コラム1 【花ちゃんからの健康だより】 No.81
株式会社 スズケン
保健師 佐藤 花子
『 生き生きとご安全に! 』
今年は異常な猛暑を経験しましたが、霜が降りる冬らしい寒さの中、新しい年を迎えようとしています。このたび、転職により、この『花ちゃんからの健康だより』を卒業させていただくことになりました。81回にわたり、ご愛読いただきありがとうございました。新年より後輩が引き継ぎますので今後ともよろしくお願い致します。
保健師はどんな仕事をするのかわからないと言われることがある。確かに、自分でもよろずの仕事をすることが多いのでうなずける。一般的には4年生大学を出て国家試験に合格し、保健師助産師看護師法(略して保助看法)に基づき「保健指導を業とする者」が保健師である。保健指導とは対象者の健康を害しないように、生活指導や心の相談、衛生教育などを行うことである。保健師の就職先はいろいろ。たとえば、保健所や市町村に就職し、地域保健の仕事をする保健師や、養護教諭免許も取得できるので、学校で保健の先生になる人。また、私のように、健診機関や企業に就職し、労働安全衛生法に基づく社員の健康管理を産業医と一緒に行っている人がいる。近年、特定健診(メタボ健診)のため、健康保険組合で特定保健指導などを行う保健師もいる。
私は育児で休業したこともあるが、保健師一筋で25年余りが過ぎた。「人は心で動いている」ことを胸に、「説得より納得していただく」保健指導ができることを目標にしている。最近はメールでの相談も多くなった。2年でやっと会話に少し近づいた気がする。メールは他人に知られずに相談できるので、相談者は安心できるようである。退職でお別れの挨拶メールに対し、「プリントアウトして、ノートにはり、落ち込んだら見るようにしています。」という嬉しいメールをいただいた。メール作成時に、短いけれど、相手の心に届くようにと心がけて、たまに名文が生まれることがある。私の力ではなく、相手の力によって書かされたように思う。会話は消えることが多いので、何度も見てくれる意味においてメールの素晴らしさを実感した。
今までどれだけの人に関わったのか解らないけれど、今尚、保健指導の技術、能力は発展途上中である。保健指導においては、私のハードルの低さに反省することも多いが、いろいろなことに心が動かされるおかげで、毎回が新鮮で、保健師の道を歩んでよかったなと思う。私の定年は75歳が目標。人を大切にこの道を歩き続けたい。
歳をとっても濡れ落ち葉のようにじっとりしていることはない。気持を浮き立たせ軽やかに舞い弾みながら、定命尽きるまで、「生き生きと、安全に」過ごしたいものですね。
皆様のご健勝を心からお祈り申し上げます。本当に長い間、ご愛読ありがとうございました。このような執筆の機会をいただいたことに感謝いたします。
(^_-)-☆ 佐藤 花子
|