産業懇談会   第48号 2006.5.25発行



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平成18年5月度(第48号) 目次
【18年4月度産業懇談会(水曜2G)模様】 4月12日(水) 12時00分〜14時00分
【18年4月度産業懇談会(水曜1G)模様】 4月19日(水) 12時00分〜14時00分
【18年5月度産業懇談会(水曜2G)模様】 5月10日(水) 11時00分〜16時00分
【18年5月度産業懇談会(木曜G)模様】 5月11日(木) 18時30分〜20時30分
【新会員自己紹介】
市川 忍氏 トヨタ車体株式会社 執行役員
江川 建男氏 株式会社名鉄エージェンシー 代表取締役社長
千賀 哲郎氏 株式会社アイシン・リビングプランナー 取締役社長
多湖 利信氏 株式会社多湖不動産コンサルタント 代表取締役
中島 肇氏 キリンビール株式会社名古屋工場 工場長
西村 利夫氏 医療法人朋寿会  社主
横井 紫光氏 宗教法人弘法山遍照院 副住職
【6,7月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1  『花ちゃんからの健康だより』
コラム2  『プログレスシリーズ』
コラム3
『苗字随想』

18年4月度産業懇談会(水曜2G)模様

 テーマ:『 雪印乳業の再建を目指して 』

日 時: 4月12日(水)12時00分〜14時00分
場 所: 名古屋観光ホテル 18階 オリオンの間
参加者: 30名

スピーカー:
  広部 敏昌(ひろべ としまさ)
  雪印乳業株式会社 中部支店長
 

 雪印は1925年に酪農家たちによって作られた会社で、この年にバターを発売。1934年にはチーズを発売。1954年には6Pチーズを発売し、この3点は今も変わらぬデザインで販売している。当社は2000年と2002年に大きな事件を起こしたため、会社の存続の危機となり、2003年に、乳製品だけの会社として再スタートした。
  2000年6月27日、大阪工場でつくった、低脂肪乳によって13,000名にのぼるお客様に食中毒事件を起こした。当初は大阪工場での原因がわからず、8月になって、北海道の大樹工場の脱脂粉乳が原因となったことがわかった。この事件は同年6月27日に和歌山で1件目の連絡があったことに端を発している。
  2002年には関連会社である雪印食品が、1月に営業冷蔵庫で偽装をしていたことが新聞報道され、2月には解散記者会見、4月に会社を解散する事態となった。
  当時の販売シェアはバター・マーガリンで45%程度、チーズは、37%程度だったが、食中毒事件でそれぞれ、20%、15%程度に下落。その後、再び戻したものの、偽装事件でまたダウンすることになった。
  この事件は、社内の倫理で動き、管理・営業・生産それぞれの縦割り組織、リスクマネジメントが欠如し、トップに悪い情報が伝わらない体質がその要因だった。
  食中毒事件の後、再建計画を策定したが、偽装事件のため、改めて新再建計画を策定した。
この中で、事業構造の改革、財務体質の強化、そして企業体質の変革を盛り込んだ。2002年の6月には、当時の全ての役員が退任し、新しいボードメンバーとなり3つの約束をした。2003年度での黒字化。2005年度における未処理損失一掃。2006年度決算における復配である。
  まず、事業の構造改革として、牛乳、育児品(粉ミルク)、アイスクリーム、医薬品(経腸栄養剤)を分社し、業界における最適パートナーと提携した。冷凍食品は2006年に完全に譲渡した。6,000人の従業員は、分社化や雇用調整をした結果、1,500人になった。
  また、財務体質では、109億円、38社に増資を引き受けてもらい、200億円の優先株式を発行。資本金を5億に減らす減資、株式の併合を実施した。さらに300億円の債務免除をしてもらった。
  最も重要な企業体質の変革については、まず、本当に企業として存在する意義があるのかどうかを社内で検討した。そして、トップダウンではなく、社員で作って守ろうということで、アンケートを実施したのを手始めに、社外からも意見を集め、新たな理念・ビジョンと行動基準を策定した。行動基準は、社長を含め全社員が宣誓する。毎年、全員が署名して6月27日に企業倫理委員会に提出している。ホームページでも行動基準を公開している。
  また、1月23日の事件を風化させない活動の日として、社長のメッセージを全国の事業所に配布するとともに、講演等を開催。社外取締役として、日和佐信子氏を社外取締役に招聘して社外の視点からの価値観を取り入れた経営を実施することにした。
  企業倫理委員会は毎月1回開催。更に品質部会では工場の監査で、ラインチェック。表示部会ではパッケージのチェック。消費者部会では雪印の活動そのものを意見交換している。コンプライアンス部は、企業倫理委員会の事務局である一方で、社内のホットラインを設置して、社内に法令違反があれば、それを通報できる仕組みづくりをしている。
  以前、お客様センターは、6箇所分散型で、土日は休み。9時から17時までしかやっていなかった。これを365日、9時から19時までに変更して開設している。現在、一元管理をして、一日100件の電話が寄せられている。この内30%は苦情で、残りは提案や質問に関するものである。この提案を商品に反映するようにしている。その他、酪農家との接点を持つ機会、工場開放デー、史料館を生かしたイベントなどを設けて行動変革を行っている。
  インナーコミュニケーションとして、現場にトップが回るようにした。社長が全国をキャラバンし、中期計画の説明、決算の概要を説明するようになった。社員から社長への直通メールを開設し、従業員の家族には毎年、社長自ら、再建の状況を伝える手紙を出している。
  危機管理体制の整備としては、顧客からの品質苦情があり、商品事故重大化の予測が立てられた時には、直ちに社長へ一報がなされるとともに、緊急本社品質委員会を設置して商品回収の必要性を判断する。苦情、工場でのトラブルなどは365日、社長や役員に報告している。情報公開としてホームページでも、こうした取り組みを紹介している。
  雪印はメーカーなので、基軸は商品の開発で、ライフステージに合わせた、子供でも大人でも食することができるものを提供することが必要だと思っている。その中で、MBPは骨を強くする機能を持っていて、アメリカで、産業発展功労賞を受賞することができた。
  さて、新再建計画は昨年9月に半年前倒しで完了したと宣言。現在は中期経営計画を作って、遂行しているところだ。そこでは、収益力・財務基盤の強化と基幹情報システムの刷新を掲げている。依然として有利子負債が700億円あり、そのうち、200億円は遊休資産の売却等を進めて削減する予定だ。
  健土健民は、良い土の上には良い民が育つという創業の精神である。これを原点として、コンプライアンス、安全、安心を基盤として商品開発を行う必要がある。S(専門性)、S(スピード)、K(革新性)を中期計画の合言葉として達成したいと考えている。

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18年4月度産業懇談会(水曜1G)模様

 テーマ:『 「働く人への環境改善」トヨタグループ様に教えられたこと 』

日 時: 4月19日(水)12時00分〜14時00分
場 所: 名古屋観光ホテル 18階 オリオンの間
参加者: 21名

スピーカー:
    淺井 博司(あさい ひろし)
   ニューライトサービス株式会社 代表取締役
 

  働く人への環境改善というテーマでお話するにあたって、私どもの仕事を理解していただくため、すこし業務内容をお話したい。
  当社は、私が大学を卒業してから、3人ではじめた会社で、ニューセラミックのアルカリイオン発生器を開発して、東芝機器さんに販売することから始まった会社だ。しかし、部品の供給ということでは成長に限界があって、自動給茶器を販売することになった。当初、オフィスをいろいろ回ってみたものの上手くいかず、女性のいない職場を狙ってトヨタさんを訪問した。たまたま、人事の厚生担当者が相手をしてくれ、丁度良いところへ来たと話が進んだ。それが今では15万人ぐらいの方に利用していただいていることになった。
  当社の仕事は、人事、厚生、総務、工場でいえば、安全管理課という職場が主体だ。そこで、オペレーション・現場の方々が一番の原動力であるので、どういう環境にしていくのがベストなのか。これを企画・提案するサービス業務を請け負っている。
  給茶、ティーサービスをすることによって、ホットタイム、ちょっとした息抜きをしてもらう。ホットコーナーは情報発信、コミュニケーションの基地として工場の中に作らせてもらっている。そして、非接触のICカード、ICタグは第一にセキュリティーを重視していて、入退出の管理をする。これを、食堂で使っている。食事をいかに早く出し、満足してもらって、早く出て行ってもらうか。工場で働いている方々は7分で出て行く。あっという間に出て行ってしまう。そこでは食券を使っていては間に合わない。工場では、600席を3交替させるようになっている。これを使って、食堂、売店で使ったものを給与天引きする。さらに、このICタグはトヨタさんでは生産管理システムの中で、どこでいつ作ったかをトレースするものとして利用しようとしている。 
さて、見える化や、VE、VA、VI活動では、コストの点ばかりが言われていて、トヨタさんが、どれほどコミュニケーションをとることに努力しているかが見えてこない。
  トヨタさんが、どういう環境を整えているか。実は、家族のような関係を職場毎に持っているということが経営の最大の基礎ではないか。工場の各組、各班ごとに家族的なかかわりがある。管理側が親とすると、現場は子であり、そこには健全な対立関係がある。良いことがあると誉め、悪いことがあると皆でなぜかと考える。
品質管理の部門では、ディーラーからの顧客の悪い情報も、良かったという情報も伝えている。そういうことで、調和のとれたコミュニケーションを常にしていると思う。
  そのコミュニケーションで、トヨタさんの最も驚くべきところは、社長、副社長を初めとして末端管理者にまで、話したことがその日のうちに流れている、そのスピードだ。ここが他の会社と少しちがうところだ。
  管理する側とオペレーション側は情報の発信と収集を能動的に行っていて、足で情報収集に努めていると思う。
  さて、通常の福利厚生と思っていたことが、トヨタさんは違っているという例を示したい。
  ある役員に、「品質や安全というのはひと手間かけてもらうことだ。このひと手間をかけることで不良品がなくなる。」といわれた。安全も少しの手間で、やけどや怪我がうんと減ると。
  このためにどうするか。オペレーションの人にひと手間をかけてもらうわけなので、その分、休憩してもらいたい。ひと手間かけるために、ひとゆとりが必要だということだ。それが、ティーコーナーを作ることだ。このティーコーナーで井戸端会議をしてもらう。食堂を利用しずらい人のために、お弁当を食べる場所を作っている。もともとは、工具があった場所に、スペースをわざわざ空けて作っている。
  見える化、VA、VEなどをやる時には、それをやる前に働く人の気持ちを変えていかないとできない。これは、どこの本にも書かれていない。その人を変える仕組みを考えておられる。しかも、そのコーナーは、油だらけの工場の中にあっても、どこかのファミリーレストランと見紛うほど、きれいなつくりにしている。すると油まみれでは入れないので、工場の中を、まずきれいにする必要がある。それをまた、考えさせるわけだ。
  心理学的に、落ち着くということで、工場の柱を何本かピンク色にするという事もしている。ホットコーナーでは、やる気をだす色ということで、黄色の配色をしたりもしている。
  当社の提案で、駅や空港にある掲示板の大型ディスプレーを使って、会社情報だけでなく、釣り大会だ、ゴルフ大会だとコミュニケーションの画像を映し出すこともしている。ローテクとハイテクをミックスさせてコミュニケーションの仕組みを考えたものだ。我々が提案する以上に、トヨタさんの方から、こういうものが出来ないかと言われる。
理論だけでは、TQCや、見える化をやれといっても実行できない。根本はオペレーション・現場で働いている方々にも、経営者が、どこまで気配りができるかだ。
トヨタさんは、当社のようなオーナー企業ではないが、社員ひとりひとりが会社のため、皆のためだと思っている。トヨタさんの新しいビルが名古屋駅に間もなく建つ。あれだけのものを維持するのにどれだけかかるのかを考えると、当社が、同じサービスをするのにも一から見直す必要がある。材料の見直しから、サービスの見直し、全部を見直して初めて変わる。いかに良くしようかとトヨタさんはいつも考えている。それを当社は見習っている。

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18年3月度産業懇談会(水曜2G)模様

 テーマ:『 株式会社ポッカコーポレーション 名古屋工場見学 』

日 時: 5月10日(水)11時00分〜16時00分
場 所: 株式会社ポッカコーポレーション 名古屋工場
参加者: 24名



    株式会社ポッカコーポレーション 名古屋工場
    

 
 今回、水曜第2グループは、谷田世話人のご好意により、株式会社ポッカコーポレーション名古屋工場を見学させていただいた。一行は、直接会場へ行かれる参加者を除き、バスで11時に商工会議所ビル前を出発。途中、昼食会場で直接会場へ行かれた参加者と合流して、午後1時に会場に到着した。
名古屋工場の集会室は、さっそく講義室へと変わり、谷田世話人から、まずご挨拶をいただいた。
  谷田世話人:この工場は40年前に坪1000円で始めた工場で、継ぎ足し、継ぎ足しをしてきた工場である。見苦しいが古い歴史ある工場ということで理解いただきたい。
 ポッカという会社はアイディア商品の開発を念頭においてやってきた会社だ。レモンでは、創業から10年たって、公取に叩かれた。今でこそ、表示方法について法令で明白だが、当時はさほどでないところにバンと叩かれ、大変苦労した思い出がある。
  しかし、美容と健康が人々に必要ということで、まずレモンをやり、なにかもう一つ商品をもっておくべきだということで缶コーヒーを考えた。その当時には缶コーヒーというのもなかったし、どうやって、それを販売するかということで、冬はあったかく、夏は冷たいということを実現する自動販売機を考えた。
しかし、飲料を1週間も温かくしておくと、当時の技術では腐るのが当たり前で、文献もなければ、厚生省に尋ねても知らないという。全く手探りでやっていった。さらに自販機を作ったものの、50万円もして、企業に頼んでも協力してくれず、その販売にも実は大変に困った。しかし、ぼちぼちと売れていった。
ホットで販売するというものも、その当時はないし、飲料はせいぜいビンで販売し、それも回収が前提で、缶コーヒーのように売りっぱなしということはなかった。
  容器の革命がくると思い、ビンから缶へ取り組んだのである。今でこそ、容器は、ビンから缶、缶から紙やプラスチックへと変遷してきているが、当時、そう考えた人はいなかったと思う。
  これからの時代を考えると、今100円ショップが出来ているが、100カロリーショップができると思う。1個たべると100カロリー、2個で200カロリーという次第だ。大変に変わりようが激しい時代だ。
  飲料からスープを始めた時でも、平素からいろいろ考えているとひらめきが出てくる。これは思いつきとは違う。たまたま、トラック業者と話しているときに、トラックの積載の話が出て、トラックの空いているところに軽いものを積むことができればということをひらめいて、スープ粉末を作ったのである。異業種の話を聞くと、いろいろ考えているところにひらめきが出てくる。
  時代の流れを上手く取り込むということが、これからまだまだ商品化に必要だ。40年の工場を見るにあたっては、そういう変遷を思いながら見ていただけると有り難い。
続いて、伊藤専務取締役から工場の概況をご説明いただいた。    
伊藤専務:名古屋工場は昭和38年に建設。昭和47年ポッカコーヒーの製造を開始した。それまではレモン専用の工場だったが、缶コーヒーがどんどん売れてきて、コーヒーが主体になった。缶コーヒーの主たる消費地は関東で、平成3年群馬・伊勢崎市に工場をつくるまで、飲料はここで、全て生産していて、それが継ぎ足し工場の原因だ。現在、名古屋工場、群馬工場、コーヒー豆の焙煎・粉砕をする豊田(藤岡)工場、スープ粉末をつくる磐田工場がある。
  名古屋工場では、缶の高速ラインは1分間に1200本、1分間に700本を生産する2ラインがあり、ビンラインは100%レモンをつくるライン、キレートレモンを作るライン、別棟にスープをつくるラインがある。海外はシンガポール、マレーシア、中国蘇州に工場がある。
  名古屋工場での正社員は75名、契約社員等を含め150から180名。季節変動によって、少し人員が変わる。間接部門で40名、隣接の中央研究所に50名、ロジスティックに40名、ポッカ関係者約300名がこの地区で勤務している。基本は2シフト体制で、土日も連続操業ができる体制だ。以前は騒音等の問題があったが、それなりに投資をして、24時間操業に耐えうる工場になった。年間、1200万箱を生産している。
  缶コーヒーは、1分間に1200本を作るが、昭和56年当時これだけの生産をする工場は、世界のどこにもなかった。コーヒーの品質、殺菌に試行錯誤を繰り返したが、それをなんとか実現した。
  現在は売れ筋が変わってきて、小回りのきくラインが必要になってきている。
  お茶やミルクココアの太い缶であれば550本、細い缶であれば700本生産できる。
  キレートレモンは毎分300本、限られたスペースの中で生産していることがあって、少し生産本数が少ない。ビンレモン、創業商品の100%レモンは一日、日替わりで2アイテム、3アイテムを作る。
スープ類は「じっくりスープ」が毎分320袋を充填できる。スティックタイプは徳用サイズで、毎分400袋、カップスープは毎分90カップ生産している。
  今後の取り組みとして、この4月から中期計画を見直した。新生ポッカとしてどうやっていくかであるが、ひらめき商品を作ってお客様におやっと思っていただく、すなわちお客様にいつも感動を提供するという経営理念で、3年後に目指す姿として「お客様の価値」と「収益性」を両立する。お客様には安く良いものを提供したい。良いものを作ろうとすると、いろいろ入れて高いものになってしまう。そこで、自動販売機での商品、コンビニでの商品において、ポッカとして差別化された商品によって飲食市場で独自の領域を確立し、ポッカブランド全体の価値を飛躍的に発展させることを目指したい。ポッカはカテゴリー毎のブランドを持っていない。ポッカコーヒー、ポッカレモンなど、ポッカの商品であることを皆さんに認識してもらいたいと思っている。コーヒー、レモン、スープと言ってきたが、コーヒーは浮き沈みがある。これに左右されることがないようにするため、再びレモンを見直すことをしたい。コンビニ向け、量販店向けにプライベート商品の開発依頼が多いということもあるので、そういう面からもいろいろ考えていきたい。
  レモンで始まった工場が、またレモンの必要に迫られている。谷田が工場を作った時に、水と物流が大事だと考えた。その水で、現在も創業以来の井戸をまだ使っている。水質、水量が全く変わらない。この水とレモンが大変良く合う。物流という点では東名阪、小牧ICが近いので、トラック輸送に最適だ。
  今回はキレートレモンの工場と缶コーヒーの工場を見学していただく。  見学会参加の一行は、お二方のお話を伺った後、グループに分かれて工場を見学させていただいた。
 巨大な円盤状のマシンの下で、一気にコーヒーが充填され、封印された缶コーヒーが何百本と出てくる様子は圧巻であった。
 見学の後、会議室に戻って、試作品やこれまでの商品を使った新しい食べ方について試飲・試食をさせていただき、質問の時間は海外戦略や新商品開発についてお話を伺った。最後に谷田世話人からご挨拶をいただいて、一行は株式会社ポッカコーポレーション名古屋工場を後にした。

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18年4月度産業懇談会(木曜G)模様

 テーマ:『 「日置流雑感」〜食と健康を通じて〜 』

日 時: 5月11日(木)18時00分〜20時30分
場 所: 札幌かに本家金山店
参加者: 20名



スピーカー:
   日置 達郎 (ひおき たつお)
   株式会社札幌かに本家 代表取締役

 

 木曜グループでは、4月に引き続き、株式会社札幌かに本家の日置代表取締役がスピーカーとなったが、所を名古屋観光ホテルから札幌かに本家金山店に、時間を夕刻に変更しての開催となった。テーブルと椅子でのスタイルから、一転して、畳に座布団での聴講は、いつもとは異なる雰囲気の中でお話にも味が増した。聴講後、自慢のかに料理を出していただけるとあって、参加者の頭の中は、お話の間からすでに、かにで埋め尽くされていたのかもしれない。
 日置代表取締役:いかに長生きをして、いつまでも現役であるか。元気が一番、意欲満々が一番。健康でないと、いろいろなことが出来ない。
 我々は健康というが、それは平生の食生活と生活習慣に凝縮されている。今の健康、今の不健康というのは、過去に何を食べていたのかということが関係している。
 人生は、日数にすると3万日ほど。これで82歳に相当する。学校に行くと、そこで8千日を使い、老後に8千日を使う。すると正味、1万4、5千日しかない。土日を考えたら、1万日しかない。したがって、適当なことをやっている時間は全然ない。
 養老院のようなところでも、女性なら朝から化粧をする。そういう人は元気だ。病気にならないためには、腹八分目というのも大事だ。
 アメリカのドクターで、内視鏡検査により数多くの症例を見てきた新谷さんという方の著作によれば、米や野菜を85%、肉、魚、卵を15%ぐらい摂取するのが一番良いらしい。
健康には、三大栄養素として、たんぱく質、脂肪、炭水化物が必要だが、最近はカロリーのことをほとんど言わなくなった。ビタミン、ミネラル、植物繊維ということを取り上げる方が多い。
 森鴎外が軍医のときに、ヨーロッパで勉強した経験から、軍人の食事を、肉食を中心とした。すると、ほとんどの人が脚気になってしまった。そこで、軍は、パンを食べさせたり、麦を食べさせたり、いろいろと調べていくと、肉だけ、あるいは白米だけを食べさせた者の罹病率が一番高く、魚・野菜などをいろいろ食べさせた者の健康が最もよいことが分かった。
 食事にはバランスが一番大事だ。
 さて、最近報道された、メタボリック症候群は、結局、油をとりすぎて内臓脂肪がたまり、高脂血症や、高血圧、高血糖になったりする。私は、天婦羅をほとんど食さないし、店の料理にもあまり出さないが、健康を考えると、そういうことも考える必要がある。
 もともと人間は、食べたものを油として蓄え、脂肪として残すようになっているわけで、さほど油をとる必要はない。ヘキサンは植物油抽出の時に使うが、これがあまり良くない。アラキドンサンは油の中に含まれ、血管を収縮させるとされる。私が、油ものをあまり食べない所以である。
 食べた物は、一旦、腸で吸収されると、血液から体内の細胞に回っていく。そうして、腎臓がメッシュになっていて、小便となって出て行く。したがって食べたものは体に必ず影響がある。私が血液検査をしても何も引っかからないのは、そうしたことに気をつけていることがあると思う。
 ただ、最近、ジムにも通ってバーベルなども上げるが、脳動脈瘤があったりして、これが破裂したりすると困るので、検査をしてもらった。皆さんも検査してもらうと良いのではないか。
 鳥インフルエンザや、ニパウィルスなどのウィルスはもちろん、動物についているトキソプラズマなど、人間にはいろいろな脅威がある。近づかない、触らない、食べないといったことで注意をするのはもちろんだが、病気にかからない体を作る必要がある。運動をすることも必要だ。
 かには、大変体に良いので是非沢山食していただきたい。

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【新会員自己紹介】

市川 忍(いちかわ しのぶ)

トヨタ車体株式会社 執行役員

【トヨタ車体株式会社】
〒448-8666 愛知県刈谷市一里山町金山100
TEL:0566-36-7518 FAX:0566-36-9004
URL:http://www.toyota-body.co.jp

 トヨタ車体の市川忍です。この度産業懇談会木曜グループに参加させて頂く事になりました。よろしくお願いいたします。
  当社はトヨタグループの一員として、ミニバン・SUVを主力とした車両事業および特装・福祉・環境分野での事業に取り組んでおります。車両事業では、製品開発から生産準備、生産までを一貫して担当し、トヨタのグローバル展開の一翼を担う車両組立・エンジニアリングメーカーとして「モノづくり」に精進しております。
  私は静岡県出身ですが、いつの間にか愛知県の生活が長くなりました。今回産業懇談会の皆様方とお知り合いになり、新たな成長の機会といたしたく、よろしくご指導、ご鞭撻のほどお願いいたします。

江川 建男(えがわ たつお)

株式会社名鉄エージェンシー 代表取締役社長

【株式会社名鉄エージェンシー】
〒450-0002 名古屋市中村区名駅1-2-4 名鉄バスターミナルビル9F
TEL:052-582-4111 FAX:052-582-4108
URL:http://www.meitetsu-ag.co.jp/

創業以来45年の歴史を持つ株式会社名鉄エージェンシーは、本年3月31日に株式会社電通に株式の50%を譲渡し、電通グループの広告会社として新たなスタートを切りました。同日行われました臨時株主総会で代表取締役社長に就任いたしました江川でございます。この度、産業懇談会水曜第1グループに参加させていただくことになりました。宜しくお願いいたします。

37年間、電通に勤務し、昨年から電通のグループ会社であります株式会社アド電通の社長を務めてまいりました。「広告一筋」で歩んできた経験を活かしながら、名鉄エージェンシーの財産と電通グループの持つ様々なノウハウを融合させ、より幅広いコミュニケーション課題にお応えできる広告会社にしていきたいと考えております。また、仕事を通して少しでも中部や名古屋の活性化のためにお役に立てればと願っております。皆様からご指導、ご鞭撻をいただけますようお願い申し上げます。

千賀 哲郎(せんが てつろう)

株式会社アイシン・リビングプランナー 取締役社長

【株式会社アイシン・リビングプランナー】
〒446-0054 愛知県安城市二本木町二ツ池29番地1 第2東祥ビル7階・8階
TEL:0566-71-2570 FAX:0566-71-2572
URL:http://www.aisin-alp.co.jp

株式会社アイシン・リビングプランナーの千賀です。

このたび産業懇談会木曜グループに参加させていただくことになりました。

当社は、アイシングループの「アイシン販売」として約40年の歴史を持ちますが、05年10月にアイシン精機より「リブラン」リフォーム事業の移管を受け、これを機に私もアイシン精機から異動し社長に就任すると共に社名も「アイシン・リビングプランナー」に変更し、又本社所在地を名古屋駅前から三河安城へ変更しました。そして新社名の下全社員新たな気持ちでスタートしました。当社の事業はこの上質こだわりのリフォーム事業(戸建、法人)に加え、資金需要の多様化をにらんだリース・ファイナンス事業、そしてリビング商材の物販事業の3つからなります。

異業種の皆様との交流を楽しみにしております。よろしくご指導のほどお願いいたします。

多湖 利信(たご としのぶ)

株式会社 多湖不動産コンサルタント

【株式会社 多湖不動産コンサルタント】
〒460-0007 名古屋市中区新栄3-5-1セントラル千種
TEL:052-252-0023 FAX:052-252-0095
URL:http://www.tagofudosan.com

 多湖不動産コンサルタントの多湖利信です。この度、産業懇談会の火曜グループに参加させていただくことになりました。宜しくお願い致します。

 不動産業種の法人数は全国で約246,000社あり、その中で欠損計上のない会社は31.6%と言われておりますが、当社は名古屋市中区を本社とした地域戦略に特化し、幸いにも売上・利益水準は、上位30%の仲間に入ることが出来ております。従来は、不動産仲介・転貸・駐車場経営を主業として参りましたが、ここで培ったノウハウの融合・相乗効果をはかり徹底した地域戦略に基づいて大型物件(SPC等)の取り扱いや、自社開発分譲のセントレイクシリーズの展開、社会的ニーズの益々高まるコインパークの運営強化、住宅売買イエステーションの強化、投資顧問業への進出を図りながら増収増益を確保するに至っております。不動産は、国民の生活と我々社会に必要不可欠なものであります。「不動産の金融商品化」と言う表現も耳慣れたものになった昨今、地域No.1を志し、やがては株式公開を実現したいと考えております。ご指導、ご鞭撻のほど何卒宜しくお願い申し上げます。

中島 肇(なかじま はじめ)

キリンビール株式会社名古屋工場 工場長

【キリンビール株式会社名古屋工場】
〒452-8562 愛知県清須市寺野花笠100
TEL:052-400-5351 FAX:052-409-4176
URL:http://www.kirin.co.jp

  キリンビールの中島です。このたび、産業懇談会水曜第1グループに参加させていただくことになりました。上りの新幹線あるいは東海道線で名古屋駅に着く直前左手にご覧いただける、清州城でも有名な清須市に在る弊社名古屋工場にこの4月から勤務しております。名古屋工場では皆さんからご愛飲いただいている、「キリンラガービール」・「キリン淡麗<生>」・「キリンのどごし<生>」等を製造し東海3県を中心に中部圏に出荷しております。
  これまで29年間の会社生活ですが、国内工場勤務が17年、海外(カナダバンクーバー)が3年、本社勤務が9年で、今回が10回目の住居の変更を伴う転勤となります。工場は仙台を皮切りに福岡、栃木、岡山と経て、名古屋が5番目もちろん初めての勤務地です。とにかく、名古屋をいち早く大好きになって、同友会の皆様とも中味の濃いお付き合いができればと思っております。「名古屋に感謝、名古屋に乾杯!」、今後とも宜しくお願いいたします。

西村 利夫(にしむら としお)

医療法人 朋寿会  社主

【医療法人 朋寿会】
〒451- 0043 名古屋市西区新道二丁目4番7号
TEL:052-224-7155・565-8111 FAX:052-224-7156

 医療法人 朋寿会の西村利夫でございます。
  この度、産業懇談会の木曜グループに参加させて頂く事になりました。よろしくお願い致します。
  当法人は今から4年前に設立致しました。関連施設に介護老人保健施設「福の里」がございます。 又、他に私が代表取締役社長をしております会社は、有限会社CBC自動車学校・有限会社 中京菓子玩具卸市場があります。今は息子が3つの会社をしっかりと運営しており、見守りながらやっていきたいと思います。

 今後とも皆様方との一期一会の出会いを大切にしてまいりたいと思います。
 御指導、御鞭撞の程よろしくお願い致します。

横井 紫光(よこい しこう)

宗教法人弘法山遍照院 副住職
【宗教法人弘法山遍照院】
〒472-8555 愛知県知立市弘法町弘法山19
TEL:0566-81-0140 FAX:0566-81-0204

 真言宗豊山派(ぶさんは)弘法山遍照院副住職を致しております横井紫光と申します。
 今般、石川忠司様、奥野雅世様のおすすめにより大変“場違い”・・・なと思い乍ら皆様の末席に参加させていただくことになりました。
 当山は遍照院という寺名より“知立の弘法さん”のほうが通りよいように思います。千年以上の寺歴をもち、現住職が74代目となります。
 弘法大師様を本尊と仰ぎ毎月その御命日(旧暦21日)には沢山の露天商と参詣人でにぎわいます。その教えの根本は生きることへの喜びと報恩感謝にあると信じ布教活動をしています。
 世間が狭く社会勉強の足りない点が多々あるかと思いますが、皆様にお育ていただけますよう精進致しますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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【6月度産業懇談会開催日程】
【6月度産業懇談会】 (場所は名古屋観光ホテルです)
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
6月13日(火)
12:00〜14:00
有限会社トリニティーBC 
代表取締役 四元 圭氏
「いかに経営者の意思決定をストレートに伝えるか?」
18階
伊吹の間
水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
6月21日(水)12:00〜14:00
(株)ワーロン
取締役会長 渡辺 豊氏
「遊び心の80年」
18階
オリオンの間
水曜第2グループ 片桐清志
谷田利景
6月14日(水)12:00〜14:00

サンデン(株)東海支社
支店長 嶋 登志夫氏
「自動販売機業界の環境への取組み」

18階
オリオンの間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助
6月8日(木)
12:00〜14:00

(株)ノリタケカンパニーリミテド
専務取締役 土森 道雄氏
「セラミックス産業  〜Yesterday’s Tradition Through Today’s Technology〜」

18階
伊吹の間

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【7月度産業懇談会開催日程】
【7月度産業懇談会】 (場所は名古屋観光ホテルです)
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
7月18日(火)
12:00〜14:00

愛知学院大学
経営学部教授 岩田 憲明氏
「名古屋のニッチトップ企業」

18階
伊吹の間

水曜第1グループ

飯田芳宏
落合 肇

7月19日(水)12:00〜14:00

学校法人愛知真和学園大成中学・高校
理事長 足立 誠氏
「普段着の教育とその到達点
    ―東大、甲子園、全中優勝―」

18階
オリオンの間

水曜第2グループ

片桐清志
谷田利景

7月12日(水)12:00〜14:00

日興コーディアル証券株式会社
名古屋支店長 藤堂 聡太郎氏
「新会社法とM&Aを活用した事業承継対策のご紹介」

18階
伊吹の間

木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助

7月13日(木)12:00〜14:00

(株)アイシン・リビングプランナー
取締役社長 千賀 哲郎氏
「グローバル時代の人づくり」

18階
オリオンの間

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【産業懇談会4グループ合同の懇親ゴルフ開催日程】

懇親ゴルフ会開催のご案内

 日  時

7月29日(土) 8時00分スタート
(アウトスタート4組、インスタート4組を予定しております)別途ご請求申し上げます。

 場  所 木曽駒高原カントリークラブ
長野県木曽郡日義村4898-8 TEL0264-23-7001
 その他

・現地集合といたします。※7時30分までにはお集まりください。
・プレー終了後クラブハウスにて懇親会を予定しております。 (懇親会終了予定時刻15時頃)
・ハンディキャップは、ダブルペリア方式を採用します。
・組み合わせなど詳細につきましては後日ご連絡いたします。

 出欠のご連絡

ご出席の方のみ別紙のFAX返信用紙にご記入の上、5月26日(金)までに事務局へお知らせください。(恐縮ですが、代理出席はお断りさせていただきます)※ただし、定員になりましたら締め切らせていただきます。
※7月21日(金)以降のプレーのキャンセルは、お一人2,500円のキャンセル料がかかりますので、ご了承ください。

 お問合わせ先 中部経済同友会事務局 担当:白石・仙田 TEL052-221-8901

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【お知らせ】
 

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【コラム】

花ちゃんからの健康だより
〔花ちゃんからの健康だより〕 No.26

財団法人 愛知健康増進財団
保健師 佐藤 花子

8020の話

      5月の花 浜梨(ハマナス) 
5月の花 浜梨(ハマナス)ゴールデンウィークは有意義に過ごされましたか?連休の疲れもとれ、仕事に専念されていることと思います。もうすぐ梅雨入り。五月晴れともさようならですね。

さて、8020運動をご存知でしょうか。80歳まで自分の歯を20本維持しましょうと、平成元年から、厚生省(現在の厚生労働省)と日本歯科医師会が子供の頃から歯を大切にすることを提唱している運動です。最近の歯科の分野は、虫歯や歯周病の予防や治療だけでなく、ドライマウス、睡眠時無呼吸症候群の治療やアンチエイジング医学の分野にまで広がりをみせています。(アンチエイジングとは老化防止のことです。)それがなぜ歯科の分野に広がっているかというと、食べる飲む話すことをする口(くち)は人間の基本的生活を担っているからです。口の機能が低下すると、生活の質(QOL)が大きく低下します。『寝たきり予防は口から』といっても過言ではありません。また、8020には別の意味も考えられます。それは、一口入れたら20回以上噛んで、健康長寿を実現しましょうということ。噛めば噛むほど唾液がでてきます。その唾液には実はバロチンといって老化を防ぐホルモンも含まれています。

若さ維持のためにも1回でも2回でも多く噛みましょう。

統計によれば50歳以降になると、なんと2年間に1本の割合で歯を喪失しています。歯石除去は歯周病予防に効果があることは言うまでもありませんが、歯石除去後のフッ素塗布は虫歯予防に大変効果がありますので若いときから定期的に歯科受診をしましょう。口の正しいケアを継続すれば“口は災いの元”ではなく“口は幸せの元”になるはずです。仕事や健康長寿に大きく影響する口の健康をもっと考えましょう。

【メモ帳】
 北海道の道花であり海岸に咲く花です。果実は堅く梨のような味なので「浜の梨」と呼ばれ、浜梨となり、東北弁のなまりのためハマナスとなりました。花自体もとてもよい香りがします。匂いにつられ♪知床の岬にハマナスの咲く頃〜♪を口ずさみたくなります。

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株式会社リーダーズドメイン代表取締役会長
窪田経営塾塾主
窪田 貞三

『企業の進歩発展のヒント:14』
【目的を持てば成長する】

 「良い企業とは、すべきことを当たり前に行っている企業」であるといえます。しかし、その当たり前のことがなかなか難しいようです。時に、業績を上げることばかりに執着し、手っ取り早い方法やパフォーマンスや奇を衒った方法を使い、一時的成功を収めることを重視する企業が見受けられます。企業経営は地道にコツコツと継続的な活動を行った企業が結果的に成功を収めるものだと思います。当たり前の事は時にツマラナイことのように思われがちかもしれませんが、すべきことを当たり前にしないで、疎かにしている企業に真の安定も成長も出来るはずがありません。そして、企業は人の集まりです。一人ひとりのすべきことを当たり前にしていけば、その組織は成果を生み出していきます。  

 人は手っ取り早い成果を求めがちです。日々の地道な活動の向こうに大きな喜びがあることをもっともっと一人でも多くの社員に理解してほしいものです。

・・・・<事例研究>  スポーツシリーズ-6「ある野球選手」 ・・・・

 ある野球選手の話なのですが、彼はリトルリーグ時代から才能を高く評価されたピッチャーで、将来はプロ野球選手になるだろうと誰もが思っていました。同年代の誰よりも体格的にも勝り、同年代の選手に対して力ずくの野球でも簡単に勝てるため、いつの間にか地道で根氣のいる基本的なトレーニングや練習をしなくなっていました。その才能は中学に進学後も発揮され、剛速球投手として益々評価の高い選手になって行きました。そして、彼は周りの期待を一身に背負うように高校球界でも名門の高校に進学しました。しかし、その後の彼は、3イニングピッチャーなどという嬉しくないニックネームを付けられてしまいました。コーチから地道なトレーニングや練習をするように指導されても、彼は表面的にしか言うことを聴かず、結果的には一年後肩を壊し、引退へと追い込まれ、特待での進学であったこともあり、居心地が悪くなったのか、その後学校さえも辞めてしまいました。

事例へのコメント
 以前あるテレビ番組で、プロ野球選手やスポーツ選手は4〜6月頃に生まれた選手が多いといういう話がありました。その理由は、子供のころ同級生達とスポーツをすると、例えば4月生まれの子供と、3月生まれの子供には大きな体格差があり、4月生まれの子供のほうが強いため、その時の勝つ喜びや自信がモチベーションを高め、大きな夢を持つようになる---。といった内容の話でした。この話が絶対に正しいかどうかは分かりませんが、なかなか納得出来る話だと思いました。ところで、最近中部地区の企業の経営姿勢や業績に対する評価が高いようですが、私は中部地区の企業の特徴として、地道にコツコツと、すべきことをしている企業が多く、その結果が成果へと繋がっているのではないかと思っています。
●プログレスとは

プログレスとは、『新時代経営コンサルティング手法』として、私の会社である株式会社リーダーズドメインにおいて企業経営ご指導法として用いているもので、日々多くの企業と関わらせていただいています。同じように努力していても「潰さないための経営」より「進歩発展のための経営」のほうが企業組織は生き生きとするでしょうし、企業におけるマイナス面の分析でも、「成り立たせるための分析」よりも「進歩発展させるための分析」のほうがより良い組織創りに繋がる---と言う考えを土台に持ったものが、このプログレスです。

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コラム【苗字随想】
〔苗字アラカルト〕 No 48

片桐清志

『「○○屋」と苗字』

 永年、中部経済同友会のお世話をして来られた事務局長の土屋氏がこのたびご勇退された。50周年の記念誌の編集等、その功労は枚挙に暇がない。今回は「土屋」さんに感謝の意をこめて「○○屋」の苗字を考察してみた。
 土屋があれば、「石屋」「木屋」「板屋」「竹屋」がある。金属では、「金屋(カネヤ)」「白金屋」「銀屋」「銅屋」「鉄屋」が見つかる。金属製品関係では「釘屋」「針金屋」「針屋」「小刀屋」「鉾屋」「鑓屋」「鍬屋(クワヤ)」「鉈屋(ナタヤ)」「鎌屋」「鍵屋」「鍋屋」「釜屋」などの金物屋さんが並ぶ。木製品では「樽屋」「桶屋」「桝屋」「枡屋」「升屋」「杵屋」「槌屋」「柄杓屋」「梃屋(テコヤ)」「表具屋」さんがいる。土製品では「皿屋」「茶碗屋」「盃屋」「土器屋」「壺屋」などがある。
 衣類関係では「糸屋」「絹屋」「綿屋」「毛屋」「布屋」「帯屋」「沓屋」「具足屋」「紺屋」「染屋」、装身具関係では「櫛屋」「鈴屋」「紅屋」「紅粉屋」「粉屋」「香屋」「扇屋」「玉屋」「鏡屋」「鼓屋」が見つかる。
食物関係だと、主食類では「米屋」「麦屋」「芋屋」「粟屋」「麹屋」「糀屋」「糟屋」「粕屋」「餅屋」が、副食では「魚屋(ウオヤ・トトヤ)」「鮒屋」「鯉屋」「鱧屋」「貝屋」「海老屋」、「鳥屋」「八百屋」「瓜屋」「柿屋」、「油屋」「塩屋」「酒屋」「酢屋」「茶屋」「飴屋」などがある。
 その他「萬屋」「万屋」「薬屋」「花屋」「本屋」「紙屋」「絵馬屋」「墨屋」「炭屋」「俵屋」「網屋」「綱屋」「箸屋」「秤屋」「計屋」などがある。モダンなところでは「タバコ屋(タバコヤ)」まである。「歌屋敷」など今のカラオケボックスの元祖のような苗字もある。
 サービス業では、「駕屋」「車屋」「舟屋」「宿屋」「湯屋」「遊屋」「磨屋(トギヤ)」「鍛冶屋」「畳屋」などがある。
 多くは明治の新姓で屋号を苗字にしたものも多いが、中には家業をそのまま苗字にしたものもありそうだ。当時の職業の一端が垣間見える。それにしてもまるで苗字の百貨店のようだ。鍋屋横丁で「鍋屋金物店」や「薬屋薬局」「米屋米穀店」「紅屋化粧品店」「帯屋呉服店」などの看板が見つかるかもしれない。

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【平成18年5月号編集後記】