第43号 2005.12.22発行



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平成17年12月度(第43号) 目次
【17年11月度産業懇談会(火曜G)模様】 11月22日(火) 12時30分〜14時00分
【1,2月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1  『花ちゃんからの健康だより』
コラム2  『プログレスシリーズ』
コラム3
『苗字随想』

17年11月度産業懇談会(火曜G)模様

 テーマ:『わさびの本質を求めて』

日 時: 11月22日(火)12時30分〜14時00分
場 所: 名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者: 24名


スピーカー:
    小林 一光(こばやし いっこう)
    金印株式会社 代表取締役社長

 

1 金印わさびの歴史

 昭和4年、父元次が青果を扱う小林商店を開いたことが始まり。翌5年、生わさびの卸商に転業し、昭和8年に粉わさびの研究、製造に着手した。昭和27年に法人組織化し株式会社を設立、そして43年に業界初の純粋品「金印粉わさび」の開発に成功した。その後も新商品の開発を進め、昭和48年には超低温の中で加工することで業界初の生タイプ加工わさびを発売した。平成5年には、食品産業で最高の賞といえる農林水産大臣賞を受賞、企業は時代の要請に応える必要があるとの考えから、平成14年にISO-9001:2000の認証を取得、HACCPの適合証明も取得した。また近年、全国のさまざまな大学との共同研究を行い、わさびの健康成分「わさびスルフィニル」を独自の製法で抽出することに成功し、世界初のわさびの健康食品を誕生させるなど、商品を拡大してきている。

2 わさびの種類

 わさびには本わさび(図1)と西洋わさび(図2)がある。本わさびは日本原産で、古くから渓流など(の流水中)に自生していた。本わさびは栽培方法によって、沢わさびと畑わさびに呼び分けられる。立派なわさびになるにはおよそ2年半を要す。日本国内の主要産地は、静岡県、長野県、岩手県、島根県など。当社は平成14年に本わさびの新品種「みつき」を開発した。その特徴は、香り・辛味が高い、 色が鮮やかで明るい緑色、収量が多い、畑栽培にも適する、わさびスルフィニルが多いなど。西洋わさびは、ヨーロッパ南東部原産の植物で、ホースラディッシュとも呼ばれ、 西洋料理ではローストビーフの付け合わせなどに使われている。日本では、明治以降に帰化植物になった。 国内で栽培しているのは当社だけで、網走地区の畑で栽培している。辛味成分は本わさびと同じ成分で、本わさびの約1.5倍の辛さがある。当社が開発した新系統の「白宝」は、西洋わさび特有の大根臭が少ないため、本わさびとブレンドしても本わさびの香りを損なうことなく、香り、辛味を兼ね揃えた生おろしわさびを提供することができる。

3 環境への取組み

 収穫した西洋わさびには、葉、細根や泥がついている。従来これを残さとして廃棄処分していたが、当社では微生物の研究により、これらを発酵させて植物栽培用の堆肥に100%リサイクルすることに成功した。レッドアンデス(皮が赤いじゃがいも)などおいしい野菜作りに使用しているが、これを使った作物は、病気に強く、味も良くなる。

4 本わさびを食す

 本わさびは、すりおろして1〜3分で香り・辛味のピークに達し、美味しく感じるのはその後10分程度。辛味成分は揮発性が高いため、 どんどん揮発してしまう。加工わさび製品の常温品は、食品添加物などが使用されており保存性はある。当社は、わさびの自然の風味そのものを大事にしており、「旬薬味」など鮮度を極力落とさない超低音製法により加工し、冷凍パックした製品を開発した。宅配の冷凍便ができたおかげで、我々の時代が来たと思っている。

5 わさびの機能性

 民間伝承による利用法として、抗菌効果(カビ、大腸菌などの制菌・抗菌作用)、消毒、内服薬(食欲増進、健胃薬など)、外用薬(リューマチ、水虫など)。また新しく解明された機能として、解毒作用(解毒代謝酵素誘導作用)、抗がん作用(がん転移、発がん抑制)、抗酸化作用(活性酸素消去)、血液サラサラ効果(血小板凝縮阻害)がある。本わさび機能性成分「わさびスルフィニル」は、ブロッコリーなどよりも高い解毒作用を示す。わさび葉エキスは、コラーゲン生成促進、ダイエット効果などがある。これらの特長を生かして、2004年10月に健康食品「スルフィーK」、2005年11月には化粧品「サンスルフィー」を発売した。サンスルフィーは、わさび葉エキス配合、ナノバブル製法、防腐剤・香料・着色料無添加などの特長をもつ。

6 海外への展開と今後の取組み

 当社では、1980年代からアメリカ市場へ進出しわさびの特性や正統な食べ方をPRし、生おろしわさびや小袋タイプの製品などを提供してきた。輸出先としては、南北アメリカ大陸から、アジア、オセアニア地域、そして現在は食文化の高いヨーロッパへと着実に市場を拡大してきている。特にヨーロッパでは、積極的な展示会への出展、現地料理店での実演、現地栽培指導なども行なっている。
 今後当社としては、天恩(太陽)、地恩(緑・水)、人恩(人の和)、自然の恵みに感謝し、人類の健康づくりと世界の食文化の向上に貢献していきたい。そのため、本わさびの本質を大事にして、いかにうまく食していただくか(生鮮香辛料=本物志向、安全安心、美味しさ)を追求し、機能性を生かした良い商品(健康食品=内面の美容・健康、化粧品=外面の美容・健康)を提供していく。

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【1,2月度産業懇談会開催日程】

【1月度産業懇談会】

産業懇談会「代表幹事のご講話」ならびに「新年合同懇親会」のご案内

日  時  平成18年1月18日(水)17:30〜20:00
                 17:30〜18:30 松本代表幹事のご講話
                 18:30〜20:00 新年合同懇親会
場  所  名古屋マリオットアソシアホテル  Tel.052-584-1111
  講演会:16階 アイリスU / 懇親会:16階 アイリスT
事務局連絡先  担当:近藤・仙田  Tel.052−221−8901

【2月度産業懇談会】 (場所は、木曜グループは名古屋港水族館です。それ以外は、名古屋観光ホテルです。)
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄

2月14日(火)
12:00〜14:00

ACCJ在日米国商工会議所中部支部
副会頭 マイケル・デビット・ウィニック氏
「祝・ナディアパーク10周年 
過去10年の名古屋における建築のあり方」

18階
伊吹の間
水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇

2月15日(水)
12:00〜14:00

エス・ビー・エム(株)
取締役社長 山崎輝彦氏のご紹介 
NPO法人“揚輝荘の会”事務局長 
佐藤 允孝(さとう よしたか)氏
「名古屋の商人“伊藤次郎左衛門”
             400年の歴史」
18階
伊吹の間
水曜第2グループ 片桐清志
谷田利景

2月8日(水)
12:00〜14:00

鳴海製陶(株)
代表取締役社長 
倉橋 鷹輔(くらはし たかすけ)氏
「最近の世界の食器産業」

18階
伊吹の間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助

2月2日(木)
12:00〜14:00

名古屋港水族館見学および昼食懇談会
名古屋港水族館 館長
内田 至(うちだ いたる)氏
「最近の世界の水族館」
※ご出席の方には後日、詳細案内をお送りします。

名古屋港
水族館

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【お知らせ】
 

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【コラム】



〔花ちゃんからの健康だより〕 No.21

財団法人 愛知健康増進財団
保健師 佐藤 花子

贅肉(ぜいにく)の話

     12月の花 金の成る木(黄金花月)  
 今年も残すところわずかになりました。お元気でお過ごしでしょうか。寒さも増し、忙しく楽しい(?)年末年始になりますが、問題なのはこの時期、宴会などが多いこと。そのために、悲鳴をあげるのは身体です。次々に口から放り込まれたおいしい物について誰が責任を取るのかと申しますと、主に体の中の脂肪細胞です。成人では200億〜300億個あり、1個の脂肪細胞は3〜4倍に膨張することができ、おいしい物から姿を変えた中性脂肪を溜め込み、贅肉となるのです。「私はそんなに太っていないから大丈夫」と安心してはいけません。脂肪細胞には白色脂肪細胞褐色脂肪細胞があり、中性脂肪を蓄えるのは白色脂肪細胞です。その白色脂肪細胞は皮下脂肪だけでなく肝臓やその他の内臓にもあるので、見た目に太っていなくても内臓に脂肪がついてしまうと隠れ肥満ですね。内臓脂肪が皮下脂肪に勝つほどの生活習慣病を引き起こす悪者であることは言うまでもありません。 宴会においては、色気と品(ひん)を大切にしましょう。いろいろな色の物をつつましく少量ずつゆっくり噛み、そして、苦しくならない程度にお召し上がりください。それでもついつい食べ過ぎた場合は贅肉にならないように運動で「中性脂肪を退治」しましょう。運動により、酸素が血液中に多く取り込まれれば、より多くの脂肪と結合し燃焼させることができますので、ウォーキングや掃除や片付けがおすすめです。
 一年を振り返れば、誰しも多かれ少なかれ「しんどかったなあ」と思われたことがあったのではないでしょうか。しかしそれも過去のこと。ご家族や友人と大いにしゃべって心の贅肉を落としましょう。そしてすっきり笑顔すっきりボディで新春を迎え、初仕事にさっそうと出かけましょう。
【メモ帳】

 金の成る木は多肉植物で、5円玉や50円玉を葉が小さく茎が細いうちに通して育てることで付いた俗名。花を咲かせるのは簡単ではありませんが、咲いたかわいい花は2月頃まで長く咲き続けます。上手に育てると20年以上も元気で、その間、お金をいっぱい枝に通せば見事な金の成る木になります。
 さて、もうすぐクリスマス。皆さまにはこの花の花言葉をプレゼントします。花言葉は「幸運が招かれる

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株式会社リーダーズドメイン代表取締役会長
窪田経営塾塾主
窪田 貞三

『企業の進歩発展のヒント:bX』
【点と面で成長する】

  社員一人一人の仕事を、他部門との繋がりの仕事を、会社全体の仕事をと考えてください。貴方の会社に、仕事をする上で、線や面を考えずに点で仕事をしている社員さんはいませんか?または部門という点の中だけで、他部門や会社全体を考えないで壁を作っている部門はありませんか?「木を見て森を見ず」という言葉がありますが、仕事は全て繋がっています。繋がってこそ仕事といえるはずです。で考えて仕事をするのが悪い意味でのサラリーマン意識であり、を考えて仕事するのが経営者意識です。経営者意識という面と、自分の仕事という点を繋げて考え、行動出来れば成果は現れます。
 では、どうすれば良いのでしょうか?その答えは、年数と共に、徐々に経営者意識を持たせていくのではなく、入社時から経営=面の教育をするということです。つまり、点という現実の仕事と、面という経営の教育を同時にしていくということです。

・・・・・<事例研究> 社員教育シリーズ−2「ある工場長」・・・・・

 ある部品メーカーの工場長は、理念・ビジョンに基づいた部品製造をしていきたいという信念を持って仕事をしていました。部下指導においても、なんのためにその部品を製造するのか?その部品が完成品の中でどういう機能や役割を持っているのか?完成品が社会にどのように役立ち、影響を与えているのか?そういったことを真剣に語り合い、深く深く掘り下げて考えることが出来る社員になってほしいという氣持ちで部下の教育をしていました。そのため、ある日突然社員が病氣などで会社を休むようなことがあっても、同僚の社員が、上司から言われなくても、「全体の仕事から考えて、どうすべきか?」という自分なりの考えを持つようになっていったそうです。また、この会社では、入社時、各部門に配属される前に、一ヶ月間徹底的に理念・ビジョン教育をした上で、その後各部門での専門分野の教育をしています。つまり、会社全体が、社員教育を点と面両面でしているのです。

 この会社は理念・ビジョン教育(面)と部門別の専門職教育(点)の両方をしているわけですが、この両方の教育さえすれば良いということではなく、教育には優先順位が重要です。なにが重要なのか?それはこの会社のように、面から教育し、次に点の教育をするということです。これは逆にはしないほうがよいでしょう。入社時の新鮮な氣持ちの時から、経営という面について教育することで、面から考えることが彼らの常識となり、癖となれば、こんなに頼もしいことはありません。そして、この工場長のように、常に現場で、具体的な指導をすることが重要です。机上の教育だけでは真の教育は出来るわけがありませんから。
●プログレスとは

 プログレスとは、『新時代経営コンサルティング手法』として、私の会社である株式会社リーダーズドメインにおいて企業経営ご指導法として用いているもので、日々多くの企業と関わらせていただいています。同じように努力していても「潰さないための経営」より「進歩発展のための経営」のほうが企業組織は生き生きとするでしょうし、企業におけるマイナス面の分析でも、「成り立たせるための分析」よりも「進歩発展させるための分析」のほうがより良い組織創りに繋がる---と言う考えを土台に持ったものが、このプログレスです。

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〔苗字アラカルト〕 No 43

片桐清志

『イヌあれこれ』

 来年は私のエトのイヌ年だ。そこで今号ではイヌにまつわる苗字を紹介したい。
 「戌」で始まる苗字はさすがに少なくわずか5種で、一字姓の「戌」もあり、「イヌ・イヌイ」とお呼びするようだ。他の4つは「戌丸(イヌマル)」「戌井(イヌイ)」「戌亥(イヌイ)」「戌石(イヌイシ)」だ。
 しかし「犬」で始まる苗字なら50種と結構ある。もちろん一字姓の「犬」もあり、こちらは「イヌ」の読み方だけだ。上記の戌を犬に変えた「犬丸」「犬井」「犬石」は見つかったが「犬亥」は見つからなかった。
 ユニークな苗字では「犬尾(イヌオ)」「犬股(イヌマタ)」「犬目(イヌメ)」「犬耳(イヌミミ)」があるが、不思議なことに犬の得意技の「犬鼻」は見つからなかった。
 犬が関係する文学作品は多いが、代表的古典は江戸時代の滝沢馬琴の大作「南総里見八犬伝」だろう。馬(琴)が犬をテーマにしてヒットしたのも皮肉だ。仁の霊玉を持つ「犬江親兵衛」、義の「犬川荘助」、礼の「犬村大角」、智の「犬阪毛野」、忠の「犬山道節」、信の「犬飼現八」、孝の「犬塚信乃」、悌の「犬田小文吾」の八犬士が活躍する。このうち犬阪(犬坂)だけが見つからないのは残念だ。因みに「犬里(イヌサト)」や「犬童(イヌドウ・ケンドウなど)」さんが南総にお住まいなら面白い。
 イヌを表す字には「狗」もあり、苗字にも登場する。一字姓の「狗」もあるが、読み方は「コマ」しか見つからない。八犬士と同じ読み方では「狗江」「狗田」「狗飼」の三種類が見つかったが、ここでも「狗坂」も「狗阪」も見つからなかった。
 因みに「イヌサカ」という読み方の苗字すら見つからなかった。戌年に八犬士を勢ぞろいさせる企画はどうやら実現しそうもない。「TVの力」ならぬ「ネットの力」でイヌサカさんをハッケン(発見)したいものだ。

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【17年12月号編集後記】

 12月1日は映画の日だ。1896年に神戸で日本最初の映画が上映されたのを記念して1956年に制定された。制定当時TV放送がすでに始まっていたが、映画は大衆娯楽の主役だった。その後TVの普及と共に映画鑑賞の場はお茶の間に移動し、懐かしい映画館もいくつか姿を消して行った。
 戦後再び名古屋市の人口が100万人を突破したのを記念して命名されたという「ミリオン座」もそのひとつで昭和58年に姿を消した。「ローマの休日」や「ロメオとジュリエット」など海外の名画をたくさん上映してくれた。海外旅行が高嶺の花の時代に洋画は私たちを海外に運んでくれた。会員の中にも「ミリオン座」に青春時代の懐かしい思い出をお持ちの方も多いだろう。
 そのミリオン座がこのたび伏見に復活した。内覧会当日そこで久しぶりに古川爲之氏の姿を見かけ、思わず「お帰りなさい」と声をかけた。案内状をいただいた時、「ミリオン座」という名前を見て「もしかしたら・・」という私の予感は当たった。交わした言葉は少なかったがその表情から、61年に亡くなったご尊父の古川勝巳氏の映画への熱き思いを彼自身の手でもう一度点火し、原点に返って映画ファンと共に再出発したいという決意を感じた。再出発の道は決して平坦ではないだろうが、氏が当会へ復帰する日を心待ちにしている。
 さて、今月は恒例のことだが各グループとも忘年会を兼ねた夜の懇親会だ。普段は交流の時間が限られるが、アルコール付で各グループとも話が弾んだことと思う。小生がお世話している水曜第二グループも予想以上の参加で急遽もう一部屋追加しての賑わいを見せた。このときばかりは世話人が二人制でよかったと思った。席上、今年新入会の夢童さんから「本丸御殿」を再現する運動の呼びかけがあったり、来年は遠征旅行をしようとの声があったりで、世話人として有意義なご意見も拝聴できた。
 万博で培ったエネルギーを来年はさらに大きな連鎖反応へつなげて行きたい。会員各位の今年一年のご協力に感謝すると同時に、来年の更なる活躍とご協力をお願いする次第だ。よいお年をお迎えください。

(片桐)