産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】第92号 2010.1.29発行

 メールマガジン■産懇宅配便■

平成22年1月度(第92号) 目次
産懇宅配便
【特別寄稿】 タキヒヨー株式会社 取締役社長 滝 茂夫氏
【産業懇談会新年合同懇親会模様】 1月25日(月) 17時30分〜20時00分
【名古屋いちばん物語】 原稿募集のお知らせ
【2月度産業懇談会開催日程】
【3月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【アートコーナー】    からくりアート点描 No.10
【コラム】
コラム1 【花ちゃんからの健康だより】 No.70
コラム2 【理念経営物語】 No.20
コラム3 【「ほん」のひとこと】 No.15
コラム4 【苗字随想】 No.92
【特別寄稿】

『 明るく、元気に、前向きに 』

タキヒヨー株式会社 取締役社長 滝 茂夫

 新年、明けましておめでとうございます。
 産業懇談会に登録されておられる会員の皆様には、同友会活動にご理解・ご支援を賜わり、誠にありがたく、お礼申し上げます。
 一昨年来より続いております厳しい経済状況も業種によっては、少しずつ明るい兆しが見えてきているようではありますが、円高やデフレの進行により、厳しい状況に変化はないというのが、大方の実感値ではないでしょうか。我々経営者にとっては、足元をしっかりと固めるとともに、将来を見据えた取り組みや舵取りが重要であると感じております。
  昨年は「需要と供給のギャップ」という言葉がよく聞かれましたが、私は「ギャップ」ではなく「ミスマッチ」ではなかったのかと考えています。当地域は「モノづくり文化」で発展した地域であり、元来「付加価値を付けた商品を売って利益を出す」という文化が根付いていますが、我々は今後、更に持てる技術に磨きをかけ、新たな付加価値や新商品、サービスを消費者に供給していく努力が必要であると思います。我々は時代の不安感や閉塞感に取り憑かれ、小さくまとまってしまったことで、消費者が本当に魅力を感じ、欲しいと思える製品やサービスを供給できなくなってはいないでしょうか。自信を失い、企業として本来やるべきこと、得意としていたことがやれなくなってはいないでしょうか。「現状を考えると、これが当面のベスト」であるという、あたかも論理に裏付けされているかのような「弱気な経営」が我々をはじめとする日本企業を弱体化させてしまったのではないかと思います。例えば、中国企業などの乱暴にも見える大胆かつ戦略的な行動力と情熱、彼らが持つ大きな戦略的地図や将来の見取り図と比較すると、現在の日本企業の迫力と力不足は否めません。我々はこのような時代だからこそ、未来を見据えプライドと自信を取り戻し、過去に我々の先輩方が日本を奇跡の成長に導いたように大きな戦略的地図や見取り図を描いたうえで、積極的に新規開拓や新規事業に挑戦することが重要であります。そのためには「人材育成」と「情報交換」が重要なファクターであり、厳しい経済状況下ではありますが、新規事業への挑戦や近い将来、好況の波が訪れた際に更なる発展を目指すための人材育成への投資や、我々に新たな発想やマーケットをもたらす情報交換による企業間連携の場として、同友会活動が皆様のお役に立つことを期待しております。
 最後に今年は、私は我々の力を信じ、明るい未来をイメージして自分の中で温めていたアイデアに積極的に挑戦し、笑顔で一年をガンバリたいと思っております。

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【産業懇談会新年合同懇親会模様】

テーマ『 下垣 真希氏 コンサート 』

日  時:平成22年1月25日(月) 17時30分〜20時00分
場  所:ウェスティンナゴヤキャッスル 2階 銀の間
参加者:57名

出演者:
ソプラノ歌手 下垣 真希(しもがき まき)
ピアニスト  北川 美晃(きたがわ よしあき)


 今年の4グループ新年合同懇親会は、新年のスタートを切るに相応しく、ソプラノ歌手の下垣真希さん、ピアニストの北川美晃さんをお招きしてミニコンサートを開催した。当日は、水野代表幹事および滝代表幹事のご両名にも出席していただいた。

 下垣さんは、愛知県立芸術大学卒業後、ケルン国立音楽大学に留学し、ドイツ国家声楽教授資格を取得。ドイツ滞在中にはラジオ局でDJとしても活躍し、帰国後、国内外のオーケストラと共演。2000年にはドイツ・ハノーバー万博の閉幕式でアジア代表として独唱。2005年の愛・地球博でもソロコンサートを開催。近年は、「命と平和の尊さ」をテーマに、日本の歌を中心にした「トークコンサート」や「講演会」を全国で開催し、感動の輪を広げるなど、幅広い分野で活躍されている。
  また、北川さんは東京音楽大学卒業、愛知県立芸術大学大学院音楽研究科(ピアノ)修了。在学中より声楽、弦・管楽器の伴奏、室内楽の演奏活動を始め、現在は、下垣 真希(ソプラノ)他、多数のリサイタル、コンサートのピアニストを務めるなど伴奏、室内楽、合唱、独奏と広く活動されている。

 当日は、日本の童謡・唱歌から、クラシック、さらには賛美歌まで、幅広いジャンルの曲目を下垣さんの芸術的な透明感のある声とともに披露していただいた。また、曲の合間の語りは、歌の存在感を増し、皆さんへ訴えかけるものがあり、そこに北川さんのピアノが心地よく調和し、二人による息の合った公演に、皆さん魅了されていた。

 公演後、ご出演いただいた下垣真希さん、北川美晃さんも交えた懇親会が開催され、会員相互の親睦を大いに深め合い、新年を迎えるに相応しいとても有意義な会となった。

コンサートの様子
コンサートの様子
サイン会の様子
サイン会の様子

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【名古屋いちばん物語】 原稿募集のお知らせ

 「産懇宅配便」は今年9月に創刊100号を迎えます。奇しくも「名古屋開府400年」とも重なります。これを記念し、4月号から「名古屋いちばん物語」のコーナーを開設いたします。
 虎年の魚「鯱」を象った名古屋のシンボル金のシャチホコ、都々逸・大正琴・むすめ歌舞伎など名古屋発祥の芸能、名古屋帯のように名前に染込んだ文化、徳川園や熱田神宮などの史跡、日本最大の名古屋港など名古屋には「日本初のモノ・コト」や「日本最大の施設や産業」などナンバーワンがたくさんあります。
 「名古屋いちばん物語」は産業懇談会会員の皆さんに、いろんなナンバーワンを紹介して戴くコーナーです。下記投稿要領をご参考に、誕生秘話やエピソードを交えた投稿をお待ちしています。


投稿要領
  1. 分野
    • 文化、産業、歴史等幅広い分野を対象とします。
    • 名古屋にゆかりのある日本初や日本一をご紹介ください。
  2. 様式・分量
    • 様式は自由です。
    • 写真や表の使用も構いません。
    • 分量も特に制限はありませんが、メールマガジンの性格上、A4で1〜2枚を目安にしていただければ幸いです。(分量により「その1」「その2」等に分割掲載とさせていただく場合があります)
  3. 投稿方法
    • 「Word」等でのメール投稿を歓迎しますが、手書き等でも構いません。
  4. 原稿締め切り
    • 毎月15日までに投稿いただいたものは当月号に掲載します。(投稿多数の場合は翌月号掲載となる場合があります)
  5. 投稿先
    中部経済同友会事務局
    • e-Mail:cace@cace.jp
    •  
    • FAX:052-221-8925
    •  
    • 〒460-0008 名古屋市中区栄2-10-19 商工会議所ビル8階

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【2月度産業懇談会開催日程】

場所は、名古屋観光ホテルです。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
2月9日 (火)
12:00〜14:00

三井住友建設(株)中部支店
理事支店長 田中 正則氏のご紹介
三井住友建設(株)中部支店
土木営業部長 栗林 武弘氏
三井住友建設(株)
土木設計部長 春日 昭夫氏
「日本の橋梁技術の現状と展望」(仮)

18階
伊吹の間
水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
2月17日(水)
12:00〜14:00
テルウェル西日本(株)東海支店
取締役東海支店長 松本 信夫氏
「自己紹介と会社案内」
18階
伊吹の間
水曜第2グループ 片桐清志
谷口正明
2月10日(水)
12:00〜14:00
三菱商事(株)中部支社
業務経理部長 森本 憲治氏
「三菱商事の連結経営について」(仮)
18階
伊吹の間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助
2月18日(木)
12:00〜14:00
愛知製鋼(株) 相談役 柴田雄次氏のご紹介
愛知製鋼(株) 鉄力あぐり事業部
技監 笹本 博彦氏
「鉄力あぐりの技術解説〜鉄二価イオンは21世紀の
地球環境を救えるか〜」
18階
伊吹の間

※2月9日(火)のスピーチの方が変更となりました。

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【3月度産業懇談会開催日程】
場所は、名古屋観光ホテルです。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
3月16日 (火)
12:00〜14:00

朝日機器(株) 代表取締役 野口 明久氏
「私共の会社、朝日機器(株)の経歴について」

18階
伊吹の間
水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
3月17日(水)
12:00〜14:00
中部精機(株) 取締役社長 堀越 正勝氏
「スマートメーター活用に向けた動向について」
18階
伊吹の間
水曜第2グループ 片桐清志
谷口正明
3月3日(水)
12:00〜14:00
住友生命保険(相) 中部総合法人本部長
鳥山 聡氏のご紹介
サンケイスポーツ記者 飯田 絵美氏
「限界を作らないノムラ哲学
   〜人をつくり、再生する極意〜」
18階
伊吹の間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助
3月4日(木)
12:00〜14:00
北村法律事務所 所長・弁護士/弁理士
北村 明美氏
「 1. 民事再生・破産・過払金返還請求等の現状
 2. 最近のトピックスについて」
18階
伊吹の間

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【お知らせ】

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【アートコーナー】
からくりアート点描 No.10

東海北陸自動車道・川島パーキングエリア
うるおいアート
からくりモニュメント「風の童子」


天翔蒼明

どんな人でも幼いとき
風に乗って遠くへ飛んで行きたいと
思ったことがあるだろう…。

岐阜県 東海北陸自動車道川島ハイウェイオアシス
からくりモニュメント風の童子「流」 (りゅう)
からくりモニュメント風の童子「翔」 (しょう)

風の童子は 天の童子。
「風の童子」が川島パーキングの
「護り童子」となるよう願いを込めて…。

天翔蒼明 風を受け、人、物と共に疾駆する車たちが流れるハイウェイ。それを行き来する人々が長い旅の中、ひとときのやすらぎを求め、立ち寄るパーキングエリア。「風」と「やすらぎ」をテーマに人々に安心感を与え、無邪気に戯れる子供たちを表現する。子供たちをイメージさせるものとして、和洋共生をテーマに独自性に富んだ「風の童子」の像を配した。
 離れた位置で一方の像を指差す姿からは、2体の像の強い関連性を意識させ広い作品空間を生み出し、一見、動きだすはずもなさそうなブロンズ像が、音楽とともに鐘を打ち鳴らす動作で時を告げることは、意外性と高い注目度が人気の作品となった。「風の童子」はこれまでの旅路の無事と自分達を訪ねてくれたよろこびを伝えるため、そしてこれからの更なる旅路の楽しさと安全を祈り、鐘を打ち鳴らす。

 川島パーキングエリアはハイウェイオアシスの中核として、JH日本道路公団が利用者に快適に楽しんでもらえる施設として様々な景観対策を施してきており、この一環として「うるおいアート」を設置した。 北を指差すブロンズ像「流」(りゅう)と、同じく北を向き鐘を打ち鳴らす仕草のからくり人形像「翔」(しょう)は、はるか日本海を見据えるように立ち、北陸と東海を行き来する人々を見守っている。

作動時刻:10時、12時、13時、15時、17時、19時
発注者:日本道路公団
竣工日:平成13年6月23日
大きさ:高さ4m(カラクリ)、高さ2.3m(ブロンズ) 

天翔蒼明


コメント

作品の擬木の下部には子供が通り抜けできる程度のトンネルを作った。毎日みてると、子供だけでなく大人も無理してもぐりこむ。やっと体がトンネルから出ると、やったぁ!と万歳する人々。加えてトンネルの上にホコラを作成、その中に樹の精霊のようなものをおいた。設置した1週間後にその精霊は誰かに盗まれて大騒ぎ。当時、新聞ネタになった所、誰言うともなくそのあとお賽銭があげられていった。現在は3代目の精霊が行きかう人々を見護っているが、お賽銭は地元の川島町と道路公団が話し合いの末、児童館に寄付されることになった。3ヶ月で1万円くらいはお賽銭が貯まって、今でも、寄付はつづけられている。


制作
夢童由里子
〒459-0024 名古屋市名東区本郷2-150
電話:052-774-6891 携帯電話: 090-2610-5925
E-mail:mudo@r9.dion.ne.jp
夢童アートHP:http://mudou-art.com/

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【コラム】

コラム1 【花ちゃんからの健康だより】 No.70
花ちゃんからの健康だより

株式会社 スズケン
保健師 佐藤 花子

『 明るく生き抜くために! 』

 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
年の初めに皆様はどんな希望や目標を持たれたでしょうか?私は行き当たりばったりのことが多いけれども、毎年、年の初めに立てた小さな目標のひとつをなんとかクリアしてきています。今年も小さな目標に向かって、コツコツ頑張りたいと思います。
  政治経済ともに厳しい時代において、多くの経営者から、長期経営戦略がつくりにくくなっていて、未来への創造が厳しいとの声あり、世間では、若い人の就職難をはじめ、職がある人でさえ、自分自身は将来どうなっていくのだろうと不安感をぬぐえません。特に、職場全体に余裕がない状態では、仲間支援や後輩指導、部下マネジメントなどが低下して、仕事への熱意喪失、メンタル不全者の増加は免れません。 
  そんな平成22年は、「自分は健康長寿を全うするのだ。」「この職場でこんな風に貢献したい。」と一人ひとりが、強い未来への目標を掲げ、自分が未来を作り上げていくのだという姿勢が重要です。みんなが、それぞれの立場で、明るく生き抜くために、また、未来への創造・発展のために、もっと能動型人間になって、知恵の絞りあいを惜しまず、原点からスタートしましょう。

一生の間 ずっと順調に行くことは ありえない 困難に直面したときこそ 気を強く、目線を上げ 未来に向かって 原点から スタートしましょう

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コラム2 【理念経営物語】
コラム【理念経営物語】

株式会社リーダーズドメイン代表取締役会長
窪田経営塾塾主
窪田 貞三

理念経営成功例:No.20

【 原点に戻る 】

 原点に戻るということは、初心に戻るということでもあります。それは企業経営において常に求められることです。なぜか?それは、企業は人の集まりですが、人というものはいつもいつも初心を忘れるものだからです。「喉元過ぎれば熱さを忘れ」という諺のように、人は忘れる動物なのです。確かに忘れることが出来なければ人は苦しさなどを常に背負い、生きていくことが苦しくてたまらないでしょう。しかし、これだけは忘れてはならないというのが「原点」なのです。なにを忘れても、原点だけは忘れるべきではありません。
  A社という創業100年を越える伝統ある老舗問屋がありました。A社は常に業界トップに君臨し、顧客からは絶大な信頼を受け、新規営業などをすることもなく、安定的な経営を行っていました。しかし、100周年を越えたころから、時代の変化と共に問屋の存在意義やあり方を問われる状況となってきて、A社は経営の根本的あり方(真のあるべき姿)を考えなければならなくなっていました。そんな状況を打破しようと立ち上がったのが専務のCでした。Cは社長のBから絶大な信頼を受けていました。B社長はそんなCの姿を観て決断をしました。その決断とは、Cに社長の座を譲るという決断でした。A社創業以来の最大のピンチを乗り越えるためのリーダーとして、Cを指名したのです。Cは社長就任と同時に、理念経営を導入しました。それは、全ての業務を理念(真のあるべき姿)から考え実践するという方法であり、過去の業績や知名度や営業力などを忘れ、固定観念を捨てて、真のあるべき姿から、顧客に提供する物も「過去に売れた物」ではなく、「本当に求められるものはなんなのか?」を常に考えるようにしたのです。そして、その結果は、顧客の話を根本的に聴き、真に求められる物を提供しようとする姿勢から、顧客からの信頼を取り戻し、その信頼関係の構築と共に、A社は同業他社にない「真に求められる物を提供する企業」となり、業績も大幅に向上して行ったのです。

解説

新社長のCは、いつのまにか殿様商売になってしまっていたA社を憂い、A社を原点に戻したのですが、それは、皆が忘れていた創業時の理念に戻しただけのことです。それは簡単なようで大変難しいことだったでしょう。

理念経営論

理念経営論とは、
根本にある理念に基づき、ビジョンに向かい、
木(企業組織)は成長していく。それが理念経営論です。
根をしっかりと伸ばすことで、木は成長します。
理念経営論は、
(1)本質的経営=理念創造・実現経営
(2)夢実現経営=ビジョン創造・実現経営
(3)実践的経営=全社員自立・実行経営

以上、3つの柱から出来ています。

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コラム3 【「ほん」のひとこと】 No.15
コラム【理念経営物語】

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

『私家版 日本語文法』
井上ひさし著・新潮文庫 

 「コソアド称格体系」という言葉をご存じでしょうか。日本語の指示代名詞は、世界の言語の中でも稀なる明晰な論理をもっているそうです。近称(コレ、コノ、…)中称(ソレ、ソノ、…)遠称(アレ、アノ、…)不定称(ドレ、ドノ、…)が、見事な整合性を有しています。その共通の語頭の音をとったものが「コソアド」です。
  ところが、人称代名詞はというと、例えば英語の一人称単数が「I」ひとつであるのに対し、日本語では「私、我、わし、僕、おれ、手前、小生、…」と十指に余る数となります。
 二種の代名詞は、なぜかくも異なるのでしょう。日本人は、常に相手との間を測りその間を微調整するために無限に近い人称代名詞を必要とし、その間を固定しておくためにコソアドという遠近区分法がある、と著者は説きます。
 考えてみれば、言語が社会と独立して存在するわけがありません。こんな文法の授業が学校で行われたなら、文法恐怖症などなかったにちがいありません。

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コラム4 【苗字随想】 No.92
コラム【理念経営物語】

片桐清志

「光あれこれ」

 お正月は行事が多彩だ。先日、新春恒例の宮中行事「歌会始の儀」が行われた。今年のお題は「光」だ。天皇陛下のお歌は「木漏れ日の光を受けて落ち葉敷く小道の間中草青みたり」で、皇后さまのお歌は「君とゆく道の果たての遠白く夕暮れてなほ光あるらし」だ。皇后さまは結婚50年を迎えた昨春、陛下と皇居を散策したときに詠まれた。今年こそ光あふれる年になることを願いたい。その思いを込めて、今月は「光」と苗字のあれこれを集めてみた。
 「光」はやはり人気もので、「光」で始まる苗字だけでも121種見つかった。一字姓の「光」さんもいて、ヒカリ、ヒカル、ミツとお呼びするようだ。「秋光」「出光」「岡光」「重光」「徳光」「時光」「福光」など光が下につく苗字も少なくない。
 ランキング(佐久間 英氏)でも光山の1484位を筆頭に、光田、光岡、光本、光井、光永などが3000番内に入っている。
 ユニークな苗字では光宮(ミツミヤ)、光家(ミツイエ・ミツヤ・コウケ)、光寺(ミツデラ)、光門(ミツカド)、光星(ミツホシ)、光源(コウゲン)、光明(コウミョウ・コウメイ・ミツアキ)、光栄(ミツハヤ、ミツハナ、残念ながらコウエイの読み方は見つからなかった)、光沢(コウサワ、ミツザワ、これもコウタクの読み方は見つからなかった)、光物(ヒカリモノ)、光頭(コウドウ・コウズ)、光矢(ミツヤ)、光用(コウヨウ・ミツモチ)、光神(コウジン)、光行(ミツユキ・ミユキ・コウギョウ)、光出来(ミツデキ)、光来出(ミツキデ・ミツクデ)、光賀(コウガ・ミツガ)などが見つかった。
 光久、光信、光吉、光定、光丸、光枝、光江、光貞など名前でも良く見かける苗字もたくさんある。
 「光」のミツの読み方は「満」のミツや「三」のミツにも通じることから、「光井・三井・満井」「光岡・三岡・満岡」「光川、三川、満川」「光田・三田・満田」「光本・三本・満本」など表記の異なる苗字も多い。

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【平成22年1月号編集後記】

 昨年から持ち越されたJAL再建問題が会社更生法を活用した法的整理でようやく決着した。企業再生支援機構の支援を受け、毎日の運行を続けながら今後3年間で黒字化を目指すことになる。ようやく離陸したものの、所定の高度に達するまでにはまだまだ前途は多難だ。当事者はもとより数万社規模の取引先、利用者、株主、廃止路線を抱える地元自治体等、関係者の痛みを伴う改革は始まったばかりだ。日本の翼の輝きが戻る日を心から願う次第だ。
 JAL再生に公的資金を投入する国の財務も相当深刻な状態だ。1月18日から始まった第174通常国会では政権交代後初めての本予算案が審議される。予定通りなら国債の発行残高は866兆円と見込まれており、こちらも「債務超過状態」が続く。GDP比では開発途上国並だ。埋蔵金も底をつき、国債の個人購入も低迷している。「元祖バラマキ」と「本家バラマキ」の交代では次世代の負担が増えるばかりだ。バラマキでも福祉政策にはなるかもしれないが、「最大の福祉は雇用」だ。雇用創出や雇用のミスマッチを修正する政策がもっと議論されるべきだろう。JALには救世主がいたが、日本国には救世主はいない。「日の丸」が独立国としての輝きを取り戻すには国民自らが汗をかく自助努力しかない。

 さて、産懇宅配便は今年9月に創刊以来「100号」を迎える。名古屋開府400年の節目と重なるのも何かの縁だろう。これを記念して新年度の4月号から「名古屋いちばん物語」のコーナー新設を計画している。会員からの多数の投稿をお待ちしている。
 今月号では滝代表幹事の特別寄稿を戴いた。年末年始で何かとご多忙にも拘わらず、会員のために快くお引き受けいただき深く感謝する次第だ。

(片桐)