【4年6月度 産業懇談会(木曜G)模様】

テーマ: 『 くらしの礎を「創る」「担う」「つなぐ」Just For the Earth 』

  • 日  時:令和4年6月2日(木) 12時30分~14時30分
  • 場  所:名古屋観光ホテル 曙西の間
  • 参加者:24名
スピーカー:
霜 知宏(しも ともひろ)
JFEエンジニアリング株式会社名古屋支店
理事 支店長
写真:霜 知宏氏

自己紹介

 名古屋市で生まれ、日本鋼管入社後は名港トリトンなど橋梁関連の営業の仕事に従事してきた。そして、2003年に当社設立後は人事や総務の仕事に従事し、約3年前に名古屋支店長として異動してきた。これまで50年間も名古屋から離れていたので、生まれた名古屋の良さをあらためて実感している。

JFEエンジニアリングについて

 今回のテーマ『くらしの礎を「創る」「担う」「つなぐ」Just For the Earth』は、当社のパーパスであり、社名のJFE頭文字から成る。専業、製鉄、水処理、重電・重機、造船、総合建設系など様々な業界の会社がエンジニアリングを展開している中で、当社は製鉄・造船・水処理・総合建設系に跨がる会社。当業界の主な事業には、再エネ分野(ごみ焼却・バイオマス・地熱発電所)やエネルギー分野(LNG受入基地・ガスパイプライン・エネルギープラント)、鋼構造・機械・システム分野(橋梁・クレーン)、ごみ処理・水処理の環境分野(浄水場・下水道処理場・清掃工場)がある。
 当社が手がけたものには、例えばシンガポールにあるマリーナベイ・サンズのデッキ部分があり、橋梁架設技術を応用して建設した。伊勢湾に埋めたガスパイプラインや名港トリトン、自社運営している北海道のオトンルイ風力発電所、東日本大震災のがれき処理のための災害廃棄物処理仮設プラント等を多数手がけてきた。2022年には日本トップクラスの発電効率を誇る出雲エネルギーセンターというゴミ焼却発電工場を建設した。
 当社の特徴として、事業領域が広く、製鉄と造船から培った技術を応用したり組み合わせたりして、時代のニーズに合った事業を展開し、新規事業へ積極的な投資を行いながら多角化してきた。パイプラインは造船の溶接技術、発電プラントは高炉の燃焼技術を応用し、また、農業プラント(トマト工場)の運営から得たノウハウをいかして化粧品や健康食品の開発にもチャレンジしている。また、電気や水、ごみ等人々の生活に欠かせない生活インフラを担っており、「創る」だけではなく、インフラを自社運営し、次世代に繋いでいくことを目指している。
 今後は事業の拡大を通してSDGsへ貢献していきたい。SDGsの7つのゴールを目標として掲げ、CO2削減やサーキュラーエコノミーの実現を、ビジネスを通じて取り組んでいきたい。当社が考えるサーキュラーエコノミーは、インフラを最大限使い切ること(省資源・長寿命・省エネ・メンテナンスの実施)と、廃棄物を徹底的に利用して循環経済に資するインフラやサービスを提供することである。

脱炭素分野におけるJFEグループの取り組み

【洋上風力】
 政府の計画では、洋上風力を2030年までに約850基の建設と、洋上風力の設備や機器の国内調達率を約60%への引き上げを目標にしている。洋上風力には、浮体式と洋上風力の基礎部分が海底にある着床式の2種類あり、当社グループは着床式の基礎部分を担う。
【再エネ電力事業】
 太陽光・風力・バイオマス・地熱による発電(合計200MW)事業や、官民連携として自治体と協力して会社を設立し、エネルギーの地産地消と地域のカーボンニュートラルを推進している。例えば、2018年に熊本市と新電力会社スマートエネジー熊本を設立した。経緯は熊本大震災で、西部環境工場(ゴミ処理発電)から区役所まで電力の自営線を引っ張っていたため停電にならず、震災当日から復興のための業務や避難者の支援を行う事ができた。東部環境工場も同様の仕組みを整備し、事業として新しい会社を設立することになった。
【食品リサイクル事業】
 食品廃棄物は国内で年間約1535万t発生しているが、多くはゴミ焼却場で燃やされて資源として使われていない。横浜にあるJバイオフードリサイクルでは、JR東日本と共同で事業を行い、駅ナカレストランやホテルの食品残渣などを集めてバイオガス発電し、CO2を年間5,500t削減している。
【複合ユーティリティサービス】
 人口が少ない自治体では、財政上の問題で自らの自治体でインフラの整備や運営を担う事ができないため、民間会社に運営を委託する必要がある。新潟県妙高市では、2022年4月よりガス事業と上下水道事業を委託する事業を開始した。
【中部地区の脱炭素プロジェクトの取り組み】
 中部地区では現在6ヶ所で事業の運営や建設をしている。例えば、田原バイオマスパワー発電事業(バイオマス発電国内最大級の規模)や、津製作所では回収したペットボトルからペットボトルに水平リサイクルできるPETボトルリサイクル事業を行う。津製作所はこれまで50年間は造船や橋梁等のモノづくりの工場であったが、今後50年間は洋上風力発電の部材供給拠点などカーボンニュートラル関連の事業エリアが拡大していく予定である。
 また、バイオス小牧という生ゴミから電気を作り出す発電所を建設中で、一般家庭の3,000世帯の電気を生み出す。ダブルループという特徴を持ち、スーパーや飲食店等の生ゴミを集めてバイオガス発電し、スーパーに電力を供給するループと、メタンガスを回収したときの発酵残渣を有機肥料として農家に使用してもらい、肥料から作った野菜の生ゴミを回収するこのようなダブルループによる循環型社会の提案を今後行っていきたい。
 豊橋バイオウィルでは、豊橋市が主体となり地産地消の地域電力会社を設立。家庭で分別した生ごみを発電に利用し、小・中学校等へ供給しているため、生徒自身がゴミの分別に積極的に参加するようになった。

 最後に当社の使命は、地球と人々のために、安心、安全な社会を創り、人々の暮らしを力強く支え、それを次世代に繋げること。地産地消の循環型社会の実現に貢献していきたい。

目次へ

【4年6月度 産業懇談会(水曜第2G)模様】

テーマ: 『 徳倉建設、社員を大切にこんなことやってます 』

  • 日  時:令和4年6月8日(水) 12時30分~14時30分
  • 場  所:若宮の杜 迎賓館
  • 参加者:21名
スピーカー:
井村 孝一(いむら こういち)
徳倉建設株式会社
執行役員 営業本部副本部長
写真:井村 孝一氏

自己紹介

 高校や大学時代はクロスカントリーのスキー部に所属し、高校時代にはインターハイに出場した。その後当社に入社し、最初は技術屋として9年間の工事経験後、営業へ異動し、現在は東京支店副支店長を務めている。
 最初の9年間の工事経験では、名古屋市住宅供給公社や民間工事、住宅都市整備公団(UR)、名古屋市建築局からの建設工事を担当した。その後の営業に異動し、病院や家屋の建設工事等から経験を積み、分譲マンション(デベロッパー)を担当し、大きな工事を受注できるようになっていった。隈研吾氏が設計された建築物を担当できたことが思い出に残っている。

徳倉建設の紹介

 当社は1947年に一色町に宝土建として設立し、1949年に商号を現在の社名に変更した。2022年度には設立75周年を迎えた。国内の拠点は、名古屋市中区に本社・本店、設立の地である一色町に三河支店を構えるなど、国内6拠点で事業を展開している。また海外拠点は、メキシコやブラジル、インドネシア、タイ、ベトナムの合計5カ国に拠点を設けてグローバルに事業を行っている。

徳倉のイベント(社員を大切にこんなことやってます)

【潮干狩り大会】
 新入社員や有志の社員、協力会社の社員が協力会社の倉庫に集まって準備を行い、潮干狩り大会を実施している。例年600~700人が参加するイベントで、社員やその家族、協力会社から参加してもらっている。社長も参加し、社員やその家族と懇親を深める場となっている。新型コロナによりここ数年実施出来ていないことを非常に残念に思っている。
【社員大会】
 毎年7月に実施。本社を中心に約200名程度が集まり、建設工事の写真やクラブ活動等の1年間の活動の報告を行っている。また、新入社員の自己紹介や社内講演会を実施し、20年・30年・40年の勤続表彰や優良工事の表彰、受注功労賞など社長から社員への表彰も併せて行う。さらに、社員大会の中では、「GENKI快」という約10年前に始まった社員発で面白い企画をやりたいとの思いから生まれた活動の発表を行っている。主な「GENKI快」の取り組みは次の通り。

  1. チャレンジDEチャレンジ
     社員が自らやりたいことを申請して1年間頑張り続けることを応援する企画。内容は、自身の努力が必要な内容であれば何でもOK。申請が認められれば、毎月成果の報告を行うことで毎月1万円の奨励金を支給する。そして、1年間続けた結果を社員大会で審査・表彰を行う。今までの表彰には、家庭菜園、喫茶店巡り、キャンプ地巡り、けん玉等が表彰されている。私のチャレンジは、家族との食事会(家庭円満)、家庭菜園、登山(金賞受賞)、ダイビング、東京23区巡り、英会話、DIY、ピザ窯を使った料理を行ってきた。
  2. パンチDEデート
     社内の未婚社員の婚活応援企画。社内の社員と他社社員とのグループお見合いの懇親会を企画している。会社が費用を一部負担し、社員の婚活のサポートを行う。
  3. ランチwithプレジデント
     若手社員と社長の食事会の企画。若手社員はなかなか社長と話す機会がないため、若手社員がどのようなことを考えているか、コミュニケーションを図るために企画している。
  4. 海外研修制度
     若手社員に対する海外研修制度。タイ・インドネシア・ベトナムにある海外拠点を活用した研修を行う。業務内容や休日の過ごし方も含めて、毎週報告をしてもらっている。

【ボーリング大会】
 ボーリングは社長をはじめ全社員が参加でき、一致団結して盛り上がることができるスポーツ。社員同士の親睦を深めるにはふさわしいと考え、実施している。
【年度末 期末賞与】
 社長自ら全社員に手渡しで声をかけながら賞与を配布している。本社、東北、東京、大阪、福岡、全ての支店を行脚する。若手社員には社長と話す機会にもなる。
【保養施設】
 愛知県の3ヶ所をはじめ、全国に13ヶ所ある。家族を連れて社員に利用をしてもらっている。各施設の利用の補助を会社が行っている。

東京の再開発について

 東京では至る所で再開発の計画が進む。例えば、東京駅北側ではすでに完成した常磐橋タワーや東京トーチ(完成すると日本一のビル)の計画が進んでいる。また新宿駅の西口や西南口、渋谷駅や品川駅周辺の再開発がこれから行われる予定となっている。今後再開発として、数多くのビルが建設されるようになっており、新しい東京が生まれることになる。今後の再開発を楽しみしてもらいたい。特に品川駅では、品川駅から高輪ゲートウェイ駅、京急北品川駅一体をどのように繋げていくかを構想しており、電気自動車やセグウェイ、自動運転といった新しい技術であるモビリティの活用が計画されている。リニアや地下鉄も加わりさらに利便性がよくなる街になるだろう。

目次へ

【4年6月度 産業懇談会(火曜G)模様】

テーマ: 『 日本・韓国・台湾の介護システム 』

  • 日  時:令和4年6月14日(火) 12時30分~14時30分
  • 場  所:若宮の杜 迎賓館
  • 参加者:23名
スピーカー:
西下 彰俊(にしした あきとし)
東京経済大学 現代法学部
教授
写真:西下 彰俊氏

自己紹介

 京都府立大学文学部を卒業後、東京都立大学大学院社会科学研究科研究博士課程を修了し、5年間東京都老人総合研究所の研究助手として働いた。その後、神戸山手女子短期大学の専任講師や金城学院大学の教授を17年間務め、東京経済大学現代法学部の大学院設立をきっかけに移り、今年で19年目となった。元々は福祉国家スウェーデンの高齢者ケアを研究しており、1年間スウェーデンに留学しフィールドワークを行ったが、スウェーデンをモデルにして日本の社会福祉制度を整備するのは難しいと考え、東アジアの国を研究するようになった。

日本・韓国・台湾の高齢化予測

 日本の高齢化予測をみると2010年~2020年が高齢化のピークで、この間高齢化率が5.9ポイント上昇した。一方で韓国は、2020年~2030年に9.3ポイント上昇するピークを迎え、また台湾もこの間にピークとなり8ポイント増える予測である。高齢化率は少子化とリンクしており、韓国では合計特殊出生率は1未満、台湾も1を少し超えた値で低い水準になっている。2040年~2050年には韓国が、その後台湾も日本の高齢化率を追い抜いていくだろう。

日本の介護システム

 1963年に世界で初めて高齢者を対象にした老人福祉法を制定し、2000年には公的介護保険をスタートさせた。老人福祉法は、利用者に選択の余地がない措置となっており、行政に対して異議申し立てできなかったが、介護保険では介護を社会化し、自らが主体的に選択できるようになった。要介護認定が不服の場合は、異議申し立てできる。認知症の方で契約の当事者になれない場合、新しい成年後見制度を同時にスタートさせて補完した。
 サービス利用時の自己負担率は1割から、高所得者に限り2割や3割負担に制度が変更になった。しかし、財政はパンク寸前であるため、今後保険者・被保険者ともに負担割合が増える可能性がある。要介護認定は、要支援1・2と要介護1~5の7段階あり、認定調査(74項目)から判断される。介護のことで質問があれば地域包括支援センターに聞くと良いため、利用して欲しい。
 介護保険の申請手続きは、申込みをすると保険者の調査員(保健福祉関係の職員)が自宅を訪問し認定調査を行う。調査結果をもとに要介護認定等基準時間を算出し、要介護度を判定する(第一次判定)。その後、医者や専門家から構成される介護認定審査会で最終判断(第二次判定)し、30日以内に結果が郵送される仕組みである。
 サービスを希望する申請者は、要支援1・2の場合は、社会福祉法人が市区町村から委託を受けて運営している地域包括支援センターでケアプランを作成する。要介護1~5の場合は、居宅介護支援事業所を選びケアプランを作成してもらうことになる。ケアマネジャーが申請者の自宅を訪問し、申請者のケア・ニーズを把握しながらケアプランを作成する。サービス内容や事業者の選定は申請者の希望が最優先される。

韓国・台湾の介護システム

 韓国は2008年に介護保険(老人長期療養保険)を創設した。経緯は、高齢化前でまだサービスの基盤整備が途上の段階にも関わらず、大統領の宣言により急遽検討することになった。保険者は国民健康保険公団が全て管理を担う。要介護認定調査は52項目でコンピュータ認定ソフトがはじき出す点数で等級を決定する。自己負担率は在宅サービス15%、施設サービス20%で日本と比較し負担が大きくなっている。ケアマネジャー制度を設けていないため、認定結果が出てからサービス利用までの手続きが標準化されておらずケアマネジメントが難しくなっている。
 台湾は制度が複雑であるが、障がい者も高齢者も同じパッケージでサービスを提供できる点や年齢に関係なく介護サービスを享受できる点がメリット。また、台湾独自の介護スタイルとして、住み込み型外国人介護労働者が約24万人いる。35歳~44歳が中心で、低賃金、過酷労働にも関わらず、法律上は家族と同等の位置づけであるため労働基準法の対象外になっている点が問題である。また、介護保険ではなくスウェーデン型の税財源で運用しているため、財源の不安がある。

3か国(日本・韓国・台湾)の課題

 共通の課題として、介護人材不足の背景にある低賃金や重労働(夜勤も多い)だけではなく、介護の職業に対するイメージの問題もある。韓国や台湾では、最重度介護者でも日本に対して半額程度の金額しか利用する権利がないことも改善しなければならない。
 日本の介護保険のサービス提供レベルは、韓国や台湾よりも高度である。しかし、1年間に約12兆円の財源を必要とする巨大なシステムになっている。その結果、軽度者への生活援助サービスが介護保険制度から切り離されており、自治体によって地域間格差が発生してしまう懸念がある。韓国と台湾の施設サービスは、在宅サービスに比べて貧弱であるため、施設サービスの充実を進める必要がある。
 介護職員の人材不足がどの国も深刻で解決策を見出せていない。韓国はいち早く公団が介護職員を管理し、勤務期間を把握して直接奨励金を支給できる長期勤続奨励金制度を創設した。日本も真似すべきではないか。岸田政権も低賃金対策に乗り出し、今年の10月からは介護保険の財源の中で、恒常的に賃金が上昇するように制度化する予定である。しかし、施設サービス人員配置の方針は、日本はITの活用等で、減らす方向にあり質の低下を招く可能性がある。一方で韓国は逆に人員を増やし手厚くする方針に変更した。このように各国によって介護の対応が分かれているため、今後の動向に注目してほしい。

目次へ

【4年6月度 産業懇談会(水曜第1G)模様】

テーマ: 『 TSUCHIYA(株)における業務の効率化について 』

  • 日  時:令和4年6月15日(水) 12時30分~14時30分
  • 場  所:若宮の杜 迎賓館
  • 参加者:19名
スピーカー:
河村 亨(かわむら とおる)
TSUCHIYA株式会社名古屋支社
取締役副社長執行役員
写真:河村 亨氏

会社紹介

 当社は江戸時代の1845年に創業を開始し、1954年に建設会社として設立した。岐阜県大垣市に本社・本店を構え、海外ではシンガポールなど10ヶ所に進出し事業を行う。代表的な建築物には、教育文化施設では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで使用された東京アクアティクスセンターや名古屋市科学館があり、その他に共同住宅や工場、倉庫、オフィス、商業施設など幅広い分野の建物をこれまで建設してきた。

音声認識技術を使った業務の効率化

 建設業界は職人の超高齢化や人材不足、長時間労働という問題を抱えている中で、当社は業務を効率化するために音声認識技術を用いたソフト開発をシステム会社と共同で行った。音声認識技術を使った仕上検査システムや工事現場の工事配筋写真の管理ソフト、概算見積システムを新たに開発し、従業員や協力会社の業務時間を削減することができた。今後は、会議議事録作成ソフトの開発や手書き帳票の音声入力化による簡素化等を行い、生産性向上による働きやすい会社作りを目指していきたい。

目次へ

【9月度産業懇談会のご案内】

 9月度産業懇談会は、下記のとおり開催いたします。
 定員は引き続き、先着30名を目安に、会場収容人数の50%となるよう運営します。
 何卒、ご理解・ご協力賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 会合にご参加いただける際は、マスクのご着用・手洗い、積極的なアルコール消毒の励行にご協力ください。発熱の症状がみられるなど体調不良の方は、ご参加をお控えいただきますようお願いいたします。

グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 集合場所
火曜グループ

富田 茂
広井幹康
深田正雄

9月13日(火)
12:30~14:30

『ハイブリッドワーク化における情報共有の新たな考え方』
サイボウズ株式会社 取締役
中部営業グループ 名古屋オフィス 所長
吉原 克志 氏

名古屋観光
ホテル
3階 桂の間

水曜第1グループ

淺井博司
足立 誠
落合 肇

9月21日(水)
12:30~14:30

『「これからのコロナウイルス感染症対応」と「こども政策の推進」』
衆議院議員 橋本 岳 氏

名古屋観光
ホテル
3階 桂の間

水曜第2グループ

大倉偉作
香川裕子
高見祐次

9月14日(水)
12:30~14:30

『ミッドランドスクエア シネマ 見学会』

蔵人厨 ねのひ
名古屋駅前店

木曜グループ

河村嘉男
中林直子
吉田憲三

9月1日(木)
12:30~14:30

『まさかの時代を乗り越える組織創り
~システミック・コーチングTMによる組織改革~』
学校法人佑愛学園 愛知医療学院短期大学
ゆうあいリハビリクリニック 理事長 丹羽 司一 氏
学校法人佑愛学園 愛知医療学院短期大学
ゆうあいクリニック・デイケアセンター
ゆうあいこども園 学長 石川 清 氏

名古屋観光
ホテル
3階 桂の間

目次へ

【産業懇談会4グループ合同懇親ゴルフ会
のご案内】

 平素は中部経済同友会・産業懇談会の活動にご支援を賜り、誠にありがとうございます。
 恒例となっております4グループ合同の懇親ゴルフ会を下記のとおり開催いたします。

日時
令和4年10月1日(土) 9:00スタート
場所
明智ゴルフ倶楽部かしおゴルフ場
対象者
代表幹事、直前代表幹事、産業懇談会会員
(参加者は会員限りとし、代理出席はお断りさせていただきます)
備考
定員に到達次第、募集を締め切りさせていただきます。
ご参加される方には、別途詳細のご案内を送付いたします。

目次へ

【コラム】

コラム1 【さっかの散歩道】 No.49

長瀬電気工業株式会社
代表取締役 屬 ゆみ子

『 舌の記憶 』

 7月12日、産業懇談会火曜グループにご参加いただいた皆様、ありがとうございました。また、コロナのため人数制限で参加いただけなかった皆様、当日の大雨で会場までたどり着けなかった皆様、次回はぜひともご参加いただけるようになるよう画策してまいります。

写真:例会
ご参加いただいた皆様

 ご参加の皆様は、きっとどこかで「演題と内容が違うやん」などと思われたかもしれませんが、この企画、表向きは北海道大学が世界の大学におけるSDGs取り組みランキングが総合10位、飢餓をなくす取り組みで堂々の1位に輝いたこともあり、おまけに私がワイン畑つくりに北大のご協力を頂いていたこともありのお話で進んでいたのですが、要は「北海道でも美味しいワインができるようになった」というご紹介ができたらいいなぁ…も大切な目的でした。
 毎回の事、ワインのサービスは一番気を遣うところですが、少しの打ち合わせミスなどもあり、良い状態で召し上がっていただけなかったのは本当に心苦しいのですが、これもまた次回への改善点ということでお許しいただけたらと思っています。

 さて「舌の記憶」と聞いて、小説を思い浮かべる方もいれば、漫画「美味しんぼ」を思い出す方もいることだろう。そもそも人間の味覚は3歳までにほぼ決定付けられるようだ。幼いころに何を食したかでそれから以降の好みも決定すると思うと、子供のころの食生活について、不安になり、母に尋ねてみたことがあった。
「なんでも食べさせたわよ」
もともと坊ちゃま育ちの父がかなり食べ物には煩く母も手を焼いていたようで、だったら産直勝負と、当時では珍しいお取り寄せ人間になっていたようだ。そのせいか、母は毎月どこかしらに旅行に行って、現地の漁協やら問屋、土産物屋、あらゆるところで買付し、戻ってくると数日後には玄関先に大きな段ボールが山積みになるなんてことが、日常茶飯事だった。この頃は齢を重ね、もともと運転免許を持ち合わせない母が旅に出る回数はめっきり減ったが、それでも段ボールは届き続けている。
 今でこそ検索ネットお取り寄せ、テレビショッピングは当たり前だが、それが無い時代、私がまだ東京で放送作家をしていた頃には、母が独自で集めたご当地グルメ情報はかなり役に立った。特に旅番組に関しては、撮影前にロケハンと言ってスタッフが下見に行くのだが、限られた時間の中で取材先を探すのはかなり骨の折れる仕事で、そんな時にサッカ母の保管する送り状とアドレス帳はスタッフたちを幾分か気楽にさせていたようだ。
 そんな産直の食生活を送っていたものの、やはり子供の口には合わない食材は多かった。生牡蠣、ウニ、鰻、鱧、からしレンコン、当時は珍しかったゴーヤ等々、もちろん今でも苦手なものはあるが、これを美味しいと言って食べる大人の気が知れなかった。もちろん大人になって食べられるようにはなったものの、最後まで手を焼いたのは鰻だった。穴子は大好物なのに鰻はどうも口に合わない。どちらも同じニュルニュル系で、同じようなかば焼き系のたれで食べるのに。そんな状態で、東京の、某うなぎ屋に連れていかれる羽目になった。仕事ではなかったが、決してお安い食べ物ではないので、残さないように頑張って食べ始めてびっくり。―柔らかい!!その時初めて関東と関西で調理の仕方が違うことを知った。そっか、蒸してあれば煮穴子のふっくら感に近く、食べることができる!ひつまぶしをお茶づけするのがやっとだった私が、また一つ大人の階段を上った!!と一人感激し、名古屋の母に知らせると意外な答えが返ってきた。
「残念ねぇ、これで鰻が食べられないのは家族の中で私だけになったわ」「えっ?」

写真:鰻
先日浜名湖に友人たちと鰻ツアー
ここの鰻は関東風の蒸し焼き

そのあと、母から衝撃の告白が始まる。母はいわゆる偏食で、生野菜が嫌い、すしネタで食べられるのはエビとマグロのみ、川魚嫌い、生クリームや乳臭いのはダメ(とか言って家でケーキとかシュークリームとか焼いてたぞ!)、調味料はみりんの利いた甘系がダメ、お酢も苦手etc…。 「ちょっと待って、だって私たちには残すな、とか好き嫌いを言うなとか言ってたじゃないの」母「だって子供だもの」。思い起こせば、3世代家族全員が一斉に食卓に着くことは滅多になく、日々子供の食事、大人の食事と2回転だった。母がそんな食生活だったとは…今となっては何の食材かわからないけど、涙目になって口に押し込んでいたことを思い出し、心の中でちょびっと叫んだ「この、人でなし~!!」とはいえ今では関西も関東も、それこそヨーロッパの臭めの鰻もおいしくいただいています。

 ワインにも同様に舌の記憶があって、美味しいと人に勧められたり、勉強だからと高いワインを飲んだりした時期もあったが、私が心から「美味しい!」と初めて思った一本は、ディジョンのスーパーで、1本300円くらいで売っていたローヌのネゴシアンブレンド(色々な畑から葡萄を集めて、農協やらメーカーでワインにして売るタイプのワイン)いわゆるワインの地酒だ。フランス人は日々こんな安くておいしいワインを飲んでるんだ、羨ましい…が、その後のワイン好きに発展してゆくのだが、今でもこの感激が私のワインの美味しさの基準になっている。もちろん葡萄の品種や生産者、地域によって味わいは違うのだが、この感動には変わりはない。味覚のみならず、すべての五感がいかにさざめくか…。実はそんな感覚が北海道のワインにあった。以前も記したと思うが、フランス人に「本当においしいワインは海を越えない」と言われたが、高級じゃなくてもそんなワインを作れたら最高!と妄想する日々、とはいえ、北海道は海を越えないと行けないけど(笑)!

目次へ

コラム2 【師、曰く】 No.14

妹尾 鷹幸(ペンネーム)
(株式会社構造計画研究所 名古屋支社長 妹尾(せのお) 義之)

 ペンネームは、恩師、田坂広志先生の多重人格マネジメントの応用、作家人格の名。心に鳴り響く言葉を、今回も一筆。

『 リーダーシップ 』

 【師、曰く】No.3 『人生の三つの真実』 一、人は必ず死ぬ 二、人生は一度しかない 三、人生はいつ終わるかわからない この三つの真実を、痛感する。2022年7月8日 午前11時半、奈良県 大和西大寺駅北口、参院選の応援演説にきた自民党 安倍晋三元首相が銃撃され亡くなられた。まさかこの日本でこんなことが…、ショッキングな事件だった。2020年9月16日、安倍内閣総辞職まで、連続在任2822日、第一次内閣も含め通算在任3188日の憲政史上最長内閣総理大臣として、一国を率いた安倍元首相のご冥福を、心よりお祈り申し上げたい。アベノミクス、積極外交などとともに、森友・加計学園や桜を見る会など批判にもさらされたが、それらは歴史が下す評価に任せ、潰瘍性大腸炎という難病を抱えながらも、この日本、一国を率いられてきた安倍晋三元首相のリーダーシップに、心から敬意を表したい。

 一国を率いる内閣総理大臣に求められるもの、それはリーダーシップに他ならない。しかも、トップレベルのリーダーシップ。首相までいかずとも、経営者、あるいはリーダーの座にある者は誰もが、自身のリーダーシップの力量に疑問を持ったことがあるだろう。無論、私も例外ではない。天与の才能が無いのでは…と悩む。しかし、師、曰く、「リーダーシップとは、生まれながらに備わっているものではない、後天的に身に着けてゆくものだ。」その才能が天与のものではないのならば、救いがあるのではなかろうか。では、如何にすれば、優れたリーダーシップを身に着けることができるのだろうか。

 師、曰く、「リーダーシップを身に着けるためには、理想的なリーダー像を描くこと。そして、それを演じることだ。」演じるというと、偽りがあるネガティブな印象を持たれがちだが、そうではないと。著書『人は、誰もが「多重人格」誰も語らなかった「才能開花の技法」』の内容は、講義でも何度も取り上げられた。我々の中には、多くの人格が眠っていて、リーダー人格も眠っている。覚醒することなく終わる人もいれば、それを呼び覚まし、開花させる人もいる。周りのリーダーから学び、映画から学び、あるべき姿、理想の姿を描き、それを意識的に演じることが重要だと言われる。映画俳優出身の米国ロナルド・レーガン元大統領は、国民の望むリーダー像を演じ切った良い例だと言われる。今は、ウクライナのコメディアン出身ゼレンスキー大統領なのだろう。最初は「様にならない」と評されるが、演じる修行を続けていくと、気づけばいつの間にか天与の人格のようになっていく。様になってきた、板についてきた、風格が出てきたと評されるようになる。リーダーシップの壁にぶつかったら、次のことを自身に問うべきだ。「自分は理想的なリーダー像を心に描いているだろうか?」「それを身に着けるために、日々演じるという修行をしているだろうか?」諦めず続けていけば、自身のなかに優れたリーダーが眠っていたことに気づく。

 私もまだまだ自身に問い掛けねばならない。修行は続くよ、どこまでも。最後までお読み頂き、ありがとうございました。

写真:薔薇
(鎌倉文学館の薔薇)

目次へ

コラム3 【「ほん」のひとこと】 No.165

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

『 お江戸暮らし 』
杉浦日向子著・ちくま文庫

 漫画家でもあり江戸風俗研究家でもあった著者が、「この二刀流をどのように使いこなしていたのか、それを比較して読むことで何か見えてくるものがあるのではないかというのが、この『エッセンス』を編集する動機の一つだった」と、編者の松田哲夫は述べています。副題にある通り、まさしく「杉浦日向子エッセンス」です。著者の「江戸で生きたい」との想いが、ひしひしと伝わってきます。
 読み易い文章と面白いマンガで、「お江戸暮らし」の最良の入門書になっています。300ページを一気に読みました。ただ一か所(291ページ)、「なにげに」は使ってほしくなかったと思いましたが、そんなことを言うと、「気障」(138ページ)だと天国の著者に言われてしまうかもしれません。

目次へ