産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】第93号 2010.2.26発行

 メールマガジン■産懇宅配便■

平成22年2月度(第93号) 目次
産懇宅配便
【22年2月度産業懇談会(火曜G)模様】 2月9日(火) 12時00分〜14時00分
【22年2月度産業懇談会(水曜第2G)模様】 2月10日(水) 12時00分〜14時00分
【22年2月度産業懇談会(水曜第1G)模様】 2月17日(水) 12時00分〜14時00分
【22年2月度産業懇談会(木曜G)模様】 2月18日(木) 12時00分〜14時00分
【名古屋いちばん物語】 原稿募集のお知らせ
【新会員自己紹介】
新原 昇平氏

三井不動産株式会社 中部支店 支店長

【3月度産業懇談会開催日程】
【4月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【アートコーナー】    からくりアート点描 No.11
【コラム】
コラム1 【花ちゃんからの健康だより】 No.71
コラム2 【理念経営物語】 No.21
コラム3 【「ほん」のひとこと】 No.16
コラム4 【苗字随想】 No.93
【22年2月度産業懇談会(火曜G)模様】

テーマ『 日本の橋梁技術の現状と展望 』

日  時:平成22年2月9日(火)12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 伊吹の間
参加者:31名

三井住友建設株式会社 中部支店 理事・支店長
田中 正則氏のご紹介

スピーカー:
春日 昭夫(かすが あきお
三井住友建設株式会社 土木設計部長

春日 昭夫氏

1.橋の起源
  古代、橋は石でできた高貴なもので、聖職者にしか造ることができなかった。このことからローマ法王には「最高の橋梁技術者(Bridge Engineering in Chief)」との肩書きがある。石橋は、石を積み上げて、最後に中央の石(キーストーン)を置き、アーチ形が完成する。そして、その重要な役割を聖職者が担っていたのである。
  日本でも古くから僧侶が石橋造りに関わっており、その歴史には、天女橋(沖縄県:1502年)、度重なる洪水に見舞われた眼鏡橋(長崎県:1634年)、通潤橋(熊本県:1854年)などあるが、2000年前に造られたローマの水路橋に比べると随分新しいものとなる。
  その後、18世紀に鋳鉄が利用され、19世紀以降、近代に入り、鋼、コンクリートが使われるようになり、2,000mを超える橋が建設されはじめた。こうした巨大な橋が建設されたのは、材料強度が向上した、ここ30年間のことである。

2.橋の構造
  現在、一般的な鉄筋コンクリート工法は1867年にその技術が確立されたもので、それほど古いものではない。その中で、プレストレストコンクリート(PC)工法を三井住友建設は、得意としている。これは、前もってコンクリートにストレスを与えることにより強度を高め、強い荷重に耐えることができる工法で、1930年代のドイツ、フランスの特許技術が使われている。
  橋の構造については、一番多いのがラーメン構造である。これは、柱と梁の枠でできた骨組構造で、中部地方にも橋脚の高さ日本一(高さ100m超)の東海北陸道の鷲見橋がある。次に、アーチ構造の橋もあり、これには道路面がアーチの上にあるもの、中間にあるもの、下にあるものがある。また、長い橋を架けるため、ケーブルを張った斜張橋もあり、名港大橋(名港トリトン)が有名で、幾何学的にきれいな形をしている。その他、鉄橋、ハイブリッド橋、吊床版橋、部材を両端に三角形で繋いだトラス橋、波形鋼板を使った波形ウェブ橋などがある。

3.技術の伝承
  橋梁技術はフランス、ドイツ、イギリスなど、ヨーロッパで確立され、日本に導入された。今では、日本がその技術を発展させ、世界を牽引しており、学術団体である国際コンクリート連合(FIB)においても、最優秀賞(徳島県:青雲橋)を受賞するに至っている。しかし、日本は世界最先端の技術を確立する一方、明石海峡大橋以降、巨大橋の建設がなく、また、団塊世代の技術者が退職するなかで、技術が中断するのではとの危機感がある。国内市場が縮小するなか、海外市場に出て行く必要があるが、中国、韓国の橋梁技術の熾烈な追い上げや、ODA(政府開発援助)との絡みもあり、そう簡単には進まないのが実情である。
  この状況下で、日本の橋梁技術の目指すべき道は、一つに日本の得意とする環境負荷を低減する技術を磨くことである。具体的には、橋梁建設におけるCO2を削減する技術の推進や、森林の伐採をしない橋梁技術などがある。また、もう一つに、地域密着プロジェクトの推進がある。この例に、地域と一体となって世界一高い(高さ250m)、雲の上を走るハイウェー(フランス:ミヨ高架橋)建設を進めたプロジェクトがあり、今では多くの観光客が集まっている。
  最後に、こうした技術をどう伝承すればよいのか。技術は時代とともに進化し、有機的である。橋梁技術は「材料」「環境」そして一番大きい要素は「ひと」によるものである。技術の真髄はいろいろな試行錯誤や、失敗にあり、そこに辿りつくまでの過程にある。図面や文献を見ても、その答えはあるが、その真髄までは判らず、その思想は伝わらない。伝承されるべきものは技術に対する哲学、思想、DNAである。「技」を繰り出す「術」であり、これは思想そのものなのである。

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【22年2月度産業懇談会(水曜第2G)模様】

テーマ『 三菱商事の連結経営について 』

日  時:平成22年2月10日(水)12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 曙の間
参加者:35名

スピーカー:
森本 憲治(もりもと けんじ
三菱商事株式会社中部支社 業務経理部長

森本 憲治氏

1. What’s 総合商社/三菱商事
 総合商社の業務は、もともと輸出入業務の事務代行や、販売・購買業務、さらにはこれらに付随する物流・金融が主体であったが、最近では事業投資、経営コンサルティング、各種情報提供、M&Aなど、広範囲のものとなっている。
 現在の三菱商事は、世界に200以上の拠点、約600社の連結対象会社、6万人以上の連結従業員、連結売上高22兆円となっている。営業部門は6グループ(新産業金融事業・エネルギー事業・金属・機械・化学品・生活産業)に分かれ、各グループに紐付いた約120のビジネスユニット(BU)がある。これらBUは戦略別に、新規参入に向けた「成長ユニット」、収益をさらに伸ばしていく「拡張ユニット」、そして業績がそれほどでもなく、EXITもありうる「再構築ユニット」に位置づけられる。
 利益の主体は「資源分野」と一般的には言われており、2008年にはリーマンショックの影響で「その他分野」が低迷する一方で、資源高の影響もあって「資源分野」が利益の9割を占める極端な状況であったが、2005年以降、通常は「資源分野」が6、「その他分野」4の割合で推移している。

2. バリューチェーンとリスクマネジメント
 三菱商事ではバリューチェーンの概念を大切に、川上から川下までの商流の攻めどころを考え、全体の流れを見極めて、商流への参加や投資での参画を進めている。例えば、原料炭・鉄鉱石の購買・納入から、高炉メーカーで製造された鉄鋼製品の2次加工等を通しての最終需要家への販売まで、鉄鋼分野のバリューチェーンの構築を図り、顧客満足への取り組みを行っている。またローソンやケンタッキーフライドチキンへの出資によって小売分野への進出を今まで以上に強化して、食糧・食品のバリューチェーンを川下まで繋げてサービスの付加価値を高めようとしているのも一例である。
 しかし、事業を行うに当たっては、事業投資リスクに加えて、信用リスク、市場リスク、カントリーリスクなど、さまざまなリスクが伴う。
 以前は予防リスクの観点から例えば個々の事業投資のリスクを把握して、各種シナリオ(例えば、楽観・悲観・中間シナリオ)を策定していたが、現場レベルの部分最適に留まっていた。その後2000年前後から全社のリスクの定量化を開始すると同時に、ポートフォリオの考え方を導入して営業組織を再編し(BU制、個々の事業投資も全てこの中に位置づけられる)、リスク量と収益との比較が可能な形とした。また全体の枠としては、全社の体力(自己資本と株式含み益等)と全社のリスク(想定最大損失)とを比較して体力が上回る部分(余力)を枠として設定、その範囲内で、経済情勢判断等も加味しながら、新規リスクの増減可否判断やポートフォリオの配分・管理を行うかたちをとっている。

3.連結経営の推進
 事業投資は、投資決定までが注目されることが多いが、実はこの後のステージが重要である。実際に事業が始まるとガバナンスとサポートのステージに入る。ガバナンスについては一般的に強調されているが、比較的に弱いのがサポートで、ここのレベルアップを図る必要がある。こうした投資後のフォローアップ体制を整え、企業価値の向上を目指すべく、連結経営推進部を昨年設置し、さまざまな課題に取り組んでいる。
 課題として認識しているのは、例えば、連結会社数(Span of Control)、システムインフラの整備、人材育成、IFRS/CSR/環境といった新たな分野への対応、最近ますます厳しくなっているコンプライアンスへの対応といったことである。
 このように三菱商事では、時代の変化に合わせてビジネスを展開しているが、この根底にある思想は変わらず、三菱4代目当主である岩崎小弥太の示した、「所期奉公」、「処事光明」、「立業貿易」の三綱領そのものにある。

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【22年2月度産業懇談会(水曜第1G)模様】

テーマ『 会社(テルウェル西日本)案内 』

日  時:平成22年2月17日(水)12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 伊吹の間
参加者:21名

スピーカー:
松本 信夫(まつもと のぶお
テルウェル西日本株式会社 取締役東海支店長

松本 信夫氏

1.会社沿革
  テルウェル西日本は平成13年に設立され、平成19年にNTT西日本(親会社)の直接帰属会社となった。しかし、前身組織は、昭和27年設立の財団法人電気通信共済会となることから、「テレフォン(電話)」の「テル」と、「ウェルフェア(相互扶助・福祉)」の「ウェル」を合わせて「テルウェル」となっている。財団法人電気通信共済会は、電気通信省(現NTT)職員と、その労働組合の出資による財団法人で、当初は、出資金の運用益を職員の退職時に一時金として支払っていた。しかし、その後、業務範囲を拡大し、ビル清掃、守衛業務、社員食堂の調理、電報配達など、さまざまな業務を電電公社(現NTT)から受託していった。財団法人では、営利事業を営むには限界があるため、営利事業部分を切り離して「テルウェル西日本」を設立・営業したのが、はじまりである。
  電電公社(現NTT)から、さまざまな業務を受託した経緯もあり、テルウェル西日本の業務範囲は広い。これらを判りやすく整理するため、「まもる」をキーワードに「自然まもり隊」「会社まもり隊」「子どもまもり隊」「家族まもり隊」の4つの区分に分けている。

2.業務「まもり隊」紹介
○自然まもり隊
  地球温暖化防止のため、地球上のCO2を増やさない、環境に優しい商材を提供するのが、「自然まもり隊」の業務である。具体的には、再生バッテリー、節水ミューバン(バルブ)システム、LED、屋上緑化、太陽光パネル、n買いやす.net(企業向けWebショッピングサイト(http://n.kaiyasu.net))などの提供である。
  特に、再生バッテリーでは、経年劣化したバッテリーを新製品と同様に再生する技術を確立しており、特許も取得している。コスト面でも新製品の半額程度で再生可能で、かつ、産業廃棄物の削減にもつながることから、今後、大いに期待している業務である。

○会社まもり隊
  会社をまもるセキュリティー、会社を動かすITや人材、お客さまとふれあう広告など、会社のあらゆるニーズに的確、迅速に対応し、さまざまな方面からサポートするのが、「会社まもり隊」である。
  こちらでは、オフィス内の管理業務として、ビルの入退室管理、金庫防災、PC管理、書類管理・破棄などのサービスを提供している。その他、「フレッツ光」、電報、ビルメンテナンス(清掃・警備)、不動産ソリューション(ビル管理・修繕)、人材派遣、電柱広告看板の販売・取付・管理業務も行っている。
  日本の電柱広告は100年以上の歴史があり、中部地域だけでも、現在30万本もの広告がある。低価格かつ地域密着の広告として、有効な宣伝媒体であり、日本独特の文化となっている。

○子どもまもり隊
  小さな子どもを狙う犯罪から、子どもたちを守るお手伝いをするのが「子どもまもり隊」である。この分野では、非常通報機の設置・保守事業、キッズ携帯電話、防犯アイテムなどを販売している。非常通報機は昭和27年に開発され、長らく、金融機関(銀行・郵便局等)を対象に設置されてきたが、2001年に起こった大阪府の付属池田小学校事件以来、学校関係からの設置依頼が大きく増加している。

○家族まもり隊
  家族が毎日快適に過ごすことができるよう、「誠心誠意」でお手伝いするのが、「家族まもり隊」である。具体的には、介護サービス、引越業務などのサービスを提供している。日本は、2015年に65歳以上が人口の25%を占めると予想され、超高齢化社会へ突入しつつある。介護サービスへのニーズの高まりを見据え、ホームヘルプサービス、適合高齢者専用賃貸住宅、ケアマネジメント、デイサービスの4事業を介護サービスの柱に位置づけて取り組みを進めている。

 以上、各まもり隊の代表的な業務のみを紹介したが、実際、どの分野も競争が熾烈な状況にあり、親会社であるNTT西日本からの受託により、収益を確保しているのが実情である。今後、親会社以外からの受注を増やすことも視野に入れて、収益の柱となる事業を育てることが重要と考えている。

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【22年2月度産業懇談会(木曜G)模様】

テーマ『 鉄力あぐりの技術解説 〜鉄二価イオンは21世紀の地球環境を救えるか〜 』

日  時:平成22年2月18日(木)12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 伊吹の間
参加者:28名

愛知製鋼株式会社 相談役 柴田雄次氏のご紹介

スピーカー:
笹本 博彦(ささもと ひろひこ
愛知製鋼株式会社 鉄力あぐり事業部 技監

笹本 博彦氏

1. 鉄と地球環境
  鉄と地球環境の関わりは深く、46億年前に鉄で構成される地球が誕生し、その鉄により生命が生まれた。20数億年前に、シアノバクテリア(藍色細菌)の光合成が起こり、大気中のCO2を吸収し、酸素が発生した。まずは、海洋マグマから出てきた鉄二価イオン(Fe2+)と酸素が海中で結びつき、海中の鉄二価イオンがなくなると大量の酸素が大気中に放出された。そして、6億年前には、オゾン層が出現し、紫外線がカットされ、陸上生物が誕生した。その後、鉄を含むチリが大量に降り、植物プランクトンが大増殖し、光合成が促進され、大気中のCO2が吸収された。光合成は、CO2を吸収して酸素を発生させる吸熱反応で、周りの熱を奪うことから、氷期につながったのである。このように考えると、現在の地球温暖化問題(CO2増加)は、光合成の促進により、温度を低下させることで解決することになる。

2.鉄と人間の関わり
  鉄は、結合エネルギーが高いため、安定している。また、この安定した原子核のため、二価と三価の鉄を電子が行き来でき、酸化・還元が容易となる。さらには、配位結合による酸素の運搬も可能となる。人間は赤血球(ヘモグロビン)の鉄が酸素を捉え、細胞の末端まで運ぶことにより生体エネルギーを得る。成人の場合、体内には3〜4mgの鉄があり、その2/3は赤血球にある。また、鉄はたんぱく質とも結びつき、高い活性作用を持つとともに、生体エネルギーを生成している。さらに、病原菌に対して活性酸素を出して防御する白血球の機能も持つなど、人間は鉄の酸化・還元による酸素結合力を使って維持されている。

3.鉄と植物の関わり
  鉄は、光合成にも重要な役割を果たしている。植物の鉄が欠乏すると、葉脈間が黄色になるなど、黄化症が発生する。鉄は錆びやすく、錆びると水への溶解度がなくなる性質(不溶態化)がある。植物は鉄を吸収するため、土(根圏)のなかで不溶態の鉄に酸を出して、溶かして還元酵素により鉄二価イオンにして取り込むが、この溶解・還元反応には高いエネルギーを必要とするため、簡単には取り込むことができない。
  愛知製鋼では鉄二価イオンとなる酸化鉄(FeO)を常温で安定させ、水への溶解度が高い、植物成長促進剤「鉄力あぐり」「鉄力あくあ」を開発した。このメカニズムは画期的で、酸を出し、還元することなく、鉄を必要なだけ供給することができる。

4.地球環境の問題
  地球環境の問題には、温暖化、CO2増加、人口増大、食料不足など、さまざまな問題があるが、鉄を「鍵」として大きく3点に集約される。1点目が、植物の鉄含量の減少による貧血の問題。鉄が少ないと貧血、そして、酸欠が起こり、最後には生命維持ができなくなる。この50年間で人間の1日あたりの鉄摂取量は半減したため、今では人口の約1/3は鉄不足で貧血に陥っている。この原因は、化成肥料による生産効率を追い求めてきた結果で、植物中の鉄含量が50年間で半減したことによる。鉄は水に溶けにくく、吸収しにくいため、その効率に伴う成長スピードに追いつけなかった。人は植物から鉄を摂取するため、植物中の鉄含量を上げることで、貧血問題の解決につながる。
  2点目は、石灰質のアルカリ土壌による鉄欠乏が土地を不毛化にする問題。世界の陸地の20%は石灰質のアルカリ土壌で、鉄欠乏で植物が育たない。ここでも鉄を土壌に供給することで、植物の回復が可能となる。
  そして、最後が海の鉄不足による植物プランクトンが生育しない問題。植物プランクトンの増殖に、鉄は必要だが、過去のプランクトン増殖に伴う光合成により、(特に、海中表面の)鉄濃度が低くなっており、海の鉄濃度を高めれば、プランクトンの増殖につながる。
  以上、植物中の鉄含量を増やすこと、アルカリ土壌で植物を育てること、海で植物プランクトンを増殖すること、何れの問題の解決においても鉄は不可欠である。このため、より吸収の高い鉄二価イオンは21世紀の地球が抱えているさまざまな環境問題を救う可能性が高く、鉄二価イオンの研究開発の意義は大きい。

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【名古屋いちばん物語】 原稿募集のお知らせ

 「産懇宅配便」は今年9月に創刊100号を迎えます。奇しくも「名古屋開府400年」とも重なります。これを記念し、4月号から「名古屋いちばん物語」のコーナーを開設いたします。
 虎年の魚「鯱」を象った名古屋のシンボル金のシャチホコ、都々逸・大正琴・むすめ歌舞伎など名古屋発祥の芸能、名古屋帯のように名前に染込んだ文化、徳川園や熱田神宮などの史跡、日本最大の名古屋港など名古屋には「日本初のモノ・コト」や「日本最大の施設や産業」などナンバーワンがたくさんあります。
 「名古屋いちばん物語」は産業懇談会会員の皆さんに、いろんなナンバーワンを紹介して戴くコーナーです。下記投稿要領をご参考に、誕生秘話やエピソードを交えた投稿をお待ちしています。


投稿要領
  1. 分野
    • 文化、産業、歴史等幅広い分野を対象とします。
    • 名古屋にゆかりのある日本初や日本一をご紹介ください。
  2. 様式・分量
    • 様式は自由です。
    • 写真や表の使用も構いません。
    • 分量も特に制限はありませんが、メールマガジンの性格上、A4で1〜2枚を目安にしていただければ幸いです。(分量により「その1」「その2」等に分割掲載とさせていただく場合があります)
  3. 投稿方法
    • 「Word」等でのメール投稿を歓迎しますが、手書き等でも構いません。
  4. 原稿締め切り
    • 毎月15日までに投稿いただいたものは当月号に掲載します。(投稿多数の場合は翌月号掲載となる場合があります)
  5. 投稿先
    中部経済同友会事務局
    • e-Mail:cace@cace.jp
    •  
    • FAX:052-221-8925
    •  
    • 〒460-0008 名古屋市中区栄2-10-19 商工会議所ビル8階

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【新会員自己紹介】

新原 昇平氏
水曜第2グループ

新原 昇平(しんはら しょうへい)
三井不動産株式会社 中部支店 支店長

【三井不動産株式会社 中部支店】
〒450-0002 名古屋市中村区名駅4-8-12 菱信ビル
TEL:052-586-1767 FAX:052-586-2011
URL:http://www.mitsuifudosan.co.jp/

 三井不動産株式会社の新原でございます。
 この度、産業懇談会水曜第2グループに参加させていただくことになりました。
当社グループは「都市に豊かさと潤いを」というグループステートメントを合言葉に、
各地で様々な人が住み、働き憩う街づくりを目指して事業を行っております。
名古屋地区においては、昭和30年代の名古屋港の埋立に始まり、宅地造成、住宅事業、
オフィスビル事業等を手掛けるとともに、近年では三重県の長島に「三井アウトレットパークジャズドリーム長島」を開業・運営する等、多岐にわたる事業を展開させていただいております。
 私自身は東京で主に商業施設の開発に携わり、「東京ミッドタウン」や「ららぽーと」、各地のアウトレット等を手掛けて参りました。
 出身は福岡市で名古屋で生活するのは今回が初めてですが、公私共にとても住みやすい街だなと日々実感しております。
 まだまだ若輩ではありますが、産業懇談会の仲間に入れていただき、いろんな面で勉強させていただければと思っております。
 今後とも何卒宜しくお願いいたします。

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【3月度産業懇談会開催日程】

場所は、名古屋観光ホテルです。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
3月16日 (火)
12:00〜14:00

朝日機器(株) 代表取締役 野口 明久氏
「私共の会社、朝日機器(株)の経歴について」

18階
伊吹の間
水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
3月17日(水)
12:00〜14:00
中部精機(株) 取締役社長 堀越 正勝氏
「スマートメーター活用に向けた動向について」
18階
伊吹の間
水曜第2グループ 片桐清志
谷口正明
3月3日(水)
12:00〜14:00
住友生命保険(相) 中部総合法人本部長
鳥山 聡氏のご紹介
サンケイスポーツ記者 飯田 絵美氏
「限界を作らないノムラ哲学
   〜人をつくり、再生する極意〜」
3階
桂の間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助
3月4日(木)
12:00〜14:00
北村法律事務所 所長・弁護士/弁理士
北村 明美氏
「 1. 民事再生・破産・過払金返還請求等の現状
 2. 最近のトピックスについて」
18階
伊吹の間

※3月3日(水)の会場が「3階 桂の間」に変更になりました。

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【4月度産業懇談会開催日程】
場所は、名古屋観光ホテルです。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
4月 13日(火)
12:00〜14:00
(株)きんでん 中部支社 取締役専務執行役員
中部支社長 伊藤 倖一氏のご紹介

(株)きんでん 中部支社 技術本部
副本部長 北村 康一氏
「もっと光を〜光を電気に・電気を光に〜」(仮)
18階
伊吹の間
水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
4月 21日(水)
12:00〜14:00
(株)エイエイエス東海 代表取締役社長
田中 博道氏
「クラウドコンピューティングの活用による中小企業の経営の効率化について」
18階
オリオンの間
水曜第2グループ 片桐清志
谷口正明
4月7日(水)
12:00〜14:00
三井不動産(株)中部支店 支店長
新原 昇平氏
「人を惹きつける名古屋都心づくり」
18階
伊吹の間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助
4月1日 (木)
12:00〜14:00
全日本空輸(株) 執行役員名古屋支店長
稲岡 研士氏
「今後の航空業界と空港
       −転換期を迎える航空行政−」
3階
桂の間

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【お知らせ】

産業懇談会メールマガジン配信について

メールマガジンの配信は無料です。配信をご希望でない方はお手数でも下記ボタンを押して、メールをご返信いただければ幸いです。ご意見などございましたら、そのメールにお書き下さい。

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【アートコーナー】
からくりアート点描 No.11

シエロ アルペジオ


シエロ アルペジオ
シエロ アルペジオ

ジェイアール名古屋タカシマヤ
誕生二周年記念 からくりモニュメント

「天の童子」と「妖精たち」が、優雅な動きでひと時の安らぎと、行き交う人々の幸せを祈ります。

アルペジオとはイタリア語で竪琴を表す"arpa"が語源です。竪琴の特色は「連急弾奏」、そのハーモニーは館内を行き交う人々のイメージと重なり、軽やかな足取りを連想させてくれます。このからくりモニュメントはコンピューターで制御された4体の人形たちが音楽に合わせて、約4分間の演技をいたします。オリジナルに作成した「バラの竪琴」が優雅な時を刻み、天空に遊ぶ童子や妖精たちが集う人々にやさしさを運びます。

設置場所:名古屋市中村区名駅 JR高島屋2階
(昨年、12階の展望階エレベータホールに移動)
竣工:2002年2月27日
大きさ:横1.3m×高さ2.7m×奥行き1.2m(合計4体の人形)
演技時間:
4分
作動時刻:
12時、13時、15時、17時、19時

(株)ジェイアール東海高島屋
〒450-6001 名古屋市中村区名駅一丁目1番4号
TEL:052-566-1101

シエロ アルペジオ

コメント
名古屋駅前に建てられた華やかなジェイアール高島屋の「誕生2周年」を記念して、2階正面玄関に制作した作品です。「バラのマークの高島屋」というキャッチコピーは長年慣れ親しんでいる言葉です。人形の衣装にこだわり、帽子、上着、パンツ、竪琴などふんだんにそのバラをあしらって、優雅なイメージを醸し出そうと考えました。
洋風の作品に和の古典的な「面かぶり」の技法を取り入れ、ピエロの面が変化するたびに驚きの表情を見せるお客様が多いのもこの作品の特徴です。
昨年、お食事フロアで有名な12階の展望階エレベータホールに移動しました。


制作
夢童由里子
〒459-0024 名古屋市名東区本郷2-150
電話:052-774-6891 携帯電話: 090-2610-5925
E-mail:mudo@r9.dion.ne.jp
夢童アートHP:http://mudou-art.com/

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【コラム】

コラム1 【花ちゃんからの健康だより】 No.71
花ちゃんからの健康だより

株式会社 スズケン
保健師 佐藤 花子

『 イキイキ古狸パワー 』

  桃の咲く季節になりました。寒さも少しずつ緩み、植物の活動も活発になる3月を迎えようとしています。年度の締めくくりでもあり、気の抜けない日々をお過ごしではないでしょうか。
 
  先日、父の法要のため四国に帰省してきました。94歳で他界した父は11人兄弟の末っ子だったため、従兄弟は80歳を超えている人もいます。また、96歳で元気な顔を見せてくれた義叔母は、「整形外科に通ってはいるが、内科的疾患は全くないのでまだあの世にいけない。」と笑って言います。最近は、デイサービスに通うのが楽しみで、そこでは、マシンを使っての筋肉トレーニングと人によるマッサージを受けて、一日過ごして帰っているそうです。義叔母の姉は104歳で他界していて、目標は姉を超えたいと。健康の秘訣は「よく食べ、よく出かけること(動くこと)」でした。
 若かりし頃、本当によく働いていた親戚縁者は、財をある程度築き、穏やかな日々を過ごしていて、働くための知恵を伝えてくれたり、元気そのものをくれたり、「イキイキ古狸パワー」健在で、大いに刺激を受けました。苦労をいかにも楽しんでいたかのように話せるイキイキ古狸になるのは、悪くはないですね。定年して雇用延長を希望して働いている兄は、若い人とバンドを結成し、ドラムやエレキギターの練習に打ち込み、充実した生活を送っていて、いずれイキイキ古狸になることでしょう。
 故人を偲びながら、与えられた命に感謝して、自分が歳を取っても、楽しく生きて、イキイキ古狸になりたいなと思いました。

イキイキ古狸になって、大いに腹鼓を鳴らしませんか!

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コラム2 【理念経営物語】
コラム【理念経営物語】

株式会社リーダーズドメイン代表取締役会長
窪田経営塾塾主
窪田 貞三

理念経営成功例:No.21

顧客との共成

  企業理念などに「顧客第一主義」といった言葉をよく見ます。しかし、本当に顧客第一主義の経営が出来ている企業がどれだけ存在するのでしょうか?顧客が本当に求めているものを提供出来ていると自信を持って言える企業がどれだけ存在するのでしょうか?
  A社という機械メーカーにBという社長がいました。Bは業界のリーダー的存在で、長年に亘って業界団体の会長職を務めていました。Bは自社の事だけではなく業界全体の事を常に考え、同業者の良き相談相手となっていました。しかし、ある年に急激な不況が訪れ、その不況は業界全体にも波及し、Bは自社のみではなく、業界全体の悩みを背負うこととなってしまいました。Bはその逆境を乗り切るために、日々悩み、考え、その結果出した結論として、自社にCという顧問を採用しました。それは業界経験者ではなく、どちらかと言えば、業界とは全く縁のなかった人物でした。Bがそういった人物を採用した理由は「業界を救うためには業界の今までの常識を変えるべき!」という考えからでした。Bが悩み考えた結果として出した答えは「顧客は業界や会社から物を買うのではなく、求めるものを創造し、適切に提供してくれる相手を求めているだけ!」ということでした。それなのに、自分たちは業界という枠に囚われ、いつの間にか顧客との共成を怠ってきたのではないか?この厳しい時代にこそ、自分たちの常識に囚われることなく、顧客が真に求める物を原点から考え直し、真の物づくりに取り組むべき!そう考えたのです。その後BはCと共に、真に顧客が求める物を創造するために、物そのものではなく、それを求める真の利用目的を徹底的に根本から見直し、顧客の意見を今までの何倍も聴くようにしました。その結果、顧客自身にも大きな氣づきが生まれ、能動的に購入してくれるようになり、A社は業績を取り戻して行きました。ただ、業界団体の会員である同業他社は、過去の常識を捨てられなかった企業の業績は相変わらず厳しく、A社に賛同して、真摯に新たな取り組みを行なった企業のみが、業績を回復して行ったのです。

解説

業界の常識というものは大切ですが、時には過去からの常識という固定観念となることがあるのです。常識というものは当然必要ですが、それが自社や業界内だけのものにならないように、常に顧客との共成を大切にしたいものです。

理念経営論

理念経営論とは、
根本にある理念に基づき、ビジョンに向かい、
木(企業組織)は成長していく。それが理念経営論です。
根をしっかりと伸ばすことで、木は成長します。
理念経営論は、
(1)本質的経営=理念創造・実現経営
(2)夢実現経営=ビジョン創造・実現経営
(3)実践的経営=全社員自立・実行経営

以上、3つの柱から出来ています。

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コラム3 【「ほん」のひとこと】 No.16
コラム【理念経営物語】

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

『形』
菊池寛・岩波文庫
『恩讐のかなたに・忠直卿行状記』収録

 松山新介の侍大将・中村新兵衛は「槍中村」と恐れられた。その猩々緋の服折りと唐冠纓金の兜を見ただけで、敵は浮き足立った。ある時、主君・松山新介の側腹の子の初陣にその服折りと兜を貸した新兵衛だったが・・・。
 たった3ページの作品。その中に一つの世界を描き上げる手腕。菊池寛の作品は、実に明快で面白い。「読書は楽しくあるのがほんとうだ」(モーム)とすれば、菊池寛に対する現代の評価は、少し低すぎるのではないか。

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コラム4 【苗字随想】 No.93
コラム【理念経営物語】

片桐清志

「金・銀・銅」

 前回のトリノオリンピックでは荒川選手の金一つだったが、バンクーバーオリンピックでは日本勢が活躍している。そこで今月はメダルの色と苗字に注目してみた。
 種類ではやはり「金」姓がチャンピオンで約320種見つかった。「銀」姓は意外と少なく、たった18種しか見つからなかった。「銅」姓も少ないが28種で、「銀」姓よりも多い。
 一字姓も3種揃っている。「金」さんはキン・コガネ・カネ・コン・カヌチとお呼びする。「銀」さんはシロガネ・シロカネで、残念ながらギンの呼び方はなさそうだ。「銅」さんはドウのほかにアカガネ・カヌチの呼び方がある。
 「金」姓のユニークな苗字では金仏(カナブツ)、金倉(カネクラ・カナクラ)、金万(カネマン他)、金満(カネミツ他)、金持(カネモチ他)、金多(カネダ)、金富(カネトミ)、金徳(キントク)、金箱(カネバコ)、金庫(キンコ・カネクラ)、金集(カネツメ他)、金納(キンノウ他)、金守(カネモリ)、金商(カネウリ)、金指(カネサシ他)、金札(カネフダ)、金作(カネツクリ他)、金堀(カネホリ)、金堀場(カネホリバ)、金敷(カネシキ)、金花(キンカ・カネハナ)、金星(キンホシ他)、金剛(コンゴウ)、金網(カナアミ)、金槌(カナヅチ)、金棒(カナボウ・カネボウ)、金物(カナモノ)、金玉(キンダマ・キンギョク・カネタマ)などがある。
 「銀」姓では銀杏(ギンナン・イチョウ)、銀羽(ギンバ)、銀鏡(ギンキョウ)などがある。
 「銅」姓では銅工(ドウク・カヌチ)、銅牛(アカウシ)、銅寺(ドウデラ)、銅堂(ドウドウ)などだろう。
 「銀」姓、「銅」姓の多くは「金」姓から転じたと思われる姓も多い。金城・銀城・銅城、金家(カネヤ他)・銀家(ギンヤ)・銅家(ドウヤ)、金屋(カネヤ)・銀屋(ギンヤ)・銅屋(ドウヤ)、金山・銀山(ギンザン・ギンヤマ・カナヤマ)・銅山(ドウヤマ)、金谷・銀谷(ギンヤ・カナヤ)・銅谷(ドウヤ)、金野・銀野・銅野、金島・銀島・銅島、金木・銀木(シロキ)・銅木などがある。金田(キンダ他)・銀田(ギンダ)・銅田(ドウダ)も威勢がいい。銅座(ドウザ)は見つかったが金座・銀座は見つからなかった。
 金・銀・銅の組み合わせでは金銅(キンドウ・コンドウ)、金銀貴(キンギンカ・キンカ)、銅金(ドウキン・ドウガネ)、銅銀(ドウギン・ドウガネ)などが見つかった。さすがに金銀銅の3点セットは見つからなかった。

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【平成22年2月号編集後記】

 バンクーバーオリンピックでの熱戦が続いている。4年に一度の本番だけに、実力を発揮しきれず無念な結果に悔しさを滲ませる選手も多い。そんな中、先日見た中日新聞のコラムが目に留まった。〈打ち倒す者は強いが、起き上がる者はもっと強い〉。クーベルタン男爵の故国フランスの俚諺である。(以下省略)
 競技である以上、勝敗はつき物だ。全力を出し切っても勝利するとは限らない。限界に挑戦すれば失敗するリスクも高くなる。特にオリンピックではメダルに届くと届かないの差は大きい。出場選手には各国の代表というプレッシャーも加わる。世界の壁に跳ね返された選手には再挑戦を期待したい。
 同コラムの後段には次のような記述もあった。(前略)最高傑作は、と問われた時のチャップリンの有名な返答を思い出す。「ネクスト・ワン(次回作)」(以下省略)。
 頂点にいても満足せず、もっと上を目指す姿勢に頭が下がる。産業界もまだまだ混迷が続くだろうが、けっして倒されっぱなしにならず起き上がり、そして過去の成功体験に満足せず、ネクスト・ワンを追求し続けたい。

 産業懇談会でも今月から4グループの熱い勉強会が展開されている。どのスピーチも現場での汗と智恵の結晶が輝いている。会員のためにご多忙な中、混迷を打破する貴重なメッセージをご披露いただいた各氏に感謝したい。

(片桐)