■会社紹介
KUNIXは、人材を通じてコーポレートデザインをサポートする総合人材派遣会社で、創業当時から「日本の雇用を革新。社会と共に成長し そして今から100年続く会社でありたい。」というスローガンを掲げ事業を行っている。変化を恐れず、人や社会と共に成長や拡大し、働くことの新たな価値観をデザインする企業でありたい。
主な事業は、労働者派遣事業、貨物利用運送事業、一般貨物運送事業(年内申請予定)である。2012年4月の創業開始以降、徐々に拠点を拡大させ、2021年5月に本社機能を備えたKUNIX Vision Towerを建設し滋賀県栗東市に移転した。KUNIXの財産は「人」であり、「人財」と呼ぶにふさわしいと切に感じており、その思いを具現化したのが、KUNIX Vision Towerである。人材が商品であるため、オフィス空間にもこだわり、労働者やワーカーがコミュニケーションを取りやすいよう面談室を設け、開かれたスペースを意識して建設した。
■コロナ禍による物流業界への影響
物流業界は、これまでドライバーの労働環境の問題(長時間労働、低賃金、病気や事故等)が解決されず、若手を始めとして人材不足が長年続いている。このような状況の中、新型コロナウイルスは物流業界に大きな変化をもたらすことになった。コロナの感染拡大により、当初は消費や生産が落ち込み国内貨物の荷動きは鈍化した。その結果、人手不足は一時的に緩和され、高騰が続いた運賃も下落した。足元では、荷動きは回復基調であり、運賃の下落も底打ちをしている。一方で、巣ごもり需要の増加を背景に、宅配便取扱個数は、前年比で大幅増となった。トラック運送における人手不足は、足元ではコロナにより一時的に緩和されたが、依然として事業者にとっては深刻な課題となっている。「人手を増やしたいがこの需要がいつまで続くかわからず不安である」、「ドライバーの募集をかけたが、必要とする人材が集まらない」と悩む経営者が多いのが実情である。
コロナによる景気の悪化の影響により、企業の採用意欲は低下している一方で、バスやタクシー、トラックなどの有効求職者数は、前年と比較して1.5倍に大きく増加し、一転して買い手市場となった。このように物流業界で働きたい人材は徐々に増えてきている。企業のニーズとワーカーのウォンツをつなぎ、企業には確実な人材の確保を、ワーカーにはライフスタイルに合わせた働き方を提案していきたい。
■現状の重点テーマごとの取り組み事項
KUNIXの事業統括本部は、人材派遣営業部、ドライバー派遣部、輸送開発部の3つに分かれる。人材派遣営業部は、人材を必要としている企業と働きたい人という需要と供給をマッチングさせ、適切な人材を企業に派遣する部門である。この部門が開拓するマーケットは、人材派遣業で禁止されている業務以外全てがマーケットになる。時代の変化を的確に読み取り、幅広いターゲット層を開拓することが使命である。営業戦略は、物流倉庫や軽作業の枠の中での製造業(検査・検品)等をマーケットとして活動している。いかに求められる人材を適材適所に供給できるかが鍵となるため、マナーやスキル習得の研修・支援まで、人材の価値を高める為のプログラムを用意している。人材派遣業界には、派遣先企業、労働者、派遣会社の近江商人の「三方よし」の精神が大切である。
ドライバー派遣部では、配送ドライバーの人材派遣や派遣先企業内での荷物、製品の荷下ろし積み込み業務等の倉庫内業務まで行い、企業の輸送ネットワークをサポートしている。開拓するマーケットは、既存業界のドライバー派遣だけではなく、一般家庭向け配送セールスドライバーなどの新しい業界を見込んでいる。ドライバー=運転が危ない、マナーが悪いなどのネガティブイメージから脱却を目指している。KUNIXが派遣するドライバーはセールスマンで、次工程はお客様という概念を持ち、看板ドライバーの教育・育成をすることで、荷主に喜ばれる荷主ファースト精神の構築と植え付けを行っていきたい。
輸送開発部では、全国にある協力会社と連携し、様々な荷物の輸送を行っている。開拓するマーケットは、日本各地の運送会社、大手製薬会社など時代の隆盛を的確に読み取り、必要としている企業に対して、果敢にアタックしていきたい。取扱量の拡大を最大目標とし、ドライバー派遣部と連携し、新規企業との直取引を目指す。既存の大手企業は維持しつつ、多様化するニッチな取引先を新規開拓し、新たなロジスティック戦略を推進していきたい。
■滋賀を盛り上げるためのCSR活動
滋賀の様々な情報を発信するWebオウンドメディア「tap」というwebマガジンを発行している。滋賀の情報をメインとしたコンテンツになっており、実際に足を運んで取材し、広報活動を行っている。パソコンやスマホで閲覧ができ、飲食店や施設から好評を得ている。この取り組みはKUNIXのCSR活動の一環であり、大企業のCSRと異なるところは、広範囲ではなく地域に密着し活動している点である。「tap 滋賀」は滋賀県を盛り上げ、経済活動を活性化させるために活動している。今後は、全国版も視野に入れて、中部においてもこのようなwebマガジンを発信して様々な方に知ってもらう機会があればと考えている。
■今後の新戦略・新サービス
2022年にKUNIXが展開するKUNIX EDUCATIONAL CENTERの開設と、雇用を革新するECP(Employer Convertible Program)というサービスを紹介したい。
KUNIX EDUCATIONAL CENTERは、2022年4月に愛知県名古屋市に中部支店兼研修センターを開設し人材教育の拠点となる。ドライバーに対して、安全に対する意識や座学、技能運転講習が受けられ、ビジネスのスキルアップを目指す事ができる。社外的、社内的に活用できる多目的スペースとして収益の源にしていく。
ECPは、企業が雇用をしていた社員をKUNIXへ転籍してもらい、人件費や雇用に関連するコストをKUNIXが負担する。経営者は、社員を雇用する上での労委関係のトラブルやリストラなどの問題から解放される事がメリットである。労働者は、既存の労働環境より優れたプロフィット(金銭面、環境、待遇、福利厚生面)を享受でき、倒産や失業の不安も解消される。業務を引き継ぐ形で転籍するため、引き続き慣れた環境で働くことが可能となり、所属企業の業務がなくなった場合も、新しい職場で仕事ができる。このように、経営者や労働者によるメリットを最大限に享受できるシステムになっている。このサービスは、物流業界から取り組みを始め、様々な業界に転用していきたい。日本の雇用を革新し、滋賀栗東から全国、そして世界へ歩みを進めていきたい。