テーマ:『目標設定と新規事業の起業』
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日 時:11月9日(火) 12時30分〜14時00分
場 所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:17名
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スピーカー:
古田 弘(ふるた ひろし)氏
株式会社ビーハーフ 代表取締役
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1 はじめに
私は、昭和14年に岐阜県関市に生まれた。父は事業をやりつつ、市会議員を務めていたせいもあり、「月給取りになるな!」と小さい頃から言われてきた。そのため、いつか自分で事業をやるんだという意識が頭のどこかにあり、それが今の会社を設立した遠因になっているように思う。
中学校、高校では柔道一筋で過ごした。そうした中、中学校の恩師から「目標設定」の指導を受け、勉学に励み、高校に進学した。さらに高校でも「岐阜県制覇!」という目標をもち、出身高校を柔道強豪校にすることができた。
大学は柔道による推薦入学をしたが、柔道で生計を立てることまでは考えることができず、柔道とは関係のない会社に就職することにした。
最初の会社、河合楽器では飛び込みの営業で度胸をつけ、次の会社であるテルモでは電子体温計の販売で苦労したが、柔道で鍛えた根性で粘り強く営業活動を続けることができた。これらの経験が今の糧になっているように思う。
2 人材派遣業界について
自社の話をする前に、人材派遣業界について簡単に説明しておきたい。
現在各企業は、派遣労働者、パート、アルバイトなどの「非正社員」の割合を高めており、10年前は約2割であったその割合は、今後10年で約5割まで伸びると予測されている。これは(1)終身雇用から有期雇用への移行、(2)契約型雇用の定着、(3)年功序列主義から能力主義への移行、といった大きな流れが根底にあり、私たち人材派遣業者にとって大きな追い風となっている。
一方、労働派遣登録をしている事業所は「毎月」増加し、現在約1万4600社の登録がある。これは純粋に人材派遣業を行う企業の増加に加え、自社の業務をアウトソーシングするために人材派遣会社を設立する事例が増えているためと考えられる。結果、市場規模は約2兆2500億円(平成14年)であり、市場成長率も対前年15.5%であった。
今では、即戦力として業務を行うことができるように、派遣スタッフの質が厳しく求められている。そのため高学歴の人が年々増加するとともに、自分のスキルを活かし、自分の関心がある仕事だけをし、それを通じて、さらに自分のスキルを高める人が増えている。
3 会社設立について
当社は9年前に創業した。当初は、Macintoshを教えるパソコンスクールを設置し、その卒業生をDTP(Desk Top Publishing)が主流となりつつあった印刷業界に派遣することがビジネスモデルであった。
会社を興した頃は、かつての会社で培った営業力を発揮し、決死の覚悟で各社を回った。今、思えば、自分が創業し、自分が最高責任者だからこそ、あれだけ頑張れたと思うし、自分が今まで関わったことがない業界であった点が、逆に奮起の材料となったと思う。このときも、会社の成長を4つのステップ(創業期、確立期、飛躍期、完成期)に位置づけ、十分に検討した目標設定を作成していたことが幸いしたと考えている。
4 最後に
派遣スタッフを受け入れた企業に満足していただくためには、派遣スタッフが派遣先企業で十分な力を発揮することが大切である。人材派遣会社の命は、まさに派遣スタッフその人であるので、彼ら彼女らを育成し、大切にしていくことが肝要であると痛感している。