企業の中国市場への展開方策に関する情報収集」
 平成23年3月の同報告書が作成され、中国の政策・制度、市場ニ-ズ・市場動向、日本の製品に対する評価、中国市場への展開方策などが報告された。

5.その他、中国における地方都市の調査など
 北京市、上海市のほか、地方都市の事情との違い等を確認するため、江蘇省江陰市の老年人(高齢者)用品展示センターを訪問し、民生局関係者と懇談を行った。北京市よりも1年早く2009年6月に補助器具センターを開設。北京より早く建設・開設したことを誇示していた。しかし、機器の種類が不足、展示場の運営ノウハウが不足していることが示された。北京では2011年5月に4000平米の展示場が開設されているが、天津市でも同様の展示場建設が進められている。

以上

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【23年10月度4グループ合同懇親会模様】

テーマ『 GONNA(ガナ)コンサート 』

日  時:平成23年10月26日(水) 17時30分~20時00分
場  所:ウェスティンナゴヤキャッスルホテル 2階 天守の間
参加者:54名


 今年の4グループ合同懇親会は、今回の懇親会担当である水曜第1グループの落合世話人のご紹介により、マリンバと和太鼓のグループ・GONNA(ガナ)による演奏を楽しんだ。当日は、滝代表幹事・箕浦代表幹事・柘植代表幹事にもご出席いただいた。
 GONNAは、マリンバ・浅岡栄子様、和太鼓・木村勇介様、小林辰哉様の3名編成で、名古屋市西区の工場街のスタジオを拠点に、全国で演奏活動を展開している。当日は、オリジナル曲、歌謡曲、日本のうたなど幅広いレパートリーで、力強い迫力ある和太鼓とスピーディで曲芸のように見事なマリンバ演奏を満喫した。また、和太鼓体験コーナーでは、柘植代表幹事・河村世話人代表・高岡監事の3名が和太鼓を打ち、会場の全員が笑顔で手拍子を合わせ、楽しんだ。

 第二部の懇親会は、箕浦代表幹事のご挨拶に続き、落合世話人の乾杯で始まった。GONNAの皆様にも加わっていただき、日頃の産業懇談会を通じた会員同士の交流が図られた。芸術の秋に相応しい大変有意義な合同懇親会となった。

GONNA GONNA
GONNA GONNA

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【名古屋いちばん物語】 No.21

テーマ『 「住吉の語り部となりたい」 シリーズ第7回 』

料亭つたも主人
深田正雄

住吉の名門・・・今は??・住吉神社石柵寄進者より

 三業者の街住吉には戦前から近年まで頑張っていた老舗名門が多数ありました。
 今回は料亭灘屋、踊りの西川鯉三郎さん、雀をどり・古橋新三郎さんをご紹介してまいりましょう。

灘屋・山岡竹次郎:住吉2丁目の中心、数年前まで営業されていたもっとも広い間口の老舗料亭灘屋さんを御存知の方は多くいらっしゃると思います。創業者の山岡竹次郎氏のお嬢様が東京三田の天ぷら屋さんで修行中に慶応ボーイの伊藤泰弘さんが見初めたと聞いております。伊藤さんはパンの長栄軒のオーナー家長男で後継者ですが、掛け持ちで灘屋の経営もやるという条件でご結婚されたとのことです。冬はふぐ料理、夏は天ぷら、芸者衆も毎日出入りする繁盛店でした。住吉の町内会長を務めた泰弘社長は熱心に地域開発に尽力され、現在の住吉のアーケード設置や平成9年にナディアパーク開業にともない住吉景観地区協定を実施、254枚の歩道用陶板絵タイルを埋設するなど奮闘されておりました。現在、御令息が料亭から転じて新ビルを建設、シダックスさんに大型カラオケハウスとして賃貸されております。あんかけスパの元祖?スパゲッティヨコイ(住吉2丁目三桃ビル2F)さんは山岡さんの親戚筋、塩屋ビルを経て旧灘屋ビル2Fを経て現在地で営業中!
昭和末期に敷地北側に4階建てビルを建設、地下に洒落たワインバー、1Fには天ぷらカウンター「灘」、2Fスパゲッティヨコイ、そして上層階はお住まいであった記憶があります。

住吉ホテル 住吉ホテル
タイル写真 ふぐと魚 タイル写真 慶応マークのワイン1997

西川鯉次郎:住吉3丁目で唯一戦災を逃れた蔵がありました踊りの名門・西川流家元宅。
土蔵の周りには和風庭園、洒落た門から竹囲いの道の奥にはお稽古場もありましたが現在はハワイアンレストランLUAO東のコインパーキングとなっています。
西川流鯉三郎の右腕といわれた鯉次郎氏(1921年生れ)は日本舞踊「鯉水会」を主宰。住吉の伝統芸能の中心として戦前戦後にわたりお稽古場から邦楽の音が絶えることはございませんでした。奥様の「あやめ」さんは昭和50年美空ひばり御園座公演に準主役で出演するなど、舞踊を超えて活躍。鯉次郎との間に生まれた三子はいずれも西川流名取。 長男・鯉之亟は舞踊家、俳優としても活躍、三男ひろしは鳴物住田長十郎として活躍、二男長次郎は母上の名をとった・天ぷら店「あやめ」を数年前まで経営されていました。独特の濃い天つゆでの「えび天丼」の味が忘れられません。

雀をどり・古橋新三郎:(住吉3丁目・栄3-12-3 レジャーセンター跡地)
江戸時代末期の安政三年(1856年)に始まったういろやお餅、団子などの菓子屋さんで本町筋南・門前町の宝餅と称したお店、看板に雀踊の図柄が街の評判となり、後に「雀踊」と屋号を変えたと大津通り「雀おどり總本店」のホームページに記されています。
空襲で門前町本店が罹災し、戦後、南大津通り松坂屋前に移転、同時に弟の新三郎は暖簾わけで住吉に出店、また、番頭や親族が雀踊を伝承して「今同系に属する店舗は十指余有り盛業」であったと昭和27年の店主のコメントにあります。長年、料亭蔦茂の茶菓子ではお世話になっていましたが、いつのまにかレジャービルになっていました。

住吉ホテル 住吉ホテル
石柱写真
西川鯉次郎と雀をどり・古橋新三郎
石柱写真 
灘屋・山岡竹次郎
 

次号に続く

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【新会員自己紹介】

朱宮 新治氏
木曜グループ

朱宮 新治(しゅみや しんじ)
株式会社扶桑石油 代表取締役

【株式会社扶桑石油】
〒480-0103 丹羽郡扶桑町大字柏森字長畑649
Tel:0587-93-1627 Fax:0587-93-1639

 この度、縁あって滝代表幹事のご紹介で入会させていただきました株式会社扶桑石油の朱宮でございます。その上、産業懇談会木曜グループに参加させていただくことに なりましたが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 当社は1968年に石油製品取り扱いの業種を始め、丹羽郡扶桑町と江南市に拠点を持ち、尾張北部の地域で石油製品と自動車整備の業務を行っております。幸いにも、お取引先の方々を始め、諸先輩、友人、知人の多くの会員の方が在籍されておられ大変心強く 思っておりますが、いろんな所で今後お世話になると思いますので、是非とも暖かい ご指導賜りますよう心よりお願いいたします。

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三宅 直也氏
水曜第2グループ

三宅 直也(みやけ なおや)
株式会社三恵エンジニアリング 代表取締役

【株式会社三恵エンジニアリング】
〒465-0024 名古屋市名東区本郷三丁目135番地
TEL:052-776-0580 FAX:052-777-4023
URL:http://www.sankei-eng.co.jp

  株式会社三恵エンジニアリングの三宅でございます。
 このたび産業懇談会水曜第2グループに参加させて頂くことになりました。
 どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 私は1988年に脱サラをし、個人事業主としてスタートいたしました。
 95年に法人化して以来、大手通信会社及び関連企業様より設備設計及び調査業務を請け負いながら事業領域を拡大して参りました。
 地上デジタル放送が開始され、インフラ設備のデジタル化が進む中、新しい業務への取り組みも積極的に行っております。
 最近では3Dという言葉が多く聞かれるようになりましたが、移動体三次元計測車輌を使い、通信設備、電力設備、インフラ設備等のデータベース化及び、3Dデータを活用した業務改善を進めております。

 産業懇談会で多くの方々からのご意見を拝聴し、社会で活用していただけるようなシステム構築を目指して参りたいと思います。

 皆様のご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。

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【11月度産業懇談会開催日程】

火曜グループ以外は、名古屋観光ホテルです。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ
各務芳樹
深田正雄
11月15日(火)12:00~13:30
(以降、自由見学)
名古屋ボストン美術館 見学会
主な展示:「恋する静物-静物画の世界」
館長 馬場駿吉氏の概要説明

※大変恐れ入りますが、会場の都合上、定員を  先着35名様までとさせていただきます。
ANAクラウン
プラザホテル
グランコート名古屋
30階
「スターゲイト」
中区金山町一丁目
1番1号
水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
11月16日(水)12:00~14:00

宝和工業(株) 取締役社長
落合 肇様のご紹介
横浜国立大学 経営学部 
教授 曺 斗 燮(チョ トゥソップ) 氏
「ニュータイプのグローバル成長戦略
-サムソンの躍進が示唆するもの-」

18階
伊吹の間

水曜第2グループ 片桐清志
見祐次

11月2日 (水)
12:00~14:00

富士ゼロックス愛知(株) 専務取締役
山本英雄氏
「BCP(事業継続)についての
富士ゼロックスの取組み」

18階
オリオンの間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助

11月17日(木)15:00~19:00

講演会&意見交換会/懇親会
東京大学 大学院教育学研究科
教授 牧野 篤氏
「日本の未来
-日本の若者の実態と今後の対応-」

3階
桂の間

(注1)木曜グループの開催日が、祝日のため3日(木)から17日(木)へ変更となっております。水曜第2グループの開催日が、当初の9日(水)から2日(水)へ変更となっております。
(注2)15日(火)の見学会、17日(木)の意見交換会のスケジュールについては、下記〈ご参考〉をご覧下さい。

<ご参考>

【懇談会 詳細】(予定)
11月15日(火)
火曜グループ
名古屋ボストン美術館

12:00

ANAクラウンプラザホテル グランコート名古屋
30階 スカイレストラン「スターゲイト」集合
(※当日は現地集合とさせていただきます)
〒460-0023
名古屋市中区金山町一丁目1番1号
TEL:052-683-4111
12:00~12:50 昼食(同会場にて)
12:50~13:00 名古屋ボストン美術館
5階 レクチャールームへ移動
13:00~13:30  名古屋ボストン美術館の概要説明
13:30~ 自由見学(見学後は自由解散)

11月17日(木)
木曜グループ
講演会・意見交換会
懇親会

15:00~16:15

東京大学 大学院教育学研究科
教授 牧野 篤(まきの あつし)氏
「日本の未来
-日本の若者の実態と今後の対応-」
16:15~16:30 質疑応答
16:30~17:30 グループディスカッション
(6~7名のグループごとに、会員同士の率直な意見交換をお願いします)
17:30~19:00 懇親会

 

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【12月度産業懇談会開催日程】

グループ名 世話人 開催日時 会場
火曜グループ
各務芳樹
深田正雄
12月13日(火)
18:00~20:00
料亭 蔦茂
電話:052-241-3666
名古屋市中区栄3-9-27
会場地図(Word形式 164KB)
水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
12月21日(水)
18:00~20:00

料亭 蔦茂
電話:052-241-3666
名古屋市中区栄3-9-27
会場地図(Word形式 164KB)

水曜第2グループ 片桐清志
見祐次

12月14日(水)
18:00~20:00

京料理 たん熊北店
電話:052-683-4111
名古屋市中区金山町一丁目1番1号
ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋 3F
会場地図(Word形式 49KB)

木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助

12月8日(木)
18:00~20:00

札幌かに本家 栄中央店
電話:052-263-1161
名古屋市中区栄3-8-28 (プリンセス大通り・丸栄南)
会場地図(Word形式 45KB)

※全会場、「中部経済同友会」で予約致しております。
※各会場地図および駐車場ご案内については、別紙をご覧下さい。

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【お知らせ】

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【コラム】

コラム1 【保健師からの健康だより】 No.91
花ちゃんからの健康だより

株式会社 スズケン
保健師 鳥巣 妃佳里

『 健康寿命を延ばしましょう 』

 暑さもやわらぎ、過ごしやすい季節になってきましたね。紅葉も見ごろを迎え、おいしい秋の味覚も豊富にあるこの時期は、運動がしやすい反面、つい食べ過ぎてしまうことも多くなりがちです。夏の疲れがとれ、食欲も増すこの時期にお腹周りが気になってくる方は多いかと思います。

 2010年のWHO(世界保健機関)の発表によると、日本人の平均寿命は男性が79歳、女性が86歳です(2008年時点)。また健康寿命(寝たきりや認知症になることなく、健康で自立して暮らすことができる期間)も男性が73歳、女性が78歳で(2007年時点)、どちらも世界一です。ただこのデータからわかるのは、人生を終えるまでに6~8年ほど自立して暮らすことのできない期間があること。その最大の原因は、動脈硬化による認知症や脳梗塞などだと言われています。

 動脈硬化といえば思い浮かぶのがメタボリックシンドロームです。その予防・改善の為いろいろな工夫が言われていますが、いくつかの健康習慣について日本人9554名を対象に7年間の追跡調査を行った研究結果が2009年に発表されています(和田,2009)。それによると、池田義雄氏(日本生活習慣予防協会理事長)の提唱する「一無、二少、三多(いちむ、にしょう、さんた)」が男女ともに実践数に比例して効果が大きくなることが確認できたそうです。

*一無 禁煙:タバコの三悪(ニコチン、タール、一酸化炭素)を避ける
*二少 少酒:飲酒は飲める人でも日本酒換算で1合程度までとする
  少食:腹七、八分目で肥満を防ぎ、塩分は一日7~8g以内とする
*三多  多動:1日20分の歩行を2回と体操・筋力トレーニングを各10分
  多休:6~8時間の睡眠
  多接:多くの人・事・物に接し趣味を豊かに、創造的な生活をする

 世界一の長寿国に暮らしているのですから、元気にイキイキと趣味や生活を楽しめる健康状態を保って年を重ねていきたいものですね。

自分にあった健康習慣を取り入れて、健康寿命を延ばしましょう!

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コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.36
コラム【理念経営物語】

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

『 凶笑面-蓮丈那智フィールドファイルⅠ 』
北森鴻著・新潮文庫

 作者・北森鴻の名前すら知らなかったミステリーに疎い私がこの本と出会ったのは、当店でミステリー文庫のフェアが開催されたときでした。そのフェアで平積みされていた『写楽・考』という文庫が目に留まりました。写楽とは誰かという謎に、少しだけ興味をもっていたからです。手に取ってみると、『写楽・考』は蓮丈那智シリーズのIIIであることが知れ、隣には、Iの『凶笑面』とIIの『触身仏』が並んでいました。Iの裏表紙に、「本邦初、民俗学ミステリー」とあり、俄に興味が沸き起こり、3冊揃えて購入してしまいました。
 異端視される美貌の民俗学者・蓮丈那智とその助手・内藤三國は、民俗学の調査の過程で殺人事件に巻き込まれます。大胆な仮説で民俗学上の謎を解くと同時に、殺人事件の真相も解明されて行くという、2重の謎解きが読む者を楽しませてくれます。II・IIIでは、那智とかかわりの深い登場人物の謎解きも行われます。最近、古代史に興味をもち始めた私としては、たとえば、蘇我氏と物部氏の争いを、『日本書紀』の記述を引いて、製鉄技術の革新という側面から解釈した「双死神」(Iの第4話)など、とても面白く味わいました。
 残念なことに、北森鴻氏は、平成22年1月に他界されてしまいました。

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コラム3 【苗字随想】 No.113コラム【理念経営物語】

片桐清志

 「紅」と「黄」

 山はそろそろ紅葉のシーズンだ。紅や黄が太陽の光を受けて青空に映える錦は文字通り「日本の秋」だ。紅葉の代表色は紅と黄だろう。そこで今月は「紅」と「黄」と苗字の関係に着目してみた。
 種類の多さでは「黄」で始まる黄姓が37種で、「紅」で始まる紅姓の30種を抜いている。一字姓は「紅」も「黄」もあり、それぞれベニ・クレナイとコウ・オウとお読みする。
 ランキング(佐久間 英)では共に上位には見当たらず、「紅林(クレバヤシ)」がようやく4000番以降に登場する程度だ。
 紅姓でユニークな苗字では、紅屋(ベニヤ)、紅梅(コウバイ)、紅毛(コウモウ・コウモ)、紅白(イリマジル・イリマジリ・残念ながらコウハクの読みはない)、紅粉(ベニ・ベニコ・ベニコナ)、紅葉(モミジ)、紅葉山(モミジヤマ)、紅葉谷(モミジタニ)、紅露(ベニツユ・コウロ)などが見つかった。
 黄姓では黄原(キハラ・コウハラ)、黄地(オウジ)、黄山(キヤマ)、黄木(オウギ)、黄梅(オウバイ・コウバイ)、黄海(コウカイ・キノミ他)、黄葉(キバ)、黄金(オウゴン)が見つかった。

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【平成23年10月号編集後記】

  先日、名古屋ルーセントタワーにある「サイエンスカフェ・ガリレオ・ガリレイ」が主催する「宙博2011特別コラボ企画」の講演会に参加してきた。講師は「はやぶさ」のプロジェクトマネージャーを務めたJAXA宇宙科学研究所教授の川口淳一郎さんだ。小惑星「イトカワ」のサンプルを採取し、7年間60億kmに及ぶ宇宙探査を成し遂げた苦闘のエピソードを間近で聴くことができた。会場には若者はもちろん小学生を連れた親子や女性参加者も多く、有料の講演会にも拘らず100名を超える「はやぶさ」ファンが熱心に川口さんの話に耳を傾けた。
 小学生の参加も想定してお話も平易に、講演画面に写真や図面を多用し、用語には振り仮名を入れる気の配りようだ。1時間余の川口さんの話の後、休憩時間を利用して質問用紙が集められ、後半は参加者の質問に答えるサービスもあった。時間の関係で全部の質問には答えられなかったが、子供たちの質問を中心に素朴な疑問に丁寧に答えていた。
 本企画は、2009年世界天文年ファイナルイヤーに公式イベントとして東京でスタートし毎年開催してきた「宙博(ソラハク)」を、今年は東日本大震災の影響を考慮して名古屋で特別企画として開催されたものだ。当地の航空宇宙産業の集積を目指す産官学が今月ポートメッセ名古屋で開催した「航空宇宙シンポジウム2011(次世代ものづくり基盤技術産業展と同時開催)」ともタイミング的に一致した。こちらの展示会は自動車産業で培った製造技術を、さらに難易度の高い航空宇宙産業に展開しようとの目論見だ。航空宇宙産業はすでに多くの実績を挙げているが、国際競争の点ではまだまだ課題も多い。しかしながらこうしたイベントを見る限り、次世代産業を担う若手技術者や子供たちの夢を追う姿と目の輝きは未来への希望を感じさせてくれる。
 「はやぶさ」の帰還から1年余、書店でも宇宙関連の書籍が並び、映画も出来、マスコミにも宇宙関係の話題がしばしば登場するようになった。しかし、宇宙開発には多額の予算も必要だ。また研究成果を産業界の実利に結び付けるには長期的視野が必要だ。即効性しか評価しない「仕分け」で日本の産業の将来性を摘み取らないようにしてもらいたいものだ。
 川口氏が繰り返し口にした「独創性」こそがこれからの日本の宝だ。それを実現してくれるのは子供たちだ。人材育成では子供を規律で縛るのではなく、「独創性」を育てる土壌を大切にしたい。「ミミの無い煎餅は作ろうとするな」という川口氏の言葉がいつまでも耳に残った。

 今月号では恒例の4グループ合同懇親会模様を掲載できた。11月には火曜グループがボストン美術館の見学会を企画している。また木曜グループでは時間を変更して講演会と意見交換会と懇親会というスタイルを試みる。それぞれの秋を楽しんでいただきたい。

(片桐)