■OPEN THE DOOR 正しく恐れて活動再開
・空気を入れ換えよう → 感染対策はしっかりと
・外の景色を見よう → 正しい知識を得よう
・一歩ずつ外に出よう → 閉じこもってばかりもいられない
・いつか店を開けよう → 経済を再活性しよう
■活動の経緯(新型コロナウイルスは「怖い」から「賢く付き合う」へ)
コロナに対する世間の対応に疑問を持っていたところ、同じような考えをお持ちの免疫学者であるペンシルベニア大学准教授の上林拓氏を紹介され、4月から意見交換を始めた。今では名古屋の様々な分野のメンバー18名が毎朝、オンラインミーティングで情報交換を行い、活動の再開に向けて発信を行っている。
■世界のコロナ死亡者ランキング
人口100万人当りの死亡者数は11月現在、北中南米、欧州が上位10国を占めており、1位のペルーで1075人、10位のフランスで553人となっている。一方、下位10国は東アジアが中心となっている。モンゴル・ラオスは0人、10位のバングラデシュは37人、日本は死亡者数14人で8位となっている。理由は定かではないが、日本を含む東アジア諸国の死亡者数が極端に少ないことは事実である。
■免疫の3原則
ウイルスによる発症や重症化は免疫機能が健全に働くかどうかに加え、免疫の3原則と言われる「感染時のウイルス量」×「基礎疾患の有無」×「年齢」が関係している。例えば、ウイルスの増加が1日で2倍になると仮定すると、ウイルス取込量が10と1000の場合では1週間後のウイルス量は640と64,000と大きな差になる。手洗いやマスク着用でウイルスの取込量を減らすことは感染予防に有効だ。一方、肺疾患や糖尿病などの基礎疾患を持つ人、高齢の人はリスクが高くなることも事実である。
■新型コロナが収束するには
(1)集団感染による集団免疫の確立
ウイルスに対する免疫が一番強く備わる方法は自然感染から治癒することである。免疫で守られている人口の割合が高くなると集団免疫を獲得することができる。死亡者数が極端に少ない東アジアでは何らかの免疫を保持しており、集団免疫が確立しているとの見方もできる。
(2)ワクチンによる集団免疫の確立
ワクチンの開発は副作用など安全性の確立に時間がかかり、短期間でできるものではない。また、自然免疫に比べ効果、持続性は乏しくワクチンを軸とした収束には長く険しい道のりが予想される。
(3)治療薬の開発
治療薬でウイルスを除去することはできない。治療薬は重症化を和らげる目的で開発されるものである。治療薬を用い、重症化率を低下させながら自然治癒で集団免疫の獲得を目指すのが現実的だ。ウイルスを除去するには、自身の免疫機能で除去するしかない。
(4)完全隔離によるウイルス消滅
新型コロナウイルスは感染力が高く、既に広域に感染範囲を広げており無症状の感染者が多い事から隔離によるウイルスの消滅は不可能である。コロナの収束に残された道は医療負担を避ける程度に、徐々に自然感染しながら抵抗のある人を増やし、集団免疫を得ることである。
■重症化や医療崩壊のリスクを減らすには
(1)リスクの低いグループと高いグループに分ける
50歳以下で基礎疾患を持たない、重症化リスクの少ないグループから活動を再開すれば爆発的な感染や医療崩壊を防げる可能性は高い。逆に、60歳以上の高齢で基礎疾患を持ったグループは十分に注意しながら保護、行動していく必要がある。
(2)感染時のウイルス量を減らすため、マスクや手払いなどで防護する
感染しても軽症で済むように、感染時のウイルス量を減らす必要がある。しかし、過剰なアルコール殺菌はアレルギーなど免疫異常の疾患を引き起こす恐れがある。人間は昔からウイルスと共存している。人が持つ免疫機能を適正に機能させ、抵抗力を下げずに健康を保つには適度なウイルスが必要である。
(3)免疫機能を高めるように、健康的な生活習慣を心掛ける
免疫機能をしっかり機能させるためには、栄養バランスの良い食生活や適度な運動、十分な睡眠をとるなど、健康的な生活習慣を送るように努力することも大切である。
■日本人の新型コロナウイルスに対する抵抗力
日本人の感染による死亡者が他国より少ない理由として、日本人のHLA型(ヒト白血球抗原)がウイルスに対する抵抗力を示しているのではないかという説がある。多様性のある欧米人のHLA型に比べ、日本人のHLA型は偏っており、その型が偶然Covid19の抗原に一致した可能性がある。また、普段からマスクを着用する生活習慣がウイルス量を減らすことに影響していると考えられる。マスク常用により肺からの感染が少なく、腸からの感染が多い事も肺疾患の発生率や重症度が低い理由と考えられる。BCGワクチンの非接種国は接種国に比べ死亡率が約3.8倍高いデータがある。何らかの関連性はあるが、今のところ機序は不明である。
これから毎年3000人超の死者を出すインフルエンザ流行の季節になる。今年はコロナ対策も相まって例年ほどの感染者は出ないのではと思っている。逆に、過度な除菌が定着してしまうと抵抗力が落ち、ウイルスに弱い若者が増加することを心配している。清潔と抵抗力の関係も考えてみる必要がある。