テーマ:『燃料電池について』
日 時:4月13日(火) 12時30分〜14時00分
場 所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:24名 |
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棚田氏
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小川氏
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1 会社紹介
私ども「株式会社日立ハイテクノロジーズ」は、2001年10月に日製産業(商社)と日立製作所計測器グループ及び半導体製造装置グループ(製造)が事業統合したことにより発足した会社で、製販一体となって事業運営している。
今回お話させていただく、燃料電池については、その品質評価装置の開発、販売を行っている。
2 燃料電池のしくみについて
燃料電池は、「水の電気分解」の逆、つまり水素と酸素の化学反応で電気を作るもので、排出物は水だけである。このように理屈は易しいが、実用化するためには、技術的に非常に難しい。また「電池」という単語を使用しているが、実際は「発電機」と言った方が実態を表している。
3 燃料電池の歴史
燃料電池自身は1839年にイギリスで発明されたもので100年以上忘れ去られた技術であった。その後、宇宙船開発の中に取り入れられたが、特殊かつ高度な技術であるため、一般に普及することはなかった。
その後、ダイムラーベンツ社(当時)が、カナダ・バラード社製の燃料電池を搭載した「燃料電池車」を開発したことで、燃料電池は広く世の中に認知され、世界中の自動車メーカーは激烈な開発競争を繰り広げることとなった。
4 燃料電池の長所、短所
燃料電池の長所は次の点にある。(1)化石燃料を使用しないので排気ガスが全く排出されない、(2)化学反応であるためエネルギー効率が極めて高く、騒音も少ない、(3)水素の抽出には多様なエネルギーが利用可能である、(4)充電が不要である。
一方、課題も次のように多い。(1)安全性(特に水素の取り扱い)が不安である、(2)インフラが未整備である、(3)依然として価格が高い、(4)使用可能時間が短い、(5)燃料電池そのものの信頼性が低い、(6)排出物である水の凍結等、寒冷地での使用が困難である。
5 これからの方向性
世界中が燃料電池の開発に凌ぎを削る背景には、(1)世界のエネルギー供給(特に石油)、(2)二酸化炭素(
)の排出による地球温暖化の進展、が懸念されているためである。日本政府もNEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)等を通じ、燃料電池の開発・普及に全力を挙げて取り組んでいる。
当社も、是非、燃料電池の普及という大きな潮流に乗り、大きなビジネスチャンスを掴みたいと考えている。