第13号 2003.6.30発行



 メールマガジン ■産懇宅配便■

平成15年6月度(第13号) 目次
【産業懇談会(火曜G)】  6月17日(火)12:00-14:00
揖斐川工業(株) 取締役社長 井上豊秋氏
  「わが社の農業ビジネス」
【産業懇談会(水曜第2G)】  6月4日(水)12:00-14:00
科学技術振興事業団 技術参事
ロボカップ国際委員会チーフビジネスオフィサー石黒 周氏
  「先端研究からの新事業インキュベーション−ロボカップとロボットテクノロジービジネス−」
【新会員自己紹介】

岡田 勲氏 (御幸ホールディングス株式会社 取締役社長)

【7月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【コラム】〔苗字随想〕No.13

【15年6月度産業懇談会(火曜G)模様】

 テーマ:「わが社の農業ビジネス」 

日 時:6月17日(火) 12時30分〜14時
場 所:名古屋観光ホテル 3階 楠の間
参加者:25名
スピーカー:
揖斐川工業(株) 取締役社長

井上 豊秋氏

 http://www.ibiko.co.jp/

 1.なぜ農業か

当社は、砂利、砕石などの骨材やコンクリート製品、建設資材販売、土木建築工事などを主に手がけてきたが、砂利製造時に廃棄物として出る膨大な量の粘土を有効活用するため、肥料などを加えた水稲用育苗培養土生産を始めた。1976年に岐阜県池田町に工場を新設、農材部門として事業化した。その後、園芸用培養土の製造・販売、バイオテクノロジーによる新種開発などに乗り出した。また、オランダHAWE社と提携し栽培システム設計や技術サポートにも取り組むほか、園芸店舗「アザミュー」を出店、市場調査を兼ねた小売業進出も果たし、今日に至っている。


 2.事業内容

■培土 厳しい品質管理のもと、水稲用育苗培養土・園芸用培養土を生産、通気・透水・保水性に優れており、大変な好評をいただいている。
■プラグ苗 園芸農家向けに、プラグ苗、接木苗、挿し木苗などの種苗生産を行う。
プラグ苗は、プラグトレーに種子を機械播種し、ステージごとに植物に最適な温度・日照・湿度などをコントロールし、システム管理された植物工場で生育、出荷している。人手作業の軽減、仕上げ期間の短縮などメリットが大きい。
■温室 栽培ベンチをレールの上に乗せて自由に移動させる「ムービングベンチシステム」や簡易冷房の「クールセルシステム」など、栽培ノウハウと一体になったトータルシステムの提案で、温室作業の軽減や省力化、大量生産を可能にしている。
■バイオ バイオテクノロジーを利用しトマトやパプリカなど新品種の育成・研究を行っている。



 3.今後の課題

 農業ビジネスは、草花の生育の時期が限定されるため繁閑の差が大きく、また昼夜土日を問わない作業が必要なことから、企業にとっては困難な事業である。また、市場で売れなければ生産農家からの滞留金が増える、農業規制が大きいなど問題も多い。
 最終的には「外部環境に影響されることなく、高品質な植物を効率的、経済的に生産する」ことをお客様に提供する「植物栽培システム」の構築を目指し、今後の日本農業に貢献したい。

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【15年6月度産業懇談会(水曜第2G)模様】

 テーマ:
「先端研究からの新事業インキュベーション
−ロボカップとロボットテクノロジービジネス−」


日 時:6月4日(火) 12時30分〜14時
場 所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:16名
スピーカー:
科学技術振興事業団技術参事
ロボカップ国際委員会
チーフビジネスオフィサー

石黒 周氏

 http://www.robocup.org/



 1.ロボットテクノロジービジネスについて

(1)21世紀型ロボット

鉄腕アトム、アシモという従来型のイメージではなく、人間と共生・協働に必要とされるテクノロジー産物の総称として捉えるべきであり、人間共生型(産業用ロボット)・キャラクターとエンターテイメント・知覚−思考−運動型−を備えたロボットの開発こそ、新しいビジネスの領域となろう。
芸術分野からセキュリティー、医療分野に発展することは確実であり、2010年には3兆円市場と言われるが、それをはるかに超えた市場になり得る。

(2)企業として本格化するロボット産業への対応

ロボットビジネスについては、次の特質を認識すべきである。

  • 教育−研究−産業が同時並行的に進行→研究の国際的ネットワーク
  • 広範なテクノロジーの融合体→ホンダ、ソニーなどの例
  • 地域振興の核→すそ野の広い産業であり、自治体としてとりあげやすい
  • 人間との関わりが深い→人間によるサービスからテクノロジーへの転換 などなどである。

こうした特質を十分認識したうえで、サービス機能の置換をいかに行うか?そのためには、1企業、1個人の能力には限界があるので、いかにネットワークアライアンスを構築するかがキーワードとなる。




 2.ロボカップについて

2050年までに、人間のサッカー世界チャンピオンチームに勝てる、完全自律型ヒューマノイド・ロボットを作ることを最終目標としている。
このためには、未確認情報の予知など様々な人工知能の集積を必要としており、世界中の研究者35カ国、4,000人以上が参加している。
2050年までの開発を目指しているが、各種広範なテクノロジーへの活用が大いに期待される。


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【新会員自己紹介】

岡田 勲
 (おかだ いさお)

御幸ホールディングス株式会社 取締役社長

【御幸ホールディングス株式会社】 
名古屋市西区市場木町390番地
TEL(052)509−1600
FAX(052)509−1617
http://www.miyuki-hd.co.jp/

この度産業懇談会木曜グル−プに参加させていただくことになりました。 
よろしくお願いいたします。

 弊社は明治38年創業の高級毛織物、毛製品などのメ−カ−ですが、この4月1日に不動産事業を兼営する持ち株会社を中核とするグル−プ経営に切り替えました。持ち株会社御幸ホ−ルディングス(株)が経営する不動産事業のほか、傘下には、伝統的な毛織物、毛製品などを製造する御幸毛織(株)、アサメリ−などの高級肌着を製造・販売するアングル・ミユキ(株)、小売・卸部門を担当する(株)ミユキライフ、それに人工腎臓透析駆動装置などメカトロ製品を開発・製造するミユキエレックス(株)など8社があります。傘下の専業各社は、規模は小さくともその分野において道を極めようということでやっております。

 さて、私は息子、娘がおりますが2人とも東京暮らしなので、今は家内と2人で自宅のある奈良と名古屋を行ったり来たりしております。
趣味は、下手なゴルフ、歴史探訪、クラシック音楽といったところです。
歴史については乱読ですが、歴史を踏まえると、人間とか時代の流れ、先人の知恵、文化などが良く解るということのほかに、旅行の楽しみが増えるということがあるように思います。 そのため外国へ留学するとかホ−ムステイをするような若い人には、その国の歴史を読んでいくことを薦めていますが、後で良かったと言われることがよくあります。
自宅のある奈良は専ら古代史の舞台ですが、名古屋近辺は何と言っても中世、近世の表舞台で改めて室町時代から戦国時代というのが面白くなってきました。そのため来名して10ヶ月足らずですが、名古屋は勿論、岐阜、岡崎、大垣、清洲、掛川、関ヶ原といったところを歩き回っております。
 どうかご厚誼のほどよろしくお願い申し上げます。

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【7月度産業懇談会開催日程】 場所は名古屋観光ホテルです

グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
7月8日(火)
12:00-14:00
鉄建建設(株)名古屋支店 執行役員支店長
村樫源太郎氏
「過去の震災に学ぶ」
18階
伊吹の間
水曜第1グループ 岩部一好
落合 肇
7月16日(水)
12:00-14:00
(株)アイチテクノ 代表取締役 遠山尭郎氏のご紹介
(株)リブネット 代表取締役 馬渕裕嘉志氏
「未来写真システム」
18階
伊吹の間
水曜第2グループ 片桐清志
谷田利景
7月9日(水)
12:00-14:00
東海インターネット(株) 代表取締役
横井亮一氏
「暮らしに役立つインターネット −インフラになったインターネット〜初級編〜」
18階
伊吹の間
木曜グループ 河村嘉男
山本美知子
7月3日(木)
12:00-14:00
(株)小島釉薬製造所 取締役社長 小島康敬氏のご紹介
落語家 三遊亭圓窓師匠
「落語の中の教育」
18階
伊吹の間

【お知らせ】

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【コラム】

〔苗字随想〕
 No.13

片桐 清志

『平成』さんはいるか

美濃加茂市にできた昭和村が盛況だそうだ。苗字と地名の結びつきが強いことは以前に実例をいくつか紹介した。では時代名との関係はどうなのだろう。例えば「平成」さんはいるのだろうか。平成の元号が決まった時、マスコミが一斉に平成さん捜しに走った。しかし、苗字としての平成さんはついに現れなかった。苗字でなく下の名前の平成(ひらなり)さんが見つかっただけだった。
では昭和はどうだろうか。こちらはちゃんといます。読み方もショウワです。ついでですが、ショウワと言う読み方では他に「尚和」、「正和」さんもいます。
さらに大正はどうでしょう。オオマサ、ダイショウとよむ大正さんはいますが、タイショウさんは残念ながらいません。
明治はどうか。メイジとお読みする明治さんもいますし、明字さん、明路さんもいます。もっとも、これにはちょっと訳がありそうです。現在の日本の姓は明治3年の太政官布告によって誕生した、いわゆる「明治の新姓」が大半です。この時、平民が苗字を許されました。そして、明治5年には「壬申戸籍」が作られました。130年前のこの時に手近な元号を拝借したり、ちょっとおそれ多いというので多少モジッたりしたのではないかと思われます。さすがに「迷字」さんはいません。念のため。

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【編集後記】

先週は多くの会社で株主総会が開催され、弊社も27日に開催した。その関係もあって今月は月末発行になってしまった。発行が遅れたことをお許し願いたい。
慌しさに紛れていたが、小泉内閣のメールマガジンが6月26日に100号を迎えた。これを記念して全国の読者の代表20人と総理との対談会を実施し、その概要を紹介している。応募者3000人から選ばれただけあって年齢も職業も多様で、市井の生の声を一国のリーダーに届ける好企画になっている。久しぶりに小泉節が随所に見られる。改めて「米百俵・小林虎三郎の思想」を思い起こし、当会の今年のテーマ「人をつくり、国をつくる」を重ね合わせた。やはり時代を変えて行く力の源はリーダーの「高き志」だろう。
早いもので産業懇談会のメールマガジンも満一歳を迎えた。この機会に名前も「SUISUI(仮称)」から「産懇宅配便」に衣替えし、多少スタイルも変更してみた。本誌が会員相互の交流に役立つことを願って、内容の充実と読み易さを研究して行きたい。ご意見御感想をお願いしたい。

(片桐)