第5号 2002.10.30発行 【巻頭特別寄稿】
日本車両製造株式会社 昭和39年10月1日に開業した東海道新幹線0系の製作工程を記録したフイルムが、38年ぶりによみがえった。そのフイルムは当時、記録用に撮影されたが、一度も公開されることも無く、当社総務部の倉庫に保管されていた。 16ミリのカラーフフイルムで、36分もの。当社の先輩が、日本大学芸術学部に製造記録として依頼し、日大学生が中心となり、当社の蕨工場(埼玉県蕨市にあり、71年に閉鎖・今は豊川製作所に鉄道車輛製造は集約)の現場に入り丹念に撮影したものと判った。 あまり保存状態が良くなかったので,日大に相談に行ったところ,当時撮影した学生はそれぞれ要職についており、なつかしがり、その復元には大変協力的であった。 「職人芸の映像38年ぶり復元」という見出しで、中日新聞10月1日夕刊一面で紹介された。 このたび当社豊川製作所などの紹介を含めて、「夢の超特急」というタイトルでビデオとDVDを当社で売り出した。大変好評です。 鉄道車輛は鋼体も大きく、自動車などに比べ、同種車輛数としてはまとまらず、多種少量個別受注生産での生産体制であり、現在でも手造りの域を脱していない。 新幹線最新型700系電車(先頭部が鴨の嘴のよう)の先頭部も、アルミ50センチほどの切り板の曲げ加工したものを126枚溶接して仕上げていきます。溶接のベテランでなければ任せられません。電線も2万5千ボルトの電気をパンタグラフから受け、各種回線やら信号系統まで配線されるわけですが、よく間違えないで結線されるものだと,現場に立つと、感心してしまいます。電車1両分の電線を1本の延べ長さにすると13キロメートルぐらいになるとのことです。 ただ工場見学などでは子供さん達は、間違い無くよろこぶことは確かです。地域社会への貢献も考え,1年に1回工場公開をすることにしていますが、大変な人出とあって,工場関係者は苦労しています。 今年は11月16日(土)を予定しています。 【近況速報】
新社名は、(株)アイチテクノ です。業務内容は全く一緒です。 14年10月度産業懇談会(火曜G)模様 1.日 時:10月8日(火) 12時30分〜14時 1.はじめに 従業員数は426名(海外含み500名強)。売上は平成13年が355億、連結が約400億。バブル時は、連結で約460億あったが、「選択と集中」で、儲からない事業、将来やって収益の出ない事業については92年に全部やめた。生き残りのために何が必要か、明治電機が存在価値のある会社かを常々問い直している。自ら商社不要論を唱えながら、会社のあるべき姿というものを常に見つめていくという経営スタンスでやっている。 当社の拠点は、国内11、海外6、アメリカ5、イギリス1。好きなことには目標や夢をつくれるし我慢ができるが、嫌いなことは我慢もできない。だから、自分の嫌いなことに手を出してはいけないと常々思っている。 事業は、工場のファクトリーオートメーション(以下、FA)の仕事を主体。商社ではあるが、セールスエンジニアと技術屋約180名、顧客営業約180名。この業界でもSEが180名もいる会社は少ないと思うが、技術提案ができ、お客様のソリューションを解決していかなければ製造業を支えていくことはできないと思っている。製造業の原価構成の中における機械設備の減価償却は1番大きな課題でもあり、ここを支えていく事業である以上、これは使命でもあると考え、今後もエンジニアリング部隊の充実を図っていきたいと思っている。 今までの日本の海外進出は、輸出産業としてコストを守るため、あるいは消費地生産や最適地生産という考え方があった。これからは、消費地でモノをつくることが課題になっており、それが現在の日本の製造業が空洞化していく背景ではないか。ただ、日本の生産技術は各社ごとに独特な生産管理の方法をとっており、そのノウハウを移転することは難しいのではないかというのが実感でもある。アメリカで生産技術のモノづくりをしようとすると、言葉の壁、文化の違いが大変大きい。日本であれば技術だけで先行していけるが、海外では技術×コミュニケーションということになる。しかし、コアマシンは日本から持ち込むということはこれからも基本的には変わらないであろうから、海外でのモノづくりを勉強して、日本で打ち合わせをするビジネスの形になってくるだろう。それができない会社は生き残っていけなくなるだろう。お客様も我々が育つのを待っていてくれる時代ではない。ハイスピードで解決するとなると、供給する側の我々は、グローバルな事情を理解していかないと明日はつぶれる会社になってしまう。 日本のモノづくりを支えてきた生産技術は今でも世界ダントツである。製造業を支える我々はもっと自信をもって、培った技術を改革し、お客様に提供することが使命だと再確認して、もう一度挑戦する必要があるのではないかということを肝に銘じながら経営をしている今日である。 14年10月度産業懇談会(水曜第1G)模様 1.日 時:10月9日(水) 17時30分〜20時30分 今回は、笠寺にある「湯〜とぴあ宝」にお邪魔した。当日、会員さんがネクタイに背広姿で「健康ランド」を歩かれる様子に、少しばかり可笑しさを覚えつつお出迎え。ご用意いただいた2Fの会議室にて、宝交通?の森会長より「タクシー業界あれこれ」と題してスピーチを頂戴した。 1. はじめに 2. 50年ぶりの道路運送法改正 平成12年には、すでにトラックが自由化を実施し、多重運賃となって値崩れを起こしている。このデフレの時代にタクシー運賃は高すぎるので、競争させて運賃を下げようということだが、タクシーは2種免許が要るなどコストがかかる。 これまでも、合理化策として車庫営業から無線営業、ガソリンからLPガス車、ジーゼル車、タクシー専用車種の開発、協同組合協業化(チケット、燃料購入、共済保険、金融など)等実施してきた。ところが、マイカーの普及、バス、地下鉄の整備によるタクシーの営業形態が変化により、昭和45年をピークに需要が減少し続けており、経営的にはなかなか苦しい中、自由化により一段と厳しさが増す。 3. 規制緩和の影響 4. 許認可事業に変化なし 運転代行は、地方の公共交通機関の整備されていない地方で、飲酒後の通勤等で流行したが、この6月1日の道交法改正を機に国土交通、警察共管で許可事業として法制化された。と同時に、二種免許も必要となり、試験も救急措置などで難しくなった。(タクシーも同じ) 地方分権の必要性が叫ばれているが、タクシー関係は地域密着でなく、完全に本省主導。相も変わらず縦割り行政の弊害と杓子定規の判断には苦労している。規制緩和が本当に効果のあるものになっているのか甚だ疑問だ。 5. 乗務員の確保の難しさ 不況により収入も減っており、バスの乗務員の年収の半分程度の人も多い。年齢的にも高齢化してきており、年金をもらっている人も増えている。 このように、労働条件が厳しいため、3ヶ月もたない人も多く、長期の乗務員確保には難しいものがある。 6. タクシーは景気のバロメーター そんなことからであろうか、タクシーは景気のバロメーターと言われ、景気ウオッチャーに指名を受けている。事実、8月・9月の実車率は前年比を上回っていたが、10月にパタッと止まった。そしたら株価は9000円割れ。株・為替の動きが不思議に連動(昔は、芸者の数。今は、実車率)することが多い。 7. 最後に〜気持ちよくタクシーをご利用いただくために〜 次に、近距離の場合は先に現金を渡すこと。できれば千円札一枚で。時に施し(の気持ち)をよろしく。また、流しのタクシーを拾っていただくのもいい。 そして、乗務員が最も嫌う言葉は、「運ちゃん」。「運ちゃん、○○まで」というのは大嫌い、時に拒否反応すら起こす人がいる。酔っ払って寝てしまう客も嫌われる。 森会長どうもありがとうございました! 14年10月度産業懇談会(水曜第2G)模様 1.日 時:10月9日(水) 12時30分〜14時
2.ディジタルエコノミーの進展 日本はどうか。IMDのデータによれば、日本の総合順位の推移は1993年まではNO.1。ところが2002年の発表では、30位にまでなってしまった。シンガポール、香港、台湾、マレーシア、韓国などには追い抜かれ、中国もすぐ後ろまで追いついている。インターネット人口は、平成13年12月で5593万人。人口普及率44%。人口普及率データとしては、日本は世界で16位。NO.1はスウェーデン。アジアでは、香港、台湾、シンガポール、韓国に抜かれている。 もっとも、ブロードバンドについては、8月末のデータで加入者数は577万3千人。今でも毎月約30万から40万づつ増えており、どういうビジネスモデルで投資していくかというところが知恵の使いどころだと思う。 3.コンピュータ・チップの進化
4.IT施設における電源システム また、ディジタルエコノミー社会では、電源の信頼度を十分確保しないと怖いことになると同時に、経済的にも大変である。アメリカでは、コンピュータを動かすための電源の信頼性は、稼働率(電力を供給しつづけることができる確率)で、「9が10個並ぶ信頼性が必要だ」と言われている。また、アメリカの公式研究機関が発表したデータによれば、停電により受ける年間経済損失は1,040〜1,640億ドル、つまり約10兆〜20兆の経済的な損失があるとのことである。それだけ電源の信頼性の確保が必要なのである。 5.交流(AC)から直流(DC)へ 従って、コンピュータと通信システムの電源を直流に統一していく方が、トータルのエネルギー利用効率や信頼性の向上が期待できるので、「直流電源の方がよいと」呼びかけている。 また、これからのエネルギーの供給源として注目されている燃料電池や太陽電池も直流であるし、電力貯蔵も直流である。こうした機器と「直流を電源とするコンピュータ」との組合せというのもこれからの面白いテーマであると思われ、効率的なエネルギー使用のシステムが実現できるのではないかと考えている。 6.エジソンよ、蘇れ!
[記者の一言] 14年10月度産業懇談会(木曜G)模様 1.日 時:10月10日(木) 12時30分〜14時 ◇スピーチ内容 1.はじめに 2.健康について マクガバンレポートには2つの結論がある。1つは、癌や心臓病など、アメリカの6大死因の病気は現代の間違った食生活が原因となって起こる食源病であり、食生活を改める以外に先進国民が健康になる方法はないということ。もう1つは、現代の医学は薬や手術に偏りすぎており、そのことに問題があるということ。 現代の食生活による欠陥とは何か。まず、動物食品や脂肪、砂糖の過剰、食物繊維の不足。そして、ビタミンやミネラルの不足やアンバランス。つまり、かつての日本人の食生活が1番よいということだ。いろいろ調べた結果、マクガバンレポートよりもっと進んだ提案を日本人の智恵・伝統は教えている。日本の食には「1.危険なものは口にしない 2.腹八分目 3.旬のものを食べる 4.地場で獲れたものを食べる 5.五穀豊穣」という5原則があった。足りないものはいろんな形で補われる。そういう意味で、この5原則は大切なことを教えている。 日本人の伝統的な智恵で私が注目しているのは、手間ひまをかける重要性など心を注視する考え方である。おふくろの味と言われるが、子どもが健康に育つようにと母親が心をこめて料理することからそう言うのであろう。また、食事をするときの「いただきます」には、作物なり動物の命をいただく、そして自分の命を生かさせていただくという意味があると言う。ものと心を踏まえて、それぞれの相乗効果で智恵をつけるという日本人独特の考えである。こういう考えで問題がすべて解決するとは思わないが、もう一度思い起こす必要があるのではないか。 2.環境問題について 作り過ぎが問題であり、その後始末をやってこなかった。21世紀の環境問題の課題は、20世紀における過剰生産の負の遺産を清算することである。 農業にはいろいろな農法があるが、最近では光触媒や光合成の菌、いわゆる微生物の力を借りて浄化をするということがある。クロレラと同じ種類の植物、藍藻は地球の創世記からあるもので、農地の浄化にどれだけ働くかとか、それによって食べ物のおいしさがどれぐらい変わってくるかなどの実験がなされている。私は、藍藻の力を借りれば少なくとも環境問題はある程度の解決ができるのではないかと期待している。 人間には自己治癒力がある。医学によれば、もともと持っている自己治癒力が、不自然なものをとることによってどんどん弱まっているらしい。だから、できるだけ自然なものをとって自己治癒力をあげなければならない。ところが最近の売られているものには、表示の偽りなど問題が多く、疑心暗鬼の状態になっている。そこで私も、自分の食べるものは自分で作るしかないと決心し、この4月から週に1回、下山村の特農家に丁稚奉公に行っている。いろいろな体験を通して、農業の大変さを痛感しているところである。1番やってよかったと思うのは、本当の空腹を知ったこと。本当に空腹になると、自分にとって今1番必要なものが何かわかるものである。近頃は何かにつけ便利な世の中だが、便利さばかりに向かうのはいかがなものかという気がする。 3.日本の心、日本の智恵について 私どもは忘れてしまっている「日本の心」を外国人は非常に評価している。日本人はもっと自信と誇りを持つべきだ。ディズニーはもっとも日本人を評価している1人である。江戸時代の人と人との関わり合いをもとにマニュアルをつくり、日本人はそのマニュアルをTDLで使った。TDLではそのマニュアルをどんどん改版し、それがパリのディズニーランドで使われている。 もう一つ、日本の智恵を使って成功しているものに、赤福がある。赤福では、台北に「タウタウ」という中華料理の店を出した。台北という中華料理の本場で、日本から行った「タウタウ」がなぜ1番になることができたのか。それは日本の智恵、サービスを活かした店づくりであった。 [記者の一言] 11月度産業懇談会開催日程<場所はナゴヤ観光ホテルです>
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〔苗字アラカルト〕 No.5
片桐 清志 『同友会の最大勢力は?』 先日、中部経済同友会の名簿が送られてきた。新しい名簿を手にすると自称苗字研究家の血が騒ぐ。早速、苗字のランキングを調べてみた。当会のトップ勢力は「鈴木」さんで23名とダントツの1位。2位は「加藤」さんの14名。3位は「伊藤」さんで13名。「小林」さんと「吉田」さんの9名、「山田」さん「山本」さんの8名、「佐藤」さん「渡辺(渡邊を含む)」さんの7名が後に続く。 ところで日本一の苗字はどれか?簡単なようで実は厄介な問題だ。厳密言えば正解はまだ判っていない。国勢調査結果を分析すれば正確にわかるはずだが国はそんなことは発表してくれない。したがって苗字研究家の格好のテーマとなり、いろんなサンプル調査結果が報告されている。 一般に知られている最初の全国ランキングは通称「佐久間ランキング(1964年)」で、鈴木、佐藤、田中、山本、渡辺の順となっている。その後コンピュータが漢字を扱うようになって生命保険の契約書等をもとにデータ分析が進むようになった。代表的なのは日本ユニバック(現在の日本ユニシス)の調査結果で260万余のサンプルを分析している。それによると佐藤、鈴木、高橋,伊藤、渡辺の順という結果が報告されている。最近ではインターネット時代を反映してホームページにも苗字ランキングがある。その一例「苗字館」では佐藤、鈴木、高橋、田中、渡辺の順になっている。 因みに愛知県に限ってみると、佐久間ランキングでは伊藤、加藤、山田、水野、渡辺の順で、「苗字館」では鈴木、加藤、伊藤、山田、山本の順だった。 新会員自己紹介(平成14年10月入会)
編集後記 いよいよ当メルマガにも巻頭言が登場した。清水靖夫特別幹事(日本車両・会長)から新幹線車両製造のエピソードを投稿いただいた。世界に誇る日本の技術とそれを支える職人芸を紹介いただいた。今後も同友会会員各氏に巻頭言をお願いする予定だ。読者諸氏もご協力願いたい。 水曜第一グループの遠山会員からは掲示板に社名変更(新社名:アイチテクノ)の原稿をいただいたので当メルマガにも掲載させていただいた。今後も会員の近況報告にご活用いただきたい。 10月17日に高松で開催された第60回西日本経済同友会大会に参加した。宇高連絡船時代の高松とは大きく変貌した駅周辺の風景に目を見張った。「新世紀・経済社会の新たな構築」〜国・地域・企業に求められる統治能力の確立〜と題して熱い討論が繰り広げられた。その後の懇親会では海の幸と讃岐うどんに舌鼓を打つと共にあんこ餅の雑煮の珍味も味わってきた。高松の皆さんの心こもったおもてなしに感謝感激。次回の米子(鳥取県)も是非参加したい。(片桐) |