第6号 2002.11.25発行


14年11月度産業懇談会(火曜G)模様

1.日 時:11月12日(火) 12時30分〜14時
2.場 所:名古屋観光ホテル18階 伊吹の間
3.テーマ:「ナノテクノロジーが生みだす芸術の世界」
4.スピーカー:遠田勝信氏((株)日立ハイテクノロジーズ中部支店 理事支店長)
5.参加者:12名

◇スピーチ内容

1.日立ハイテクノロジーズの会社概要
昨年10月に、日製産業株式会社と、日立製作所の2つの事業グループおよび日立メディコの一部の事業部が統合し、日立ハイテクノロジーズという会社を作った。コンセプトは「ナノテクノロジー分野で、世界で一番になろう」ということで、目標を大きく持ちやっている。
売上は、01年度では単独で5,111億、連結で7,500億。
ネットワークは、国内に21か所と関連会社、海外にアジア、西欧、アメリカを中心に24か国75か所の拠点を持つ。売上高の割合は、国内49%、海外51%のほぼ半々で、90年度と比較すると、貿易が増えてきている。

事業内容としては、ナノテクノロジーの最たるものは半導体(IC)であるが、その分野を主として頑張っている。半導体を作るための主要な工程にたずさわっていこうというわけである。電子線でウエハーの上にいろいろなパターンを書く装置など、輸入品や自前で作ったものを取り扱っている。その他に、ライフサイエンス部門として、DNAシーケンサ(DNAを調べる装置)や高速液体クロマトグラフ(たんぱく質や有機成分を調べる装置)、情報エレクトロニクス部門として、携帯機器用半導体製品(電話の端末に入っている電子部品など)や有機EL(最近のディスプレイ)製造装置を扱っている。先端産業部材部門では、電気自動車用リチウムバッテリーの材料の提供、シリコンウエハー、および光通信関係の部材などの事業を行っている。総じて、なるべくナノテクノロジーおよび最先端産業の工場の、付加価値の高い製品を手がけていこうというコンセプトでやっている。

2.ナノアートギャラリー
近年、ナノテクノロジーの中で一番の花形製品というのは、電子顕微鏡である。中学校・高等学校の頃に使った光学顕微鏡を、光の代わりに電子を使ってもっと細かくもっと深く見ようというものである。これがナノテクノロジーの中で大変活躍をしている。話が難しくなってしまうので、よりわかりやすく理解していただくために、視点を変えてご紹介をしたい。

この後、「ナノアートギャラリー」と名づけられた、ICや微生物、微粒子などを電子顕微鏡で撮影し、花やUFO、景色などに見立てて撮った写真の数々がスクリーンに投影された。数ミクロンほどの大きさのものの一瞬をとらえた映像と、コンピュータで画像処理された鮮やかな色彩に、魅入ったひと時であった。

[記者の一言]
質疑応答では、こんなことができる顕微鏡を作ったらどうか?というアイデアから、ライバルは?今後の展開は?といった質問まで次々飛び出し、電子顕微鏡の可能性から夢がふくらむ、大いに盛り上がった懇談会であった。


14年11月度産業懇談会(水曜第1G)模様

開催日が11月27日ですので次回の号にて掲載いたします。


14年11月度産業懇談会(水曜第2G)模様

1.日 時:11月13日(水) 12時30分〜14時
2.場 所:名古屋観光ホテル18階 御嶽の間
3.テーマ・スピーカー
「未病予防について」 株式会社モリシマ 取締役社長 深田正雄氏
バイタルチェック検診:「血液は語る!〜バイタルチェックで見ればわかる貴方の健康」
     株式会社モリシマ 企画営業部 課長 藤井和正氏(LBA公認オペレーター)
4.参加者:17名

◇ スピーチ内容

ミニセミナー
「未病予防について」 深田正雄氏

1.はじめに〜なぜ血液分析を始めたのか
異業種交流会で、健康に良いマットを勧められて購入したところ、腰痛、便秘などの体調改善に著しい効果があり、家族全員で愛用し始めた。

そして3年前、血液を顕微鏡で見て健康分析を行うバイタルチェックを紹介された。血液の状態を見ると栄養やホルモンバランスなどいろいろなことがわかるのだという。実際に仲間と一緒に検診を受けたが、比較的、血液はサラサラであった。実は我々は先に紹介したマットを愛用していたことが要因であったと思われた。マットを使っていない友人が検査をすると、いわゆるドロドロ血であったのだ。ところが、その友人もマットを20分ぐらい羽織って、その後血流を見たところ、なんとサラサラになっていた。これは本当だろうか、というところから、私とバイタルチェックの関係は始まった。

2.未病予防について
我々は「未病予防」するためには自然治癒力をUPさせることが大切であると考える。健康の5原則は「1.十分な睡眠 2.適度な運動 3.気力の充実 4.正しい情報 5.栄養バランス」。これらのバランスがとれていると、自然治癒力はUPする。どんなに良い栄養や食物をとっても、自然治癒力が十分でなければ吸収されない。そのためには、赤血球をサラサラにすることである。赤血球は血液の主要部分を占めており、栄養を運んで老廃物をとり、酸素を運んで二酸化炭素をとる、という役割をしている。その赤血球が重なったり、ドロドロしていると、働きは減少してしまう。

秋田県に、玉川温泉という、石の上に寝ると自然治癒力がUPして難病を克服する「岩盤浴」で有名な温泉がある。そこでは、山の中のエネルギーが血液と共鳴して揮い、重なっている赤血球がバラバラになって血流がよくなるのだと言う。そこで、玉川温泉の近くで同じような岩石を採集して、それをパウダーにし、ウールの鱗にパウダーが巻きついたものを糸にして、服地を織ることにした。現在、モリシマでは血流を良くするためのスーツ、マット、毛布などを販売している。本日のオペレーターである藤井氏は、そういうものをせっかく売るなら、もっと勉強して血液検査技術を習得したいと、ゼロからのスタートではあったが、一生懸命勉強をしてオペレーターの資格を取得した。

バイタルチェック検診
「血液は語る!〜バイタルチェックで見ればわかる貴方の健康」 藤井和正氏

1. バイタルチェックについて
今年の10月、内閣府認定のNPO法人となった全国健康産業団体連合会(全健連)が、未病予防をバックアップしていく活動の中で、48名の公認オペレーターを認定。私はその1人である。サラサラ血、ドロドロ血は今、テレビなどで話題になっており、タイミングもよく、時流にのって活動をしている。

血液チェックをして主に見られるのは赤血球。本来は1つ1つバラバラなものが、くっついていたり、重なり合ったりしている状態が俗に言う、ドロドロ血である。また、普段は丸いが、栄養のバランスや外的な要因により、丸くなくなる場合がある。血液の成分としては、赤血球、白血球、血小板が主なものである。それ以外に、異物やカビ、バクテリアなどが見られる場合もある。

バイタルチェックは、実際に映像として自分の血液を見ることにより、より強く改善の気持ちを持ってもらえるものであると思う。今の自分の健康状況を知ってもらい、主に食生活など今後の生活習慣をどう改善していくのかアドバイスをしていきたい。

2.バイタルチェック

◇モデル1
赤血球の重なりがあり、ややドロつき気味の血液。重なりの原因は、栄養分(主にたんぱく質)の過多。たんぱく質が多いと、赤血球は粘りやすくなり、周りとくっつきやすくなる。予防としては、水分補給をすることである。

また、血液中に尿酸血漿が見られる。プリン体の摂取量が多く、分解から排泄までがバランスよくいかないと、尿酸という副産物が体内に残される。尿酸がたまると、痛風などの原因になる。できてしまった尿酸結晶は、水分に溶かして尿として排泄するしかないため、水分補給を増やした方がよい。野菜を食べることも大変よい。

◇モデル2
バクテリアによって欠けたり、活性酸素の影響を受けて形状の変わった赤血球がある。バクテリアは、野菜や刺身などに多く含まれ、血中の栄養分が過多であると、バクテリアが成長しやすくなる。また、活性酸素は煙草や過度な運動、ストレスなどが原因。抗酸化作用があると言われる緑黄色野菜を食べるとよい。また、プラークという油の塊が見られる場合は、血液の壁にどんどん付着していくと、動脈硬化の原因になったりする。余った栄養分は血管の壁に付着し、血液の流れによって剥がれ落ち、毛細血管の方まで出てくるので、脂肪分が余って分解されずに血中で浮遊しているというサイン。水の補給を心がけるとよい。

なお、11月30日(土)、12月2日(月)はa.m.10:00〜p.m.5:00まで(株)モリシマの4階会議室にて無料でバイタルチェックが開催される。興味のある方は、(株)モリシマのご担当者/荻野三郎、早川太海男または深田正雄(Tel: 052− 241− 9111)までご予約いただきたい。詳しくはモリシマ ホームページURL:http://mrsh.co.jp/を御参照ください。

[記者の一言]
深田氏、藤井氏からは、実際にバイタルチェックを行いながら、大変興味深い話を伺うことができた。健康への関心は高く、熱心に聞き入った。


14年11月度産業懇談会(木曜G)模様

1.日 時:11月7日(木) 12時30分〜14時
2.場 所:名古屋観光ホテル18階 御嶽の間
3.テーマ:「よく噛むことは癌予防とボケ防止」・「審美歯科」
4.スピーカー:池田篤子氏(池田歯科 院長)
5.参加者:16名

◇スピーチ内容

1.はじめに
20代の終わりに開業し、早いもので今年の7月で丸30年を経た。その間、平成元年から3年間、県民の皆様に歯がいかに大切かを知っていただくために、愛知県歯科医師会の対外PR委員で活躍。その経験上、皆様にお話できる機会を得たことは大変光栄に思っている。

2.「よく噛むことは癌予防とボケ防止」について
よく噛むと唾液がたくさん分泌され、唾液の中のペルオキシダーゼという酵素が体内の発癌物質を消毒する役割を果たす。加齢とともに発癌物質の防御力が弱まってくるので、若い人よりも意識的に時間をかけてゆっくり噛んで、ペルオキシダーゼをたくさん分泌し、発癌物質を抑えることである。

また、よく噛むことはボケ防止にもつながっている。噛むと、噛んだ感覚が脳に伝わり、脳から遠心性の咀嚼運動を起こす。よって、よく噛めば脳を刺激し、中枢処理機能が良くなり、ボケを防ぐと言われている。噛むと脳の血流量が増えることも分かってきた。健康なお年寄りは、歯が平均8.8本あり、入れ歯も十分に使えれば、噛む力は最大8Kgあると言う。ところが、痴呆症予備軍になると、平均3.6本となり、噛む力も半分の4Kgになる。痴呆症になると、もっと下がっていく。理想は30回噛むこと。普通、10回ほどで飲み込んでいるようなので30回というのも無理な話ではあるが、いつもより少し多めに噛んでみようという気持ちになっていただければと思う。

3.「審美歯科」について
歯の色のみならず、形などを自然な外観に、バランスよく回復するものである。専門用語では、メタルボンドやラミネートベニヤと言う。また、最近では歯の漂白も行われるようになっている。日本人の86%は、笑った時に自分の歯に自信がないと言われているので、これから重要視される分野であると思う。

4.歯のブリーチング(漂白)について
漂白は、歯を削らずに色を改善できるのが大きなメリットだが、稀には漂白前の色に徐々に戻ってしまうという現象もあり、効果は非常に個人差がある。当院では、治療をしながら徹底的にブラッシング指導をやっていくので、ブラッシングで満足され、ブリーチングは行っていない。ブリーチングをした後は、主治医の指示に従って、定期的に検査を受けて戴きたい。

5.歯周病について
年をとるにつれて歯周病で歯を失う方が非常に多い。歯周病は、患っていても自覚している方は少ないため、虫歯などの治療に来院し、歯周病を指摘されるというケースが多い。

歯周病の症状は、歯と歯の間に物がはさまる、口臭がある、かゆみを感じる、歯肉がネバネバする、水やお湯がしみる、歯肉の腫れ、赤みが出る、などである。

歯周病の原因としては、まずは食生活。昔は堅いものをよく食べたが、現在では、やわらかいものや糖分が多いものを食べることが多くなり、プラーク(歯垢)がはびこる原因であると言われている。また、煙草は口の中をきれいにする機能が失われるため、やはり歯周病になりやすい。糖尿病とも非常に関係があることがわかっている。

歯周病の予防には、プラークを取り除くために、きちんとブラッシングをすることが一番効果的である。以前はローリング法で歯を磨くことを指導されたが、今はスクラッビング法といい、小刻みに歯にブラシをあてて歯垢をとる方法が主流である。歯ブラシは、先が開いてきたものは使わず、こまめに取り替える方がよい。

私の好きな言葉に「歯は口を変え、口は顔を変え、顔は表情をつくり、表情は人生をつくる」というものがある。歯科医師会と厚生労働省で、80歳で20本の歯を残そうという8020運動を推進しているが、皆さんもホームドクターを持ち、定期的に歯科医に通うなどして、ぜひとも歯を大切にしていただきたいと思う。

[記者の一言]
池田氏からは、スライドにより具体的な症例をお示しいただくなど、わかりやすいご説明をいただいた。質疑応答では、どんな歯ブラシを使えばよいのか、普段のちょっとした症状について、など質問が次々に飛び出し、大いに盛り上がった懇談会であった。


12月度産業懇談会開催日程
グループ名 世話人 開催日時 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
12月10日(火)
18:00-20:00
料亭 蔦茂 TEL.052-241-3666
名古屋市中区栄3-9-27
水曜第1グループ 村博三
岩部一好
落合 肇
12月18日(水)
18:00-20:00
木曽路 瓦町店 TEL.052-261-7469
名古屋市中区新栄1-27-17
水曜第2グループ 片桐清志
谷田利景
12月11日(水)
18:00-20:00
トライアングルブルー TEL.052-932-3353
名古屋市東区葵2-9-30
木曜グループ 河村嘉男
山本美知子
12月12日(木)
18:00-20:00
札幌かに本家 栄中央店 TEL.052-263-1161
名古屋市中区栄3-8-28

12月度会員懇談会および年末懇親会
1.日 時 12月19日(木) 17:00-20:00
   <講  演  会> 17:00-18:30
   <年末懇親会> 18:30-20:00
2.場 所 ウェスティンナゴヤキャッスル TEL.052-521-2121
   <講  演  会> 2階 金の間
   <年末懇親会> 2階 銀の間
3.講 師 東海大学総合医学研究所長 東京大学名誉教授 黒川 清 氏
4.演 題 「21世紀の医療制度、医学教育への提言」
5.会 費 10,000円(年末懇親会費用) 当日、受付にて頂戴いたします。

産業懇談会「代表幹事のご講話」並びに「新年合同懇親会」のご案内
1.日 時 平成15年1月20日(月) 17:30-20:00
   <講演会> 17:30-18:30 磯部代表幹事のご講話
   <懇親会> 18:30-20:00
2.場 所 ウェスティンナゴヤキャッスル TEL.052-521-2121
   <講演会> 2階 銀の間
   <懇親会> 2階 金の間
3.会 費 5,000円(懇親会費用) 当日、受付にて頂戴いたします。

【お知らせ】
産業懇談会メールマガジン配信について

メールマガジンの配信は無料ですのでが、配信をご希望でない方はお手数でも下記ボタンを押して、メールをご返信いただければ幸いです。ご意見などございましたら、そのメールにお書き下さい。

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メールマガジン名称公募のお知らせ

当メールマガジンは、当初水曜第2グループで試験的に始まりましたので、仮称として「SUISUI」(すいすい)でスタートしました。先月号から各グループの参加が頂けるようになりましたのでこれを機に全懇談会の会員の方から正式な名称を公募いたします。永く親しまれる名前を是非ご提案下さい。
下記をクリックして送付して下さい。ご意見なども賜れば幸いです。

名称応募
【コラム】

〔苗字アラカルト〕 No.6

片桐 清志

『一番人気の数は?』

 このたび九鬼さんが産業懇談会に入会された。女性会員の増加を歓迎したい。そこで今回は数字と苗字の関係にスポットをあててみた。同友会名簿(14年度版)で見ると九鬼さんのほかに数字が入っている苗字では三浦さん、三井さん、三林さん、三宅さん、三ん、七原さん、八神さん、八代さん、萬さんがいらっしゃいます。

この他にも数字が入った苗字はたくさんあります。整数の中で一番小さい「一」さんから大きい数では「億」さん、「兆」さん、「京」さんも全国にはお見えになります。

最も種類が多いのは同友会名簿からもお分かりのとおり「三」です。「三」さんという方もおられます。「さん」さんとお読みすればいいようですが、アクセントに気をつけてあげましょう。ちょっと珍しい苗字では「三位」(さんい、さんみ、みつい、みい)さん。トップでも「三位」ですからちょっとややこしいですね。

二番人気は末広がりの「八」です。こちらも「八」さんは本当にいらっしゃいます。「わかつ」とお読みするそうです。ついでに紹介すると「八月一日」さん、「八月十五日」さん、「八月三十一日」さんという方もおられます。どうぞ読み方を研究してみてください。



編集後記

 今年は紅葉が美しい。11月初旬に急に冷え込んだためだろう。休日の散歩がてらに最近購入したデジカメを片手に何枚か写してみた。コストを気にしなくて気楽にシャッターを押せるのがデジカメの良さだ。中でもお気に入りは出張の際に写した東京駅丸の内前のイチョウ並木だ。

 中間決算の発表も峠を越し、いよいよ街は歳末商戦だ。こちらはそろそろ冷え込み返上を期待したい。今年もセントラルタワーのイルミネーションの点灯が始まった。今年目立つのはカメラ付ケータイで写真を撮っている光景だ。従来どおりのカメラ族も居たが、むしろ少数派だ。ケータイの持つ将来性とパワーを再認識した。若者の楽しみ方はどんどん変化している。

 社会の大きな変化の中で、当産業懇談会がタイムリーな研究課題の活発な討論の場となることを願っている。今月は身近な健康関係(歯と血)とナノテクの話題を提供していただいた。最近は新入会員の増加も続いている。新入会員には特に新鮮な風を呼び込んでいただきたい。本メルマガがそのきっかけになれば幸いである(片桐)