水曜第1グループの例会は会員同士によるフリートーク形式で開催した。
冒頭、木曜Gメンバーの株式会社ゲイン 藤井英明氏から、「OPEN THE DOOR正しく恐れて活動再開〜私たちが日常を取り戻すべき、これだけの理由〜」と題して新型コロナウイルスについてお話をいただいた後、参加者と活発な意見交換が行われた。
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■新型コロナウイルスを正しく恐れて活動再開を目指す会
免疫学者であるペンシルベニア大学准教授の上林拓氏と名古屋の様々な業界のメンバーが意見、情報交換を行い、「OPEN THE DOOR 2nd Message〜私たちが日常を取り戻すべき、これだけの理由〜」を発表した。(発起人:藤井英明氏、監修:上林拓氏)
時間の経過とともに、新型コロナウイルスの傾向も徐々にわかってきた。その事実と相対的なリスクから判断すれば、私たちは日常を取り戻すことができ、自粛生活から通常の生活へ、活動再開をすることが最善の道であると考えている。
■現在、わかってきていること
PCR検査は陽性が分かるだけで発症を示すものではなく、感染しても8割以上の人が軽症か無症状である。また、感染者数の増幅と死亡者数は比例していない。感染者数に着目するのではなく、死亡者が増加しているかどうかに着目するべきである。
日本における死亡者数は他国に比べ圧倒的に少ないことがわかってきた。アメリカと比べると死亡者数は約1/160となっている。マスクや医療の質の高さなど様々な理由が考えられるが、現段階では正確な理由はわからない。しかし、他国と比べ日本人の死亡者数の少なさはれっきとした事実である。
ウイルスは細胞に寄生しないと増殖ができない。毒性が強く症状が重くなると人は外出を控え、人との接触機会が減る。最終的には人に感染することができなくなり消滅してしまう。ウイルスは感染を広げるために弱毒化し、感染力を強めた方が有利となる。つまり、ウイルスは徐々に弱毒化するものである。
■客観的かつ相対的にみた「リスク」
若年層の多くは軽症か無症状であり、重症化や死亡に至るケースは高齢者や糖尿病、慢性腎臓病、肥満などの基礎疾患保持者がほとんどである。事実から考えると、それ以外の人にはリスクは低いと言える。新型コロナウイルスに限らず、加齢に伴い、様々な疾患のリスクは高くなる。インフルエンザの場合も死亡者の大半は75歳以上の高齢者である。
重症化の方程式は「感染時のウイルス取り込み量」×「基礎疾患保持数」×「年齢」となり、これらのファクターが多いほど重症化しやすくなる。重症化リスクの高い人はウイルスの取り込み量を少なくするよう、マスクや手洗いなどで防護する必要がある。しかし、ゼロリスクの対策は存在しない。ゼロリスク思考を止め、リスクを抑えながら活動をすることを目指すべきだ。
■NEXT ACTION ! の基本方針
- リスク別の対策
- リスクの見直し
- 直接死因のコロナ死者数の許容範囲を設定する。
- 死者数が許容範囲の場合は過剰な感染対策や活動自粛はしない。
- 感染拡大防止を優先するのではなく、リスクを相対的に判断し政策を決める。
- 医療体制の充実
- 指定感染症から外し、他の疾患患者を含めたリスク対策と医療体制を整える。
■さあ、次の扉へ!OPEN THE NEXT DOOR!
活動自粛による倒産や解雇などの経済的被害、肥満や生活習慣病、過度な消毒による免疫機能低下など健康面での弊害、差別やいじめ、自殺者の増加などの社会問題、教育格差や教育機会の損失など様々な問題が広がっている。また、祭りや文化的活動、観光、娯楽など豊かな生活も失われている。社会や経済、豊かな生活のバランスを考え、リスクを正しく理解すれば、新型コロナウイルスの影に怯えることも、生活の質を落とす必要もない。
新型コロナウイルスによる生活の変化を受け、新しい生活様式やNew Normalという言葉を聞くようになったが、より良いライフスタイルを目指し、「New and Better Normal」新しく、より良い日常を創ろう。
<意見交換での主な発言>
Q.新型コロナウイルスはインフルエンザと同じ5類感染症に変更すれば色々な事が解決すると思うが、変更はいつ頃になるのか?
A.オリンピックもあり政府としては早く変更したいと考えている。新内閣が発足し厚生労働大臣も替わったので正しく判断してくれると期待している。
Q.海外渡航には隔離措置があり身動きが取れない。どんな局面で解除される見通しか?
A.東アジアは感染リスクが低く、隔離する意味がない。自由な往来は問題無いと思う。大勢の外国人が往来するオリンピック時には高リスク者への対応をしっかりと行えば数日程度の隔離で問題ないのではなか。政府がリスクを煽っているので、人々のメンタル面が元に戻るように政治と行政がしっかりと対応するべきである。
Q.大半の日本人はOPEN THE DOORに賛同すると思われるが、マスコミが不安を煽っているように感じる。何が要因なのか?
A.OPEN THE DOORの考え方は新聞もマスコミも同意してくれる人は多いが、スポンサーのリスク回避的な考えにより表だって賛同できない。視聴者や購読者のクレームの総攻撃を恐れてリスクを取れない。
Q.若者はあまりテレビを見ずに、SNSを主な情報源としているが、SNSやYouTubeなどでもOPEN THE DOORを発信しているのか?
A.登録者数はまだ少ないが、YouTubeとTwitterとFacebookで発信をしている。
Q.感染させる力は症状のない時の方が大きいと報道で聞いたが、感染をさせるリスクについて専門家はどのように考えているのか?
A.ウイルスは感染するために弱毒化する。弱毒化するからこそ生き残れる。その観点からみると発症する前と発症後では感染力に影響がでるのかは上林先生に確認をする。発症前は体力があり活動的で、発症して元気がなくなった人に比べれば感染させるリスクは高いと言える。
感染させる力は症状がある時の方が強いか、無い時と同等。しかし、無症状の場合の方が人に移すことが出来る期間が短いとされている。大きな違いは症状のある人は他人に近寄らない。無症状の人は普通に近寄るので感染リスクが高い。このリスクを下げるためには無症状の人は高齢者や基礎疾患保持者と接する時はマスクの着用を心掛けることが大事。
Q.マスクやアルコールなどの感染防止対策をいつまで続けなければならないのか?
A.ある程度の対策は必要だが、過剰な感染防止対策は逆に大きなリスクとなる。無菌状態にすることは他のウイルスに対する抵抗力を低下させてしまう。ある程度の雑菌に触れ、抵抗力をつけておく必要がある。
元々、今回の対策でアルコール消毒はほぼ無意味。接触感染リスクは飛沫感染よりも大幅に低いとされている。消毒は環境破壊につながる。そこらにある様々な菌は我々に必要であり、常に共存している。これをmicrobiomeと呼ぶ。我々の皮膚や腸にいる細菌やカビのことである。これらの調和が乱れると色々な病気につながる。そして、子供が無菌状態で育つとアレルギー疾患を起こしてしまう。極力消毒での細菌環境破壊やめましょう。