株式会社リーダーズドメイン代表取締役会長
窪田経営塾塾主
窪田 貞三
『企業の進歩発展のヒント:No.31』
【
改革は強い意志と自らの行動から 】
改革という言葉を聴くと違和感を感じます。改革とは「現状を変化させること」「より良い方向に変化させること」だと思いますが、企業組織というものは、常に変化を続けることが必要なのに、改革が必要であるということは、常に変化し続けていないからではないでしょうか?その理由は、組織の中には変化を嫌う人が多く「現状のまま」を好み、その「現状のまま=衰退」であることに氣づかないのです。だから、定期的な改革が必要となるのではないでしょうか?本来「昨日と同じ今日も、今日と同じ明日」もありません。毎日毎日が変化の連続であるはずです。毎日毎日変化を起こしたり、変化に対応していかなければ、机の上の書類のように、いつのまにか書類の山が出来、本来の机の色や形さえ分からなくなってしまいます(そこまで書類整理が出来ない人はいないでしょうが---。)つまり、「より良い方向に変化させること=改革」であれば、毎日毎日改革するという強い意志と行動力が必要です。そして、変化を嫌う部下達を動かすためにも、リーダー自身が自ら行動することが重要ではないでしょうか?
・・・・ <事例研究> 歴史人物シリーズ−14 「
徳川吉宗
」 ・・・・
徳川幕府中興の祖と言われ、徳川幕府を改革した8代将軍徳川吉宗は、徳川御三家の紀伊家から出た初めての将軍であり庶民派の将軍と言われたこともあり、時代劇などでも人氣のあるお馴染みの将軍です。しかし実際の人物像は、ドラマのイメージとは違って顔は色黒でその上あばたのある大男だったと言われていて、将軍になるためにライバルを暗殺したなどの噂もあったようです。吉宗の改革は「享保の改革」と言われ、武士や町人の贅沢を禁じ、倹約の政策を実行し、自ら一日三食を一日二食に減らし、一汁三菜と決めて実行したり、大奥女中を減らす(美女ばかり?を減らしたそうです)などの改革を進め、人事面では大岡忠相の抜擢や庶民のことを考えた目安箱の設置なども行いました。そんな倹約政策に対して、反旗をひるがえしたのが尾張の宗春でしたが、結果的に宗春を藩主の座から降ろすといった強引さもあったようです。
吉宗の享保の改革は、破綻しかけていた幕府財政を再建するための改革であり、幕府がこのような情況に陥った原因が「贅沢」であり「平和ボケ」などから来ていると感じたからでしょう。人は楽を求めます。サボりたがる人も沢山います。そういった情況が続き、蔓延すると、なかなか組織を改革することは難しくなります。そういう状況下におけるリーダーの役割は、強い意志を持ち、自ら正し自ら実行する以外ないのかもしれません。逆の言い方をすれば、部下にとって楽な上司とは、意志が弱く言ったことをやらない上司だと思います。言ったことをやらない上司から指示されたことに対して、部下がどれだけ真剣に仕事に取り組めるかは疑問です。
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●プログレスとは
プログレスとは、『新時代経営コンサルティング手法』として、私の会社である株式会社リーダーズドメインにおいて企業経営ご指導法として用いているもので、日々多くの企業と関わらせていただいています。同じように努力していても「潰さないための経営」より「進歩発展のための経営」のほうが企業組織は生き生きとするでしょうし、企業におけるマイナス面の分析でも、「成り立たせるための分析」よりも「進歩発展させるための分析」のほうがより良い組織創りに繋がる---と言う考えを土台に持ったものが、このプログレスです。 |
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