産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】 第217号 2020.6.30 発行

メールマガジン■産懇宅配便■

令和2年6月度(第217号) 目次
【今後の産業懇談会の運用について 6/22付】
【新会員自己紹介】
木全 幸治氏

竹田印刷株式会社 代表取締役社長

【7月度産業懇談会のご案内】
【コラム】
コラム1 【さっかの散歩道】 No.24
コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.140
【お知らせ】
【今後の産業懇談会の運用について 6/22付】

 6月22日、代表幹事及び産業懇談会世話人一同により打ち合わせ会を実施しました。当面の例会運用は、下記の通りとさせていただくことになりました。
 今後も情勢を注視しながら、臨機応変に対応させていただきます。
 何卒ご理解、ご協力のほどお願い申し上げます。

写真:世話人会の様子

■ 通常例会

・基本方針・・・ 7月より、準備が整ったグループは例会を再開する。
・開催時間・・・ 「14:00〜15:30」を基本とする。(昼食提供は行わない)
・参加対象・・・ ご自身の所属グループ(火・水1・水2・木)への参加に限定し、
先着25名を定員とする。
(他グループへの参加は当面禁止とする。)

いずれも政府通達に基づいた催事主催者へのガイドラインに基づき、運用させていただきます。(出典:内閣官房事務連絡)

■ 4グループ合同懇親ゴルフ会(木曽駒カントリークラブ)
例年8月に開催しておりましたが、本年度(2020)の開催は中止とさせていただきます。

■ 4グループ合同懇親会(後日正式にご案内いたします)
1.日時 2020年10月27日(火) 14:00〜15:30
2.場所 名古屋観光ホテル 3階 那古の間
3.内容 大棟耕介氏 ご講演およびクラウンショー

大棟耕介氏の写真と講演およびクラウンショーの案内

4.その他  参加は産業懇談会会員のみを対象とする。懇親会は開催いたしません。


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【新会員自己紹介】

写真:木全 幸治氏
火曜グループ

木全 幸治(きまた こうじ)
竹田印刷株式会社
代表取締役社長

【竹田印刷株式会社】
〒466-8512 名古屋市昭和区白金1-11-10
URL:https://www.takeda-prn.co.jp

 この度、産業懇談会に入会させて頂くことになりました、竹田印刷株式会社の木全幸治と申します。どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。

 この4月に東京勤務を終えて、名古屋に戻って参りました。東京では経済同友会に入会させて頂いておりました。

 私は、1956年に愛知県小牧市に生まれ、地元の私立大学を卒業後、1978年に竹田印刷に入社しました。7年間名古屋本社で修業をして大阪へ転勤しました。
 その頃はまだアナログ全盛時代で、新製品が出来れば必ずカタログ・パンフレット・ポスターのご発注を頂き、分譲マンションが完成すれば折込チラシを何十万枚とご発注頂ける、良き時代でありました。
 2003年に中国(上海)に現地法人を設立し、数年間責任者を務め、その後東京へ転勤致しました。
 その間、デジタル化が格段のスピードで進み、主流は紙媒体からWebなどの電子媒体となりました。東京では分譲マンションの折込チラシが1回の発注で多いときには300万枚、完売しなければ翌週更に200万枚といった時代もありましたが、今では電子媒体と紙媒体の良いところを組み合せ、二次元コードを駆使して動画と連動させるなどして、お客様のお役にたてるよう努めております。

 中部経済同友会に入会させて頂き、皆様のご指導を賜り知見を深めて参りたいと思っております。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

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7月度産業懇談会のご案内

 7月より産業懇談会活動を再開いたしますが、新型コロナウイルス感染症のリスク回避の観点から以下のとおり運営方法を変更いたします。なお、今後も情勢を注視し、開催可否および運営の変更を行う可能性がございます。予めご了承ください。

  • 開催時間を「14:00〜15:30」に変更
  • 例会のご参加は「ご所属グループのみ」に限定(※他グループ例会へのご参加は当面禁止)
  • 定員は先着25名(※定員の締切はホームページにてご連絡いたします)

 ※会合にご参加いただける際は、マスクのご着用・手洗い、積極的なアルコール消毒の励行にご協力ください。発熱の症状がみられるなど体調不良の方は、ご参加をお控えいただきますようお願いいたします。

グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 集合場所
火曜グループ

富田 茂
広井幹康
深田正雄

7月14日(火)
14:00〜15:30

会員同士によるフリートーク
『コロナ禍による緊急事態を受けて
  〜各社の働き方、経営環境の変化〜』(仮)

冒頭、火曜グループ会員 与那覇 靖氏(医療法人尚豊会理事長)よりスピーチいただく予定です。

名古屋観光
ホテル
2階
曙の間

水曜第1グループ

淺井博司
足立 誠
落合 肇

7月15日(水)
14:00〜15:30

『名古屋市 経済局
  イノベーション推進部の企業支援施策』
名古屋市 経済局 
      参事 秋田 重人(しげんど)氏
名古屋市 経済局 イノベーション推進部
      主幹 飯田 浩史(こうじ)氏

名古屋観光
ホテル
2階
曙の間
水曜第2グループ

片桐清志
大倉偉作
高見祐次

7月8日(水)
14:00〜15:30

会員同士によるフリートーク
『コロナ禍による緊急事態を受けて
  〜各社の働き方、経営環境の変化〜』(仮)

名古屋観光
ホテル
3階
桂の間

木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助
吉田憲三

7月2日(木)
14:00〜15:30

『シリア紛争被災者支援とその課題』
元 国連開発計画シリア事務所
      副所長 須崎 彰子 氏

名古屋観光
ホテル
2階
曙の間

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【コラム】

コラム1 【さっかの散歩道】 No.24
コラム【さっかの散歩道】

長瀬電気工業株式会社
代表取締役 屬 ゆみ子

『 新しい生活って? 』

 この頃ちょっと厄介だな…と思う日本語の表現が多くて、少しばかり困惑してしまうことが多い。特に違和感を覚えるのが「新しい生活(様式)」だ。何かが変わるわけでもなく、ただちょっとばかり立ち位置を考えましょう、コロナ君がそこかしこに居るので…ということなのだろうが、これって「新しい」という言葉に置き換えることが果たして正解なのか?「新しい」と言ってしまったがために、無意識のうちに心の中の“切り替えスイッチ”が入ってしまうことがないだろうか?緊急事態宣言が解かれて以降は落ち着きつつあるが、例えば自粛警察や、マスク警察と呼ばれる自分なりの正義感に突き動かされる行動も“切り替えスイッチ”の影響があるのではないだろうか?

 「新しい生活」と表現される多くの場合は、引っ越しなどで生活環境が変わったとき、また学生から社会人へと、その立場が変わったときであろう。特に海外で生活することになると、まずは言語、通貨、週間、国民性など、全くアウェイな暮らしが始まるわけで、何もかもゼロからの生活を始めなければならない、まさに「新しい生活」となる(あ、大手の駐在さんは海外でも日本式でしたけど)。このような経験を持っていると、今回の事は、私も含めて「ちょっと警戒して周りに気をつけよう」レベルで、何かが新しくなったという感覚は余り持たないのではないだろうか。

 フランスに渡航した年、まずは大学併設の語学学校でサマーセミナーを受けた。その時の先生はブルゴーニュ人気質で凝り固まった60歳を過ぎたマダムだった。ブルゴーニュで暮らす地元民は今もなお「ブルゴーニュ公国」のプライドを持ち続けていて、フランス人でさえもブルゴーニュ以外の人は「よそ者」とはっきり区別する。こんな信念をお持ちの方が学校の先生だなんて日本では想像もつかないが、ちょっと京都に似た排他的なところがあった。

写真:DIJONの宮殿
ブルゴーニュ公国の首都DIJONの宮殿(現市庁舎)
 その先生の最初の授業。普通なら自己紹介やらなにやらで、和気あいあいと済んでゆくのだろうが、勿論私たち以外のクラスはそんな運びだったようだが、なんとこの先生、いきなりビデオ上映を始めた。タイトルは確か「Le Ball」とかそんな感じ(定かではないが)。内容はというと第一次世界大戦開戦前夜のパリが、戦争勃発でドイツ人に侵攻され、通貨も言語も生活も一夜にして変わってしまい、そんな中で民衆が立ち上がり再びパリを取り戻す、という物語なのだがle ball(ナイトクラブ)を舞台に描かれていて一切セリフは無し。先生は私たちに「これについて感想を書きなさい、それがあなたたちの自己紹介になります」と言い放った。なんて怖い先生!半数近くのクラスメートはクラス替えを大学に申し出て名前も告げぬまま居なくなった。私はというと、所詮2週間のセミナーだから出席さえしてれば終わるし…と、高を括っていた(最後に事件が起きたけど)。この映画、先生の手法は別としてフランス人のフランス人たるアイデンティティーが色濃く描かれており、彼らのDNAの中には老若男女問わずREVOLITION(フランス革命)とINDEPENDENC(自立)が根付いていた。先生は異国からやって来た学生たちに「フランスで学ぶということは、フランスを知ることだ」と伝えたかったのだろう…良く解釈すると、多分。フランスはしょっちゅうドイツやイギリスに侵攻されていた。フランス人が貯金をしないのは「明日ドイツが来たら、貯めていたお金は一銭の価値もなくなる」と身をもって知っているからだという人もいる。こんな風に戦争によってすべてが塗り替わるのは、究極の「新しい生活」と言えるだろう。私的にはそんなキャラの濃い先生とのセミナーも「新しい生活」の一端であり、ある意味「苦行」の2週間だった。余談だが、ブルゴーニュの人がプライドで凝り固まっているのは、有史以来一度も他国に侵攻されたことがないという誇りからだと言われている。とは言え、最近ではかなりマイルドになったようだが。

 コロナに関わらず「新しい」と言わないまでも、変化の片鱗は、実はずいぶん前からあったように思っている。日本ではまだまだマイナーな学問「哲学」は、学部のイメージから就職には難儀することが多いと聞くが、最近哲学出身の占い師が増え始め、意外に人気を集めている。これまでの占い師と何が違うのかというと、内容が「ラッキー」「ハッピー」「要注意」メインでなく、どこか僧侶の「説法」に似た、癒し系カウンセリングを受けたかのような、読む人に寄り添う文体になっていたりするのだ。また、海外における哲学と宗教は、相反するとされた歴史が長いので、哲学を勉強して神学に進むとか、神学校から哲学になんてことは滅多にないが、実は哲学を読み解いてゆくと、仏教に通ずる解釈がいたるところに感じられる。最近超高学歴の僧侶が増える中、あえて哲学を勉強してお寺を承継したというパターンも珍しくない。時代が移り変わる時、変化の良し悪しに関わらず心の拠り所として宗教や哲学が好まれる傾向は、歴史のそこかしこに垣間見られる現象だ。特に今回ソーシャルディスタンスのように「集団」から「個」への移行は、自他の存在意義、正当性、承認欲求を消化しきれずストレスを貯めるシーンが増えるので、その受け皿として、仏教、哲学、或いは、前回のWEB公演のテーマにもあった論語などは、密かなブームを呼ぶ。とは言え、そうやって時代が成熟してゆく過程では、カオスを生むし(変なスイッチが入る人とか)成熟しきれずガラガラポンなんてこともある。「新しい生活」は私にとって多分、「新しい」わけではなくて、今まで見て見ぬふりをしていた煩悩と向き合うことだったりするのだろう。ワインの消費量は別として。

 追伸、四苦八苦は煩悩の数、4×9+8×9=108 と言われていますが、これは数字に合わせて漢字をあてたものなのですか?煩悩は108とは限らずもっとあるともいわれていますが、どなたか教えてくださいませ。

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コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.140
コラム【「ほん」のひとこと】

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

『 ヒューマニズム考 人間であること 』
渡辺一夫著・講談社文芸文庫

 長らく復刊を待ち望んでいた名著が蘇りました。

「人類は所詮滅びるものかもしれない。しかし、抵抗しながら滅びよう。」
 この「抵抗」はなにによってできるのでしょうか。(中略)
 「それは人間であることとなんの関係があるのか。」
 と問いかける人間の心根―この平凡で、無力らしく思われる心がまえが中心とならなければならないかと思われます。
 この心根、この心がまえを、あえて、ユマニスム、あるいはヒューマニズムと呼んではいかがであろうかと、わたしは考えております。(206頁)

 西洋宗教改革の時代に、暴力に訴えたルターやカルヴァン等に対し、神の名のもとに殺しあうこと、「それはキリストとなんの関係があるのか」と問い続けたエラスムスやラブレー、モンテーニュなどのユマニストたちの心根を、平易な言葉で描き出しています。世界中で、独裁者が跋扈し、非寛容が蔓延する現代に、改めて読まれるべき一冊です。学生運動末期の陰湿な空気の中で、ややもすると挫けそうになる大学時代の私の心を支えてくれた一冊でもあります。

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