産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】第63号 2007.8.27発行

 メールマガジン■産懇宅配便■

平成19年8月度(第63号) 目次

産懇宅配便
【19年7月度産業懇談会(水曜1G)模様】 7月4日(水) 12時00分〜14時00分
【19年7月度産業懇談会(木曜G)模様】 7月5日(木) 11時00分〜16時00分
【19年7月度産業懇談会(火曜G)模様】 7月10日(火) 12時00分〜14時00分
【19年7月度産業懇談会(水曜2G)模様】 7月11日(水) 12時00分〜14時00分
【4グループ合同懇親ゴルフ会】 7月21日(土) 7時30分スタート
【新会員自己紹介】
橋本 渉氏 西日本電信電話株式会社 取締役東海事業本部長 名古屋支店長兼務
伊藤 賛治氏 株式会社中部プラントサービス 取締役社長
【9月度産業懇談会開催日程】
【4グループ合同懇親会のご案内】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1  『花ちゃんからの健康だより』
コラム2  『プログレスシリーズ』
コラム3
『苗字随想』
 

【19年7月度産業懇談会(水1G)模様】


テーマ『 企業買収の影響を考える 〜三角合併解禁〜 』

日  時:19年7月4日(水) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:30名

 

スピーカー:
吉田 正道(よしだ まさみち)氏
税理士法人中央総研 愛知本部 公認会計士

吉田 正道氏


 先日、米投資ファンドのスティールパートナーズによってブルドックソース株の株式公開買い付け(TOB)が実施され、これに対抗してブルドックソースは、国内で初めてとなる新株予約権を使った敵対的買収防衛策(ポイズンピル)を発動した。
 昨今、こうした企業買収が盛んで、また、5月1日から施行された三角合併によって、外国企業による日本企業の買収リスクが更に高まってきているような状況であるが、これらにおける事の本質とは一体、何であろうか。
 小泉政権以降、日本と米国は共同パートナーシップを組んで、共に成長を目指すという路線を突き進んできた。そうした中で生まれた改革は、日米年次改革要望書の中に予め盛り込まれており、全てがそのシナリオ通りに進められてきたと断言できる。三角合併解禁もまさにその中のひとつであり、これこそが事の本質といえるだろう。

 三角合併とは、外国企業が日本での企業買収や合併をしやすくするためのひとつの手法である。これは元々、州毎に法律が定められている米国において、州を跨いだ企業の合併が容易でなかったことから生まれた手法である。具体的には、外国企業A社が日本に子会社B社を設立し、そのB社が日本企業C社を買収する場合には、B社はC社の株主に自社株ではなく親会社A社の株をC社の株主に交付する。これによって、日本企業C社は実質的に外国企業A社によって買収されたのと同様の意味を持つことになる。元来、日本の商法では企業買収は行われにくかったが、今回の会社法改正によって、様々な買収手法がとれるようになった。そして、これらを今、積極的に行っているのが、スティールパートナーズのような投資ファンドである。こうしたファンドによる企業買収は、殆どが株価を吊り上げて売り抜けることを目的としており、特に買収先企業の経営に興味があるわけではない。日夜、全神経を注いで体を張って経営に当たり、質の高い製品やサービスを提供しようと経営努力をされている企業経営者とは根本的に異なるのである。こうした買収に対しては、要件を満たせば、敵対的買収の防衛策をとってもよいと認められており、今日本で最も注目されているのは、新株を購入できる新株予約権を既存の株主に予め発行しておくというポイズンピルである。これを実施すれば、敵対的買収にあった場合でも、友好的な株主の株を増やして、敵対的買収者の持ち株価値を下げることが出来る。実務的にも未だ問題は多いようであるが、今後はこうした買収防衛策が主流となってくるだろう。
 これまでは主に上場企業に関した話であったが、では、非上場の中小企業はどうだろうか。最近では、後継者不足などの問題を抱える中小企業の買収も増加している。例えば、高い技術力を持った日本の製造業を対象とした中国を始めとする新興国家からの企業買収も相次いでいるようである。こうした買収が進むと、皆様方の会社、或いは、取引先や仕入先がある日突然、別の会社になっているということも当然考えられ、上場、非上場に関わらず、事業に多大な影響が出ると予想される。従って、こうした企業買収やTOBといった、華々しいニュースに全ての企業が無関係だとは言ってはいられないだろう。
 また、個人投資家にとっても、同様に大きな影響が考えられる。例えば、保有していた日本企業の株が、突然、買収によって外国企業の株に変わることもあり得る。こうした場合、証券会社を通じて、継続して株を売買することはできるだろうが、手数料や取引時間、言語、為替リスクといった面で様々な問題が浮上してくるだろう。従って、こうしたリスクを常に念頭に置いて投資や経営を考えていく必要があるだろう。

 現在、東証の時価総額は、1部と2部を合わせて658兆円である。これに対し、ニューヨーク証券取引所の時価総額は2,592兆円。また、米国企業の中で最も時価総額が高いのがエクソンモービルで、4,778億ドル(約59兆円)である。これに対し、日本で最も時価総額が高いトヨタは約28兆円。この他、日本の基幹産業である鉄、交通、通信、電力といった分野ではそれぞれ、新日鐵:約6兆円、東海旅客鉄道:約3兆円、日本電信電話:約9兆円、東京電力:約5兆円といった規模である。では、米国はどうかというと、GMの時価総額が215億ドル(約2兆6千億円)、GE:3,936億ドル(約48兆円)、AT&T:2,580億ドル(約32兆円)などとなっている。こうして見ると、株価から判断した現在の日本の実力は米国の5分の1程度で、やはり外国企業による買収リスクは依然として高いといえるだろう。

 様々な改革や規制緩和は日米間の話し合いによって決められ、それらは全て日米年次改革要望書にシナリオが描かれている。この先も毎年、改定されていくから、皆様もご自分の産業分野でどのような改革が行われていくか注意深く見ていくべきだろう。
 全ての事柄には、必ず原因と結果がある。何が原因でどんな結果が出たか、更にその現状から先を読むことが重要だろう。皆様も是非、こうした目で年次改革要望書をお目通しいただき、頑張って経営に当たっていただきたい。

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【19年7月度産業懇談会(木G)模様】


テーマ『 中部電力株式会社 川越火力発電所 見学 』

日  時:19年7月5日(木) 11時00分〜16時00分
場  所:中部電力株式会社 川越火力発電所
参加者:12名


 今回は、株式会社テクノ中部の山本社長のご紹介で、中部電力株式会社川越火力発電所を見学させていただいた。一行はバスで午前11時に商工会議所ビルを出発。途中、なばなの里(長島ビール園)にて昼食をとり、午後1時より発電所内の大会議場にて見学会が開始された。始めに、那須副所長より、川越火力発電所の概要をご説明いただいた。

●概要説明
那須副所長による概要説明  本日は、川越火力発電所にお越しいただき誠にありがとうございます。当発電所がある三重県川越町は、朝明川を挟んで村が合併し、川を越えて生まれた町ということでこの名がつけられた。昭和34年に伊勢湾台風がこの地域を襲い、川越でも死者174人という大変大きな被害を受けた。このような災害に見舞われた川越町の活気を何とか取り戻そうと、堤防を復旧し海岸部を埋め立てて、工場の誘致が進められることとなった。こうした流れを受けて、昭和57年に中部電力もこの埋立地に発電所の建設を申し入れさせていただいた。そして、平成元年と平成2年に1号機、2号機の運転をそれぞれ開始。その後、平成8年と平成9年に熱効率に優れた3号系列、4号系列の運転をそれぞれ開始した。川越火力発電所の敷地面積は全体で1km2、名古屋ドーム80個分の面積に相当する。
 中部電力は全部で10箇所に火力発電所を有し、この内、川越は液化天然ガス(LNG)を燃料にした総出力480.2万kWの世界最大級の火力発電所である。LNGとはメタンを主成分とする天然ガスで、硫黄分などの不純物がないため、煤の発生がなく、大変クリーンな燃料である。またLNGは、発火温度が他の燃料に比べて高く、空気よりも軽いという性質を持っているため、安全性も高い。
 各発電設備の定格出力で見た場合の構成比率は、LNGが全体の約40%を占め、この内、川越が約15%と大きなウェイトを占めている。また、稼働率(年間発電電力量に占める割合)が最も高いのもやはりLNG(構成比40%に対し、稼働率は50%以上)で、川越は構成比率15%に対して、実際の稼働率は22%(昨年度実績)にも達する。逆に稼働率が低かったのは、水力発電(7%)と石油を燃料とした火力発電(4%)であった。石油による火力発電の稼働率が低かったのは、ご存知の通り、原油価格の高騰によるものである。
 当発電所には6万トンのLNGを積んだ全長300mの船が毎週一回やって来る。4基ある貯蔵タンク(平成25年までに2基増設を計画中)は、それぞれ船一隻分のLNGを貯蔵でき、この4基のタンクの合計が約1ヶ月分の消費量に相当する。中部電力では燃料の安定的な確保を考えて、LNGをカタール、インドネシア、オーストラリアの3ヶ国から輸入している。一番遠いカタールからは、船で約12,000kmを2週間掛けて運んでくる。こうして運ばれてきた6万トンのLNGは、荷揚げされ一旦貯蔵タンクに移し変えられる。LNGは液化天然ガスというマイナス162℃の超低温の液体であるが、これをそのまま消費するのではなく、気化器に送ってガス化させ、発電設備で消費するという流れを経る。
 日本は地震国であるため、最近ではこの地方の発電所も東南海、南海、東海の三つの地震が同時に発生した場合が心配されているが、ご安心下さい。三つの地震が同時に発生した場合、伊勢湾北部は震度6弱というシミュレーション結果があるが、それに対して当発電所は震度7にも耐えられるような耐震設計がされている。LNG貯蔵タンクも1基につき地下55mまでパイルを1,000本打ち込んで頑丈に固定されている。また、万が一、タンクの変形や横板、配管の破裂があった場合も、防液提と呼ばれる高さ11mのコンクリートの壁で周囲を囲ってあるため、一滴も液漏れを起こすことはない。
 2000年の法律改正に伴い、電力事業とガス事業が自由化され、これによって電力会社がガスを、ガス会社が電気を販売することが可能となった。こうした流れを受けて、川越でもパイプラインを通してLNGを販売する方法と、タンクローリーを使ってLNGを卸販売する方法の2通りでガス事業を始めた。パイプラインは、川越から四日市のLNG基地を経由して四日市火力発電所までの間と知多のLNG基地と名古屋市までの間に敷設されている。また平成25年までに、東邦ガスと共同で川越と知多のLNG基地の海底間にパイプラインを増設することも予定されている。
 火力発電の熱効率は、50年程前までは約30%だったが、昭和40〜50年代に掛けて40%にまで向上し、川越1号機が稼動した平成元年には40%を超えた。現在は、3号系列、4号系列の発電設備で約50%の熱効率を実現している。熱効率50%というのは他の発電設備と比べても大変高い数字である。
 以上のように、川越火力発電所は、1)世界最大級の出力を誇る、2)熱効率に大変優れる、3)大変クリーンであるといった特徴が挙げられる。またこの他にも、地域に親しまれる発電所を目指すため、無料でご入場いただける見学施設(川越電力館テラ46)や発電所の排熱エネルギーを利用した温水プール(有料)、入園無料の緑地公園(グリーンベルトパーク)などを敷地内に併設してある。緑地公園では春先になると桜が咲き、花見を楽しんでいただくこともできるので、お近くにお住まいの方は是非、足を運んでいただきたい。

 那須副所長より発電所の概要をご説明いただいた後、一行は3号系列本館の中央制御室、また3号系列のタービン発電機を見学させていただいた。その後、バスに乗って構内を移動し、LNG貯蔵タンクが並ぶタンクヤード、3,4号系列の煙突を見学させていただいた。概要説明中にもあった通り、構内には緑が多く、また、セキュリティ設備などが充実しているのが印象的であった。約1時間、発電所構内を見学した後、会議室に戻って、質疑応答のお時間をいただき、午後3時に見学会を終えて、一行は川越火力発電所を後にした。

見学風景タービン発電機

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【19年7月度産業懇談会(火G)模様】


テーマ『 最近のコンサルティング・テーマに見る日本企業の課題 』

日  時:19年7月10日(火) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 3階 桂の間
参加者:39名

 

スピーカー:
今村 英明(いまむら ひであき)氏
ボストン・コンサルティング・グループ
代表取締役中部関西代表

今村 英明氏


  ボストン・コンサルティング・グループ(以下BCG)は、44年前に米国ボストンで創業した経営コンサルティング会社である。現在、世界64箇所にオフィスを構え、スタッフ数は約5,000人、売上高は約2,000億円に上る。今や事業規模は欧州が最も大きく、また最近では、日本を含むアジア太平洋地区も急速に成長している。
 BCGジャパンは、41年前にボストンに次ぐ2番目の拠点として東京事務所が開設され、4年前には日本で2番目の拠点として名古屋事務所が開設された。現在では、日本で最も歴史のあるコンサルティング会社として総スタッフ数300名を抱える最大手に成長した。また名古屋事務所は、今年1月から中部・関西オフィスに改め、現在、体制を増強中である。
 BCGが世界でターゲットとするクライアントは、グローバル大企業・金融機関、新興国における大手企業、高成長中の新興企業、世界的なオーナー系企業、大手グローバル・ファンド、国際機関、政府機関、非営利団体などである。日本では、オフィス開設から暫くの間は、外資系企業がクライアントの中心であったが、ここ20年程は日系企業が7〜8割を占めるようになった。もちろん、企業規模もクライアントになって頂く際に考慮する項目ではあるが、それよりも重視するポイントは、「絶対に良い企業にしたい」という強い意志を持つ経営者がいることである。経営者はいずれも幅広い悩みを抱えており、こうした悩みに決着をつけて、実行に促すのがBCGの役割である。BCGでは、消費財、金融、産業財、エネルギー、医療、ハイテク・情報通信等、大半の分野をカバーし、また、テーマ領域も、企業戦略、M&A、組織、販売・マーケティング、業務プロセス、ITと、やはり経営者がお悩みになっている大半の課題をカバーしている。
 コンサルティング業界は大きく経営戦略系、業務・オペレーション系、IT系の3つに分けられる。マーケットサイズでは、IT系が最も大きく、次いで業務・オペレーション系、経営戦略系と続き、我々BCGは、この内の経営戦略系に属する。経営戦略系コンサルティング会社は、グローバルに事業展開しているところが多く、BCGの他にはマッキンゼー、ベインなどが世界での大手の戦略系コンサルタントと呼ばれている。また、IT系では例えば、アクセンチュア、IBMコンサルティング、日系では野村総研などがある。最近では、例えば、富士通やNECといったITベンダーがコンサルティングを行うという例も増えている。また、業務・オペレーション系はそれぞれの専門分野毎に多くのコンサルティング会社が存在し、例えば調査系では三菱総研や野村総研、また金融機関でも多くが総合研究所を設けて調査機能を提供している。また最近では、こうしたコンサルティング業界のグローバル化や集約化が進んでおり、特に我々の属する戦略系の市場へ進出してくるコンサルティング会社も大変増えてきている。
 BCGでは、一昨年から1年を掛けて、BCGを活用いただくと同時に、他の戦略系コンサルティング会社も活用しているというクライアントを対象に、各社の特徴について聞き取り調査を行った。その結果、BCGはテーラーメイドで、かつ革新的な解決策を策定する力がある、クライアントの組織を一緒に動かして実行させる力がある、人材と組織能力を育成する力があるという点で他社と比較して評価を受けた。
 BCGでは、Working with Client=「クライアントと共に働く」を哲学としている。我々はあくまでも黒子役であるが、信念ある意見で対峙するときは対峙するという姿勢を貫き、それぞれのクライアントが抱える事情に合わせてカスタムメイドでご相談に応じている。また、最高品質へのこだわり、世の中を変えるという結果へのこだわりを持って仕事に当たっている。業界の中には、長年の経験から得られた知識、経験を企業に対して提供するというタイプのコンサルティング会社が多いが、我々はどちらかというと、クライアントを一緒に問題解決をしていくパートナーと位置づけてコンサルティングを行っている。
 BCGでは様々な支援テーマを扱っているが、ここ数年は、特に感じる大きな傾向がある。戦略面では、5年程前まではどちらかというとR(リストラクチャリング)=経営の合理化、企業グループの変革等が主なテーマであったが、最近ではG2(Grow/Global)といった成長をテーマとする依頼が大部分を占めるようになった。また、業務・オペレーション面では、隠れた資産の再活用やバリューチェーンの再構築、マネジメント・インフラ再構築といった見直しが進んでいる。また、人材・組織面では、次世代人材の確保・育成、コミットメント組織の構築や本社の再定義などが最近のプロジェクトテーマによく見られる。また最近では、短期間で企業全体を一気に造り変えようという事例も多く、先に挙げた様々なコンサルティング・テーマをいくつも同時に取り組む企業も多い。
 日本企業はここ数年で大変大きな変革期に差し掛かっていると肌で感じている。こうした流れの背景にあるのは、「新興市場の成長」や「顧客企業のグローバル展開」、「Web2.0、ソフト化、サービス化、電子化といった事業環境の変化」、「株主資本主義の定着と圧力」、「業界再編圧力」、「有機的成長(M&Aに頼らない自力成長)の壁」、「環境問題」などである。こうした環境下にある日本企業が様々な課題を乗り越えていけば、5〜10年後には新たな日本発のグローバル企業が続々と出現するはずだろう。

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【19年6月度産業懇談会(水2G)模様】


テーマ『 名駅周辺のエレベーター紹介とエレベーター最新技術 』

日  時:19年7月11日(水) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:21名

スピーカー:三菱電機株式会社中部支社 ビルシステム部 ビルシステム第二課
       課長 水野 和弘(みずの かずひろ)氏
       担当課長  元木 勝正(もとき かつまさ)氏

水野 和弘氏元木 勝正氏


  社団法人日本エレベーター協会の統計資料によると、国内のエレベーター設置台数は3万台弱で、ホームエレベーターや小荷物専用昇降機を含めると3万台強にも達する(2005年度)。また、全世界のエレベーター設置台数は約35万台(当社推定)で、欧州や中東がそれぞれ約5万台、米国が約3万台、東南アジアが約4万台、中南米が2万台弱で、世界で注目されている中国市場では約15万台を数える。また、こうした急速なエレベーターの普及に併せて、その周辺技術もより高い安全性や高速化、省スペース化、ユニバーサルデザインなどが求められるようになってきている。

 名駅周辺では、今年オープンしたミッドランドスクエアに定員33人×2=66人乗り、最大積載量2,150kg×2=4,300kgで、中部地区最高速度の定格速度360m/分を誇る国内初のシースルーダブルデッキシャトルエレベーターを納入した。このエレベーターには、輸送効率や建物の経済性を上げる手段の一つとして海外では主流となっているエレベーター輸送方式のスカイロビー方式が採用されている。これは、超高層ビルを数層に分割して、エレベーター乗換階(スカイロビー)を設置する方式で、各層内はローカルエレベーターがサービスし、スカイロビー階は直通の専用シャトルエレベーターがサービスする。
 今後は益々ビルの高層化が進むと予想され、1,200m/分級の超高速化や積載量40〜50人以上の大容量化といった技術の実現が望まれる。当社では、こうしたエレベーターの技術開発を行うため、愛知県稲沢市にある稲沢製作所にエレベーターの試験塔としては世界一の高さとなる173mの新試験塔を今年10月31日に竣工予定である。

 続いて、エレベーターの最新技術についてご紹介したい。国内では、1972年までエレベーターの公的耐震基準はなく、各メーカーの自主基準に基づいて運用されてきた。しかし、1971年に発生した米国サンフェルナンド地震を受けて、ようやく脱レール防止、巻上機・制御盤固定、地震時管制運転といった耐震基準が設けられるようになった。その後も各地で発生した地震と共に耐震基準も見直され、1981年にはロープ、ケーブルの引っ掛り防止を盛り込んだ新耐震基準が、そして、1995年の兵庫県南部地震では、釣合いおもりブロック脱落防止、調速機ロープの引っ掛り防止などが新たに耐震基準に盛り込まれた。また現在も、2003年の十勝沖地震、2004年の新潟中越沖地震、2005年の千葉県北西部地震などを受けて、耐震基準の見直しが進められているところである。近く、こうした地震から新たに分かった長周期地震動(通常の地震感知器で検出できない小さな揺れ)に対する基準や、エレベーターのサービス復旧時間の短縮や閉じ込め防止などが新たに基準に盛り込まれることになる。
 こうした状況の中、当社でも地震発生時の閉じ込め低減、早期救出、早期復旧対策として、地震の規模に応じてエレベーターの耐震性能を向上させた新しい技術の開発を進めている。例えば、気象庁が配信する緊急地震速報を利用した地震時管制運転システムでは、震源地から離れた場所にある建物の場合、エレベーターに設置された初期微動(P波)感知器よりも速く管制運転に切り替えることが可能である。また、地震時自動復旧システムでは、震度5弱以下の中規模地震の場合、地震後の診断運転、仮復旧を自動で行うことができ、籠内の閉じ込め低減や早期救出、復旧を可能とした。またこの他にも当社では、長周期地震に対応したロープ引っ掛かり防止システムや長周期地震時管制運転システムなどを提供して、エレベーターの耐震性向上を図っている。
 当社では、地震対策以外にも様々なエレベーターの最新技術を提供している。可変速エレベーターシステムでは、乗車率によって駆動装置に余力がある場合に、エレベーターの速度を上げて待ち時間や移動時間の短縮を可能としている。また、大型インジケータ、大型凸文字ボタンで健常者、障害者を問わず誰にとっても使いやすいユニバーサルデザインの採用、マルチビームドアセンサによるドア周りの挟まれ事故防止、籠内をモニタした画像から異常な動きが確認された場合、或いは人がいるにも拘らず倒れていて動く気配がない場合に異常検出をして、ブザーを鳴らして注意を促したり、指定階でドアを開いたりするといった動作を自動で行う防犯システム(モーションサーチI・II)なども充実させ、エレベーターをより安全にご使用頂くための様々な技術を提供している。

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4グループ合同懇親ゴルフ会

日  時:19年7月21日(土) 7時30分スタート
場  所:木曽駒高原カントリークラブ
天  候:曇り
参加者:15名

優勝:大郷 治氏(ジェーシービー 執行役員)
2位:野口紘一郎氏(豊田自動織機 相談役)
3位:遠山堯郎氏(アイチテクノ 代表取締役)

   7月21日、恒例の4グループ合同懇親ゴルフ会が木曽駒高原カントリークラブで開催され、各務・河村両世話人代表をはじめ15名の参加者が日頃の腕前を披露された。
  プレー後は、同ゴルフ場のクラブハウスにて懇親会を開催し、優勝されたジェーシービーの大郷執行役員(スコアはNET72)をはじめ、各賞受賞者の方々の表彰が行われた。ゴルフ談義に花が咲き、楽しく和やかな雰囲気の中、来年の一層の健闘を誓い合って、会は終了した。
  なお、本ゴルフ会の開催に当たっては、世話人代表の竹田印刷 各務芳樹会長に毎年多大なるご尽力をいただいております。ありがとうございました。

4グループ合同懇親ゴルフ大会表彰

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【新会員自己紹介】

橋本 渉氏
水曜2グループ

橋本  渉(はしもと わたる)
西日本電信電話株式会社
取締役東海事業本部長 名古屋支店長兼務

【西日本電信電話株式会社 名古屋支店】
〒460-8319 名古屋市中区大須4-9-60(NTT上前津ビル)
TEL:052-262-0800 FAX:052-291-2115
URL:http://www.ntt-west.co.jp/

NTT西日本の橋本でございます。
7月1日に赴任いたしました。これまでの勤務地は東京、大阪、広島の3箇所で、名古屋は初めての勤務となります。前勤務地は広島でした。

NTTでは今、安心・安全なユビキタス社会の実現に向けて、固定通信と移動通信の融合、通信と放送の連携・融合などを通じた豊かなコミュニケーション環境の構築を目指しており、その中でNTT西日本としては、旧来の固定電話サービスから光回線を使用した光ブロードバンドサービスへの移行を推進しているところであります。

名古屋は今、日本で最も元気のいい都市と聞いておりますが、赴任してみて、ビル建設ラッシュを代表として本当に町に活気があるなあという感じを受けています。この元気をもらいながら名古屋の更なる発展にお手伝いできればと思っています。
どうぞよろしくお願い致します


太田 実氏
木曜グループ

伊藤 賛治(いとう さんじ)
株式会社中部プラントサービス 取締役社長

【株式会社中部プラントサービス】
〒456-8516 名古屋市熱田区五本松町11-22
TEL:052-679-1200 FAX:052-679-1245
URL:http://www.chubuplant.co.jp

中部プラントサービスの伊藤でございます。
この度、前任の室木の後を受け、産業懇談会 木曜グループに参加させて
いただくことになりました。
宜しくお願い申し上げます。
私は、名古屋市内で生まれ、幼稚園から大学までずっと名古屋育ちですが、
残念ながら名古屋弁を話すことができませんので、時々どちらの出身ですかと
聞かれます。戦後の当地域の発展にびっくりしている一人であります。
当社は、中部電力のグループ会社であり、火力・原子力発電所のメンテナンスを
主体に行っている総合エンジニアリング会社であります。
ライフラインの一つであるエネルギー供給の一翼を担う会社として
安全、安心、安定と安価の4つの安により、社会に貢献すべく努力しております。
中電興業時代も、同じ木曜グループに参加させていただき、異業種交流により
視野を拡大してまいりました。引続き、ご指導ご鞭撻の程、お願い申し上げます。

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【9月度産業懇談会開催日程】
(9月19日以外、場所は名古屋観光ホテルです。)
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
9月11日(火)
12:00〜14:00

株式会社TENPAKU・R
代表取締役  千葉 スイ子氏
「ストーリーのあるドラマ・・・苦悩からの逆上がりの話」

18階 伊吹の間
水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
9月19日(水)
11:00〜16:00
株式会社えびせんべいの里
代表取締役 白藤 嘉康氏のご案内
「えびせんべいの里工場見学とせんべいの手焼き体験」
愛知県知多郡
美浜町
水曜第2グループ 片桐清志
谷田利景
9月12日(水)
12:00〜14:00
株式会社日立製作所中部支社 理事支社長 古市 栄一氏のご紹介
株式会社日立製作所
セキュリティ・トレーサビリティ事業部
トレーサビリティソリューション本部
本部長 川口 俊孝氏
「ICタグの活用について」
18階
伊吹の間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助
9月6日(木)
12:00〜14:00
全日本空輸株式会社
執行役員名古屋支店長 柴田 司氏
「ANAフリート戦略と次世代旅客機Boeing787」
18階
伊吹の間

4グループ合同懇親会のご案内

日時

10月22日(月) 18:00〜20:30(17:30 受付開始)

場所 名古屋観光ホテル 2階 曙[東]の間
電話:052−231−7711
 会費 お一人 10,000円  ※当日、受付にて頂戴いたします。
当日の予定 17:30〜 受付開始
18:00〜19:00 公演「朗読と歌でつづる金子みすゞの世界」
19:00〜20:30 懇親会(着席形式)
演奏者 中田裕子氏(朗読・芝居)
名古屋短期大学保育科卒業。総合劇集団俳優館所属。主な舞台出演「Fly Me To The Moon〜わたしを月につれてって〜」/ひとり芝居「わらべは、みたり〜童謡詩人金子みすゞの音符〜」/名古屋市文化振興事業団「サウンド・オブ・ミュージック」マリア役ほか
内田公仁子氏(ソプラノ)
名古屋音楽大学声楽学科卒業、同大学院修了。ヴィクトリア室内合唱団に所属。尾張音楽家協会会員
田中良夫氏(テノール)
慶応義塾大学経済学部卒業。男声合唱団・グランフォニック団長兼コンサートマスター。また、音楽企画フィガロミュージックを主宰する。
向川原愼一氏(作曲・進行)
早稲田大学第一政治経済学部卒業。長年にわたる合唱指揮・指導のかたわら幅広いジャンルの作曲・編曲活動を続けている。
早瀬洋子氏(ピアノ)
愛知教育大学音楽科、同大学院終了。長年にわたり多数のオペラ、オペレッタ、ミュージカルに稽古ピアニスト、コレペティトゥーア、ピアノ公演ピアニストを務める。
ご案内先 代表幹事および産業懇談会メンバーの皆様
事務局連絡先 担当:内田・藤原
電話:052−221−8901
そ の 他
  • 食事の手配等準備の都合上、ご出席の場合は、ご案内状に同封しておりますFAX用紙で10月15日(月)までに必ずお知らせ願います。
    また、ご同伴のご家族がいらっしゃる場合は、FAX用紙の余白にお名前をご記入くださいますようお願いいたします。
  • お取り消しにつきましては、10月18日(木)までにお知らせください。
    それ以降にご連絡いただいた場合は、会費を申し受けることになりますので、悪しからずご了承願います。

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【お知らせ】

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【コラム】

花ちゃんからの健康だより
〔花ちゃんからの健康だより〕 No.41

財団法人 愛知健康増進財団
保健師 佐藤 花子

『  お手軽筋トレ  』の話

 暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。暑さのために意外に夏は運動不足になり、夏太りをしてショックな方も多いですね。低下した筋力のまま、さらに食欲の秋に突入する可能性があります。そうならないために、仕事の合間や自宅でテレビを見ているときにでもできる手軽な筋肉トレーニングをご紹介します。

【1】「いすに腰掛けたまま足踏み」運動 
 足を交互に上げ下げします。慣れてきたら、足を床から少し浮かしたまま同じように足踏みをします。ちょっと疲れたなと思うまで続けます。初めはゆっくりから徐々に速くしてみましょう。

【2】「いすから立ち上がり⇔座る」運動
 日常の生活動作に直結する太ももの筋肉(大腿四頭筋)とお腹の筋肉(腹筋)がともに鍛えられます。立ち上がるときに息を吐くのがコツ。口をすぼめて「ふーっ」と吐き出しましょう。血圧の急な上昇を防ぎます。一度に20回を毎日1回程度で十分です。お腹をへこませることを意識してゆっくり行いましょう。
 加齢により筋肉が衰えるメカニズムはまだ解明されていませんが、筋力低下の30〜40%は遺伝子にプログラミングされていて、あとの60〜70%は運動量や栄養などの生活習慣によって決まるといわれています。何もないところでつまずいたり、猫背になったり、座るとすぐに足組みしたりする癖は筋肉の低下によるものです。運動のために大切な太ももの筋肉は25〜30歳のピーク後、70歳ごろには約半分の量になってしまいますが、筋トレをしていれば減少率を20%程度にとどめることが可能です。日常において、掃除好きな人は毎日筋トレをしていることになりますし、リモコンを使わない人、探し物が多い人も筋トレしているといえます。とくに老後は、運動能力の程度によって人生が変わるといっても過言ではありません。日々「こつこつ貯筋」にも励みましょう。

老後の備え  貯金と貯筋が必要なり

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コラム【プログレスシリーズ】

株式会社リーダーズドメイン代表取締役会長
窪田経営塾塾主
窪田 貞三

『企業の進歩発展のヒント:No.29』

【 苦労はリーダーを育てる 】

 人の氣持ちが分からなければ、真のリーダーにはなれません。では、どうすれば人の氣持ちが分かるようになるのでしょうか?例えば、体の丈夫な人に体の弱い人の氣持ちが分かるでしょうか?また、辛い経験をしたことがない人に、辛い経験をした人の氣持ちが分かるでしょうか?人は自分中心に、自分が経験したことを中心に考えるようです。ということは、経験が豊富である人の方が人の氣持ちが分かりやすいものだということです。つまり、経験を積み重ね、いろんな人の氣持ちが分からなければ、いろんな人を使うことが出来ないわけであり、自分に合う部下しか使えないリーダーとなってしまいます。経験は人にとっての宝物と言えます。そして、経験の中でも、より貴重な宝物と言えるものが「苦労」ではないでしょうか?私は、苦労とはその時の自分の力以上の負担やプレッシャーなどだと思います。乗り越えれば自分のレベルを上げることになり、乗り越えられなければ、現状維持か、後退になるということです。つまり、苦労などの経験が豊富であると同時に、その経験をどのように受け止め、どのように生かすかが重要だということです。

・・・・ <事例研究>  歴史人物シリーズ−12 「 徳川家宣 」 ・・・・

 甲府藩主・徳川綱重(甲府宰相)の長男で、3代将軍徳川家光の孫に当たる6代将軍徳川家宣は48歳で将軍となりました。徳川歴代将軍の中で初代家康を除けば最高齢で将軍となった人物です。家宣の政治方針は仁政であり、悪評の高かった生類憐みの令や酒税の廃止などの多くの政治改革を実行するという氣概を示したため、庶民からの人氣と期待はとても高く、学問好きの名君とも呼ばれたようです。その性格は、先々のことまで考える思慮深い性格だったようです。そういう性格を育んだのは、幼いころから他人の手で育てられ、不遇な少年期を過ごした下積み時代が長い苦労人だったからだと思います。しかし、在職わずか3年後の正徳2年(1712年)10月14日に死去。志半ばで、その成果を見ることなく、享年51の人生でした。

事例へのコメント

 初代将軍家康が苦労人であったことが、天下を取る器の一つであったように、苦労人家宣も将軍としての器を持っていたのでしょう。現代の政治の世界を見ていても、リーダーに対して「庶民の氣持ちが分からないようでは駄目」「人を見る目がなければ駄目」「場の空氣が読めないようでは駄目」などということが囁かれています。そして、結論的には「経験豊富なリーダー」が求められているようです。徳川十五代の様々な将軍でも、現代の政治家や企業経営者においても、同じことが言えるでしょう。もちろん、経験や苦労をすれば皆成長するとは限らず、経験や苦労を糧に出来る精神力やプラス思考を持った人物でなければいけませんが。

いろんな経験や苦労を糧に出来る精神力やプラス思考を持ちましょう。

●プログレスとは

 プログレスとは、『新時代経営コンサルティング手法』として、私の会社である株式会社リーダーズドメインにおいて企業経営ご指導法として用いているもので、日々多くの企業と関わらせていただいています。同じように努力していても「潰さないための経営」より「進歩発展のための経営」のほうが企業組織は生き生きとするでしょうし、企業におけるマイナス面の分析でも、「成り立たせるための分析」よりも「進歩発展させるための分析」のほうがより良い組織創りに繋がる---と言う考えを土台に持ったものが、このプログレスです。

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コラム【苗字随想】
〔苗字アラカルト〕 No 63

片桐清志

『  大と太と多  』

 8月の猛暑はついに74年ぶりに過去最高気温を更新した。40.9度を記録した多治見が一躍全国区に名乗りをあげた。そこで今回は多治見に敬意を表して「多」をとりあげた。例によって、今回も紛らわしい「大」と「太」と「多」の3文字に注目してみる。
 「太田」「大田」はうっかりすると同一視してしまう。見間違いは少ないが同じ「オオタ」という読み方では「多田」もある。同様に「オオムラ」には「大村」「太村」「多村」が、「オオシマ」にも「大島」「太島」「多島」が、「オオイ」にも「大井」「太井」「多井」が、「オオタニ」にも「大谷」「太谷」「多谷」がある。
 人気のトップはやはり「大」だ。大で始まる苗字だけでも1250種以上ある。「多」も人気は高く約280種、「太」は100種ほどだ。一字姓は各字ともあり、「大」には(オオ、オオノ、オオカミ、マサル、ハジメ、タイ)が、「太」には(オオ、オオノ、タイ、フト、フトリ)、「多」には(オオ、オオノ、オオタ、タ、マサシ)の読み方がある。さすがに3文字全部を組み合わせた苗字は見つからなかったが、「大多(オオタ)」「太多(オオタ、タダ)」「多太(タダ)」の2文字姓はある。さらに「多々(タダ)」「多多(タダ)」のようにやたら「タ」がいっぱいの姓もある。
 苗字なのか普通名詞なのか紛らわしい苗字も多い。「大」で始まる苗字は種類が多いだけに盛りだくさんだ。その一端を紹介すると「大任(オオトウ)」「大役(オオエ)」「大器(オオシナ)」「大物(オオモノ)」「大関(オオゼキ)」「大名(ダイミョウ)」「大御所(オオゴショ)」「大納言(ダイナゴン)」「大臣(オオオミ・タイシン)」「大王(ダイオウ)」などは堂々としていて名乗る時に気持ち良さそうだ。また「大仏(オサラギ・ダイブツ)」「大判(オオバン)」「大奥(オオオク)」「大学(ダイガク)」「大鳥居(オオトリイ)」「大砲(オオヅツ)」「大俵(オオタハラ)」「大漁(オオラ)」なども景気がいい。「大志(タイシ)」「大穴(オオアナ)」「大当(オオアテ)」「大勝(オオカツ)」「大手柄(オオテガラ)」なども苗字だと言われるとびっくりする。
 「多」で始まる苗字では「多聞(タモン)」「多芸(タゲ・タキ)」「多子(タコ)」「多富(タトミ)」「多米(タメ)」「多寿(タス)」「多恵(タエ)」なども縁起が良さそうだ。少し変わり種では「多毛(イナゲ)」「多口(タグチ)」「多目(タメ)」や「多勢(タセ・タセイ)」「多数(タセ)」などがある。
 「太」では「太古(タイコ)」「太鼓(タイコ)」「太巻(タマキ)」「太縄(オオナワ)」「太閤(タイコウ)」「太平(オオヒラ)」「太陽(タイヨウ)」や、名前と間違えそうな「太郎(タロウ)」がある。

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【平成19年8月号編集後記】

 夏休み明けの8月22日に恒例の中部経済同友会夏季セミナーが開催された。32回目になる今年のテーマは「宇宙」だ。モノづくり中部の自動車産業に続く次世代産業として「航空宇宙産業」を視野に入れた企画だ。講師は戦後の日本の航空宇宙産業界を今日まで育ててきた第一人者の三菱重工の西岡会長と、日本で最初の宇宙飛行士となった毛利衛さんだ。
 西岡氏からは「航空宇宙産業への期待と責務」と題して、日本の航空宇宙産業の歩みと課題、そして将来への期待を1時間半にわたって熱き思いをお話いただいた。欧米が航空宇宙産業を戦略産業と位置づけ国と一体になって取り組んでいる中で、日本としても国家戦略としての取組みが必要と力説された。ハイテクの粋であり、部品総数が600万点以上に及ぶ航空宇宙産業には産業界の総合力と長期的視点に基づく技術開発戦略が必要だ。「現在の日本の航空宇宙産業の国際競争力は自動車産業の昭和40年代に相当する。国益を忘れず長期的視点で執念を持って取り組めば航空宇宙産業も今日の自動車産業のように欧米に比肩する産業に育つ。今がラストチャンスだ。」との言葉が印象に残った。
 毛利さんからは「宇宙環境への挑戦」と題して、2回目にミッションスペシャリストとして搭乗した「エンデバー」からご自身が撮影したハイビジョン映像で我々を宇宙空間へ運んでくれた。生命にとって地球がどんなに恵まれ、素晴らしい環境かを実感できる映像だ。その生命のつながりを宇宙的視点から解説いただいた。「生命という個性は環境との出会いで突然素晴らしい力を発揮する可能性を誰もが持っている」というメッセージに勇気が湧いてくる。200名を超える参加者が両氏の講演に暑い夏を忘れ、宇宙への熱きロマンに浸った。
 今月の「産懇宅配便」も熱気いっぱいだ。4つのグループの例会模様と2人の新会員のご紹介、いつもの連載コラム3篇と盛りだくさんだ。水曜第1Gの吉田氏が指摘する「年次改革要望書」のもつ意味合いは「拒否できない日本」(関岡英之著・文春文庫)にも詳細が紹介されているので参考にされたい。木曜Gはテクノ中部の山本社長のご好意で世界最大級の川越火力発電所を見学させていただいた。この夏の猛暑で中部電力のピーク需要も過去最高を更新したが、これを支えているのがこうした発電施設だ。環境対策や地震対策の最新事情を勉強させていただいた。火曜Gの今村氏はコンサル業務を通じて、日本企業が大きな変革期にあると指摘する。そして様々な課題を克服した5〜10年後に日本発のグローバル企業が続々出現するだろうと予言している。水曜第2Gは最近何かと話題の多いエレベーターの勉強をした。三菱地所の峰氏のご紹介で、三菱電機のエレベーター専門家の水野氏から名駅周辺のエレベーターと最新技術のお話を伺った。高層ビルに不可欠のエレベーターの最新事情や地震対策などの最新技術をご披露いただいた。

 ところで長い間「産懇宅配便」発行のお手伝いをしていただいた同友会事務局の亀井さんが9月末で退職することになった。亀井女史には本誌の編集に並々ならぬ情熱を注いでいただいただけに大変残念だ。本ページを借りて今までのご苦労に感謝の意を表したい。

(片桐)